第1話『逆転の切札』第1回法廷(その2)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
牙琉 霧人…紫
裁判長…緑
亜内検事…茶
浦伏 影郎…青
逆居 雅香…水
成歩堂 みぬき…赤
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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亜: それでは、証人。名前と職業を。
裁: いやいやいや。
ちょっと待ってください!
どういう意味ですかな?
‥‥コレは。
亜: おそらく、コワいのでしょう。
弁護人の、ツノが。
王: (なんだよそれ!)
裁: ご安心なさい。そんなツノ、
この私がヘシ折ってあげますぞ。
?: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ホント‥‥ですか?
裁: この木槌にかけて!
だから、出ておいでなさい。
王: テキトーなヤクソク
しないでください!
?: それじゃ‥‥
おコトバにあまえて。
裁: では、あらためて‥‥

(証人、写真をとる)
裁: いやいやいや。
ちょっと待ってください!
だから、どういう意味ですかな?
‥‥コレは。
亜: はあ‥‥それが。
プロは商売道具を手ばなさない、
と言われまして‥‥
裁: しょうばいどうぐ‥‥?
雅: 逆居 雅香(さかいまさか)
‥‥と申します。
レストラン<<ボルハチ>>で
ウエイトレス‥‥していますの。
裁: しかし‥‥なぜ、カメラを?
雅: もちろん、<<ボルハチ>>ジマンの
ボルシチもお運びいたします。
でも、ワタシ。他にも、いろいろ
サービスをいたしますのよ。
裁: お客さんの写真を撮影するのも
そのひとつ‥‥ということですか。
雅: そのとおりですの。
‥‥たとえば、このような。
裁: こ、これは‥‥被告人、ですかッ!
亜: そう。
‥‥事件当夜のものです。
雅: 白い帽子をかぶったお客様‥‥
お亡くなりになった、とか。
裁: たしかに‥‥
まちがいなく、被害者です。

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
さりげなく、トンでもない証拠品を
持ち出しましたな。
雅: あたたかなお料理をソッと出すのが
ワタシのお仕事ですから。
裁: ふむう‥‥では、ソッと受理して
おきましょう。

証拠品<<雅香の写真>>のデータを
法廷記録にファイルした。
亜: さて、証人。
事件当時は、どこに‥‥?
雅: ワタシ、あの部屋にいたんです。
‥‥<<ナラズモの間>>。
王: ”ならずものま”?
雅: 伝説のギャング”ナラズモ”が
タイホされたというお部屋。
‥‥事件があった小部屋ですの。
王: なんだってェェェ!
雅: ‥‥そのビックリしたカオ、
ステキです。
あとで法廷の前に
張り出しておきますので‥‥
ほしい写真の番号を、みなさま
お書きくださいね。
王: (事件が起こったとき、
あの部屋にいたのは3人だけ。
被害者の浦伏 影郎、成歩堂さん、
そして‥‥
この証人‥‥逆居 雅香!
‥‥成歩堂さんが
ハンニンでないとすれば‥‥)
裁: それでは、証人!
事件当夜のことを
証言してください!

(事件当夜のこと)
雅: 『あの晩、お客さまにたのまれて
トランプをお配りしておりました。』(証言1)
『あの晩はサムくて‥‥お二人とも、
帽子もとらずゲームをされました。』(証言2)
『被害者の方は、首のロケットを
握りしめて勝負をなさってました。』(証言3)
『最後の勝負が終わった瞬間!
オソロシイ事件が起こったのです。』(証言4)
『あの方が被害者の方に飛びかかって
クビをお絞めになりました!』(証言5)
裁: ふむう‥‥
ちなみに、勝負はどちらが
勝ったのですかな?
亜: モチロン。
勝者は被害者‥‥浦伏氏です。

(王泥喜「異議あり!」)
王: そんなバカなッ!
だって、成歩堂さんが‥‥
負けるハズがないッ!
霧: あのね、オドロキくん。
もう少しマシな異議は
ないのですか。
王: でも!
‥‥7年間、無敗だったんですよ!
亜: フッ‥‥
私も、検事になってから
7年は無敗でしたがねえ。
ちなみに。
ここにちょっとした証拠があります。
事件が起こった瞬間の、
ふたりのポーカーのチップです。
こちら側の手札とチップが
被告人・成歩堂くんのもの。
あちら側が、
被害者・浦伏氏のものです。
裁: ちっぷ‥‥ですか。
亜: ご存じとは思いますが、
ポーカーというゲームは‥‥
自分の手札を武器に、
チップの枚数で戦うものなのです。
裁: も。モチロン、知っておりますぞ!
私も若いコロは‥‥
”第3法廷のポーカーヘッド”と
呼ばれたものです。
王: (”フェイス”だけどな。
フツーは)
裁: たしかに‥‥
この写真を見るかぎり、
ほとんどのチップは‥‥
被害者のほうにありますな。

証拠品<<チップの写真>>のデータを
法廷記録にファイルした。
裁: それでは、弁護人。
尋問をおねがいしましょうか。

(「証言5」に「浦伏影郎の解剖記録」をつきつける)
王: ”クビを絞めた”‥‥
それはオカシイですね。
雅: あの。ナニがでしょうか‥‥
王: 被害者は、”ヒタイを殴られて”
亡くなったのです。
雅: あああっ!
王: 証人! 本当に
犯行の瞬間を見たのですかッ!
雅: きゃああああああああああああッ!

(ざわめきが起こる)
裁: ふむう‥‥
たしかに、現場写真をみるかぎり、
殴られたようには見えません。
帽子まで、キチンとかぶって。
亜: しかし‥‥殴られたのはたしかです。
こちらをごらんください。
現場検証のため、
帽子をとって撮影した写真です。
裁: ‥‥なんとなく
親近感を覚えます。このアタマ。
たしかに一発、
ガツンとやられたようですね。

証拠品<<現場写真・2>>のデータを
法廷記録にファイルした。
雅: で、でも!
ワタシ、見たんです!
‥‥被告人さまが、被害者さまに
のしかかって、首を‥‥
王: (フン! ウソに決まっているさ。
これで勝負は決まったな!)
霧: ‥‥オドロキくん。
ガッツポーズもいいけど、もう少し
考えてみてはどうでしょう。
王: ど。どういうコトですか?
オレ。ムジュン、見つけたし‥‥
霧: 彼女の証言の中に、ひとつ‥‥
気になることがあるのですよ。
裁: ‥‥どうやら。
尋問をつづけたほうが
よさそうですね。
王: (ヤレヤレ‥‥
慎重すぎるんだよな、先生は。
イシバシを叩いて
コワすタイプ?)
霧: 聞こえてますよ、オドロキくん。

(「証言3」に「現場写真・2」をつきつける)
王: (たしかに‥‥先生の言うとおり。
証言には、不自然な点があった。
でも、いったい。
なんの意味があるのか‥‥)
裁: 弁護人! ダマってないで
説明をおねがいします!
王: ‥‥証人は、こう証言しています。
『被害者は、クビのロケットを
握りしめていた』‥‥
亜: そ。それが‥‥?
王: この写真を見てください。
‥‥被害者の首に、
そんなものはありません!
霧: そう。そのとおり。
‥‥さすが、ですね。
私の見込んだだけのことは
あるようです。
王: で、でも。それって、
どういうコト、なんでしょう‥‥?
裁: この証人の証言を
信じるのであれば‥‥
ロケットは、被害者の死後‥‥
”消えた”コトになります。
王: ”消えた”‥‥
そんな、バカなコトが!
霧: なあに。シンプルに
考えればいいのですよ。
ロケットが”消えた”‥‥ならば。
はずした者がいるはず、ですね?
王: ロケットを、はずした‥‥
あッ! それって、まさか!
霧: ”被告人が、被害者のクビを
絞めた”‥‥そうではなかった。
被告人は”ロケットをはずした”
‥‥そうは考えられませんか?
裁:あ‥‥‥
亜:え‥‥‥

(ざわめきが起こる)
裁: ひ、被告人ッ!
弁護人の主張‥‥いかがですかッ!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
そういえば。
成: なんですか。
裁: 今、気がつきましたが‥‥
あなたも、クビから
何かブラさげているようですが。
成: ああ‥‥コイツ、ですか?
たしかに、コイツはロケットだ。
中には、写真が入っている。
ぼくのムスメの写真が‥‥ね。
王:え。
裁: なんとねえ‥‥
あなたに、ムスメさんが!
亜: タイホしたとき、ワレワレも
カクニンしました。
ロケットの写真は、たしかに
被告人のムスメさんです。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: (成歩堂さんの、ロケット‥‥か。
正直なところ、
グーゼンとは思えないな‥‥)
裁: さて。ポーカーの”勝敗”が
事件の引き金になったとなると‥‥
やはり、そのコトについて
もう少し、聞いておきたいですな。
亜: まあ‥‥証言を聞くまでもなく、
このように。
被告人は、惨敗でしたがね。
雅: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: それでは! 証人!
被害者と被告人の”勝負”について
お聞かせねがいましょう。
雅: は、はい‥‥

(”真剣勝負”)
雅: 『おたがい、チップで3500点の
持ち点で勝負は始まりました。』(証言1)
『チップはお店のもので、大小の
2種類のものをご用意しました。』(証言2)
『ゲームに勝っていたのは‥‥そう。
被害者さまのほうでございました。』(証言3)
『被告人の方。最後の勝負をしかけて、
やはり。負けてしまいましたの。』(証言4)
『負けが決まった瞬間、被告人の方は、
かたわらのビンを握りしめて‥‥』(証言5)
裁: たしかに、
この写真を見ると‥‥
勝負は一方的だったようですな。
亜: ”ポーカーこそすべて”という
世界に住む被告人にとっては‥‥
耐えられないコト
だったのでしょうなあ。
裁: なるほど‥‥
『むしゃくしゃしてやった。
今は後悔している』‥‥
‥‥の、パターンですな。
王: (成歩堂さんは、ハッキリ言った。
『7年間、負けたことがない』
‥‥この証言には、ゼッタイ
”何か”あるはずだ!)

(「証言2」をゆさぶる)
王: チップは、写真に写っている
これでゼンブですか?
雅: は‥‥‥‥‥
はい。モチロンですの。
王: ‥‥?
(なんか、落ちつかないな‥‥
少し、くわしく聞いてみるか?)

(「さらにゆさぶる」を選択)
王: チップについて、くわしく
話していただけますか?
雅: そ。そう言われましても‥‥

(亜内検事「異議あり!」)
亜: チップはチップです。
いつまで待っても‥‥
キップにはなりませんぞ!
王: ‥‥はあ。
(セッカクだ。
なにか聞かないとソンだな)
たとえば‥‥そのチップ。
”円”ですか? ”ドル”ですか?
雅: ‥‥あの。
先ほども申しましたけれど‥‥
ギャンブルでは
ございませんでしたから‥‥
”1000点”と
”100点”の2種類。
おカネではございませんの。
霧: ‥‥オドロキくん。
王:はいッ!
霧: 今の証言‥‥
ちょっと、おもしろいですね。
王:え‥‥
霧: 私ならば‥‥そう。
証言に加えていただくところですが。
裁: いかがですか、弁護人。
今の、証人の発言は‥‥?

(「証言に加える」を選択)
王: ‥‥そうですね。
少し気になる点があります。
証言に加えてください!
(‥‥あまりピンと来てないケド)
裁: それでは、証人。おねがいします。
雅: わ‥‥わかりました。
『チップは100点と
1000点の2種類でした。』(証言6)

(「証言6」に「チップの写真」をつきつける)
王: ”ゲームに勝ったのは、
被害者のほうだった”‥‥
まちがいありませんか?
雅:‥‥!

(亜内検事「異議あり!」)
亜: ナニを言い出すのかな、
新人くん。
この写真を見ればわかるでしょう。
‥‥小学生じゃないのですから。
裁: 何か、モンダイでも?
王: モンダイは、ひとつ。
大きいチップと小さいチップ‥‥
どちらが1000点
だったのでしょうか?
亜: そんなの! 大きい方に
決まっているでしょう。
王: ザンネンながら‥‥
それじゃ、計算が合わないのです。
亜: け、けいさん‥‥?
王: いいですか。
証人、あなたはこう証言しました。
おたがいのチップは、
3500点ずつ‥‥
つまり、ふたりの合計点数は、
7000点になります。
裁: たしかに‥‥そのとおりですな。
王: そして‥‥
”すべてのチップが写っている”
この写真を見てください。
大きいチップを1000点、
小さい方を100点として、
計算すると‥‥
亜: いくらですかッ!
王: (自分で計算してくれよ‥‥
小学生じゃないんだから)
‥‥10600点です。
計算が合わない。
アキラカにムジュンしています!

(ざわめきが起こる)
亜: い、いったい、なぜ!
このようなコトが‥‥
霧: そうです‥‥オドロキくん。
その”理由”が、
すべてをひっくり返すのですよ。
王: (たしかに‥‥このムジュンを
解く”コタエ”はひとつ!)

(「両方とも正しい」を選択)
王: おたがいの最初の持ち点が、
3500点ずつ。
そして、チップの枚数も
これですべてだとすれば‥‥
コタエは、ひとつです。
裁: それは、いったい‥‥!
王: ”逆”だったんですよ。
‥‥チップの点数が。
亜: な。なんですと‥‥
王: そう。つまり‥‥
小さなチップのほうこそ
1000点だったのです!
亜: な、なんですと‥‥!
裁: さっきの写真!
もう一度、見せてください!
‥‥小さいチップが6枚、
大きいチップが10枚‥‥
たしかに! 合計すると、
7000点になります!

(ざわめきが起こる)
霧: さすがオドロキくんですね。
まるで自分で見つけたみたいに
見えます。
王: まあ‥‥こういうのはホラ。
言ったヒトが勝ちですから!

(亜内検事「異議あり!」)
亜: し‥‥しかしッ!
チップが逆だとしても、
ナニも変わらないではないかッ!
裁: たしかに‥‥被害者のほうが大量に
チップがあるというジジツは‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥あ。
王: ‥‥そうなんです。
小さいチップが1000点、
大きい方が100点として‥‥
もう一度。‥‥ふたりの点数を
計算してみてください。
亜: あ‥‥あああああああ‥‥!
裁: 被害者・浦伏氏が2900点、
そして、被告人・成歩堂くんは‥‥
4100点ッ!
王: ‥‥どうやら。
勝負は成歩堂さんが
勝っていたようですね。
亜: そんな‥‥バカなッ!
王: ‥‥被告人が、被害者を
殺害するはずはなかった!
だって‥‥その。
勝ってたんですから!
亜: ぎゃああああッ!
王: ‥‥そして、証人。
あなたが、それを
知らなかったハズはない。
その場に”いた”んですから。
いかがですか、証人ッ!
雅: あ‥‥‥
きゃああああああッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛にッ!
どうやら、被告人には‥‥
”動機”が消えてしまったようです。
検察側の主張していた”敗北”は、
存在しなかった‥‥
亜: く‥‥くくくうッ!
裁: それどころか。どうも、
この証人の証言は、信頼で

(異議あり!)
裁: な‥‥なんですかな?
証人。
雅: これは‥‥本当は、
申し上げたくなかったのですが‥‥
じつは‥‥じつは。
亜: な。なんですか、証人!
雅: 最後の勝負には‥‥
イカサマがあったのです。

(ざわめきが起こる)
亜: い‥‥いかさま‥‥?
というと‥‥その。
”インチキ”ですかッ!
裁: というより‥‥その。
”ズル”と言うべきでしょうッ!
王: (ゼンブ同じだよ!)
雅: 最後の、この勝負には
イカサマがあった。だから‥‥
勝負のチップが動かないまま、
ゲームは終わってしまったのです。
王: (な‥‥なんだなんだ。
”勝負”の次は‥‥
”イカサマ”だって‥‥?)
霧: どうやら‥‥法廷が
大きく動き出したようですね。
‥‥おもしろくなってきました。
裁: 証人!
証言をおねがいしますッ!
最後の勝負‥‥
その”イカサマ”についてッ!


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