成歩堂 龍一…黒 | |
御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
宝月 茜…桃 | |
宝月 巴…藤 | |
巌徒 海慈…紫 | |
罪門 恭介…紺 | |
市ノ谷 響華…水 | |
原灰 ススム…黄 |
茜: |
さすが、局長さん! リッパなデスクですねー。 |
成: | (‥‥そういえば、さっき‥‥) |
巌: | 『なんだキミたち。来てたんだー。』 |
成: |
『きょ‥‥局長さん! (読んでいた書類を、デスクの 引き出しにしまいこんだぞ‥‥)』
|
成: |
いったい‥‥ 何を読んでいたのかな? |
糸: |
コイツは‥‥事件の 証拠品のリストッスね。 |
成: | 証拠品の‥‥? |
糸: |
いつもは、この倍ぐらいの 大きさがあるッスけど。 |
茜: | あ! この、事件名のところ! |
糸: |
え‥‥‥<<SL9号事件>>! どうして、こんなところに‥‥ |
成: |
! ちょっと待ってください。 ‥‥イトノコ刑事、今、なんて? |
糸: |
‥‥え。 なんか言ったッスか? 自分。 |
成: |
証拠品のリスト‥‥いつもは、 <<倍の大きさ>>がある、とか。 |
糸: |
‥‥そッスよ。よっぽど 証拠品が少なかったッスかねー。 |
成: |
(大きさが半分の、 証拠品リスト‥‥) |
御: |
『あの事件の証拠品リストだ。 たしかに、妙に少ない気がする。 リストの大きさも‥‥ いつもの半分ほど、だしな。』 |
成: |
(なぜ、こんなところに‥‥ もう半分のリストがあるんだ?) |
茜: |
やっぱり! 局長さん、あの事件の コト、何かかくしてるんですよ! |
成: | ‥‥そう考えざるを得ない、ね。 |
法廷記録に挟んだ。 | |
成: | これって‥‥金庫、ですよね? |
糸: |
キンコ‥‥なんと、アマくキケンな カオリのするコトバッスか‥‥ |
成: |
そんなコトを思うの、 イトノコ刑事ぐらいですよ。 |
茜: |
‥‥どうやら、暗証番号を入力する みたいですね。パネルに。 |
成: |
(7ケタの数字、か。 ココロ当たり、あるかな‥‥) |
糸: |
お! ナニか ココロ当たりがあるッスか? |
成: | ボンヤリ‥‥ですけど。 |
糸: |
あ。アレッス! ちなみに、自分の誕生日は‥‥ |
成: | (とにかく、やってみよう!) |
成: | ‥‥開いた‥‥ |
茜: | ど。どんな番号だったんですか! |
糸: |
‥‥ダレの! ダレの誕生日だったッスかッ! |
成: |
<<7777777>>‥‥ あの、IDカードのナンバーだよ。 |
茜: | え‥‥! |
成: |
正体不明の”上層部”の IDカードの持ち主さ。 |
糸: |
じゃ、じゃあ! ななななななななななななな‥‥ のIDナンバーは! |
成: |
”な”が1回少ないようですが ‥‥どうやら。 巌徒局長のナンバーだった! ‥‥そういうコトになりますね。 |
茜: |
と、とにかく! そのキンコ‥‥ よーく調べてみましょうよ! |
糸: |
い、いくら! いったい、 いくら、入ってるッスかッ! |
茜: | ‥‥あ! こ、これは‥‥! |
糸: |
なんだ。割れたおちゃわんの カケラッスか‥‥ |
成: |
(見たコトがあるぞ! このカケラ‥‥) |
茜: | まだ、ナニか入ってますね。 |
成: |
‥‥なんだ? コレ。 カワの布地、みたいだけど‥‥ |
茜: |
これ、って‥‥ 手のアト、ですよね。 |
糸: |
それがッ! ウワサの <<約束手形>>というヤツッスか! 銀行に持っていくと、おカネが うなるほど出てくる、マホーの札! |
茜: | ‥‥ちがいます。 |
糸: |
そんな目で見ないでほしいッス。 ウスウス、わかっていたッス。 |
茜: |
‥‥あの、それだけですか! キンコの中身は! |
成: | そうだね。もう、カラッポだよ。 |
糸: |
手のアトが残った布きれに、 おちゃわんのカケラ‥‥ッスか。 |
成: |
あの、その証拠品ですけど。 よかったら‥‥ |
糸: |
局長室のキンコの中身ッスよ! カンタンには、あげられないッス。 今回の事件と関係なかったら‥‥ 自分のクビが火を吹くッス! |
成: |
(やれやれ‥‥手に入れるには、 ”関連性”を証明するしかない。 ”2つの証拠品”と、 <<SL9号事件>>‥‥) |
茜: |
刑事さんに、いろいろ つきつけてみましょうよ! |
成: |
イトノコ刑事。このツボ‥‥ もう一度、見てもらえますか。 |
糸: |
みんなで組み立てたッス。 なつかしいッス。 |
成: |
(思い出にするには 早すぎるような‥‥) |
茜: |
このツボもやはり、 ”あの事件”の証拠品でしたね。 |
糸: |
そッス。カケラの1つに、 <<SL9号事件>>のシールが。 |
成: |
ところで‥‥気になりませんか? さっき見つけた、あのカケラ‥‥ |
糸: | キンコに入ってた、コレッス? |
茜: | キンコに入ってた、それです! |
糸: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ! ニワカに気になってきたッス! アンタ! やってみるッス! |
成: |
‥‥じゃあ、カケラをください。 やってみましょう。 |
糸: |
シロートに何ができるか、 見せてもらうッス! |
茜: |
成歩堂さん! はい、ノリです! |
成: |
(これで、ツボが完成すれば‥‥ 巌徒局長は、故意に証拠品を ”かくしていた”コトになる! ‥‥とにかく、やってみよう!) |
成: |
‥‥ピッタリ、合った。 と、いうコトは‥‥ 巌徒局長は、『ワザと カケラを金庫にしまっていた』 |
茜: | ! |
成: |
‥‥<<SL9号事件>>の証拠品を ”かくしていた”コトになるね。 |
茜: | そんな‥‥ |
糸: |
ちょっとアンタたち! これを見るッス! |
成: | な、なんですか? |
糸: |
今回、ハメこんだ破片は‥‥ アキラカに、今までとは違うッス! |
茜: |
新しく見つけたカケラには、 赤黒い”線”が描かれています! |
成: |
(”赤黒い”線‥‥ やはり、”血痕”‥‥だよな) |
糸: |
わ、わからねッス! ‥‥なぜ、巌徒局長は こんなモノを金庫に‥‥? |
書きなおした。 | |
成: |
イトノコ刑事‥‥ これ、なんですけど。 |
糸: |
お。なんスか? もしかして‥‥ とりたいッスか? 指紋。 |
茜: | おねがいします、刑事さん! |
糸: |
しかたないッスね、もお。 ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
茜: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
成: | なんですか? その右手は。 |
糸: | とっていいッスよ。指紋。 |
茜: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ あの。とりたいのは、刑事さんの 指紋じゃないんですけど。 |
糸: | え! |
成: |
”え”じゃないでしょう! さっき金庫で見つけた証拠品に 決まってるじゃないですか! |
糸: |
は。ははは。ははははははは。は。 も、モチロン、この布キレッスね? ジョークッスよ。ジョーク。 決まってるッス! |
茜: |
それじゃあ、 おねがいしますね、成歩堂さん! コナをふりかけて、 指紋に吸着させて。 ふーっ、て吹くんですよ! |
成: |
(おかあさんみたいに 言われてしまった) ‥‥よし。やってみよう! |
成: |
(こ、これは‥‥ どういうコトだ! なぜ、ここに あかねちゃんの指紋が‥‥!) |
茜: |
あ! 一致したんですかっ! ね。ね。ダレのでした? |
成: |
え! いや‥‥その。 どうも、指紋が古いみたいだ。 いまひとつ、 ハッキリしないんだよ。 |
茜: |
ううん‥‥ザンネンだなあ。 青影の指紋だと思ったのに。 |
糸: |
‥‥ちょっと、アンタ。 こっちへ来るッス。 なぜ、局長のキンコに、 あの子の指紋が入っているッス? |
成: |
ぼくに聞かないでくださいよ。 ‥‥とにかく‥‥ 今は、彼女には ヒミツにしておきます。 |
糸: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ やっぱり‥‥コイツは、アンタに わたしたほうが、よさそうッスね。 |
法廷記録に挟んだ。 | |
糸: |
‥‥どッスか? 役に立ってるッスか? 自分。 |
成: |
モチロンですよ。 刑事さんのIDカードのおかげで、 重要な証拠が手に入りました。 |
?: |
‥‥ヒドいなー、それ。 つまり、”IDカードがなければ なんの価値もない”‥‥ ‥‥そういうコトでしょ? そのコートのヒト。 |
茜: | きゃわはあああっ! |
糸: | ガントキョクチョー! |
成: |
‥‥戻ってくるとは 思いませんでした。 |
巌: |
ホラ。イヤな予感ってさ。 当たるでしょ? さっき、歩いてたらさ。 よそ見しながら走ってきて、電柱に ゲキトツしたノラ犬を見たわけ。 その瞬間。ある男のカオがさ。 ピンと浮かんだのよ。 |
糸: | それ、自分のコトッスか‥‥ |
巌: |
‥‥とにかく。 出ていってくれる? みんな。 |
茜: |
は、はい! すみませんでした‥‥ |
巌: | あ。コートのキミさ。 |
糸: | は、自分ッスか! |
巌: |
IDは置いてってよ。 もう、いらないでしょ、キミ。 |
糸: | え‥‥ |
巌: | ‥‥消えなよ。早く。 |
糸: | は‥‥ははは、はははあッ! |
成: |
あ‥‥じゃあ。 ぼくたちも、これで‥‥ |
巌: |
あー。ちょっと待って。 キミ、残ってくれるかな。 ‥‥そっちの、アタマの とがってないほうのカノジョ。 |
茜: | え! あ、あた、あたしですか! |
巌: |
ハナシがあるんだよね。 ‥‥おりいって。 |
茜: |
で、でもあたし! まだ正式には カガク捜査官の免状はありませんし |
巌: |
あ。アタマのとがったほうのカレ。 ‥‥キミはいいよ。出て行って。 |
茜: | なな、成歩堂さあん‥‥! |
糸: |
‥‥だから、自分。 あれほど言ったッスのに。 局長室はダメだと。やめておけと。 それなのに、アンタがムリヤリ‥‥ |
成: |
クビをカクゴしてたんじゃ なかったんですか? |
糸: |
ジッサイにクビになるのが こんなにショックなモノならば‥‥ カクゴなんか しなきゃよかったッス! |
成: |
(局長室に眠っていた ”証拠品”‥‥ やっと、見えてきた気がする。 いったい、なぜ‥‥ 彼女が、不自然なチンモクを 守りとおしてきたのか‥‥?) |
糸: |
とにかく! 自分はもう一度、 局長とかけあってくるッス! じゃっ! |
成: |
‥‥その後、あかねちゃんから 連絡が入った。 ‥‥任意同行の上、調書をとる ので、今日は帰れない、と‥‥ |
留置所 面会室 | |
巴: |
‥‥そう、ですか。 局長が、あかねを任意同行‥‥ |
成: |
考えてもしかたありません。 明日は、最後の法廷です。 ぼくは、ぼくにできるコトをする ‥‥そう思って、ここに来ました。 |
巴: |
でも。私にはもう、 お話しできることは‥‥ |
成: |
この2日間。あなたは‥‥ 何も話してくれませんでした。 ダイジなことは、何ひとつ。 |
巴: |
‥‥そうでしょうか。 1つ、あるではありませんか。 最初からハッキリ言っています。 <<多田敷捜査官を 刺したのは、この私>>と。 |
成: |
あなたの、そのコトバのウラに ひそむ、”ある人物”‥‥ ぼくにも、やっと 見えてきた気がするんですよ。 |
巴: |
‥‥‥‥‥‥‥ 千尋さんも、いい弁護士を育てた ものね。‥‥うらやましいわ。 |
成: | ‥‥! |
巴: |
やはり‥‥御剣くんの 言うとおり、でしたわね。 |
成: | ‥‥御剣‥‥ですか? |
巴: |
あなたは‥‥信じこんだら最後、 決してあきらめない。 ‥‥ヤッカイなオトコ。 |
成: |
(最後に、ともえさんから すべてを聞き出すんだ!) |
成: |
最初から、フシギでした。 ”自分がやった”と繰り返すのに、 決定的な証拠は、どこにもない。 ‥‥そう。あなたは、 ”話そうとしない”のではない。 ”話すことができない”のです。 ‥‥ある人物のために。 |
巴: |
おもしろいですね。 ”ある人物”‥‥ですか。 私が、その人物を かばっている‥‥とでも? |
成: |
どうでしょうか。むしろ‥‥ 恐れているのかもしれません。 |
巴: | ! |
成: |
あなたは、恐らく‥‥その人物から ”口止め”されているのです。 |
巴: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 成歩堂弁護士。ハッキリ お聞きして、よろしいでしょうか。 私が”恐れている”人物。 ‥‥どなたのコト、なのかしら? |
成: | ‥‥いかがですか、ともえさん。 |
巴: |
‥‥‥‥‥‥‥ あなたがコトバをかわしている のは‥‥主席検事です。 そのジジツを、お忘れなきよう。 |
成: |
(‥‥カンタンにしゃべる 気はない、ということか) |
巴: |
申しわけありませんが‥‥ もう少し、詳しく 聞かせていただけるかしら。 |
巴: |
2年前まで、いっしょにシゴトを。 ソンケイする捜査官、でしたわね。 |
成: |
もし、巌徒局長がソンケイできる 人物ならば‥‥なぜ。 彼は、自らの罪を かくそうとするのでしょうか? |
巴: | ”罪”‥‥? |
成: |
これから‥‥あなたと御剣は、 罪を問われることになります。 証拠品の”いんぺい” そして、”ねつ造”‥‥ |
巴: |
‥‥捜査官として、あっては ならない、重罪ですから。 |
成: |
なぜ、そこに巌徒局長の 名前がないのですか? |
巴: | きょ、局長が‥‥? |
成: |
御剣は、ねつ造のジジツを 知りませんでした。 その証拠をジッサイに 操作できたのは‥‥ |
巴: |
私ですわね。副主席捜査官で、 あの事件を担当していましたから。 |
成: |
そして、もう1人。主席捜査官の、 巌徒 海慈がいます。 |
巴: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ そこまで言うのならば‥‥ 見せていただけますか? 巌徒局長が、あの事件の証拠に 不正を行ったという証拠を! |
成: |
‥‥つい、さっき。 局長室の金庫から発見しました。 この”ツボのカケラ”と、 ”布きれ”‥‥ あなたなら、おわかりですね? <<SL9号事件>>の証拠品です。 |
巴: | さ‥‥さあ。私には‥‥ |
成: |
証拠品をかくしていたのは、 巌徒局長自身だったのです。 なぜ! その罪を、あなたが かばおうとしてるんですかッ! |
巴: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ お察しのとおり。 私は、巌徒のコトバに 逆らうことができないのです。 ‥‥たとえ、何があっても! |
成: | いったい‥‥なぜですか? |
巴: |
言えるわけがありません。 だから。3日前の、あの日も‥‥ 私は、協力するしかなかった。 |
成: | (多田敷捜査官の”殺害”‥‥!) |
巴: |
”協力”というより、”命令”。 そのほうが、よりセイカクかしら。 |
巴: |
‥‥詳しい事情は話せません。 あの日、私は‥‥ ある”命令”を受けたのです。 |
かたづけてもらいたい。 死体は、御剣 怜侍の クルマのトランクの中だよ>> | |
成: |
やっぱり‥‥そうだったんですね。 多田敷捜査官を殺害したのは‥‥ あなたじゃなかった! |
巴: |
‥‥そうです。 私は、御剣くんのクルマで 死体を運び出そうとしました。 ‥‥トランクのフタは コワされていました。 死体をカクニンしたとき‥‥ 胸に刺さったままのナイフ‥‥ あの”凶器”が目に入ったのです。 |
成: |
”凶器”‥‥ この、御剣のナイフですか? |
巴: |
そうではありません。 私が見たとき刺さっていたのは ‥‥このナイフだったのです。 |
成: |
(<<SL9号事件>>‥‥ 殺人犯・青影 丈のナイフか!) |
巴: |
‥‥そのナイフを、そのままに しておくことはできなかった。 それで、それを死体から抜いて、 別のナイフを‥‥‥刺したんです! |
成: |
それが‥‥この、御剣のナイフ というワケですか。 |
巴: |
そのとおりです。 死体とはいえ、ナイフを刺すのは 本当に、おそろしかった‥‥ だから‥‥そのとき。 手を切ってしまったんです。 |
成: |
それが‥‥その、 右手の包帯、ですか。 |
巴: |
‥‥ええ。被害者のクツも よごしてしまったようですけど。 そして‥‥ ‥‥その瞬間を、彼女に 目撃されてしまったのです。 |
成: |
(おキョウさん、か‥‥) なぜ‥‥そこまでして、 このナイフをかくしたんですか? |
巴: |
‥‥2年前。なんとか、あの事件を 終わらせることができました。 もう、二度と。 捜査をされたくなかったのです。 たとえ、どんな手を使っても‥‥ それを阻止するつもりでした。 |
成: |
だから‥‥あのナイフを かくそうとしたんですか。 |
巴: |
<<捜査官を刺殺した”凶器”が 青影事件の証拠品だった>>‥‥ そうなれば‥‥まちがいなく、 マスコミは飛びつくでしょう。 |
成: |
そこで、ナイフにスカーフを 巻いて‥‥かくしたんですね。 御剣のクルマの‥‥排気パイプに。 |
巴: |
そう。そして、妹に‥‥ あかねに、電話をかけたのです。 事情を説明して、マフラーの中の 証拠品をかくしてほしい、と‥‥ |
成: | あ、あかねちゃんに? |
巴: |
‥‥できれば、警察関係者には 知られたくなかったのです。 |
成: |
(だから‥‥あかねちゃんは、 最初から知っていたのか‥‥ ともえさんの”無実”を!) |
巴: |
電話といえば‥‥ 悪い予感は、していたのです。 |
成: | 悪い予感‥‥? |
巴: |
じつは‥‥巌徒から あの指令を受けたとき。 私は、すぐに電話をかけたのです。 ‥‥罪門巡査に。 |
成: |
ざ、罪門さんに‥‥? いったい、なぜ! |
巴: |
<<SL9号事件>>の主任捜査官が、 巌徒によって、殺害された。 そのジジツを、なんとしても かくしとおさなければならない。 たよれるのは、彼しかいない‥‥ あのとき、私はそう思ったのです。 しかし‥‥彼は、 予想外の行動に出ました。 |
成: | あ! ま、まさか‥‥ |
巴: |
彼は、事件を”死なせない”ため、 彼自身の計画を実行した‥‥ |
成: |
(多田敷捜査官に変装して‥‥ 証拠品を盗み出そうとした!) |
巴: |
彼は、あの日。多田敷捜査官の IDを盗んでいたものの‥‥ 証拠保管室へ侵入する決心が、 つかなかったようなのです。 でも。私の電話によって、 その迷いがなくなった、とか。 |
成: |
あなたの電話が‥‥証拠保管室の 事件を引き起こしてしまった‥‥! |
巴: |
‥‥成歩堂弁護士。 お話しできることは、以上です。 |
成: | ともえさん‥‥ |
巴: |
あなたは、尊敬にあたいします。 捜査官としても、弁護士としても。 でも‥‥おねがいです。 明日の法廷では、これ以上の追求は しないでほしいのです! |
成: |
(明日の法廷‥‥ 彼女の闇を払う方法は、1つだ。 ‥‥すべてに、ケリをつける! 多田敷捜査官を殺害した、犯人。 そして‥‥2年前の、あの日。 ‥‥局長室で、いったい 何が起こったのか‥‥?) |