第5話『甦る逆転』探偵パート1日目(その2)

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成歩堂 龍一…黒
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
宝月 茜…桃
宝月 巴…藤
巌徒 海慈…紫
罪門 恭介…紺
市ノ谷 響華…水
原灰 ススム…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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?: ‥‥ちょっと。
よろしかったかしら。
そこの、おふたかた。
茜: あ。あたしたちですか?
成: (なんだ? まさか‥‥)
茜: お、お弁当屋さん、かな。
‥‥殺人現場なのに。
?: はい。こちら、とりそぼろ弁当で
よろしかったかしら?
茜: あ、ど。どうもスミマセン‥‥
?: そちらの殿方も。
成: は、はい!
?: ノリ弁当でよろしかったかしら?
成: は、はあ‥‥
(ぼくももらっちゃったよ‥‥)
?: こちら、関係者以外は
立入禁止ですのよ。
‥‥特に、一般のカタは。
おわかりだったかしら‥‥?
茜: あ。でも、あなたも、その。
カンケイ者には見えませんけど。
?: ふう‥‥。これはまた、
ずいぶんなゴアイサツですわねえ。
この”ゲロまみれのおキョウ”も
今はムカシ。はかないユメ‥‥
成: げ、”げろまみれ”‥‥?
あ、あなたが?
茜: あ、あたし。おなかいっぱいだし、
やっぱり、このお弁当は‥‥
?: ワタクシ、この件には深い
ゆかりがございますのよ。
今も、目に焼きついていますの。
あのツヤっぽい、ヒメゴトが‥‥
茜: ‥‥ひめごと‥‥?
?: ‥‥やれやれ。
じれったいコムスメだねえ。
捜査官が刺された、
あの事件に決まってるだろうが。
成: え‥‥‥ええええッ!

巴: 『‥‥私、犯行の瞬間を
ハッキリ見られましたので。』

茜: じゃ、じゃあ‥‥お姉ちゃんが
言ってた”目撃者”って‥‥
成: あの! 詳しく聞かせてください、
ゲロまみれさん!
響: 市ノ谷 響華
(いちのたにきょうか)ですわ。
‥‥以後、お見知りおきを。
さもないと‥‥おキョウのカカトに
むせび泣くコトになるだろうさ。
成: は、ははは、はいッ!
(なんだ、このムチャな迫力は!)

(「事件について」を聞く)
響: ワタクシ‥‥知っていたような
気がしますの。
毎週、金曜日の日替わり弁当が
シャケであるように‥‥
きのうこそは、何が起こっても
おかしくない‥‥ウンメイの日。
成: ”ウンメイ”‥‥あの。
何かトクベツな日だったんですか?
響: ‥‥そちら、弁護士でしたわねぇ。
ならば、ご存じなのでは?
ここに巣食うツミ深い殿方たちの、
非道のかぎりをつくした悪行。
茜: あ、あくぎょう‥‥
響: ヒトに罪の汚名を着せるため、
手段を選ばない‥‥それが、検事。
きのうは‥‥そう。最も邪悪なる
者をたたえる日でしたのよ。
”優秀な検事”を、表彰する‥‥
まさに茶番、ですわね。
茜: カンタンに言うと‥‥
検事さんたちの大会が
あったみたいですね。きのう。
響: お弁当に、カラダに悪いオカズを
入れようか、迷いあぐねましたわ。
茜: あの。どうして検事さんのコト、
そんなふうに言うんですか?
検事さんがワルモノだっていう、
カガク的な証拠でも‥‥
響: ‥‥おじょうちゃん。
このおキョウ、
ナメるとゲロの味がしますわよ。
茜:え!
響: きのう表彰された、
この辺で最もコッケイなオトコ‥‥
被害者の遺体が発見されたのは、
その検事のクルマだったのさ。
ヤツらが、極悪の弁当をむさぼり
食ってる、何よりの証拠さね!
茜: そ‥‥そうなんですか!
成: (なんなんだろう‥‥
このひとの、”検事”に対する
憎しみのようなものは‥‥)

(「目撃したこと」を聞く)
成: それで、その。響華さんが
目撃した、というのは‥‥?
響: それは‥‥ナマめかしいながめ、
でしたわねえ。
オンナの情念‥‥そのようなものを
感じてしまいましたわ。
あの、宝月 巴が
ナイフを使った瞬間に。
成:
響: 怒りのタンザク切り、悲しみは
イチョウ切りのナイフさばき‥‥
それはそれはミゴトなモノ、
でしたわねぇ‥‥
茜: ま、まさか!
おキョウさん、犯行の瞬間を‥‥?
響: イノチの赤い糸が千切りにされる
マナイタの音‥‥今も、この耳に。
宝月 巴の赤い糸を刻む
包丁のリズムも、ここまでだねぇ。
成: あの‥‥あなたは、
宝月 巴さんを知ってるんですか?
響: 主席検事サマ、かしら?
どれだけの罪を重ねて、
その名をつかんだコトか‥‥
茜: に‥‥2段がさね‥‥
成: (キレイな弁当屋のお姉さんが、
なぜ主席検事の名前を‥‥?)

(「響華のこと」を聞く)
茜: あの。おキョウさんのコト、
聞かせていただけますか?
響: ‥‥‥‥‥‥
オンナもこのトシになると‥‥
ひとつやふたつ、昔話があるもの。
‥‥オコサマには
聞かせられないような、ねぇ。
茜: は、はあ。
響: くさや弁当の味がわかるように
なったら、またいらっしゃいな。
茜: ま、まいりましたっ!
成: (やれやれ‥‥クサいな)
響: ワタクシ、毎日ここへ
お弁当を売りにまいりますの。
この検事局の守衛室に、
カレがいるんですのよ。
茜: か、”カレ”‥‥?
響: ほら。あそこに、
守衛室が見えますでしょ?
成: ”SECURITY”と書かれた、
あのガラス張りの部屋ですか。
響: お弁当を売りに来るついでに、
カオを出してさしあげますの。
成: (カレのほうは”ついで”か)
茜: とりあえず、これまでの情報を
カガク的に整理すると‥‥
おキョウさんは、何かワケありの
お弁当屋さん、というコトですね!
成: (‥‥役に立たない情報だな)

(「検事局」を聞く)
成: おキョウさん‥‥検事局で、
何かあったんですか?
強い”悪意”のようなものを
感じるんですけど‥‥
響: 悪意‥‥
そうかもしれないわねぇ‥‥
検事なんて、みんな同じ。
エラいヤツほど、始末が悪い‥‥
シジミのおみおつけに、あえて
アワビを入れるようなものかしら。
成: (おキョウさん‥‥ムカシ、
事件にまきこまれたのかな)
茜: あ。きっと、食中毒がらみですよ!
カガク的に考えて。
だって、なんと言っても
<<ゲロまみれ>>だし!
成: (おキョウさん‥‥いったい、
何をしていたヒトなんだ‥‥?)

(「上級検事執務室」に移動する)


2月22日 某時刻
上級検事執務室・1202号

茜: いかにも”シゴトできます”って
感じの部屋ですよねー。
成歩堂さんの事務所とちがって。
成: ‥‥うるさいな。
茜: ホラ。ホラ。なんか、トロフィー
みたいなのがありますよ!
成: (トロフィー‥‥って、
あの<<盾>>か‥‥)
茜: こんなの、うれしそうに
かざっちゃって。
きっと、権力をハナにかけた
イヤらしいヤツに決まってますよ!
?: ‥‥成歩堂 龍一‥‥
どこまでも、おせっかいな
オトコだな、キミは。
成: (‥‥この声は‥‥やっぱり)
ひさしぶり‥‥だな、御剣。
茜: あ‥‥
あああああああああッ!
み、み、御剣検事さん!
成: ‥‥!
知ってるの? コイツのコト。
茜: え、え‥‥だってあたし、
大ファンなんです!
お姉ちゃんに紹介されたコトも
あるし‥‥いろいろと‥‥
成: (そうか‥‥この子、
主席検事の妹さんだもんな)
御: それで? なんの用かな。
イヤミで権力をハナにかけた
イヤらしい検事の部屋に‥‥
茜: え! あ、いえッ!
それは、このヒトが勝手に‥‥
成: いやいや!
ぼくのせいにするなよ。
茜: あの。あの。あたしたちはただ、
殺人事件を調べてるだけなんです!
御: ‥‥殺人事件‥‥?
茜: ホラ。イヤミでハデで、まっ赤な
クルマから、死体が見つかった‥‥
御: むう‥‥
アレなら、私のクルマだが。
‥‥それが、なにか?
茜: うえええええええええええええッ!
み、み、み、御剣検事さんのォォ!
成: (いっそ、キモチいいぐらいの
驚きっぷりだなあ‥‥)

(「事件について」を聞く)
成: やっぱり、おまえのクルマ
だったのか‥‥あれ。
御: フッ‥‥思ったままを
言えばいいだろう、成歩堂。
去年、せっかく
助けてやったオトコが‥‥
ついに、本当に殺人に
手を染めたか、と。
茜: そ、そんな!
御剣検事さんじゃありません!
だって、刺したのは
あたしのお姉ちゃん‥‥
アレ。ええと、そうじゃなくて
‥‥その。
御: あなたは、たしか‥‥
主席検事の妹さん、でしたね。
茜: は、はい! 宝月 茜ですっ!
‥‥えーと、あの。
そのセツは、ホントにどうも!
成: (とってつけたような
アイサツだな‥‥)
御: ああ‥‥そうですね。
すっかり、見ちがえました。
‥‥しかし、
この私もさすがに予想外だった。
まさか、自分のクルマで
殺人事件が起きようとは。
しかも‥‥
この手で、自分の上司の罪を
立証することになろうとは。
成: ま。そうだろうなあ‥‥
な、なんだって!
御: 宝月 巴‥‥主席検事といえば、
地方検事局のトップだ。
‥‥明日の法廷は、
この私が担当することになった。
茜: そ、そんな!
御剣検事さんが‥‥

(「御剣のこと」を聞く)
御: 正直なトコロ‥‥
ここにこうしていられるのが、
フシギなくらいだ。
成: ‥‥どういうことだ?
御: ウワサ、だ。
キミも聞いたことがあるだろう。
私についてのウワサは。
成: (御剣 怜侍‥‥
たしかに、その名声の影では
黒いウワサがウズを巻いている。
証拠品のねつ造や、偽証の取引、
違法な裏づけ捜査、など‥‥)
御: 年末の、あの事件。キミのおかげで
無実が立証されたが‥‥
今回の事件が、私のしわざである
というウワサも流れているようだ。
成: ば、バカ言うなよ‥‥
御: フッ‥‥
ヒトの悪意というものは、ふとした
キッカケであふれ出す。
それを止めることは、
不可能なのだよ。
茜: 御剣検事さん‥‥
御: その一方で、こんなオモチャを
私に押しつけるヤカラもいる。
‥‥コッケイ、だな。
成: (ブロンズの盾‥‥か。
何かいわくがあるのかな)

(「宝月 巴」を聞く)
御: 宝月主席検事とは、‥‥2年前。
初めていっしょにシゴトをした。
あれは、私にとっても
初めての大きな事件だった。
茜: ‥‥そう、でしたね。
成: (2年前‥‥ぼくはまだ
弁護士にもなってないな)
御: それ以来、何かと目をかけてくれて
いる‥‥そう思っていたのだが。
どうやら、
私の思いちがいだったようだ。
茜: お、”思いちがい”って、
どうしてですか!
たしかに、お姉ちゃんは
あんな冷たいヒトだけど。
きっと、御剣検事さんのコトは‥‥
御: ならば‥‥なぜ。
彼女は、私のクルマのトランクで
ヒトを刺したのだろうか?
しかも‥‥
この私のナイフを使って。
茜: ‥‥え! ええええええッ!
御剣検事さんの‥‥ナイフ!
御: 事件の凶器は、トランクの
私の道具箱に入っていたナイフだ。

<<御剣のナイフ>>のデータを
法廷記録にファイルした。
成: あのさ‥‥御剣。
御:なんだ。
成: もしかして、おまえ‥‥
やったんじゃないの?
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
成: (‥‥やれやれ。ジョークの
センスがないヤツだよ)
茜: センスがないのは
成歩堂さんのほうですッ!

(「トロフィー」を調べる)
成: さっきから気になってたんだけど
‥‥なんだ、コレ。
茜: <<K>>って書いてありますね。
御: ‥‥オブ・ザ・イヤー‥‥
成: え? なんだって?
御: <<検事・オブ・ザ・イヤー>>だ。
茜: けけ、け。け‥‥
けんじ・おぶ・ざ・いやー!
御: その年度でイチバン優秀な検事に
贈られる、名誉ある像だ。
‥‥悪いかッ!
成: も‥‥もしかして、
この<<K>>って‥‥
茜: ”けんじ”の<<K>>ですか?
御: うるさいッ!
私がデザインしたワケでは
ないのだッ!
茜: ひゃああ。ちょっと
恥ずかしいですねー、コレは。

<<検事局賞の盾>>のデータを
法廷記録にファイルした。

(「検事局賞の盾」をつきつける)
成: つまり。今年イチバンだった
ワケだよな。おまえが。
御: ‥‥そのニヤニヤ笑いは
やめてもらいたいな。
それをもらうために、
きのうはシゴトにならなかった。
茜: ‥‥? どうしてですか。
御: そのコワれた盾を受け取るため、
警察局の式典に出席していたのだ。
成: 警察局‥‥?
御: 警察署のトナリにある。署のほうは
キミも行ったことがあるだろう。
成: ああ‥‥イトノコ刑事がいる、
あそこか。
茜: あの‥‥この<<盾>>なんですけど。
なんでコワれてるんですか?
御: 大したイミはない。
‥‥今となっては、ね。
茜: は、はあ‥‥
成: (キョーミがないみたいだな、
賞とか、そういうモノには‥‥)
御: とにかく‥‥きのうは、検事局が
最も忙しい1日だったのだ。
茜: ‥‥もう少し聞いたほうがいい
みたいですね。きのうのコト‥‥

(「事件当日のこと」を聞く)
成: 事件当日‥‥きのうのこと、
詳しく聞かせてくれないか?
御: きのうは‥‥検事局にとって、
年に一度の大そうじがあったのだ。
茜: 大そうじ‥‥ですか?
御: 警察局と協力して、決着のついた
事件の証拠やデータの整理をする。
我々は、証拠品の<<申し送り>>と
呼んでいるが。
茜: ふむふむ。たしかに
”大そうじ”みたいですね‥‥
御: そして、もう1つ。
警察局で、式典が行われた。
今年度の検事・捜査官たちの評価が
発表、そして表彰されたのだ。
成: ‥‥ああ。それでこの<<盾>>を
もらった、というワケか。
御: きのうの午後は、警察局にいた。
戻ってきたのは‥‥5時12分だ。
成: ‥‥イヤにハッキリ覚えているな。
茜: 御剣検事さんとあたしは、
成歩堂さんとはちがいますからね。
御: ‥‥いや。私はキオクを
アテにしないことにしている。
このとおり、
キチンと証拠があるのだよ。

<<御剣の駐車記録>>のデータを
法廷記録にファイルした。
御: 地下駐車場が発行している、
利用記録だ。
成: (事件が起こったのは、
5時15分ごろ‥‥)
茜: クルマで戻ってすぐに
事件は起こったワケかあ。
御: ‥‥なんだ? 成歩堂。
そのシツレイな目は‥‥
?: ‥‥あのおッ!
スミマセン! 御剣検事ってヒト、
いらっしゃるでありますかッ!
御: ‥‥なんだろうか。
私が御剣だが。
警: 本官! 警察局長のお使いで本官!
報告書を持ってきたでありますッ!
御: 報告書、だと‥‥?
まさか! 宝月主席検事の件で、
新しい手がかりが出たのかッ!
成: (‥‥目の前で、
イヤなハナシをされてるなあ)
警: ほーづき、でありますかッ?
‥‥いえッ!
そんな名前、本官!
報告書にはありませんけれどもッ!
御:‥‥!
成: (うわあ‥‥御剣のカンニン袋の
ヒモが切れる音が聞こえたぞ)
茜: ゆ、ユルいですね‥‥
御剣検事さんのカンニン袋。
御: 警察局には、言っておいた
ハズではないかッ!
明日の審理に集中したいから、
よけいな書類は届けないように!
警: はッ! でも。
でも、だって本官ッ!
コレを持って行けって言われた
だけでありますからしてッ!
ムズカシイことはコレ本官、
わからないのでありますからし
御: ‥‥キサマの名前はッ!
原: あ、あのッ! 本官、あのッ!
は、は。は。ハラバイです本官ッ!
御: もういい、原灰巡査。
報告書を持って、帰りたまえ。
‥‥来月の給与査定を
楽しみにしておくことだ。
原: ううう‥‥
だって本官‥‥そんな、本官‥‥
成: (いるよなー。こういう、
アタマも運もよくないヒト‥‥)
御: ‥‥成歩堂。
成: は、はいッ! 本官!
(こういうときのコイツ、怖ェな)
御: 見てのとおり、私もヒマではない。
‥‥キミたちもそろそろ、
帰ったほうがいいだろう。
茜: そ、そうしましょうよ。
成歩堂さん!
御: 被害者は、捜査官‥‥今の
巡査と同じく、警察の人間だ。
警察局へ行ってみることだ。
被害者のことは、そこで聞ける。
成: あ、ああ。‥‥ありがとう。
(キゲンが悪くなったみたいだな)

(「検事局・地下駐車場」に移動する)

(「警察局・エントランス」に移動する)


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