第1話『逆転の切札』第1回法廷(その3)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
牙琉 霧人…紫
裁判長…緑
亜内検事…茶
浦伏 影郎…青
逆居 雅香…水
成歩堂 みぬき…赤
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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(”最後の勝負”)
雅: 『最後の勝負‥‥おふたりとも、
”フルハウス”という役で勝負に。』(証言1)
『トランプは、AからKまで、
それぞれ4枚ずつしかありません。』(証言2)
『だから、おふたりのカードを見れば、
イカサマはいっそ、アカラサマです。』(証言3)
『次の瞬間、口論になりました。
イカサマのバレた被告人さまは‥‥』(証言4)
『手元にあったボトルを手にとって、
浦伏さまを‥‥』(証言5)
王: 証人!
なぜ、最初から
話してくれなかったんですか!
雅: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: (どうも、アヤシイと思っていた!
‥‥あの証人。
このチンモクのウラには‥‥
ナニかある! かならず!)
裁: ふむう‥‥
”フルハウス”というと、
ずいぶん高い<<手役>>ですな。
私のケイケンから言っても、
カンタンには作れません。
亜: そのとおり。その時点で
”イカサマ”のニオイがしますな。
王: ええと‥‥牙琉先生?
なんですか?
”ふるはうす”って。
亜: やれやれ‥‥最近の若い弁護士は
ポーカーも知らないのですか。
裁: そんなことでは
苦労しますぞ、この先。
王: (なんだなんだ。
ハヤってるのか? 裁判所で)
霧: ‥‥オドロキくん。
”ワンペア”や”ツーペア”
”スリーカード”は知ってますね?
王: あ、はい! それなら大丈夫です!
同じ数字のカード2枚がペア、
3枚がスリーカード、ですよね!
霧: その”ワンペア”と
”スリーカード”を‥‥
組み合わせたものが
”フルハウス”なのですよ。
王: (たしかに‥‥そうカンタンに
作れそうもない<<手役>>だ‥‥)
亜: ふたりのカードは、このとおり。
チップの写真に写っております。
王: (たしかに‥‥ふたりとも
”フルハウス”だな‥‥)
亜: まあ‥‥7年間も”無敗”でいる
など、不可能ですからなあ。
‥‥イカサマでもしないかぎりは。
裁: それでは、弁護人。
尋問をおねがいします。
王: (最後の勝負に”イカサマ”が
あったとして‥‥ギモンがある。
勝負の結果は‥‥
成歩堂さんが”負けている”
”イカサマ”をした上、負ける
<<プロ>>が、いるか‥‥?)

(「証言3」をゆさぶる)
王: ”アカラサマ”と言うと‥‥?
雅: その。被告人さまは‥‥
5枚目のAを
出してしまったのです。
王: ご。5枚目‥‥ですか?
雅: 今でも、おふたりの”手札”は
ハッキリ覚えておりますの。
浦伏さまのフルハウスは、Aが3枚。
一方、成歩堂さまは、Aが2枚‥‥
亜: だからこそ、
イカサマが発覚したワケ、ですな。
霧: 裁判長‥‥今の発言。
証言に加えていただけますか。
裁: わかりました。それでは、証人。
おねがいできますかな?
雅: 『浦伏さまが3枚、被告人さまが2枚。
‥‥5枚目のAが使われたのです。』(証言6)

(「証言6」に「チップの写真」をつきつける)
王: どうやら‥‥証人は
カンちがいをしているようです。
雅: かんちがい‥‥?
王: あなたの証言は、この証拠品と
決定的にムジュンしている!
裁: それは‥‥チップの写真、ですな。
霧: オドロキくん。
裁判長さんにもわかるように、
教えてあげましょうか。
‥‥その指で、指し示して!
裁: それでは、
指し示していただきましょう。
証人の証言と
<<ムジュンするポイント>>とは!

(「被害者の手札のA」を選択)
王: ‥‥雅香さん。
あなたはこう証言しましたね。
<<浦伏氏の手札には、
3枚のAがあった>>‥‥しかし!
このとおり! 被害者の手札に、
Aは2枚しかありません!
雅: えええッ!
そ。そんなハズは‥‥

(亜内検事「異議あり!」)
亜: し‥‥証人の
カンちがいかもしれませんぞ!
3枚目のAがあったのは、
被告人の手札の方だった‥‥

(王泥喜「異議あり!」)
王: もう一度、写真を
よく見てください!
このとおり。被告人の手札にも、
Aは2枚‥‥
‥‥つまり!
イカサマがあったという証言こそ、
イカサマだった可能性がある!

(ざわめきが起こる)
裁: ふむう‥‥たしかに、
ふたりの手札のAは、合わせて4枚。
イカサマがあったという証拠は
ありませんな‥‥
雅: ま、待ってください!
ワタシ‥‥見たんです!
5枚目のAを。
たしかに、
イカサマはあったのです!
王: (‥‥なんだろう。
あの証人のタイド‥‥
今までとはちがう
”ホンキ”を感じる‥‥)
霧: ”直感”というのはなかなか
バカにできません‥‥
王: 牙琉先生!
霧: ‥‥何かあるのかもしれません。
この先に、まだ。
裁判長。
提案があるのですが‥‥
裁: なんでしょうか。牙琉弁護士。
霧: もし、よろしければ‥‥
ジッサイに、ふたりのカードを
調べさせていただけませんか。
裁: カードを‥‥?
霧: ‥‥亜内検事。
亜: は。はあ‥‥
霧: 当然、ふたりの手札は証拠品として
保存されているはずですね?
弁護側は‥‥
そのカードの提示を求めます。
裁: それでは、カードを
提出していただきましょう!
<<被告人のカード>>と
<<被害者のカード>>‥‥
どちらを調べますかな?
王: (カードを調べて”イカサマ”の
証拠を探す‥‥
アヤシイカードは、
どっちだ‥‥?)

(「被害者のカードを要求」を選択)
王: (証言では、”変化した”のは、
被害者のカードの方だ‥‥)
それでは、浦伏さんのカードを
おねがいします。
裁: わかりました。
‥‥亜内検事。おねがいします。
亜: ‥‥わかりました。

証拠品<<被害者の手札>>を
受け取った。
霧: それでは‥‥
さっそく調べてみましょうか。
王: は‥‥はいッ!
霧: 証拠品は、タテからヨコから、
じっくり調べることができます。
さあ、ダイヤルに
タッチしてみてください。
いろいろな角度から
ながめてみることです。
王: (ようし‥‥調べてみよう!)

(「カードの裏」を調べる)
王: (こ、これは‥‥!)
裁判長! 見てください!
被害者のカードには、1枚‥‥
ウラの色がちがうカードが
まぎれこんでいますッ!
亜: え‥‥ええええッ!
雅: そ。そんなバカなッ!
アタシがシカケたのは、
成歩堂のほうなのに‥‥
あッ!
霧: ‥‥今、なんと言いましたか、証人。
雅: い‥‥いえ‥‥その。
アタシ‥‥わ、私は、ええと‥‥
霧: ‥‥裁判長。
裁: な。なんですかな?
霧: 最もカンタンにイカサマをする
方法とは、なんでしょうか。
裁: イカサマを‥‥
霧: コタエは、ひとつ。
カードを配る人間‥‥
”ディーラー”をミカタにつける。
裁: あ‥‥ッ!
王: じゃ、じゃあ‥‥
この証人‥‥逆居 雅香さんは‥‥
霧: イカサマ師、ですね。
おそらく‥‥プロ、の。
雅: ‥‥きゃアアアアアアアああッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛にィィィッ!
王: (今だ、王泥喜 法介!
‥‥一気にたたみかけろ!)
裁判長!
ただ今の証言‥‥もう一度
思い出してください!

雅: 『そ。そんなバカなッ!
アタシがシカケたのは、
成歩堂のほうなのに‥‥』

王: ‥‥つまり! 逆居 雅香と組んで
イカサマをしていたのは‥‥
被害者・浦伏 影郎
のほうだったのです!
雅: うう‥‥ッ!
王: しかも彼女は、そのイカサマを
シッパイしていたようです!
それならば! 被害者との間に
”何か”あっても、おかしくない!
亜: なんですとォォォッ!
裁: それでは‥‥弁護人ッ!
あなたは‥‥逆居 雅香さんを
告発するつもりですか!
王: (今こそ、チャンスだ!
事件のとき、
あの部屋にいたのは、3人。
成歩堂さんが
ハンニンでないとすれば‥‥)
‥‥はい。
弁護側は、この証人を
真犯人として告発します!
雅: きゃああああああああッ!

裁: ‥‥亜内検事。
証人‥‥逆居 雅香さんは?
亜: その‥‥ただ今、
イシキを失っておりまして‥‥
裁: ふむう‥‥
王泥喜くん。
王:はい!
裁: あなたは、ある”可能性”を
提示したようです。
この証人と、被害者・浦伏氏との
かくされた”つながり”を‥‥
王: そ。それじゃあ‥‥
裁: 現時点で、この被告人に
判決を下すことはできません!
亜: な‥‥なんですとッ!
王: (やった‥‥なんとか、
この場はしのいだかッ!)
裁: どうやら本日は、これ以上の審理は
不可能であるようです。
検察側は、さらなる調査を‥‥

(異議あり!)
王: な‥‥成歩堂さん‥‥?
成: ‥‥ここで審理を終了することは
できませんよ、裁判長。
まだ、ね。
亜: なんですか! 被告人ッ!
これは、いったい‥‥
成: 1枚だけ、色のちがうカード‥‥
その、イミ。
もう少し考えてみませんか。

(亜内検事「異議あり!」)
亜: ひ‥‥被告人は、自分の立場が
わかっているのですかッ!
裁判長! こんなのは、
その‥‥メチャクチャですぞッ!
裁: ふむう‥‥亜内検事。
あなたもよく、ご存じでしょう。
彼の立つ法廷は‥‥
メチャクチャになるコトを!
どうやら‥‥ここで一度、
あの夜の”ゲーム”について‥‥
整理をしておいたほうが
いいようですね。
成: あの夜‥‥ぼくたちは、
2組のカードを交互に使っていた。
そのことは話しましたね。
亜: とっくに聞いておりますぞ!
成: そして、<<ボルハチ>>では、
ウラが”青”と”赤”‥‥
2種類のカードを使っている、とも。
王: 2種類‥‥なぜ、そんなことを?
成: 同じ色では、2組のカードが
混ざってしまうキケンがあるからね。
王: (ジッサイ、混ざってたワケ
だけど‥‥)
成: 最後のゲームで使ったのは、
”赤”のカードでしたね。
裁: なるほど‥‥しかし。
ちょっと、妙な感じがしますな。
なんとなく‥‥”青”のカードが
使われたという印象があるのですが。
王: (たしかに‥‥
誰か、そんなようなコトを
そう言っていたような‥‥)
亜: とにかく。1枚だけ
色がちがうということは‥‥
イカサマがあった、
ということなのでしょう。
成: スリ替えられたカードは
そのときのモノ、ですね。
しかし‥‥このカードには、
大きく2つ。モンダイがある。
‥‥オドロキくん。
王: は‥‥はいッ!
成: まず、ひとつ目の
モンダイを考えてみようか。
最後の勝負。カードは‥‥いつ。
スリ替えられたのか‥‥?
王: (”いつ”‥‥?)
成: カンタンに分けるならば、
次の3つだ。
<<事件の起こる前>>か、
あるいは<<起こった瞬間>>‥‥
そして、<<起こった後>>。
亜: そんなの、
決まってるではないですか!
モチロン‥‥
成: ‥‥おっと。
コトは、そうタンジュンでは
ないかもしれませんよ、亜内検事。
亜: むぐ‥‥!
成: オドロキくん。
‥‥よく考えてみるんだ。
いったい、いつだと思う?
王: (カードがスリ替えられた
”タイミング”それは‥‥)

(「事件の起こった後」を選択)
王: 事件が起こった‥‥
”後”でしょうか。

(亜内検事「異議あり!」)
亜: な‥‥何を、バカな!
イカサマは、手札を開く前に
行わなければ、イミがない!

(王泥喜「異議あり!」)
王: でも! ゲーム中に
カードをスリ替えるなんて‥‥
不可能じゃないですかッ!

(亜内検事「異議あり!」)
亜: この世に”不可能”など、ないッ!
‥‥それほどには。
王: いやいや! だって‥‥
ウラの色がちがうんですよ?
ゲーム中にスリ替えたら、
アッという間にバレてしまう!
裁:あ‥‥
成: そのとおり。つまり‥‥
この青いカードは、
カードが開かれた”後”。
すなわち、事件が起こった”後”。
‥‥スリ替えられたことになる。

(亜内検事「異議あり!」)
亜: バカげているッ!
勝負が終わった”後”、
イカサマをした‥‥
そんなの、なんのイミもないッ!
成: そう。‥‥それが、
ひとつ目の”ナゾ”ですね。
裁: ま。まだあるのですか?
成: カンタンな‥‥そして。
決定的な疑問ですよ。
”ダレが”この赤いカードを
スリ替えたのか?
王: だ。”ダレが”‥‥?
霧: <<事件が起こった後>>‥‥つまり、
被害者はすでに死んでいます。
部屋にいたのは、残ったふたり。
被告人・成歩堂 龍一と、
逆居 雅香、ですね。
王: (赤いカードをスリ替えた人間‥‥
よく考えるんだ!)

(「それ以外」を選択)
王: スリ替えたのは‥‥モチロン、
成歩堂さんじゃありません。
そして、おそらく‥‥
逆居 雅香さんでもないような‥‥
裁: な、ナニを言うのですかッ!
霧: それはロンリ的ではないでしょうね。
弁護側としては‥‥
イカサマ師である、逆居 雅香の
名前をあげるべきでしょう。
王: たしかに、そうなんです!
でも‥‥彼女。
カードを配った本人、ですよね?
カードの色をまちがえる、なんて
‥‥信じられないんです。
裁: それに‥‥ウラの色がちがったら、
ゲーム中にバレてしまうでしょう。
成: ふっ‥‥‥‥ふっふっふっ‥‥
裁: どうしましたかな? 被告人。
成: いや失礼、裁判長。
なんか、楽しくなってきたもので。

(亜内検事「異議あり!」)
亜: 弁護人の主張は、
まったくイミ不明ですぞッ!
スリ替えたのが、被告人でも
逆居 雅香さんでもなければ‥‥
ダレもいなくなってしまう!
王: は、はあ‥‥まあ。
そうなんですけどねえ。
成: そのとおり。
王:え‥‥
成: ここに至って、初めて‥‥
この事件の新しい局面が見えてくる。
裁: 新しい局面‥‥
成: 事件の後、ある人物によって‥‥
被害者の<<フルハウス>>の手札が、
1枚スリ替えられた。
‥‥その人物は、
2つのミスを犯している。
霧: 1つ目は、カードの色‥‥
というコトでしょうね。
成: スリ替えた人物は、2つのカードが
使われているのを知らなかった。
そして、もう1つは‥‥
カードの”数字”だ。
王: たしかに‥‥5枚目のAが消えて、
Kになっているワケですからね。
成: まさか、”5枚目”のAがあるとは
思わなかったのだろうね。
<<フルハウス>>という役が印象に
残っていた、その人物は‥‥
テーブルの上のカードから、
Kを選んで、入れておいたんだ。

(亜内検事「異議あり!」)
亜: し‥‥しかし!
そんな人物など‥‥
ワレワレの捜査では、
存在していないッ!
成: ところが‥‥たった今、
その可能性が浮上した。
あの晩。現場には、もうひとり。
‥‥そう。
まだ、誰も知らない
”第三者”がいたのですよ。
亜: な‥‥なんですってぇぇぇぇぇッ!

(ざわめきが起こる)
霧: ‥‥裁判長のコトバは
正しかったようですね。
彼が立つ法廷は、メチャクチャに
なる。‥‥かならず。
裁: 本法廷は、1つの前提のもと、
審理をしてきました。
”事件当時、現場には3人しか
いなかった”という前提です。
成: 前提は、くつがえる‥‥
そんなものでしょう?
裁: ‥‥モンダイは、それを
あなたが黙っていたことです。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
たしかに。それはモンダイですね。
裁: これより休憩に入ります!
牙琉弁護士は休憩中、
私の執務室に来るように!
霧: ‥‥了解しました。
裁: それでは!
20分後、審理を再開します!


同日 午前11時52分
地方裁判所 被告人第3控え室

霧: ‥‥勝手なことをして
くれましたね、成歩堂。
事件現場に”第三者”がいた‥‥
急に、言い出すとは。
あれは‥‥ホントのコト、
なのですか?
成: さあね‥‥それは、きみにも
わかっているんじゃないのかな?
霧: ‥‥謎かけにつきあう
つもりはありません。
とにかく、弁護は私たちに
任せてもらいたいですね。
それができないのであれば‥‥
結果は保証できません。
成: やれやれ‥‥あいかわらず、
カタい男だな、きみは。
霧: オドロキくん。
王: は‥‥はい!
霧: 私は裁判長に呼ばれている。
依頼人のお相手を頼みますよ。
成: 王泥喜くん。
なかなか、よくやってくれたよ。
王: あの‥‥ちょっと
聞いてもいいですか?
成: なんだろう。
王: その、クビのロケットですけど‥‥
本当に、成歩堂さんのもの、
なんですか?
成: ああ‥‥消えた、
”被害者のロケット”ね。
見せようか。
ぼくのムスメだ‥‥本当だよ。
王: 成歩堂さん。
本当にムスメさんがいたんだ‥‥
成: ‥‥まあ、ね。
そのうち、紹介できるかもしれない。
王: あと、もうひとつだけ。
勝負のとき、やっていたんですか?
その‥‥”イカサマ”を。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥きみはどう思う?
王:え。
成: ‥‥7年前、あんな事件を起こした
成歩堂 龍一だ。
イカサマをしてもおかしくない‥‥
そう思っているのかな?
王: そ、そんな!
でも‥‥
(7年間、イカサマなしで
勝ちつづけるなんて‥‥)
成: いいコトを教えてあげよう。
一晩中、最悪のカードを配られても
勝てる、ただひとつのゲーム‥‥
‥‥それがポーカーだ。
王:え‥‥
成: ポーカーの本質は、
心理を”読み合う”ところにある。
‥‥そうだな。ある種、
法廷戦術に通じるものがあるね。
王: ポーカーが‥‥法廷戦術!
成: 相手が何を考えているかを、知る。
それができれば、勝つ。
王: そりゃそうですけど。
そんなコト、できるハズが‥‥
成: できるんだよ。
王:‥‥!
成: 人間の思考・感情というものは
‥‥かならず。
身体から”情報”として
発信されている。
王: そ。そんなバカな‥‥
成: たとえば。あの証人‥‥
逆居 雅香を思い出してごらん。
彼女は、ある証言をするとき‥‥
かならず”首筋をさする”。
‥‥気がついていたかい?
王: い。いえ‥‥
(それどころじゃないよ、フツー)
成: ”クセ””コトバ”‥‥
それらが発する情報を読み解くこと。
それが、勝負に勝つ
”鉄則”だよ、オドロキくん。
まあ‥‥ぼくも”ある人物”に
教わったんだけどね。
王: でも! オレにはムリです!
そんなの、見えるはずが‥‥
成: いや。きみにはできるんだ。
王:え‥‥
成: きみ自身はまだ、
知らないかもしれないけどね。
王: (ど。どういうことだ‥‥)
成: いずれ、わかるさ。
ああ。それから、もうひとつ。
今回の事件だけどね。
ぼくはまだ、誰にも
”本当のコト”を話してないんだよ。
王: えええええッ!
(や、やっぱり‥‥)
成: もちろん、”理由”がある。
これからアキラカになるだろう。
そして、ぼくの作戦には‥‥
きみが必要なんだよ。
きみの”能力”が、ね。
王: オレの、のうりょく‥‥
(声のデカさ、か‥‥?)
成: ‥‥そろそろ時間だ。
これからが本番だ。
よろしくたのむよ。


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