成歩堂 龍一…黒 | |
御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
宝月 茜…桃 | |
宝月 巴…藤 | |
巌徒 海慈…紫 | |
罪門 恭介…紺 | |
市ノ谷 響華…水 | |
原灰 ススム…黄 |
巌: |
『このナイフ、ある事件の証拠なの。 警察の証拠保管室から盗まれた‥‥』(証言7) |
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成: |
検事局の駐車場で捜査官が 刺殺された、同じ日に‥‥ 警察局でも、捜査官が 殺害されたというのですか! | |
巌: |
そうなんだよ。コレがさ。 ビックリでしょ? チョーさん。 | |
裁: | ‥‥コトバもありません。 | |
御: |
それで‥‥ハンニンは? 目星はついたのだろうか。 | |
巌: |
まあね。容疑者はさ。 タイホしたのよ。さっき。 | |
成: |
(”タイホした”! ずいぶん、すばやいな‥‥) | |
巌: |
でもさあ。ナゾが多くて。 ナルホドちゃん、手伝ってくれる? | |
成: |
‥‥それには、 データが必要ですけどね。 | |
巌: |
お。お。いいね。 カッコよかったね。今の。 じゃ、ごホウビ。1つだけ教えて あげようか。‥‥ナニがいい? | |
成: |
警察局の被害者‥‥ どこで見つかったんですか? | |
巌: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 死体の”発見”はともかく‥‥さ。 事件があったのはね。 警察局の<<証拠保管室>>だよ。 | |
成: |
(”証拠保管室”‥‥? ま、待てよ! どこかで‥‥ どこかで聞いたことがあるぞ) | |
茜: |
”証拠保管室”‥‥ たしか、さっきの証言で‥‥ | |
巌: |
『このナイフ、ある事件の証拠なの。 警察の証拠保管室から盗まれた‥‥』 | |
成: |
(どうやら‥‥ 2つの事件は、つながった!) | |
茜: | 成歩堂さん、うれしそうですね! | |
成: |
まあね。これで‥‥ 攻撃の突破口が開くからね! (2つの事件の<<関係>>は 証明されて、状況は変わった。 つまり‥‥巌徒局長に、詳しい 証言をさせるコトができる!) | |
成: |
‥‥局長。 すでに、2つの事件の”関係”は 証明されている‥‥ 弁護側は、そう考えます。 | |
巌: |
‥‥へえ。おもしろいね、それ。 聞かせてよ、ナルホドちゃん。 | |
裁: | 聞かせてくれますかな、弁護人。 | |
成: |
ただ今の証言で、2つの事件に 共通の”場所”が浮上しました。 地下駐車場で発見されたナイフは、 <<証拠保管室>>から盗まれました。 | |
御: |
‥‥しかも、タグの文字は、 被害者の<<メモ>>と一致している。 | |
成: |
そして、警察局側の事件の 被害者である”捜査官”は‥‥ その<<証拠保管室>>で 殺害されました! | |
裁: |
たしかに‥‥ グーゼンとは考えにくいですな。 | |
巌: |
やっぱり。いいコンビだね。 ウチの部下が2日かけて探り出した コト‥‥もう、見抜いちゃった。 | |
御: |
‥‥局長! 警察局で殺害された”捜査官”の データを、提出していただきたい! | |
巌: |
でもねー。メンドウなんだな。 何しろ、公式な発表がまだでしょ? | |
成: |
あの、そこをひとつ‥‥ 非公式でおねがいできませんか。 | |
巌: |
うーん‥‥‥‥‥‥ ま。イイか。非公式なら。 | |
成: | (なんだ、イイのかよ!) | |
茜: |
意外に、 そんなモンですよねー。 | |
巌: |
『協力はするけど。警察局の被害者の 名前だけはね。言いたくないのよ。』(証言8) |
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成: |
どうせなら、ゼンブ 吐き出しちゃってくださいよ。 | |
巌: |
いやね。データを提出するには、 それなりの手続きがあるの。 | |
成: |
(しかたないな‥‥ 何か、聞いてみるか) | |
成: |
それでは、せっかくですから ‥‥被害者のIDナンバーを。 | |
巌: |
かまわないけど。番号だけじゃ。 分からないよ、ダレだか。 | |
成: |
そうだと思いますけど‥‥ 名前が聞けないワケですから。 | |
巌: |
ナンバーは警察局の機密だから、 バレる恐れもないし‥‥‥いいか。 番号はね。 <<5842189>>‥‥だね。 | |
裁: |
ほお! それはまた、なんというか ‥‥長いですな。 | |
巌: |
おぼえられなくてさ。 ホント。まいっちゃうよね。 | |
裁: |
<<82‥‥>> おぼえられません。 | |
成: | (1ケタ目からまちがってるよ!) | |
裁: |
いかがですか、弁護人。 何か、ココロ当たりはありますか? | |
成: |
(警察局の被害者のIDナンバー ‥‥<<5842189>>‥‥) | |
成: |
ココロ当たりは、そう。 あります! ‥‥と思います! | |
裁: | ‥‥なんですか、それ。 | |
成: |
(おそらく、まちがいない! しかし‥‥ いったいコレって、 どういうコトなんだろう‥‥?) | |
裁: |
とにかく、弁護側の主張を うかがってみましょう。 警察局で殺害された捜査官の IDナンバー‥‥ ”ココロ当たり”とは‥‥ いったい、なんですかな? | |
成: |
証人ッ! ‥‥‥‥‥‥ | |
巌: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ | |
御: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ | |
裁: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ なな、なんですか成歩堂くん! その、センパイを校舎ウラに呼び 出した女学生のようなホホエミは! | |
成: |
いや、その。アタマが こんがらがってしまって‥‥ | |
御: | いつものコトだろう、弁護人‥‥ | |
成: | え。 | |
御: |
ブチまけてみることだ。 ‥‥いつものように、な。 | |
成: |
(‥‥警察局と、検事局‥‥ 2つの場所で、同時に ”捜査官”が殺害された‥‥) じつは‥‥ぼくも、ここに1つ IDを持っているんです。 | |
裁: | ほほお‥‥。あなたのですか? | |
成: |
い、いやいや! ぼく、 こう見えても弁護士ですから。 ‥‥多田敷 道夫捜査官。 被害者のIDです。 | |
巌: |
ダメだよー、ナルホドちゃん。 捜査官のID、ゴクヒ情報なのに。 | |
成: |
多田敷捜査官のIDナンバーは ‥‥<<5842189>>です。 | |
巌: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ | |
御: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ | |
裁: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ で。 それがどうかしましたか? | |
成: | え。 | |
裁: |
あれ‥‥。たしか、先ほど 局長が証言された番号は‥‥ <<82‥‥>> おぼえていません。 | |
成: |
(1ケタ目からまちがってるよ!) 局長が証言したナンバーは‥‥ <<5842189>>です。 | |
御: |
ま‥‥待て、成歩堂! いったい‥‥これは‥‥ | |
成: |
‥‥そうなんです。 2つのIDナンバーは、 完全に一致している。‥‥つまり! 警察局の証拠保管室で殺害された 捜査官は‥‥<<多田敷 道夫>>! いかがですか、巌徒局長! | |
巌: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ いや。まいっちゃうな、もう。 ナルホドちゃん。スルドイっ! |
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裁: |
まま‥‥ま。待ってください! ”多田敷 道夫捜査官”は‥‥ 5時15分、検事局の地下駐車場で 殺害されたのではないですか! | |
成: |
しかし! その一方で、 ”多田敷 道夫捜査官”は‥‥ 同時刻に、警察局の証拠保管室で 殺害されているのです! | |
御: |
ば‥‥バカな‥‥あり得ぬッ! つまり‥‥こういうコトか? 同日、同時刻‥‥同一人物が! まったくちがう場所で殺害された! | |
裁: |
静粛に! 静粛に! 静粛に! 局長ッ! これは、いったい‥‥ | |
御: |
なぜ‥‥‥ いったい、なぜッ! そんな重要な情報が、 私の耳に届いていないのだッ! いくら、ゴクヒ捜査とはいえ‥‥ 私は担当検事ではないかッ! | |
巌: |
ちょ。ちょっとさ。待ってよ、 御剣ちゃん。キツいなあ。 | |
御: |
裁判長ッ! これは、警察局側の重大な過失‥‥ | |
巌: |
‥‥だからさァ。 待て、と言ってるんだよ、ボクは。 あれ。聞こえなかった? | |
御: | ‥‥! | |
巌: |
”重大な過失”‥‥ねェ。 それはね、御剣検事。 ‥‥キミのほうなんだよ。 | |
御: | な、なんだと! わ、私‥‥ | |
巌: |
報告はね。ちゃんと 行ってるんだよ、きのう。 ハラバイ巡査が、 キミのところへ直接、ね。 | |
御: | は‥‥ハラバイ‥‥巡査‥‥ | |
茜: |
な‥‥成歩堂さん。なんか、 聞いたコトあるような名前‥‥ ‥‥あッ! | |
警: |
『‥‥あのおッ! スミマセン! 御剣検事ってヒト、 いらっしゃるでありますかッ! 本官! 警察局長のお使いで本官! 報告書を持ってきたでありますッ!』 | |
御: | ま、まさか‥‥あれが‥‥ | |
巌: |
キミさ。報告書を 受け取らなかったそうだねェ。 信じられないな。ホント‥‥ | |
御: |
し‥‥しかし! あの巡査は、ハッキリ言った! 報告書は、宝月 巴の事件とは カンケイない、と‥‥ | |
巌: |
<<警察局・証拠保管室にて、捜査官 多田敷 道夫が殺害される>> 御剣検事。”被害者の名前”はね。 ちゃんと、書かれていたんだよ。 | |
御: |
ぐ、ぐうぅぅッ‥‥! あの巡査! なぜ、それを 言わなかったのだ‥‥! | |
茜: |
正直‥‥そこまでアタマが 回るようには見えませんでしたね。 | |
巌: |
とにかく。これは 重大な過失だよ、御剣検事。 | |
御: |
し‥‥、しかし! その報告書を、今朝! 法廷に 証拠品として提出できたはずだッ! そうすれば、私は‥‥ | |
巌: |
ダメダメ、御剣ちゃん。 ‥‥そうは行かないんだなあ。 | |
御: | ‥‥なんだと! | |
巌: |
法廷における<<証拠法>>の2大原則 ‥‥2つめは、なんだっけ? | |
茜: | なんですか? 成歩堂さん! | |
成: | え! そ、それはモチロン‥‥ | |
御: |
<<その2:未登録の証拠の提示には 審議中の事件との関連性が必要>> ‥‥それが、なんだと言うのだッ! | |
巌: |
法廷で扱う証拠品は、検察側が 開廷前にリストを提出するでしょ? この”報告書”‥‥そのリストに 登録されていなかったワケ。 | |
裁: |
つまり‥‥ どういうコト、なのですかな? | |
巌: |
この、報告書‥‥ 審議中に”関連性”が立証されない かぎり‥‥提出できなかったのよ。 | |
御: | あ‥‥‥ッ! | |
巌: |
”関連性”の立証は、たった今。 ナルホドちゃんがしてくれたワケ。 アリガトね、ナルホドちゃん。 | |
成: |
え。あ、その。 ボク、トーゼンのコトをしただけで | |
御: |
ば‥‥‥‥‥‥ バカなああああああああああァァ ァァァァァァァァァァァァァァッ! | |
裁: |
どうやら‥‥本日の審理は、 ここまで、のようですな。 | |
巌: |
コマるんだよねー。御剣ちゃんさ。 ムズカシイ時期なんだから。 去年、被告席に立ったばかりだし。 他にもウワサ、聞いてるよ? | |
御: |
‥‥‥! このたびの、失態。 ココロから‥‥おわびするッ。 | |
裁: | み‥‥御剣‥‥検事‥‥ | |
御: |
どうか、1日‥‥ 時間をいただけないだろうか。 ジジツ関係を究明したい‥‥ 全力をあげてッ! | |
巌: |
‥‥そうしてもらいたい モンだよね。ホントさ。 | |
御: |
申しワケない‥‥ このとおりだッ! | |
茜: |
‥‥御剣検事さん。 カワイソウ‥‥ | |
裁: |
今回のミスは、法廷史上に残る ‥‥まさに、前代未聞です。 検察側の申し入れどおり、 1日だけ待ちましょう。 よろしいですね、御剣検事。 | |
御: | ‥‥カンシャする、裁判長。 | |
裁: |
今回の件で、あなたに決定的な 処置が下されないよう、祈ります。 ‥‥それでは! 本日は、これにて閉廷! |