成歩堂 龍一…黒 | |
御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
宝月 茜…桃 | |
宝月 巴…藤 | |
巌徒 海慈…紫 | |
罪門 恭介…紺 | |
市ノ谷 響華…水 | |
原灰 ススム…黄 |
裁: |
静粛に! 静粛に! 静粛にッ! やはり‥‥あの事件の捜査には、 不正があった、というのですか! |
成: |
ここで、もう一度‥‥ 2年前の、あの事件があった日の ことをカクニンしてみましょう。 あの日は‥‥警察局と検事局の 式典が行われました。 罪門 直斗検事は、その式典で 検事局賞を受けたあと‥‥ 巌徒 海慈とともに、 青影 丈の事情聴取にあたった。 その事情聴取の最中、 青影は取調べ室から逃走‥‥ 罪門検事は、その後を追って‥‥ 青影 丈に刺殺された! この”物語”のどこかに‥‥ ”ウソ”がひそんでいるのです。 |
裁: | ‥‥ふふむむう‥‥ |
茜: |
‥‥‥あたし。 ウソなんかついていないのに。 ハンニンが振り上げたナイフは、 最初から、折れていたんです! |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ もし、それが<<真実>>ならば‥‥ 他に、考えようはない。 これは、凶器ではなかったのだ。 |
成: | ‥‥! |
御: |
”折れたナイフ”が、 他にあったと考えるしかない! |
裁: |
しかし‥‥そんなにツゴウよく、 ナイフが他にある、など‥‥ |
成: |
(青影のナイフ以外に、 ベツの刃物が存在した‥‥ ‥‥そんな可能性は、あるのか? ”折れた”刃物の<<正体>>‥‥) |
成: |
‥‥証人がここまで主張する以上。 ”見まちがい”で、かたづける ワケにはいかないでしょう。 |
茜: | 成歩堂さん‥‥ |
成: |
彼女は、見たのです! あの一瞬‥‥折れた”ナイフ”を。 |
裁: |
どうやら‥‥弁護人には、 考えがあるようですね。 青影のナイフとはベツの、 ”凶器”の存在‥‥ |
成: |
(凶器は、<<最初から折れていた>> ‥‥1つだけ、可能性はある!) ‥‥ごらんいただきましょう。 これが”凶器”の正体です! |
成: |
やはり‥‥コタエは 2年前にありました。 ‥‥この、パネルの中にッ! |
御: |
これは、授賞式の日の写真‥‥ あ、ああ‥‥ッ! |
裁: | ど、どうしましたか、御剣検事! |
御: | 折れた‥‥”凶器”‥‥! |
成: |
罪門 直斗検事が持っている ”賞品”に注目してください。 |
茜: |
‥‥<<折れたナイフ>>が‥‥ こんなところに! |
成: |
証人の絵に描かれた”凶器”は、 青影 丈のナイフではなかった。 ‥‥それならば! その正体は、この<<賞品>>だった のではないでしょうかッ! |
裁: | 静粛に! 静粛に! 静粛にぃッ! |
成: |
あの日‥‥罪門検事は、<<検事・ オブ・ザ・イヤー>>に選ばれた。 賞品として、この<<割れた盾>>と <<折れた剣>>を受け取ったのです。 そして、青影 丈が逃走したとき ‥‥とっさに、それを手に取った! 警察官ではない罪門 直斗は、 当然、ピストルを持っていない。 <<折れた剣>>は、イザという ときのための、武器だったのです! |
御: |
そんな‥‥ そんなコトはあり得ぬッ! |
成: | その理由は! |
御: |
もし、検事局賞の<<折れた剣>>が <<凶器>>ということになれば‥‥ <<被害者>>と<<加害者>>が 逆転してしまうではないかッ! |
成: | なんだって‥‥? |
御: |
‥‥つまり! ナイフを振りかざしている この”ハンニン”こそが‥‥ 罪門 直斗検事だった、という コトになってしまうのだッ! |
成: |
う‥‥‥‥‥‥‥‥ うおおおおおおおおおおおおおッ! |
裁: |
しかし! ジッサイに亡くなって いるのは、検事のほうですぞ! |
成: |
は、はあ‥‥たしかに。 (いったい、どういうコトだ‥‥) |
御: |
‥‥どうやら。弁護人の 勇み足だったようだ‥‥ |
茜: |
待ってください! あたし‥‥ 思い出しました。すべて! |
裁: | しょ、証人‥‥ |
茜: | あの! 御剣検事さん! |
御: | なんだろうか‥‥ |
茜: |
さっきの‥‥検事さんの 証拠品リスト、見せてください! |
裁: |
リスト‥‥? ウラに ラクガキされていた、アレですか? |
茜: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ やっぱり、そうだ。 これ‥‥やっぱり。 あたしが描いたものなんです。 |
御: | な‥‥なんだと! |
成: | きみが、描いた‥‥? |
茜: |
あたしが描いたとき‥‥ リストは、破かれていなかったの。 そうです‥‥あたし。 ‥‥あのときのコト、 必死に忘れようとして‥‥ 今まで、ココロの底に 閉じこめていたんだ‥‥ |
裁: |
どうやら‥‥<<証言>>として うかがったほうがいいようです。 ‥‥よろしいですか? 証人。 |
茜: | は、はい‥‥ |
成: |
(ナイフのムジュンに、 ナゾのタイホくんのカゲ‥‥ いったい、どんなハナシが 飛び出すんだ‥‥?) |
茜: |
『ハンニンのヒトが、ナイフを 振り上げるのを見て‥‥あたし。』(証言1) 『ムチュウで、飛びかかったんです! ‥‥2人の人影に向かって。』(証言2) 『そして、ナイフのヒトを つき飛ばした‥‥気がします。』(証言3) 『そのとき、窓が一瞬光って。 あたし‥‥タイホくんを見たの!』(証言4) 『部屋の中には、いなかったのに‥‥ たしかに、タイホくんでした!』(証言5) |
裁: | ‥‥なんという‥‥ |
御: |
バカな! あり得ぬッ! 刑事課の課長が、このカイブツを 生み出したのは、今年のコトだ! |
成: |
(2年前には‥‥まだ、 存在すらしなかったワケか) |
裁: |
それでは、弁護人。 ‥‥尋問をおねがいしましょうかな |
巴: |
ダメ! これ以上‥‥ 裁判をつづけないで! おねがい! |
成: | ‥‥ともえさん! |
裁: |
な‥‥なんですか、被告人! 被告席を離れないように! |
巴: |
こんなの、違法よ! 私‥‥ 罪を認めているではないですか! どうして、そっとして おいてくれないの! |
御: | ‥‥宝月主席検事。 |
巴: | ! |
御: |
すでに、ここまで来てしまった。 ‥‥もう、戻ることはできない。 |
裁: |
そこまで! これより、尋問に入ります。 係官。被告人をおねがいします。 |
成: |
(どうやら‥‥いよいよ、 核心に近づいたみたいだな‥‥) |
成: |
”カゲ”ということは‥‥ この、不敵なホホエミを浮かべた カオは、見ていないんですね? |
茜: |
はい。でも‥‥今もおぼえてます。 あの、3本のブキミなツノ‥‥ |
御: |
こんなギロンは、ムダだ。 2年前。まだ”存在しなかった” 以上‥‥見まちがいにすぎぬ! |
成: |
‥‥たしかに、 見まちがいかもしれません。 しかし、モンダイなのは、 その”原因”です! |
御: |
それならば‥‥弁護人には ココロ当たりがあると言うのか? ‥‥この”カゲ”の正体にッ! |
成: |
(カミナリの光が”一瞬”を 切り取って、目に焼きつけた! あかねちゃんが目撃した、 ”タイホくん”の正体とは‥‥) |
成: |
(この絵が描かれたとき、 タイホくんは存在しなかった。 ‥‥でも。彼女はジッサイに、 この”カゲ”を見たんだ!) ‥‥2年前の、あの日。 あのオフィスで‥‥1つだけ。 <<タイホくん>>のカタチに ”見えた”ものが存在した。 それが、弁護側の主張です! |
茜: | 成歩堂さん‥‥! |
裁: |
それでは‥‥弁護人に、 示していただきましょう! いったい、あの日。あの”瞬間” ‥‥証人は、何を見たのか? 宝月 茜さんが見た”タイホくん” の正体とは、なんですかッ! |
成: |
<<タイホくん>>の正体は ‥‥‥コイツです。 |
裁: |
それは‥‥‥‥ なんですかな? いったい。 |
成: |
おそらく‥‥<<ツボ>>でしょう。 なんとなく、ハッキリしませんが。 |
茜: |
でも、成歩堂さん! カタチがゼンゼンちがいますよ! |
成: |
たしかに、このままでは ただのツボです。 しかし‥‥<<見かた>>を 変えたら、どうでしょうか? |
裁: | ‥‥みかた‥‥? |
成: |
(‥‥提示するんだ! ツボの”正しい見かた”を!) |
成: |
いかがですか? ”キセキ”としか 言いようがありませんが‥‥ ‥‥だれがどう見ても、 これは、タイホくんです。 |
御: |
そ‥‥‥そんな‥‥‥‥‥‥ バカなコトがあァァァァッ! |
裁: |
静粛に! 静粛に! ‥‥たしかに、認めなければ ならないようです。 事件当日、現場にあらわれた <<タイホくん>>の正体‥‥ |
御: |
‥‥サーカスまがいの曲芸、 楽しませてもらったよ、弁護人。 しかし! だから、なんだと言うのかッ! |
成: | どういうコトですか? |
御: |
カイブツの正体は、ツボだった。 それがわかったところで‥‥ 何も変わらないではないかッ! |
成: |
‥‥それはちがうよ、御剣検事。 <<タイホくんの正体が、 この”ツボ”だった>>‥‥ それによって‥‥事件は、 まるっきり変わってしまう! |
御: |
‥‥おもしろい。 では、うかがうとしようか。 犯行の瞬間、証人は<<ツボ>>を見た ‥‥それによって変わるモノとは! |
成: |
1つずつ、考えていきましょう。 犯行の瞬間‥‥証人は、 このツボを目撃しました。 |
御: |
しかも‥‥ きわめて特殊な角度で、だ。 |
成: |
‥‥では。それを見ることができた ”場所”はどこでしょうか? |
裁: | ばしょ‥‥ |
成: |
事件当時、ツボが置かれていた 場所は‥‥ 写真が物語っています。 巌徒局長のオフィスの、棚の上‥‥ |
御: |
バカな! 死体は、宝月 巴の デスク付近で発見されたはずだ! 証人も、そう証言している ではないかッ! |
成: |
しかし! この写真と、証人の 証言が、真実を物語っている! ‥‥つまり、2年前。 青影と罪門検事が格闘したのは、 ともえさんのオフィスではない! 部屋の反対側の、巌徒局長の オフィスだったのです! |
御: |
ハンニンが、わざわざ 死体を移動させたというのかな? ‥‥巌徒 海慈のオフィスから、 宝月 巴のオフィスへ、と‥‥ |
成: | そうなりますね。 |
御: |
いったい、なんのためだ! なんのイミもないッ! |
成: | ‥‥そのとおり。 |
御: | ! |
成: |
なんの”イミ”もなければ‥‥ そんなメンドウなことはしません。 だから‥‥そこには、 ”理由”があったはずです。 |
裁: |
弁護人には‥‥ その”理由”がわかるのですか? |
成: |
(‥‥どうやら。 やっと、見えてきた‥‥ なぜ、ともえさんがあれほど、 審理を中断させようとしたか! ‥‥しかし。ここまで来たら、 行けるトコまで、行くしかない) 証言を思い出してください。 ‥‥証人は、ナイフを振りかざした 人物を、つき飛ばしました。 一瞬あと‥‥ツボが ハネ飛ばされて、宙を飛んでいる。 ‥‥その<<衝撃>>の原因。 いったい、なんだったのでしょう? |
裁: |
そ。それは、当然‥‥ つき飛ばされた人物が、カベに 打ちつけられたショックでは‥? |
成: |
それでは‥‥ もう一度、写真を見てください。 ツボが置かれたタナのほうへ つき飛ばされたとしたら‥‥ そこには、何があるでしょう? |
茜: | あ‥‥‥‥‥‥! |
裁: |
<<ヨロイ>>があります! <<剣>>をかまえた‥‥ |
成: |
‥‥さて。 証人に、つき飛ばされた人物は、 <<折れた剣>>を持っていました。 つまり‥‥<<検事賞>>を手にした 罪門検事だった、と考えられます。 |
御: |
な‥‥なんだと‥‥‥‥ ちょっと待て、弁護人ッ! まさか、キサマ‥‥‥ |
成: |
‥‥そう、なんです。 ここに、もう1つの可能性が 浮かび上がってきてしまう。 |
裁: | ”もう1つの”‥‥? |
成: |
もちろん、証人自身は知らなかった のでしょう。‥‥しかし! ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (うう‥‥コトバに出せない!) |
裁: | ど。どうしたのですか、弁護人。 |
御: |
今、提示された状況を考えれば‥‥ そのイミは、アキラカだ。 ‥‥あの瞬間。 宝月 茜がつき飛ばしたのが、 罪門 直斗検事だったのならば! |
茜: |
あ‥‥あたし‥‥が‥‥ 罪門さんが死んだのは‥‥ ‥‥あたしのせい‥‥ きゃああああああああああああああ ああああああああああああああッ! |
御: |
まさか‥‥彼女の証言が、 こんな結果をもたらすとは‥‥ |
裁: |
被害者のイノチを奪ったのは、 証人自身だった‥‥ そして、それを立証したのも ‥‥証人自身! まさに、前代未聞です! |
巴: |
‥‥い、今になって‥‥ 何を言い出すのですか! |
成: |
‥‥申しわけありません。 でも。状況を考えると‥‥ |
巴: |
罪門検事を殺害したのは、 あの青影 丈なのです! 妹が‥‥あかねが! その罪を着せられる、なんて‥‥ |
御: | ヒニクなコト、だな。 |
巴: | ! |
御: |
<<2年前、”ねつ造”があった>> それを認めたのは、あなた自身だ。 ‥‥罪門検事の死体が 移動させられたのは‥‥ ‥‥宝月 茜の”犯行”を かばうため、だったワケだろうか? |
巴: |
くだらないオシャベリは、 もうやめてッ! そこまで言うのならば‥‥ 私は、証拠の提示を求めます! 妹が、罪門検事を”殺害”した‥‥ その、決定的な証拠をッ! |
成: | しょ、証拠‥‥ですか! |
巴: |
今さら、証明できるはずが ないでしょうけどね‥‥ |
裁: |
たしかに‥‥証拠による立証は ムズカシイでしょうな。 |
御: |
証拠がダメならば‥‥ ”証言”しかない、だろう。 |
巴: |
ザンネンですけれど。 それもムリ、みたいね。 事件の当事者は全員、すでに 死んでしまっているのですから。 |
成: |
‥‥‥! (‥‥今となっては、死者に 証言を求めることはできない。 やっぱり‥‥ムチャな スイリだったのか‥‥!) |
御: |
ふう‥‥やれやれ。 そうなれば‥‥もちろん。 残る可能性は、1つしかない。 |
成: |
‥‥! (まだ、あるのか? 可能性が!) |
裁: | 御剣検事! それは、いったい‥‥ |
御: |
死者が、すでにメッセージを 残している、という可能性だ。 幸か不幸か、罪門検事は 即死ではなかった。 自らのイノチを断った人物の 名前を、残したかもしれぬ。 ‥‥なんらかの方法で。 |
巴: |
そ、そんな、バカげた‥‥ あり得ないわ! |
裁: |
いかがですかな? 弁護人。 これが、最後の可能性です。 <<死者のメッセージ>>‥‥ そのようなものが、存在するのか? |
成: |
(もう一度‥‥法廷記録を よく思い出してみるんだ!) 被害者が残したかもしれない、 <<真犯人の名前>>は‥‥ |
成: |
死者の残した”メッセージ”‥‥ 我々はすでに、手にしています。 |
巴: |
‥‥成歩堂弁護士! そこまでして‥‥あなたは、 妹を殺人者にしたいのですか! |
御: |
ゴカイしてもらっては困るな、 主席検事殿。 |
巴: | ‥‥‥! |
御: |
我々は、宝月 茜に、罪を 着せようとしているのではない。 わかっているはずだ。 我々のシゴトは、ただ1つ。 ‥‥<<真実>>を見つけだす。 それが、どんなに ツラいものであっても‥‥だ。 |
裁: |
‥‥それでは、弁護人。 証拠の提示を求めます。 死者の残した<<メッセージ>>‥‥ それを示す、証拠品とはッ! |
成: |
これこそが、 死者からのメッセージですッ! |
裁: |
これは‥‥先ほどの <<タイホくん>>ですね? |
巴: |
カレが、ハンニンの名を語る、 というコトかしら? |
御: |
‥‥そのカイブツに、 コトバがあるものなら、な。 |
成: |
(‥‥みんな、コレがツボに 見えなくなっているみたいだな) メッセージは残されていました。 ‥‥このツボの、表面に。 |
裁: | どういうことですかな? |
成: |
このツボには、かすかに 血のアトが残っています。 |
御: |
どうやら‥‥ダレかに ふき取られたようにも見えるが。 |
巴: | ‥‥‥‥‥ |
成: |
しかし。 カケラの一部分だけは、なぜか 血がふきとられずに残っています。 |
裁: |
たしかに‥‥アキラカに血で 描かれた”線”があります! |
御: |
つまり‥‥こういうコト、か。 これらの<<点>>は‥‥ かつては<<線>>だった。 |
成: |
‥‥罪門検事は、 即死ではありませんでした。 だから、自らの血を使って メッセージを残すことができた。 |
御: |
何者かが、ぬぐい去ろうと したようだが‥‥ ”線”が折れる部分だけは、ツボに 深くしみこんでしまったのだろう。 |
成: |
‥‥つまり! その点をつなげれば‥‥ 死者のメッセージが 浮かび上がってくるのです! |
巴: | な‥‥‥なんてこと‥‥‥ |
裁: |
‥‥弁護人! 被害者は、どんなメッセージを 我々に残していたのですかッ! |
成: |
それは‥‥この<<血痕>>が 語ってくれるでしょう! (”点”と”点”をつないで、 文字を作るんだ‥‥ あの状況で、被害者が書き残す とすれば‥‥それは、1つ! ‥‥”ハンニンの名前”しか ないはずだ!) |
成: |
(依頼人の無実を立証するのが、 弁護士たちの任務だ。 だから‥‥ともえさんを 救うことだけ、考えてきた。 その結果、たどりついた コタエが‥‥‥これなのかッ!) |
御: |
‥‥これが、罪門検事が残した 最後のコトバ、というワケか‥‥ |
裁: |
なんというコトでしょう‥‥ 殺意はなかった。 ‥‥しかし。 結果的に、被害者の イノチをうばったのは‥‥ |
成: |
宝月 茜さん、だったのです。 |
?: |
だから言ったでしょ? ‥‥御剣ちゃん。 |
御: | が‥‥‥巌徒局長‥‥ |
巌: |
キミさ。わかってる? 自分のやったコトの、イミ。 |
御: |
ど‥‥‥ どういうコトだろうか‥‥? |
巌: |
2年前の、あの事件。 青影 丈って、処刑されたでしょ? 裁かれたのは、カレの最後の犯行。 検事は、たしか‥‥キミ、だっけ? |
御: | ぐ‥‥ッ! |
巌: |
‥‥そうなのよ、御剣ちゃん。 キミ。無実のオトコをさ。 チョイと処刑させちゃったワケ。 しかも‥‥。ねつ造された 証拠を使って、ねェ‥‥ |
御: |
ぐ‥‥‥ぐッ! ぐおおおおおおおおおおおおおッ! |
成: |
青影 丈は、連続殺人犯だった! それは、たしかなハズでしょう! |
巌: |
そんなコトはね。 モンダイじゃないの。 知ってた? ボクたち、 正義の味方じゃないんだよ。 |
成: | え‥‥‥ |
巌: |
ボクたちはね。法の番人なワケ。 ひとりのオトコを処刑する‥‥ それって、タイヘンなコトよね。 現場に”ねつ造”があろうと ”インペイ”があろうと‥‥ 最終的なセキニンは、 担当した検事にあるのよ。 |
御: | ‥‥‥! |
巌: |
これだけはね。 動かせないジジツなのさ! |
‥‥検事局って、 いったいどうなってるんだよ! | |
‥‥ムジツのヤツが 処刑されたかもしれないんだぞ! | |
‥‥あのヒト、どうして 平気なカオ、してられるの! | |
裁: |
静粛に! 静粛に! 静粛に! 静粛にィィィィィィィィィッ! |
成: |
‥‥法廷に、むなしく 木槌の音がひびきわたった‥‥ ‥‥さわぎはおさまらず、 審理は一時、中断された‥‥ ‥‥法廷のゆくえは‥‥ もう、ダレにもわからない‥‥ |