第1話『逆転の切札』第1回法廷(その4)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
牙琉 霧人…紫
裁判長…緑
亜内検事…茶
浦伏 影郎…青
逆居 雅香…水
成歩堂 みぬき…赤
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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同日 午後12時14分
地方裁判所 第2法廷

裁: それでは、審理を再開します。
先ほどの証人‥‥
逆居 雅香さんはいかがですか?
亜: は、はッ! イシキが、その。
戻ったようです。
霧: それでは、もう一度。ハナシを
聞かせていただきましょうか。
亜: ううう‥‥しかし。彼女は、その。
ええ‥‥つかれておりまして。
裁: あなたもつかれたカオを
しておりますな、亜内検事。
霧: ザンネンながら‥‥あなたに
キョヒする権利はありません。
‥‥逆居 雅香さんを、証言台へ。
おねがいしましょう。
裁: わかりました。
証人は、証言台につくように!

霧: あらためて、うかがいましょうか。
あなたの、お名前と‥‥職業を。
雅: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
霧: 往生際が悪いイカサマ師さんだ。
カクゴを決めたらいかがですか?
雅: う‥‥うう‥‥う‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥なーんて。
逆居 雅香。
カードを配る”プロ”よ。
ヒト呼んで‥‥
”イカサマサカイ”!
裁: い‥‥いかさまさかい‥‥
雅: ‥‥ちなみに。
右から読んでも”イカサマサカイ”
左から読んでも”イカサマサカイ”
‥‥よろしく、お見知りおきを。

(ざわめきが起こる)
王: 証人! あなたは、あの夜!
ナニを企んでいたのですか!
雅: いいさ。話してあげるよ。
アタシたちの‥‥”作戦”を!
裁: あなたは、弁護側より<<告発>>を
受けている身です。
‥‥これ以上の”ウソ”は、
イノチ取りになるでしょう。
雅: ‥‥‥‥‥‥‥‥フン。
アタシは、あのオトコ‥‥
浦伏にやとわれた”プロ”さ。
あらかじめ、勝負の数日前に
<<ボルハチ>>に送りこまれた‥‥
ウエイトレスとして、ね。
王: 被害者とあなたは、
”グル”だったワケですね‥‥
雅: 浦伏は、そのスジじゃ有名な
ポーカープレイヤーらしいね。
‥‥今回の作戦では、
<<勝敗>>は二の次だった。
これまでの成歩堂 龍一の
不敗記録をブチこわすコト。
”ワナ”はシンプルなものだったね。
あらかじめ、ヤツのポケットに‥‥
オトリのカードを1枚、
コッソリ仕込んでおけばいい。
そして、<<5枚目のA>>のシナリオ
どおりのカードを配って‥‥
”イカサマだ!”と
ケチをつけて、身体検査。
そのオトリのカードを取り出せば、
ワナのクチは‥‥閉じる!

‥‥オマエ、カードを
スリ替えたな!‥‥
雅: イカサマを使った上、
勝負にも敗れる‥‥まさに、二重苦。
これで、
すべての”伝説”は、消える‥‥
裁: たしかに‥‥
1つのイカサマが暴かれれば、
それまでの勝利も疑われるでしょう。
雅: たった1つの”デッチ上げ”で、
7年間の”無敗伝説”を破壊する。
‥‥それが、
あの晩の勝負の目的だったのさ!

(ざわめきが起こる)
霧: ‥‥イカサマサカイさん、ですか。
オモシロイ。
しかし。ただひとつ、
ザンネンなコトがあるようです。
裁: ざんねんな‥‥?
霧: たしかに、興味深いワナです。
ただ、もっと興味深いのは‥‥
あなたの言う”オトリのカード”は、
いったい。どうなったのか‥‥?
王: たしかに‥‥そうです!
雅: 運のいいオトコ‥‥さ。
このイカサマサカイのワナを
かいくぐるとはねェ!
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
どうも、あなたがちょっと
かわいらしく見えてきました。
雅: ふ。ふざけないでッ!
このイカサマサカイ、
見た目以上のいたずらッ子だよッ!
裁: とにかく。
証言をおねがいしましょうか。
あなたたちの”ワナ”と‥‥
その結果について。

(”ワナ”の行方)
雅: 『あの晩‥‥アタシは、たしかに
オトリのカードを仕込んだ。』(証言1)
『最後の勝負。‥‥シナリオどおりの
成歩堂の敗北。そして、身体検査!』(証言2)
『でも‥‥オトリのカードは消えた!
なぜか、作戦はシッパイしたのさ。』(証言3)
『次の瞬間‥‥成歩堂のニイさんが、
ビンを取って殴りつけた!』(証言4)
『浦伏を殴ったのはアタシじゃない!
被告人のイカサマおニイさんだよ!』(証言5)
裁: ふむう‥‥タネを明かされたワリに、
スッキリしない証言でしたなあ。
雅: ワナはカンペキだったのに‥‥
あの、ペテン師のせいでッ!
王: あなたに言われたくありませんッ!
裁: あやしげな証言ですが‥‥弁護人。
あなたにおまかせしましょう。
王: (やれやれ‥‥
この証人もアレだけど‥‥
成歩堂さんも、ちゃんと
教えてくれればいいのに‥‥)

(「証言4」をゆさぶる)
王: でも‥‥
ちょっと、おかしくありませんか?
雅: な‥‥ナニがよ!
王: 成歩堂さんの身体検査、
何も出てこなかったんですよね?
だったら、どうして。被害者を殴る
必要があったんですか?
雅: そ。それは‥‥
王: (な。なんだ‥‥
今の”感じ”は‥‥)
裁: どうしましたかな? 弁護人。
王: い。いえ‥‥
(どうしよう‥‥
もっと詳しく聞いてみるか?)

(「さらにゆさぶる」を選択)
王: 雅香さん‥‥あなた。
何か、隠していますねッ!
雅: な‥‥ナニを言うんだいッ!
ここ、この。この。
このイカサマサカサマサイが、その。
かかかか隠してる、なんて‥‥

(亜内検事「異議あり!」)
亜: こ。コンキョのない言いがかりは
やめてもらいたいですなッ!
王: それでは。
もう一度、うかがいましょう。
”被告人が殴った瞬間を見た”
‥‥本当ですか?
雅: ほ‥‥本当に。
き、決まってるさ‥‥
あ‥‥アタシ‥‥たしかに‥‥
成歩堂のニイさんが、
殴りつける瞬間を見たんだ‥‥
王: (こ、この”感じ”‥‥
な。なんなんだ‥‥!)

成: 『たとえば。あの証人‥‥
逆居 雅香を思い出してごらん。
彼女は、ある証言をするとき‥‥
かならず”首筋をさする”。
‥‥気がついていたかい?』

王: (首筋をさするクセ‥‥だって?
なんだ、これ‥‥
感覚が‥‥
研ぎすまされていく!
雅香さんの”動き”が
‥‥ハッキリ見える!
彼女の”クセ”‥‥
バッチリ<<見抜く>>んだ!)

(「みぬく」を選択)
王: 雅香さん‥‥あなたは、
ご自分で気がついていますか?
雅: な‥‥なんのコト‥‥?
王: あなたは‥‥
ある証言をするとき、かならず。
左手で首筋を
さわる”クセ”があるんです。
雅: ‥‥!
く。くびすじ‥‥?
そ。それがなんだというの!
霧: ‥‥どういうこと、なのですか?
オドロキくん。
私は、気がつきませんでしたが‥‥
王: その”証言”をするとき‥‥
雅香さんはムイシキに
”あるコト”を思い出している。
その”記憶”に、身体が
反応して‥‥首筋にふれてしまう。
きっと、
そういうことなんだと思うんです。
亜: か。彼女の”記憶”ですと‥‥
それはいったい、なんなのだッ!
裁: それでは‥‥異例のコトですが、
弁護人にうかがいましょう。
あなたの主張する、
証人の”記憶”‥‥
それを示す<<証拠品>>を
提示していただきます!
王: (彼女が首筋をさする
”クセ”‥‥
それは、彼女が”犯行の瞬間”の
コトを話すときに現れる!)
証人。
あの夜‥‥<<犯行の瞬間>>。
それを思い出すたびに、
あなたは首筋をさすってしまう。
それには、かならず。
何か<<理由>>があるはずです。
その首筋に、忘れられない
”記憶”を刻んだ<<凶器>>とは‥‥

(「凶器のボトル」を選択)
王: 犯行の瞬間のコトを話すとき、
かならず首筋に手をやる‥‥つまり。
あなたは、この凶器のビンを
思い出しているのです。
雅:‥‥!
王: しかし‥‥少し、妙ですね。
殴られたのが、浦伏氏‥‥
被害者なのだとすれば。
なぜ、あなたが首筋を
さすらなければならないんですか?
亜: ど。どういうコトですかッ!
王: まるで、そう‥‥
あなた自身が殴られたかのように!
雅: う‥‥ううううう‥‥

(亜内検事「異議あり!」)
亜: こ。こんな尋問は
聞いたことがないッ!
しょ‥‥証人の、
く、”クセ”などと‥‥
霧: オドロキくん‥‥
なんですか、今のは。
このような尋問は、
私も初めてですが‥‥
王: 説明はあとで! ‥‥あの証人を
崩すのは、今しかありません!
証人。事件を目撃した”瞬間”‥‥
ハッキリ証言していただきましょう。
雅: ‥‥ワタシ。ナニも知りませんの。
亜: ‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥
さすがに、
それはムリなのでは。
裁: 証人。‥‥よろしいですかな?
雅: フン! わかってるさ!
『殴ったのは、アイツよ! 警察が
来るまで、目を離さなかったんだ!』(証言6)

(「証言6」に「成歩堂の携帯電話」をつきつける)
王: 証人。ここに記録があります。
ハッキリ、書かれているんですよ。
『被告人による通報で
現場に急行』
雅:え‥‥
王: しかも。被告人は
部屋を出て階段を上がって‥‥
<<ボルハチ>>店内から
携帯電話で通報しているのです。
雅:あ‥‥‥
王: 本当に、被告人から
”目を離していない”のならば!
彼が部屋から出たところを
見ていなければならないッ!
雅: きゃあああああッ!

(ざわめきが起こる)

雅: ‥‥あの夜。ビンで殴ったのは‥‥
被告人のニイさんじゃなかった。

『ショーダウンだ。』

『‥‥これは、イカサマだッ!
そのオトコの‥‥
ポケットを調べろッ!』

『な‥‥ない! カードが‥‥‥』

『‥‥アンタの負けだよ。』

『うおおおおおおおおッ!』
雅: そのとき‥‥浦伏は成歩堂のそばに
あったボトルを取って‥‥
このアタシを殴りつけやがった!

『‥‥この、使えない
インチキイカサマ師めェェッ!』

『きゃあああああああッ!』
雅: そして、アタシが
目をさますと‥‥
裁: 被害者はすでに亡くなっていた、
というワケですか‥‥
雅: とにかく、アタシ。
身分を明かすワケにはいかなかった。
浦伏と共謀してたのがバレたら、
‥‥ゼッタイ、疑われる!
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
亜: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: いったい‥‥これは
どうしたことでしょうか?
亜: バカな‥‥こんな。
これは、ユメだ。
ビンで殴られたのは、
いっそ、このアウチだったのだ‥‥
裁: むうう‥‥放心状態ですな。
しからば、牙琉弁護士。
あなたの考えは、いかがですかな?
霧: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: が。牙琉先生‥‥?
霧: ‥‥弁護側としては、
逆居 雅香のただ今の供述は‥‥
”まっ赤なウソである”‥‥
そう主張せざるを得ません。
雅: な‥‥なんだって!
霧: 事件当夜、あの部屋にいたのは、
被告人・被害者・証人の3人。
‥‥そして、この証人には
”動機”があった。
王: どうき‥‥
霧: イカサマにシッパイした証人は、
浦伏と口論になった。
‥‥その挙げ句の犯行なのです!
雅: そんな!
アタシ‥‥アタシじゃない!
アタシは‥‥
ワナにハメられたんだ!

(ざわめきが起こる)
成: クックックッ‥‥
ヒトをワナにはめようとする人間は
みずから、足を取られる‥‥
まさに、そんな感じだ。
裁: ひ、被告人‥‥
成: 牙琉 霧人。
キミらしくもない‥‥
ずいぶん、荒っぽい論証だ。
霧: どういうことですか‥‥?
成: なぜ、残された、もう1つの
可能性を論証しようとしない?
‥‥事件が起こったとき。
”現場には、第三者がいた”
王: (たしかに、休憩に入る前‥‥
成歩堂さんは証明した!)
成: 事件が起こった後。
1枚のカードがスリ替えられた。
スリ替えた人物は、カードが
2種類あったコトを知らなかった。
‥‥つまり。”第三者”だ。

(亜内検事「異議あり!」)
亜: しかし! そんな人物など、
どこにも存在しないッ!
成: そのとおり。
だからこそ‥‥ぼくは、この事件を
法廷まで持ちこんだのですよ。
この逃げ場のない、いかなる
イカサマも通用しない場所で‥‥
真犯人をいぶり出すためにね。
裁: し‥‥しんはんにん‥‥
成: さいわい‥‥ぼくたちはすでに、
”手がかり”を得ている。
見えない”第三者”の手がかりを。
‥‥かなり早い段階でね。
亜: な‥‥なんですとッ!
成: オドロキくん‥‥
キミにはわかるかい?
王: だ、大丈夫‥‥
じゃないような。今回ばかりは。
成: さっきも言ったが、カードを
スリ替えた”第三者”は‥‥
ひとつ。
大きなカンちがいをしている。
王: カードの”ウラ”の色‥‥ですね?
成: そう。
手札を見ればアキラカだが‥‥
”最後の勝負”に使われたのは、
”赤”のカードだった。
しかし‥‥
この法廷で、ただヒトリ。
そのカードを”青”と
表現した人物がいたのです。
王: (たしかに‥‥”青”のカードが
使われている印象があったな)
成: どうかな、オドロキくん。
思い当たる人物は‥‥?
亜: わた。私じゃありませんぞ!
裁: いったい、ダレですかッ!
”第三者”とは‥‥
王: (どういうコトなんだ‥‥
いきなり!)
成: さあ、きみのコタエを聞こうか、
弁護士くん。
カードの色を<<青>>と
思っていた人物とは‥‥?

(「牙琉 霧人」を選択)
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ぼくの見込んだとおりだ。
きみの目と耳は‥‥そう。
きみのおデコ以上にクモリがない。
王: や、やっぱり‥‥
成: 牙琉 霧人。ぼくは、さっきから
キミの話をしているんだよ。
王: で、でも! 牙琉先生は、
カードの色を知っていて当然です!
成: ‥‥どうしてかな?
見てのとおり。
現場写真はモノクロだ。
テーブルの上と床の上のカード。
どちらが”青”かは、見えない。
王: で、でも‥‥ホラ!
こっちの写真には、
バッチリ写っています!
成: ザンネンながら。彼が最初に
カードを”青”と表現したのは‥‥
その写真が提出されるより、
ずっと”前”だったのさ!

霧: 『たしかに被告人は事件当時、
被害者とポーカーをしていました。
しかし。それは純粋なゲーム‥‥
”勝負”だったのです。』
亜: 『しょうぶ‥‥ですと‥‥?』
霧: 『静かな情熱‥‥青い炎を
背にまとったカードだけが、
その勝負の行方を
知っていたのですよ。』

成: どうだい? 牙琉。
霧: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: がりゅう‥‥先生‥‥?
裁: 牙琉弁護士!
ど。どうしたのですかな?
霧: い。いや、失礼しました。
‥‥あまりに意外だったもので。
成歩堂。まさか、
ホンキじゃないでしょうね?
成: 牙琉‥‥きみこそ。
ここまできて、まさか冗談だとは
思ってないだろうな?

(ざわめきが起こる)

(亜内検事「異議あり!」)
亜: ヒジョーシキですぞッ!
弁護士を、罪人呼ばわりなど‥‥
成: ヒジョーシキ‥‥どこが、ですか?
亜: そもそも、被害者と牙琉弁護士には、
なんのつながりもないッ!
成: ぼくだって、つながりはない。
浦伏 影郎なんてオトコはね。
亜: そもそも、被害者と牙琉弁護士は、
会ったコトすらないハズですッ!
成: ‥‥もし‥‥
そうではなかったとしたら?
亜:え‥‥
成: じつは‥‥あの晩。
ポーカーが始まる前。
牙琉 霧人は、浦伏 影郎と
会っている可能性があるのですよ。
裁: な‥‥なんですと!
王: (成歩堂さんが話していなかった
”本当のこと”‥‥これか!)
成歩堂さん!
‥‥証言をおねがいします!

(牙琉霧人「異議あり!」)
霧: ‥‥その要請には
賛成できませんね。
王: ‥‥牙琉先生‥‥?
霧: ‥‥証言は
事件に限るべきと考えます。
ポーカーの勝負に入る前のことは、
本件とは無関係でしょう。

(ざわめきが起こる)
裁: いかがですかな? 弁護人。
霧: 弁護側の見解は、ただいま
申し上げたとおり‥‥
裁: ‥‥本件の弁護士は、
あなたではありません。
霧:‥‥!
裁: 王泥喜弁護士。
あなたが決めることです。
王: は‥‥、はい‥‥
裁: 被告人・成歩堂 龍一の証言が
必要だと考えますか?


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