第5話『甦る逆転』第3回法廷(その3)

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成歩堂 龍一…黒
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
宝月 茜…桃
宝月 巴…藤
巌徒 海慈…紫
罪門 恭介…紺
市ノ谷 響華…水
原灰 ススム…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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同日 午後12時6分
地方裁判所 被告人第2控え室

成: ‥‥すまなかったな、御剣。
こんなところで、おまえ自身も
知らなかった罪を暴いてしまって。
御: フッ‥‥
かまわないさ。
これは、私自身の
モンダイなのだから、な。
糸: シツレイするッス!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥
糸: あ、あの‥‥‥じゃ、またあとで。
シツレイするッス!
成: あ‥‥イトノコ刑事!
どうしたんですか?
糸: アンタ! まったく、
シツレイしちゃうッス!
現職の刑事に使い走りさせた上、
来てみれば、この空気!
成: ま、また、お使いですか。
ともえさんの。
糸: 今日の法廷が長びいて‥‥
1回でも、休憩を挟むコトに
なったら、アンタにわたせ、と。
成: ‥‥”しょうこほう”?
(たしか、2日前‥‥)

御: 『法廷における<<証拠法>>の2大原則
‥‥知らないわけではあるまい。
<<その1:警察局の認可のない
証拠品の提示は認められない>>』
茜: 『そ、そうなんですか!
成歩堂さん!』
成: 『た‥‥たぶんね。』
茜: 『もう! <<証拠法>>ぐらい
ベンキョウしておきましょうよ!』

糸: ‥‥それから、もうひとつ。
主席検事殿から、伝言があるッス。
成: 伝言‥‥?
糸: <<あのヒトと戦うつもりならば‥‥
この本が、きっと必要になる>>
成: (”あのヒト”‥‥か。
この本‥‥よく目をとおして
おいたほうがいいな‥‥)

ともえさんの<<証拠法入門>>を
ポケットにネジこんだ。
糸: でも‥‥今さら、
必要ないかもしれないッスね。
もう、今度こそ‥‥主席検事殿に
対する、判決しか残ってないッス。
成: ‥‥それは、ちがうと思いますよ。
イトノコ刑事。
糸:え‥‥‥
御: ‥‥刑事。わからないのか?
なぜ、この私が‥‥
ハジをさらしながらも、あの
検事席にしがみついているのか‥‥
糸: 御剣検事‥‥
御: 本日の、本当の審理は‥‥
ここから始まるのだ。
糸: でも! この先に、いったい
何があると言うッスかッ!
御剣検事は、やってもいない
”ねつ造”でキズつけられて‥‥
宝月 茜も、自分でも知らなかった
”死”を思い知らされて‥‥
アンタ! アンタはいったい、
何がしたいッスかッ!
成: だって‥‥‥
ともえさんは、多田敷捜査官を
殺害していませんからね。
糸:‥‥‥!
成: 彼女は‥‥被害者の死体に
ナイフを刺しただけ、なんです。
つまり‥‥他にいるんですよ。
<<真犯人>>が。
糸: なんスッて‥‥!
成: (そいつを引きずり出す‥‥
かならず!
みんなをキズつけた、この事件に
決着をつけるために!)


同日 午後12時52分
地方裁判所 第9法廷

裁: それでは、審理を再開します。
あの‥‥御剣検事。
御: なんだろうか。
裁: あなたに対して、査問委員会は
キビシイ処置をのぞんでいます。
御: それは、どうも‥‥
裁: えーと。それで、その。
通常ならば、あの。
これから、証人を呼んでいただく
ワケですが‥‥
マコトに言いにくいのですが。
あなたが‥‥アレじゃないかと。
御: トリヒキ‥‥かな?
成:‥‥!
御: 私が、証人を飼いならしているかも
しれない、というワケだ。
裁: 私が言ったワケじゃありませんぞ!
なんというか、みんながですね。
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥
よかろう、裁判長。
私のほうから1つ、
提案したいことがある。
裁: な。なんでしょうかな?
御: 本日の証人の喚問を、すべて‥‥
弁護側にゆだねよう。
裁: なんですとッ!
しかし、それは‥‥
御: もちろん、トクベツな処置だ。
しかし、それで証明できる。
その証人が”トリヒキ”など
していない、というコトが‥‥
裁: ふむう‥‥
いかがですかな? 弁護人。
成: ‥‥‥‥‥‥
(アイツが、道を作ってくれた。
これが‥‥審理をつづける
ための、1本しかない道だ!)
わかりました。弁護側は、
その提案を受け入れます。
裁: それでは‥‥弁護人。
特例ということで、
証人を呼んでいただきましょう。
御: わかっているな‥‥成歩堂。
成:‥‥!
御: これは、最後のチャンスだ。
まちがった証人を選んだ時点で‥‥
審理は、終わる。
成: ‥‥それでは、
証人の喚問を要請します。
(今こそ‥‥<<真犯人>>を
引きずり出すんだ!)

(「巌徒 海慈」を選択)
成: ‥‥巌徒 海慈氏を。
証人として、入廷させてください。
裁: が、巌徒 海慈‥‥
いったいなぜ、その名前がッ!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
巌徒氏は2年前まで、被告人と
ともに捜査官をつとめていました。
2年前の事件の関係者でもある。
‥‥ハナシを聞くべきと考えます。
裁: ふ、ふむう‥‥‥
御: さいわい、彼はまだ
裁判所にいるはずだ。そして‥‥
この世で最も”トリヒキ”から
遠い場所にいる人物。
‥‥そうではないかな?
裁: わかりました。
‥‥それでは、係官!
巌徒 海慈氏を証人席へ!

御: ‥‥証人。
名前と、職業をおねがいする。
巌: あのさー。
なんなのかな、コレって。
ボク、おヒル食べに行こうと
思ってたんだけどな。
御: ‥‥名前と、職業をおねがいする。
巌: 御剣ちゃんさあ。
こんなコトして、どうなるか‥‥
御: ‥‥名前と、職業だ。
巌: ふうん‥‥
そう来るんだ。
裁: お、おねがいします、局長。
巌: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ま。いいけどね。
巌徒 海慈。警察局の
局長だよ。よろしくね。
成: ‥‥それでは、巌徒局長。
証言をおねがいします。
巌: お。ナルホドちゃん。
どうしたの? そんなカオして。
成: まずは‥‥<<SL9号事件>>を
ハッキリさせましょう。
巌: ああ。トモエちゃんの妹ちゃんが
殺しちゃった、アレ?
もうハッキリしたんじゃないの?
いいと思うな、ボク。アレでさ。
成: ‥‥まだ、うかがっていない
コトがあります。
巌: ‥‥なんだろ。
成: あの事件で、あなたが
演じた役割ですよ、モチロン。
巌: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
キミも‥‥
そうとうイノチ知らずだな。
成: ‥‥‥‥‥
巌: 知ってる? 警察局長には、
いろんな武器があるって。
成: ”ぶき”‥‥ですか?
巌: たとえば‥‥こんな証言、
キョヒしたっていいワケだし。
成: え! そ。そうなんですか?
裁: たしかに‥‥警察局長には、
<<証言の拒否権>>があります。
御: ‥‥モチロン、キョヒをすれば
それなりのキケンもあるワケだが。
巌: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
やだなー。ナニもボク、
協力しない、なんて言ってないよ。
‥‥ただ。
くだらない証言はゴメンだ、と。
それが言いたいだけでね。
裁: それでは、巌徒局長!
‥‥証言をおねがいします!

(<<SL9号事件>>)
巌: 『あの日‥‥ボクと罪門ちゃん、
カレの取り調べをしてたんだけど。』(証言1)
『ドジ、やっちゃって。
しかも、カミナリで停電でしょ?』(証言2)
『ボクがオフィスに行ったら、
トモエちゃんがいてさ。』(証言3)
『そのとき、すでに現場には、
手が加えられてたんだね。』(証言4)
『ハッキリしてるよ。”ねつ造”
なんて、ボクは関わってないもん。』(証言5)
裁: ふむう‥‥‥そこで、
青影はタイホされたのですな?
巌: カレね。キゼツしていたワケ。
妹ちゃんがナオトちゃんを
つきとばしたとき‥‥
青影ちゃんも、アタマを
打ったみたいでさ。
裁: ナルホド‥‥。やはり、
アキラカのようですな。
成: (警察局長には、証言の
拒否権があるみたいだ。
‥‥一気に
たたきつぶすしかない!)

(「証言5」に「不安定なツボ」をつきつける)
成: あなたが<<ねつ造>>に
関係していない‥‥
ザンネンですが、
それは通りません。
巌: ‥‥どういうコト?
成: あなたの部屋から、いくつかの
証拠品が見つかったんです。
たとえば‥‥このツボ。
裁: それは、さきほど提出された
<<タイホくん>>‥‥
成: この最後のカケラは、
あなたの金庫から発見しました。
巌: ‥‥‥‥‥‥
成: ついでに、もう1つ。
先ほど提出した、
証拠品リストがあります。
‥‥これもまた、あなたの
デスクから発見されました!
裁: な、なんですと!
成: いかがですか、巌徒局長。
あなたのオフィスから発見された
これらの証拠品は‥‥
あなたが不正捜査に関係している、
何よりの証拠ですッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 巌徒局長!
こ。これは、いったい!
巌: ‥‥ふうん‥‥
コワいねえ。
最近の弁護士も、なかなか。
成: ‥‥認めるわけですね?
<<ねつ造>>のジジツを。
巌: え。ダレが? ボク?
それとも‥‥‥キミ?
成: な、なんで、ぼくなんですか!
巌: だって‥‥さ。
キミ。ボクのオフィス、
勝手に荒らし回ったワケだよね?
成:‥‥!
巌: ‥‥<<ねつ造>>をするのは、
何も検察側だけじゃない。
キミたちだって、できる。
そうだよね? ナルホドちゃん‥‥

(御剣検事「異議あり!」)
御: しかし! その調査には、
捜査官が立ち会ったハズだッ!
巌: 御剣ちゃんさァ。
違法は、違法なワケ。
だから‥‥
ノコちゃんにも、キビシイ
ペナルティが与えられるハズだよ。
御:な‥‥‥
成: なんですって!
(これ以上、ナニが起こるんだ!
イトノコ刑事の給料に‥‥)
裁: とにかく‥‥あなたのオフィスから
発見されたと言われる、証拠品。
現場の<<ねつ造>>もふくめて、
詳しい証言をおねがいします!
巌: やれやれ‥‥まったく。
最近のコは”スジをとおす”って
コトを知らないからコマるよねェ。

(<<証拠品>>と<<ねつ造>>)
巌: 『ツボのカケラと、リストだっけ?
キミが持ちこんだんじゃないの?』(証言1)
『そもそも、その証拠品が”いつ”
発見されたか、立証できるのかな。』(証言2)
『青影の判決が下ってから見つかった
証拠なら、無価値だよ。それって。』(証言3)
『だいたい、ボクが<<ねつ造>>なんて
するワケないでしょ?』(証言4)
『現場を偽装なんかしたって、
なんのトクにもならないもんねー。』(証言5)
裁: ふむう‥‥
成歩堂くん。
成:はい。
裁: あなたの”調査”‥‥
もう少し、キチンと
手順を踏むべきでしたね。
巌: 相手は、警察局長よ?
タダで済むワケ、ないじゃない。
成: うううう‥‥
巌: なんだったら、訴えてあげようか。
今後のためにも、さ。
裁: 申しわけありませんが、局長。
明日にしてもらえますかな。
今日はホラ。
アレがありますから。
巌: じゃ、チョーさんのカオに免じて。
でも、そのかわり‥‥‥
裁: わかっておりますぞ。
あそこですな。ほっ、ほっ、ほっ。
成: (‥‥オトナの会話が
始まってしまった‥‥)

(「証言5」をゆさぶる)
成: それは、どうでしょうか。
‥‥巌徒局長。
少なくとも、あなたは1つ、
大きなトクをしているはずです。
巌: へええ。知らなかったな。
なんだろ。教えてくれる?
成: ”局長”のポジションですよ、
モチロン。
裁:あ‥‥
成: <<SL9号事件>>解決のおかげで、
あなたは局長になった。
それは、リッパな
動機になるハズですッ!
巌: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あーっはっはっはっ。
ナメられたもんだね。ボクも。
成:え‥‥‥
巌: キミ‥‥ボクがそんなに
無能だと思ってたの?
成: ど。どういうことですか?
巌: あの事件がなくてもね。
ボクは次期局長に決まってたのね。
たしかに、あの件のおかげで
就任は少し、早まったかな。
成: ほ、ホントなのか? 御剣‥‥
御: う‥‥ム。たしかに‥‥
そうなっていただろう。
成: んぎゃあっ!
巌: 人さし指でヒトをさすときはさ。
刺し返されるコトもあるワケ。
御: ‥‥と、なれば。
あなたが<<ねつ造>>をする
可能性は、1つしかない。
自分のためではなく‥‥
”他人のためだった”。
巌: バカだねー、御剣ちゃん。
キミも知ってるでしょ?
‥‥ボクはね。
自分のために生きてるの。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
いいや。この際、
ハッキリさせておこうか。
‥‥証言、ちょっと変えるね。
チョーさん。
裁: は、はあ。助かります‥‥
巌: 『なんのメリットもないのに、
ダレかに協力するハズもないしね。』(証言6)

(「証言6」をゆさぶる)
成: ”メリット”‥‥ですか。
巌: ワルいけど、ボクさ。
キョーミがないから。自分しか。
あの子‥‥妹ちゃんだっけ?
彼女がカワイソウだから、同情した
‥‥なんて考えてるなら、ムダよ。
御: たしかに‥‥
あなたは、同情などしない。
巌: 罪にキビしく、ヒトにキビしく。
‥‥それが、ボクの生き方だから。
御: さぞかし、アマいのだろうな。
‥‥ご自分に対しては。
巌: あーっはっはっはっ。
いや。おもしろいコト言うよね、
御剣ちゃんてさ。
成: (どうなんだろう‥‥
”メリット”は存在したのか?
‥‥自分本位な局長が、だれかの
ために<<ねつ造>>を手伝った!)

(「”だれか”を指摘する」を選択)
成: あなたは”ヒトのため”に
助けることはないかもしれない。
しかし‥‥”自分のため”ならば。
だれかに手を貸すかもしれません。
巌: ‥‥‥‥‥‥
裁: どうやら‥‥弁護人。
どうしても、あなたは局長を‥‥
人助けの大好きな、やさしい
ヒトにしたいようですな。
成: (‥‥そういうコトじゃない)
裁: それでは、うかがいましょう。
いったい、どなたでしょうか?
‥‥巌徒局長が、<<ねつ造>>に
協力する可能性のある人物とは!

(「宝月 巴」を選択)
裁: 宝月 巴主席検事‥‥
ひ、被告人ですかッ!
巌: ‥‥‥‥‥‥
成: 事件の流れを見れば、
あまりにも、アキラカです。
宝月 茜さんが、不幸な事件に
巻きこまれた。
彼女をイチバン助けたいのは‥‥
姉の、宝月 巴さんです。
そして、巌徒局長は‥‥
彼女になら、協力する理由がある。
その理由とは、モチロン。
”自分の利益”です。
裁: り、利益!
いったい、どんな‥‥?
成: <<SL9号事件>>に
決着がついてから‥‥
宝月 巴さんは、主席検事として
検事局へ配属されました。
この異動を決めたのは‥‥
巌徒局長。あなた、だそうですね。
巌: ‥‥‥‥‥‥
裁: し、しかし。
それが、どういう利益に‥‥?
御: 警察局の局長室から、主席検事を
自由に操ることができる‥‥
それは、つまり! 捜査に関する
全権をニギることをイミするのだ!
裁: あ‥‥! もしかして‥‥
つ。つまり、いわゆるアレですか。
‥‥捜査の操作ッ!

(法廷中が静寂に包まれる)
裁: あ! いやッ。
私は決して、そういうつもりではな
成: いかがですか、巌徒局長!
あなたは、宝月 巴さんの
<<ねつ造>>に手を貸したのです!
彼女を主席検事にして、
自由に操作するためにッ!
巌: ナルホドちゃん‥‥スキなコト、
言ってくれるじゃない‥‥
じゃ、聞くけどさ。
成: ‥‥なんでしょう。
巌: トモエちゃんを”操った”だっけ?
‥‥そんな証拠、あるのかな。
たとえば、彼女自身が
そう証言しているの?
成: そ、それは‥‥
(彼女は、あかねちゃんのために
チンモクを守っているんだ‥‥
証言なんか、するハズがない!)
裁: ‥‥それでは、
ハナシになりませんな。
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あるいは。
それこそが‥‥
今回の事件だったのかもしれぬ。
裁: ”今回の”と言いますと‥‥
あの。どの事件ですかな?
御: モチロン‥‥
多田敷 道夫捜査官の殺害だ。
この事件における、彼女の行動は
‥‥一貫して、不自然だった。
まるで‥‥何者かに
”操られている”かのごとく!
巌: ‥‥御剣ちゃんさあ。
今の、キミの発言‥‥
どれだけキケンなものか、
わかってるのかな‥‥?
裁: ど‥‥どういうことですか?
成: つまり、こういうことです。
巌徒局長は、多田敷捜査官の
殺害に関与している。そして‥‥
宝月 巴さんを操って、
事件の<<いんぺい>>工作をさせた!
裁: な‥‥‥‥‥‥‥‥
なんですッとオオオォォォォォッ!

(ざわめきが起こる)


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