成歩堂 龍一…黒 | |
御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
宝月 茜…桃 | |
宝月 巴…藤 | |
巌徒 海慈…紫 | |
罪門 恭介…紺 | |
市ノ谷 響華…水 | |
原灰 ススム…黄 |
成: |
あなたは、何かの理由があって 多田敷捜査官のカッコウをして‥‥ 証拠保管室に侵入しました。 その理由はまだ、わかりません。 |
罪: | ”まだ”ねえ‥‥ |
成: |
しかし‥‥そこで、 予想外のコトが起こったのです。 原灰巡査の登場です。 IDカードの提示を求められて、 あなたはナイフで脅そうとした。 ‥‥ところが! 原灰巡査は、パニックになって しまった。そして‥‥ あなたが着ていた白いコートは、 血で汚れてしまったのです! |
裁: | 血のついた、白いコート‥‥ |
成: |
そのまま出ていくワケには 行かない。そこで、あなたは‥‥ 自らの保管庫に、そのコートを しまいこんだのです。 |
罪: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ やるじゃねえか、カウボーイ‥‥ |
裁: |
‥‥それでは、証人。 聞かせていただきましょうか。 ”本当のコト”を‥‥ |
罪: |
どうやら‥‥アンタたちを 見くびっていたようだね。 なァ、御剣検事さんよォ。 |
御: | ‥‥‥‥‥‥ |
罪: |
2年前。 アンタが、今日と同じように‥‥ 正々堂々と、あの事件を 扱ってくれていればなァ。 きっと、こんなコトには ならなかっただろうに‥‥ |
成: |
罪門さん、聞かせてください! あなたがやったことを‥‥すべて。 |
罪: |
‥‥どうやら。 そうするときが 来たみたいだね。 |
罪: |
『あの日しかなかった。オレは、 アイツを死なせたくなかったのさ。』(証言1) 『IDを盗んで、ヤツに変装して‥‥ 証拠品を運びだすつもりだった。』(証言2) 『原灰のジャマは、予想外だったさ。 なんとか殴ってキゼツさせて‥‥』(証言3) 『逃げ出したよ。カメラに 映らないエリアは調べてあったし。』(証言4) 『5時15分‥‥あのとき、 保管室で殺人事件はなかったのさ。』(証言5) |
裁: |
やはり、あの”被害者”は、 あなただったのですか‥‥ |
御: |
しかし‥‥妙だな。 現場である保管室の床には、 かなりの血痕が残っている。 殺人事件がなかったとしたら、 これらは、いったい‥‥ |
罪: |
原灰のヤツ、自分で勝手に 手をケガしたからね。 血の気の多いワカモノだった、 ってコトじゃないかな。 |
成: | (そうは見えなかったけど) |
成: |
”アイツ”というのは、 やっぱり‥‥ |
罪: |
聞くまでもないだろ? カウボーイ‥‥ |
成: | (<<SL9号事件>>のコトか) |
御: |
解決されてから、2年‥‥ あの日の<<申し送り>>で、事件は 完全に”終わる”ハズだった。 |
罪: |
‥‥そんなコトは、認めねえさ。 あの事件は、まだ終わっていない! |
成: |
でも‥‥保管室に忍び込んで、 どうするつもりだったんですか? |
罪: |
‥‥解決した事件の証拠品は、 担当捜査官しか調べられない。 どんな手を使っても‥‥ この目でもう一度。調べたかった。 あの事件は‥‥そう。 オレの事件、なのだからね。 |
成: |
(罪門さんは、あの事件の 捜査のセキニンシャではない。 なのに、なぜ。そこまで こだわるんだろう‥‥?) |
罪: |
あの日は、最後のチャンスだった。 だから、オレは‥‥ |
成: |
なぜ、多田敷さんに 変装なんかしたんですか? |
罪: |
‥‥あくまで、多田敷が証拠品を <<申し送り>>したコトにしないと。 せっかく証拠品を盗み出したのに、 タイホされちまったら意味がない。 |
御: |
モチロン‥‥防犯カメラを 意識してのコトだろう。 |
裁: |
被害者のIDカードも やはり、あなたが‥‥? |
罪: |
事件当日の、朝。 盗みだしておいたよ。 |
成: |
(そういえば、遺失物届が 提出されていたな‥‥) |
罪: |
ヤツのIDカードなら、 シッカリ返しておいたぜ。 検事局の地下駐車場の‥‥ 床の上に、な。 |
成: |
(ぼくが見つけた、あのID‥‥ 罪門さんが置いたのか!) |
御: |
‥‥ケッキョクのところ。 キミが優秀でないおかげで 計画が成功した、というワケか。 |
罪: | ‥‥どういう意味だ? ボウヤ。 |
御: |
<<指紋>>のロックだ。モチロン‥‥ いくら、うまく変装をしても、 指紋を変えるコトはできない。 本来ならば。あの保管庫は 開かなかったハズなのだ。 |
成: |
(グーゼン<<手袋>>が挟まっていた から、保管庫は開いた‥‥ つまり‥‥罪門さんより前に、 多田敷さんが開けていた‥‥!) |
成: |
ナイフをつきつけて 追い払おうとしたんですよね? |
罪: |
‥‥オレとしたことが、 少し動転しちまったさ。 予定では、警備室を空けるのは、 ほんの5分ぐらいのハズだった。 まさか、その短いあいだに、 ダレか来るとは思わなかったさ。 |
裁: |
たしかに‥‥なかなか得がたい 人材と言えますな、その巡査。 <<刑事>>と<<不審者>>をカンちがい して、IDの提示を求めるとは‥‥ |
御: |
来月の給与査定‥‥ 少し、考えてみるとしよう。 |
成: |
(すごい権力を持ってるよな、 アイツ‥‥) |
罪: |
とにかく‥‥アイツが暴れるから、 少しキズつけてしまった。 すまなかったと思ってるぜ。 思いきり殴って、キゼツさせたし。 |
成: |
ちなみに‥‥ハラバイ巡査に向けた ナイフは、どこに? |
罪: | ああ。(今ヒゲをそってる)コイツのコトかい? |
成: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (何もコトバが浮かばない) |
裁: |
むむう‥‥それで、そのあと どうしたのですかな? |
成: |
やはり‥‥事前に 調べてあったんですね? |
罪: |
荒野の狩人は、用心深いのさ。 役に立つとは思わなかったよ。 録画されたカメラの映像は、 6時間ごとに消去される。 うまくいけば、なんの証拠も 残さずにすんだのになあ‥‥ |
御: |
ところが‥‥ 原灰巡査の抵抗によって、 コートに血痕が付着したわけだ。 |
罪: |
警備室に戻ったとき、 ヒトがいたらオシマイだからね。 保管庫を開けて、念のために コートを脱いでおいたんだよ。 |
成: | そのとき、ハラバイ巡査は‥‥? |
罪: |
キモチよさそうに寝てたな。 ‥‥ハラバイで。 |
裁: |
‥‥つまり、証人。 そのとき、保管室では‥‥? |
成: |
しかし。現場に残った血痕は、 事件があったことを示しています! |
罪: |
‥‥しつこいカウボーイは きらわれるぜ、カウボーイ! カメラに映っていた”被害者”は、 このオレ‥‥こうして生きてるさ。 |
御: |
‥‥それで。キミは、保管庫から 証拠品を盗み出したワケか? |
罪: |
それが‥‥ そうはいかなかったさ。 |
御: | ‥‥どういうことだろうか? |
罪: |
オレが保管庫を開けたとき‥‥ 証拠品はすでに、消えていたのさ。 |
裁: |
な、なんですと! 御剣検事! その証拠品は‥‥? |
御: | ‥‥今もなお、行方不明‥‥だ。 |
成: |
(多田敷さんの、 カラッポの保管庫‥‥ 証拠品は、盗まれていたのか!) ‥‥罪門さん。 1つ、聞きたいことがあります。 |
罪: |
聞くのは自由さ、カウボーイ。 ダレも止めやしないよ。 そして、モチロン‥‥ 答えるのは、オレの自由さ。 |
成: |
‥‥どうして、こんなコトを したんですか? 捜査官のIDを盗みだして、 ハラバイ巡査までキズつけて‥‥ リッパな犯罪じゃないですか! |
御: |
しかも‥‥キミは巡査だ。 これはもう、重罪と言えるだろう。 来月の給与査定で片づく モンダイではない。 |
成: |
(‥‥もともと、そういう モンダイじゃないけどな) |
罪: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 言っただろう? 御剣のボウヤ。 あれは、アンタの事件じゃない。 この、オレの事件なんだ。 ナットクの行くコタエを見つける ためなら‥‥なんだってするさ。 |
裁: |
ふむう‥‥‥ その、異常とも言える”熱意”。 証言に加えていただきましょう。 |
罪: |
『<<SL9号事件>>を、忘れない‥‥ その理由、アンタにわかるかな?』(証言6) |
成: |
‥‥罪門さん。 なんとなく、わかる気がします。 あなたが<<SL9号事件>>に こだわる理由が。 |
罪: |
きっと‥‥サボテンの精の イタズラだろうさ。 |
成: |
ここに‥‥<<SL9号事件>>の 資料があります。 この中に、”罪門”の名前を 見つけました。 |
罪: | ‥‥‥! |
成: |
連続殺人事件の、 被害者のヒトリです。 <<罪門 直斗>>‥‥ あなたと関係のある人物ですね? |
御: | ”ざいもん なおと”‥‥ |
罪: |
‥‥ボウヤは当然、 聞いたことがあるだろうさ。 なんせ、2年前‥‥ アンタと同じ、くだらねえ賞を もらった、名検事さんだからな。 |
裁: | なんですと! 検事‥‥ |
成: |
(”賞”って‥‥やっぱり、 <<検事・オブ・ザ・イヤー>>か) |
御: |
思い出した‥‥罪門 直斗検事。 私が担当した<<SL9号事件>>の 前任者だった。 |
罪: |
そうだ。アイツが殺されて‥‥ アンタが担当することになった。 |
裁: | ”アイツ”‥‥? |
罪: |
罪門 直斗は‥‥オレの弟だ。 当時の主席捜査官・巌徒 海慈と 組んで、捜査にあたっていた。 その下で動いていたのが、 オレたち捜査班だった。 あの連続殺人犯を起訴するために、 みんな必死でね‥‥ 青影 丈‥‥‥ 弟はヤツと格闘して、殺害された。 そして、その際‥‥ 青影は初めて”証拠”を残した。 それがヤツの運のつき‥‥ ついに起訴されて、判決を受けた。 ‥‥めでたし、めでたし。 公式記録には、そう書かれている。 |
裁: | ‥‥何か、モンダイが? |
罪: |
弟は、青影に殺されるような ヤツじゃない。 格闘の際の、ヤツの集中力‥‥ オレが、一番よく知っているさ。 |
御: |
‥‥たったそれだけのコトで、 今回のようなバカなコトを‥‥? |
罪: |
弟がイノチを落としたウラには、 ゼッタイに”何か”ある。 アンタたちが、隠そうとしても! ‥‥オレは知っているのさ。 |
御: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
裁: |
どうやら‥‥ これで、ハッキリしたようです。 ‥‥事件当日。 警察局で、何があったか‥‥ |
御: |
あの日は、<<SL9号事件>>の 再捜査権が失われる日だった。 2年前の解決にナットクできない 罪門 恭介は、証拠の強奪を計画。 |
成: |
多田敷捜査官のIDを盗みだし、 彼になりすまして、証拠保管室へ。 そこで、原灰巡査に見とがめられた ため、キゼツさせて逃亡‥‥ |
御: |
‥‥たしかに、これで ハッキリしたようだ。 やはり、あの日。 警察局では、殺人事件はなかった! |
成: | ‥‥‥! |
御: |
グーゼンとは恐ろしい‥‥ 検事局で殺人があったのと、 まったく同じ時間‥‥ 警察局にて”ニセモノ”の 格闘があったとは‥‥な。 |
成: |
(”グーゼン”‥‥? そんな、ツゴウのいい話が‥‥) |
裁: |
事件当日、警察局で殺人事件が なかった‥‥となれば。 当然。検事局の地下駐車場の 事件こそ”事実”というコトです。 |
御: |
そうなれば‥‥やはり。 犯行が可能なのは1人きり、だ。 ‥‥宝月 巴主席検事。 |
成: |
し、しかし! きのうの審理で、 結論は出なかったはず‥‥ |
御: |
だから、今日! こうして 警察局の事件を審理したのだ。 |
成: | あ‥‥‥! |
御: |
きのう、宝月 巴に判決が 下されなかった理由は、1つ。 警察局で発生した”同時殺人”の ナゾが残されていたからだ。 |
罪: |
どうやら‥‥ボウヤのほうが 1枚、上手だったようだぜ‥‥ |
御: |
警察局の、すべてのナゾは解けた。 ムジュンするものは、もうない。 ”殺人”は、検事局で発生した! 可能だったのは、宝月 巴のみ。 目撃者・市ノ谷 響華の証言に、 マチガイはなかったのだ! 何か反論があれば‥‥ 2.5文字以内でおねがいしよう。 |
成: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ <<ぐッ!>> |
御: | 以上、だ。 |
裁: |
どうやら、結論が出たようです。 ギモンの余地は、ありません。 |
御: |
警察局の<<同時>>殺人事件‥‥ 私が出るまでもなかったようだ。 ご協力をカンシャしよう。 ‥‥弁護人。 |
成: |
(‥‥今日、ぼくが立証したことに マチガイはなかったハズだ‥‥ 防犯カメラに残された映像は、 ニセモノだった! でも、それが‥‥ ともえさんの有罪を 立証してしまうなんて‥‥!) |
裁: |
それでは! 宝月 巴に 判決を言いわたします! |
茜: |
ちょ‥‥ちょっと 待ってください! |
成: | あ、あかねちゃん! |
茜: |
ベンゴ側には‥‥その。 カガク的に、イギがありますっ! ‥‥ね! |
成: | ”ね”と言われても‥‥ |
裁: |
‥‥弁護人。 あなたですか? この子のホゴシャは。 |
成: |
‥‥え! は、はあ‥‥まあ、なん |
茜: |
おねがいします、5分だけ! ‥‥あたしの話、聞いてください! 御剣検事さん! おねがい‥‥ |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ ギモンを残すのは、 私の望むところではない。 ‥‥3分、時間を与えよう。 |