成歩堂 龍一…黒 | |
御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
宝月 茜…桃 | |
宝月 巴…藤 | |
巌徒 海慈…紫 | |
罪門 恭介…紺 | |
市ノ谷 響華…水 | |
原灰 ススム…黄 |
検事局・地下駐車場 | |
成: |
(‥‥捜査はまだ つづいてるみたいだな) |
?: | じゃあ‥‥お店に戻るわね。 |
?: |
今日は、この荒野にホネを埋める コトになりそうさ。 今夜はユメで会うとしようか、 ベイビイ。 |
響: |
‥‥あら。 またいらしたの。 |
茜: | あ、ど。どうも‥‥ |
響: |
どうしたのかしら、その目。 ‥‥言いませんでしたかしら。 ワタクシ、捜査官にもカレが いるんですのよ。 |
成: |
(”守衛室のカレ”は なんだったんだよ!) |
罪: |
ヘイ、どうしたバンビーナ。 カギをなくしたカギっ子‥‥ そんなセツない目、してるぜ。 |
成: |
(罪門 恭介‥‥ たしか、この現場の セキニンシャ、だったよな) |
成: |
あの‥‥これ、 読んでもらえますか? |
罪: |
‥‥なんだい、コイツは。 ファンレターはタンツボにたのむ。 |
成: |
イトノコ刑事の<<紹介状>>です。 捜査、させてもらえませんか? |
罪: |
イトノコ‥‥ああ。 あのユカイなブルドッグか。 ふうん‥‥バースデイ・パーティー でも、おっ始めるつもりかい? |
成: | ‥‥え。 |
罪: |
見ろよ。<<紹介状>>のトコロが‥‥ <<招待状>>になってるぜ。 |
成: |
‥‥‥か。 書きまちがいだと思います。 (なんでイトノコ刑事のぶんの ハジを、ぼくがかくんだよ!) |
罪: |
‥‥いいだろうさ。 他ならぬ刑事殿の血判状だ。 巡査ふぜいのオレとしちゃア、 聞かなくちゃならないだろうね。 |
茜: | あ。ありがとう、ザイモンさん! |
成: |
(そういえば‥‥ 罪門さんは”巡査”だ。 ”刑事”じゃない‥‥) |
茜: |
あれ。ヘンだなあ。 ‥‥事件現場のセキニンシャは、 刑事以上のハズなのに‥‥ |
罪: |
‥‥さて。 それでは、みなさま。 手がかりがうなっている、 我らが金鉱へようこそ。 オレたちの合い言葉は、開拓精神。 せいぜい、楽しむとしようか! |
茜: |
‥‥かいたくせいしん、と。 さ。成歩堂さん! いっちょ、やりますよ! |
成: | (コイツはもう、いらないな‥‥) |
丸めて捨てた。 | |
成: |
あの、罪門さん。被害者のこと、 聞かせてもらえますか。 |
罪: |
‥‥‥‥‥‥ いいヤツは、みんな死んでいく。 これでいいかい、カウボーイ。 |
成: |
いやいや! もう少し詳しくおねがいします。 |
茜: |
多田敷 道夫さん‥‥ 刑事さん、だったんですよね? |
罪: |
やれやれ‥‥世話の焼ける 子馬ちゃんたちだね。 多田敷が刺されたのは、ここさ。 ‥‥5時15分ごろのコトだよ。 さすらうマドンナのほほえみが、 オレにそう物語っていたさ。 |
成: | (おキョウさんの証言、か‥‥) |
罪: |
胸をひと突き。やっつけシゴトに しちゃあ、上デキの部類だろうね。 ‥‥コイツが解剖記録だよ。 |
法廷記録にファイルした。 | |
茜: |
‥‥あの。お姉ちゃんと被害者は どういう関係だったんですか? |
罪: |
それが‥‥妙といえば 妙なのさ、バンビーナ。 宝月主席検事と多田敷刑事には、 ほとんど接点がないんだよ。 |
茜: | 接点が‥‥ない‥‥ |
罪: |
何年か前に1度、いっしょに シゴトをしたことがあるが‥‥ |
成: |
(つまり‥‥動機がない。 そういうことか‥‥!) |
罪: |
多田敷は、とりたてて優秀な 捜査官でもなかったんだ。 主席検事とシゴトできるチャンスが なかった‥‥そう言えるようだね。 |
茜: |
でも‥‥お姉ちゃんは事件当日、 被害者を呼びだしたんですよね? ‥‥この駐車場に。 |
罪: |
ああ‥‥そのようだ。 人間相手の闘牛をするために、ね。 |
成: |
あの‥‥ こんなコト聞いてアレですけど。 罪門さん、”巡査”なんですよね? ‥‥”刑事”ではなくて。 |
罪: |
おやおや‥‥ここがテキサスなら、 アンタ。銃殺されているところさ。 |
成: | え。 |
罪: |
これでも、2年前までは捜査官 ‥‥りっぱな”刑事”だったさ。 |
成: |
あ! そうなんですか。 (‥‥先に言えよ!) |
茜: |
でも。”巡査”は捜査の指揮を とることはできないんじゃあ‥‥? |
罪: | そのとおりだよ、バンビーナ。 |
成: |
じゃあ‥‥なぜ。 巡査のあなたが指揮を? |
罪: |
なあに。人手が足りてないだけさ。 オレは、ただの見張り番だよ。 |
茜: |
あれ、オカシイなあ。 イトノコ刑事さんは、ヒマ‥‥ 手があいてるようでしたけど。 |
罪: |
かわいそうなブルドッグだよ。 ふるべきシッポが見つからない。 あの、ミツルギといっしょに いるせいかもしれないね。 |
成: | ‥‥御剣‥‥ですか? |
罪: |
あのブルドッグは、ハズされた。 ‥‥警察局長の決定さ。 ちなみに本人は、ハズされたコトに 気づいてないみたいだけどね‥‥ |
成: |
(捜査からハズされている‥‥ イトノコ刑事が!) |
成: | これは‥‥携帯電話だね。 |
茜: |
カガク的に考えて‥‥被害者のもの じゃないでしょうか! ‥‥他に、思いつかないし。 |
成: |
(どこがカガク的だよ!) とにかく、調べてみようか。 |
成: |
(よし‥‥ 詳しく調べてみよう!) |
茜: |
電話のスクリーンを見ると‥‥ リダイヤル表示になってますね。 |
成: | リダイヤル‥‥? |
茜: |
はああ‥‥あのね、成歩堂さん。 最近の携帯電話には、 発信と着信の記録が残るんです。 青いボタンを押せば、最後にかけた 番号を呼び出してくれるんですよ。 ベンリになったモンでしょ? 成歩堂さんが知らないうちに。 |
成: |
‥‥悪いけど、リダイヤルぐらい 知ってるよ、ぼくも。 |
茜: |
え! ご、ごめんなさい! 成歩堂さん、ひと時代前のヒトに 見えるから! |
成: |
(‥‥やれやれ。 もう少し、調べてみるか) |
成: |
(さてさて。 ダレにかかったものか‥‥) |
茜: |
‥‥弁護士は、あとさき考えず とりあえずボタンを押す、と。 |
電: | |
成: | うわ! こ、このメロディは‥‥ |
罪: | ヘイ、そこ! どうしたッ! |
電: | |
成: | あ! いや。すみません。 |
罪: |
見てたぜ、カウボーイ! ‥‥アンタ、今、そのデンワで リダイヤルをしたな? |
成: | は、はあ‥‥まあ。 |
茜: |
こ。このデンワ、何なんですか? そこに落ちてたんですけど。 |
罪: |
‥‥そいつはな。 宝月 巴主席検事のモノさ。 |
茜: | えッ! お、お姉ちゃんの‥‥? |
罪: |
犯行直後、身柄をカクホされたとき 落としたらしい。 発信記録によると‥‥どうやら、 事件が起こった、まさにその時間。 だれかにデンワをかけたようだよ。 ‥‥通話時間は数分だがね。 |
成: | ‥‥! いったい、ダレに! |
罪: |
それが‥‥わからなかったのさ。 だから、カウボーイ。 質問に答えてもらえるかい。 たった今、鳴った電話は、 いったい‥‥ |
成: |
いや‥‥‥その。すみません。 ぼくのデンワだったんですけど。 |
罪: |
な、な、な‥‥なんだと‥‥? アンタの‥‥デンワ‥‥! |
成: |
なんというか、 言いにくいんですけど‥‥その。 いいタイミングで、かかってきた みたいです。‥‥まちがいデンワ。 |
罪: |
‥‥‥‥‥‥ ここがテキサスなら、アンタ‥‥ 弾丸を噛んでるところだぜ! |
成: |
(やれやれ‥‥ 怒って行っちまったよ‥‥) |
法廷記録にファイルした。 | |
茜: |
とにかく、接点はないんですよね! お姉ちゃんと、多田敷捜査官‥‥ |
罪: |
そのとおりさ。 しかし、まァ‥‥ そいつをおぎなってあまりある、 証拠品のゴールドラッシュだがね。 |
成: | ‥‥! |
罪: |
それに‥‥明日の法廷に立つ検事が あのミツルギとくれば‥‥ もう、運命は決まったよ。 バンビーナにはキノドクだけど。 |
茜: | ‥‥ザイモンさん! |
罪: | なんだい、バンビーナ。 |
茜: |
どうして‥‥ そんな言い方をするんですか? ザイモンさん‥‥ムカシは、 お姉ちゃんと‥‥ |
成: |
(”ムカシ”‥‥ 何か、つながりがあったのか?) |
罪: |
‥‥‥! ‥‥悪かったね。たしかに‥‥ こんなコト、言うべきじゃないよ。 検事局に吹きおろす、このイヤな カラっ風のせいかもしれないね。 |
成: |
(たしかに‥‥ここには、だれかの ”悪意”がウズまいている‥‥) |
罪: |
御剣 怜侍の”疑惑”‥‥ 早いもんさ。もう、2年はたつよ。 |
成: |
”証拠のデッチ上げ”や ”証人との取引”ですか‥‥? |
罪: |
ああ。勝つためには手段は選ばない ‥‥だからこそ、無敗だったのさ。 アンタに会うまでは、な。 |
茜: |
でも‥‥ウワサはあくまでも ウワサじゃないんですか? 検事さんの世界では、 証拠がすべてじゃないんですか! |
罪: |
御剣の疑惑。そのモトをたどって いくと‥‥ある人物にたどりつく。 ダレも、口に出すことはできない ‥‥アンタッチャブルの世界さ。 |
成: | ”ある人物”‥‥? |
罪: |
バンビーナ‥‥きみのお姉さんだ。 主席検事・宝月 巴。 |
茜: |
え! ‥‥お、お姉ちゃんが‥‥ |
罪: |
御剣ヒトリでヤンチャな遊びが できるワケじゃない。 ”取引”という名の弾丸を シリンダーにこめる人間がいる。 |
成: |
バカな! 御剣が‥‥ そんなことをするハズがない! |
罪: |
”弾丸のないところに銃声はない” ‥‥荒野の老人たちのコトバさ。 どこかに、デカいヒミツがある。 みんな、気づいているのさ。 |
成: |
(だから‥‥イトノコ刑事は 捜査からハズされたのか‥‥ 御剣に、イチバン近いところに いるから‥‥!) |
成: | これは‥‥メモ、かな。 |
茜: | あ! 何か書いてありますよ! |
成: |
ホントだ。ええと‥‥ <<6−7S 12/2>>かな。 |
茜: |
上に、名前が印刷されてますね。 ‥‥タダシキ、って。 |
成: |
(殺害されたときに、 ポケットから落ちたのか‥‥) |
茜: |
で? で? どういう イミなんですか? 成歩堂さん! |
成: | わかるワケないだろ。 |
茜: |
‥‥成歩堂弁護士と御剣検事さんの ”差”は、このへんにあり、と。 |
成: |
(‥‥御剣でも わからないと思うけど) |
法廷記録に挟んだ。 | |
茜: |
あの‥‥ どうですか? 成歩堂さん。 |
成: |
手がかりは、そろってきたかな。 解剖記録に、被害者のメモに‥‥ 携帯電話、か。 |
茜: | よかった‥‥ |
成: |
気になるのは‥‥ともえさん自身が 犯行を認めてるコトだね。 『私がやった』って。 |
茜: |
大丈夫ですよ! お姉ちゃんがハンニンじゃないのは あたしが保証しますから! |
成: | ‥‥ところで、茜ちゃん。 |
茜: | はい? |
成: |
きみの持っている携帯電話の 着信メロディ‥‥知ってるよ。 |
茜: | え‥‥‥ |
電: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
成: |
<<大江戸戦士トノサマン>>か。 今、ヤングに大人気のヒーロー‥‥ なんだってね。 |
茜: | ‥‥! |
成: |
さっき鳴ったのは、ぼくのデンワ じゃなかった。 そう。 ‥‥きみのだよ。あかねちゃん。 宝月 巴さんは、 事件が発生した直後‥‥ きみにデンワをかけた。 ‥‥そうだね? |
茜: |
ご‥‥ごめんなさい‥‥あたし。 ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
成: |
聞かせてくれないの? お姉さんと、何を話したか‥‥ |
茜: |
‥‥あの。 すぐ、切れちゃったから。 |
成: | そう、か‥‥わかった。 |
書きなおした。 | |
成: |
(殺害されたのは、現職の捜査官。 被告人は、検事局のナンバー1。 もしかしたら、ぼくは‥‥ まだ、この事件のすべてを 知らないのかもしれない‥‥!) |