第1話『逆転の切札』第1回法廷(その5)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
牙琉 霧人…紫
裁判長…緑
亜内検事…茶
浦伏 影郎…青
逆居 雅香…水
成歩堂 みぬき…赤
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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(「証言してもらう」を選択)
王: (‥‥これこそが、成歩堂さんの
”作戦”だったんだ!
もし、そうなら。
オレは、見とどけたい!)
‥‥弁護側は、
被告人の証言を要求します!
霧: オドロキくん。この私を
ウラ切るつもりですか?
王: そういうモンダイじゃありません。
”真実”を知るためです!
霧: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: それでは、被告人‥‥成歩堂くん。
証言をおねがいします。

(事件当夜の”ディナー”)
成: 『あの夜、牙琉とぼくは夕食を食べた。
この写真と、まったく同じ席でね。』(証言1)
『彼が帰って5分ほどしてから、
浦伏 影郎が現れた。』(証言2)
『そして、あの”ワナ”が失敗して、
浦伏は、あの子を殴りつけたんだ。』(証言3)
『彼女がグッタリして、浦伏も慌てた。
ぼくは彼を残して、警察を呼んだ。』(証言4)
『部屋に戻ると、今度は彼が死んでた。
ヒタイから一筋、血が流れていたよ。』(証言5)
『それで、もう一度。電話をかけた。
‥‥今度は、牙琉弁護士先生に、ね。』(証言6)
裁: 牙琉弁護士!
事件の夜‥‥あなたも
<<ボルハチ>>にいたのですかッ!
成: 彼とは、よくいっしょに
メシを食うのですよ。
亜: し、しかも! 事件が発生した後、
電話で被告人と話しているですと!
成: 殺人事件に巻きこまれた
ワケですからね。
弁護士が必要になる気がして‥‥
相談したかったのですよ。
霧: 成歩堂。キミは、最初から‥‥
これを狙っていたようだね。
この私を‥‥
引きずり出そうとしていた。
成: ぼくが引きずり出すのは
”真実”だけだよ。
それは変わらない。‥‥今も。
霧: キミのためだと思って
弁護を引き受けたのだが‥‥
どうやら、ムダだったようだ。
裁: ‥‥では、弁護人。
<<尋問>>をおねがいしましょう。
霧: 王泥喜くん。
王: は‥‥はいッ!
霧: 彼は、真実を語っていない。
ウソを暴くのです。必ず。
王: わ、わかりました‥‥
(牙琉先生と成歩堂さん‥‥
正直、怖ェな。
こんな裁判、
聞いたことないよ!)

(「証言3」をゆさぶる)
王: 失敗した”ワナ”というのは‥‥
先ほど、イカサマサカイさんが
証言した、アレですよね?

雅: 『”ワナ”はシンプルなものだったね。
あらかじめ、ポケットに‥‥
オトリのカードを1枚、
コッソリ仕込んでおけばいい。
そして、<<5枚目のA>>のシナリオ
どおりのカードを配って‥‥
”イカサマだ!”と
ケチをつけて、身体検査。
そのオトリのカードを取り出せば、
ワナのクチは‥‥閉じる!』

‥‥オマエ、カードを
スリ替えたな!‥‥
雅: 『これで、
すべての”伝説”は、消える‥‥』

成: ‥‥そう。かわいいイタズラだね。
見破ったのは、ささやかな
キッカケだったよ。
亜: キッカケ‥‥?
成: たまたまポケットに手を入れたら
‥‥カードが入っていたんだよ。
王: カードが‥‥
成: コッソリ見てみたら
”ハートの5”だった。
イヤな予感がしたんで、始末したよ。
最後の勝負が始まる”前”にね。
裁: しまつ‥‥
いったい、どこに!
成: かたわらに、ぼくが飲んでいた
ジュースのボトルがあった。
その中に捨てておいたよ。
亜: 現場にあった
ジュースのボトルといえば‥‥
”凶器”のコトですかッ!

(ざわめきが起こる)
成: コイツは、中が見えないからね。
手の中で丸めて押し込んでおいたよ。
裁: ふむう‥‥
イカサマ師の、アツい戦い。
キライではありませんな。
そういうのも。
王: (凶器のボトルの中に、カード‥‥
ちょっと、妙だな。
警察が、見落とすだろうか‥‥?
調べてみるか。あのボトル‥‥)
裁: その”勝負”、
証言に加えていただきましょう!
”第3法廷のポーカーヘッド”
たる私の好みです!
成: 『ゲーム中に”ワナ”に気づいた。
凶器のボトルにカードを始末したよ。』(証言7)

(詳細で「凶器のボトル」を調べる)
王: ボトルの中は、
キレイにカラッポだ。

(「証言7」に「凶器のボトル」をつきつける)
王: あの、成歩堂さん。
ちょっといいですか。
成: なんだろう。
王: この、ボトルの中‥‥
カードなんて、ありませんケド。
成: あれ。そうかい。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: なんですか、被告人!
その、つれないそぶりはッ!
成: さあ。ぼくに聞かれても
困りますね。
カードはたしかに
ボトルの中に捨てましたよ。
王:え‥‥
霧: また”第三者が持ち出した”‥‥
とでも主張するつもりですか?
裁: ‥‥牙琉弁護士。
あなたの依頼人ですぞ。
霧: ‥‥失礼しました。
亜: ワレワレの捜査を
ナメてもらっては困りますな。
ボトルの中ぐらい
のぞいてみますぞ!
王: (‥‥どういうコトだ?
また成歩堂さんに
イッパイ食わされたのか‥‥
それとも、カードが
”消えた”のか‥‥?)
裁: ‥‥とにかく、
尋問をつづけていただきましょう。
決定的なムジュンと呼ぶには、
決定的なパンチに欠けています。
王:え。
霧: さあ、オドロキくん。
もっと、攻めていきましょう。
弁護士のシゴトは、証人を
ノックアウトすることです。
王: (ううう‥‥なんか、
趣旨が変わってきたような‥‥)

(「証言5」に「現場写真・1」をつきつける)
王: あの、成歩堂さん。
ちょっといいですか。
成: なんだろう。
王: 現場写真を見てもらえますか。
その‥‥被害者ですけど。
帽子をかぶっていますよね。
ヒタイの血‥‥
見えないと思うんですケド。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
そうみたいだね。

(ざわめきが起こる)
霧: ‥‥オドロキくん。
ムジュンを暴くときは、もう少し
元気にやったほうがいいですね。
裁: 被告人。いったいこれは
どういうコトなのですか?
成: そう‥‥ひとつ。
言い忘れていました。
その帽子をかぶせたのは
‥‥ぼくだった。
王:え‥‥
亜: あなたが‥‥
裁: 帽子を‥‥かぶせた?
成: ポーカーのあいだ、
彼は帽子をとりませんでした。
警察へ通報して、現場へ戻ったとき。
ミゴトなアタマと対面したワケさ。
‥‥そう。この写真のとおり。
クモリもなくツルリと光っていたよ。
裁: それで‥‥?
成: ‥‥床に落ちていた帽子を拾って、
そっとアタマに乗せておきました。
亜: ななな、なぜ! そんなコトをッ!
成: もうしわけない‥‥としか
言えませんね。
ぼくが現場で手を触れたのは、
それだけですよ。
王: じゃあ‥‥逆居 雅香さんも
見てないんですか?
‥‥その。被害者の、アタマを。
成: どうだろう。
彼女はキゼツしていたからね。
彼のアタマを”目撃”したのは
ぼくだけ、だと思うよ。
霧: やれやれ。また、ですか‥‥
王: 牙琉先生‥‥?
霧: ‥‥いや、失礼。
依頼人のウソは、これが初めてでは
ないようですからねえ。
裁: ふむう‥‥
王: (困るな‥‥先生が
そんなコトを言っちゃあ‥‥)
霧: ‥‥もう、いいでしょう。
王: 牙琉先生‥‥?
霧: どうも、この被告人の証言には
”イツワリ”が多すぎるようです。
7年前‥‥弁護士バッジを
失ったのも、ムリはありませんね。
成: フッ‥‥
依頼人に向けるコトバとしては
ずいぶんキツいな、牙琉。
霧: 最初に攻撃をしてきたのは、
たしか、キミでしたね‥‥?
王: 成歩堂さん! ホントのコトを
言うなら‥‥今しかありません!
成: ぼくは、ウソは言ってないよ。
王:え‥‥
成: ”ワナ”に気づいたぼくは‥‥
あのカードを、ボトルの中に捨てた。
そして、被害者のアタマに
帽子をかぶせたのにも‥‥
ある”理由”があった。
裁: ”りゆう”‥‥ですと?
成: ‥‥コイツですよ。
王: 携帯電話‥‥ですか?
成: ‥‥あの夜。
警察に通報したあとの、
牙琉弁護士との”通話”‥‥
念のために、
録音しておいたのですよ。
霧: なんですって‥‥?
成: せっかくだ、牙琉。みなさんに
聞いてもらおうじゃないか。

成: 「牙琉。‥‥すまないが、
メンドウに巻きこまれたようだ。」
霧: 『なんですか?
ゲームのトラブル、かな?』
成: 「うん。そんなところだ。」
霧: 『今夜キミに勝負を挑んでいた、
あの紳士‥‥ですか。』
成: 「ああ‥‥死んじまったよ。
思い切り、殴られたみたいだ。」
霧: 『まさか‥‥
キミではないのでしょうね。
キズひとつないボーンチャイナに
ヒビを入れたのは‥‥』
成: 「よしてくれ。
とにかく、これから警察が来る。
たのむよ。
‥‥もしものときは、な。」

王: ”ボーンチャイナ”‥‥
成: 陶磁器のコト、だね。
きわめて、ツルッとしている。
ヒトのアタマにたとえるなら‥‥
ちょうどこんな感じ、かな。
裁: ふむう‥‥
被告人が私のアタマを指さないのは
ある種、”やさしさ”でしょうか。
王: (待てよ。今の”会話”‥‥
なんか、おかしくないか?)
牙琉先生は、成歩堂さんと
夕食のあと‥‥
すぐに<<ボルハチ>>を
立ち去ったんですよね?
成: まちがいないね。
王: それならば‥‥なぜ。
先生は知ってたんですか?
被害者の”ボーンチャイナ”‥‥
きわめてツルッとしたアタマを。
裁:あ‥‥‥
成: そう‥‥
そのときから、なんだよ。
ぼくの友人のカオが、
ちがって見えだしたのは‥‥
霧: ‥‥‥‥‥‥‥‥
成: ココロに、何か引っかかったまま、
ぼくは現場に戻った。
そして、被害者のアタマを見たとき
‥‥違和感の正体に気づいた。
さあ、牙琉先生。
舞台はととのったようだ。
よかったら‥‥
聞かせてもらえるかな?
被害者のアタマの”秘密”を、
なぜ。きみが知っていたのか‥‥?
霧: ‥‥‥‥‥‥‥‥
なるほど。
それが”理由”ですか。
被害者のアタマにキミが
帽子をかぶせた”理由”‥‥
成: なんのことかな。牙琉先生。
霧: ‥‥やってくれましたね‥‥
成歩堂 龍一。

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛にィィッ!
亜内検事ッ!
亜: は、はいッ!
裁: ‥‥こうなってしまった以上、
避けるコトはできますまい。
牙琉 霧人弁護士の<<証言>>‥‥
よろしいですね!
亜: は。ま、まあ。アレです!
検察側といたしましては‥‥
裁: ‥‥それでは!
これより、10分後。
牙琉 霧人弁護士に対する
尋問を行います!
‥‥よろしいですね?
霧: ‥‥おおせのままに。
裁: それでは。最後の休憩に入ります!


同日 午後2時32分
地方裁判所 被告人第3控え室

王: (牙琉先生と成歩堂さんは、
裁判長に呼ばれている。
まさか‥‥
こんなコトになるなんて!)
?: ‥‥よろしいでしょうか。
王: ‥‥あ。なんですか?
?: さあ、お客さま。1枚。
カードを選んでくださいな。
王: (な。なんだなんだ‥‥)
こ。これでいいのかな。
?: ‥‥では。
お客さまに、伝言があります。
”これから最後の勝負が始まる。
きみには最強の切札が必要だ”
王: きりふだ‥‥
?: ”きみが選んだそのカードには
魔法がかかっている。
正しく使うことができれば‥‥
最強のワイルド・カードになる”
‥‥とのことです。
王: (”A”‥‥か。
どこかで聞いたような‥‥)

雅: 『浦伏さまが3枚、被告人さまが2枚。
‥‥5枚目のAが使われたのです。』
『ワタシ‥‥見たんです!
5枚目のAを。
たしかに、
イカサマはあったのです!』

王: (5枚目の、”消えた”A‥‥!
この、赤黒いシミは‥‥
”血痕”‥‥か?)
?: ”真実”をみちびき出す、切札。
すべては、あなたにかかっています。
それでは‥‥
父をよろしくおねがいいたします。
王: 血痕の残った、このカードが
オレの”切札”‥‥
(混乱するアタマの中で、
オレはぼんやり考えていた。
そういえば、あの子‥‥
どこかで最近、見たぞ。
たしか、アレは‥‥)

証拠品<<血のついたA>>のデータを
法廷記録にファイルした。


同日 午後2時45分
地方裁判所 第2法廷

裁: それでは、審理を再開します。
‥‥牙琉 霧人弁護士。
証言台へおねがいします。

裁: それでは、亜内検事。
おねがいします。
亜: は、ははッ! では、その。
証人。名前と、職業を‥‥
霧: ‥‥こんな茶番は聞いたことが
ありませんね、裁判長。
裁: 私にとっては、それほど
めずらしいコトではありません。
霧: ‥‥よろしいでしょう。
おつきあいしますよ。
裁: まず、ハッキリさせなければ
ならないコトがあります。
あなたは、なぜ。被害者の帽子の
下の”ヒミツ”を知っていたのか?
王: (”ヒミツ”‥‥って。
ハゲアタマのコト、だよな‥‥)
霧: おコトバですが‥‥
それがいったい、なんですか。
裁判長は、何か頭頂部に対して
必要以上にコダワリがあるようだ。

(成歩堂「異議あり!」)
成: それはとおらないだろう。
牙琉先生。
王: な、成歩堂さんッ!
霧: どういうつもり、ですか‥‥?
成: ”立場逆転”といったところだ。
わかるだろう? オドロキくん。
あの晩。被害者は、ずっと
帽子をかぶったままだった。
しかし。ただ一度だけ。
それが取られた瞬間があった。
王: それは‥‥
犯行の”瞬間”ですか。
裁:あ‥‥‥
王: 通報した成歩堂さんが戻ったとき、
帽子は床に落ちていました。
成歩堂さんはそれを拾って、
かぶせておいた‥‥
つまり。被害者のアタマを
見るコトができたのは‥‥
”事件現場”しか
あり得ないのです。
霧: ‥‥つまり、”真犯人”‥‥
そう言いたいワケ、ですか?
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
なかなかいいね。
‥‥オドロキくん。

(ざわめきが起こる)
霧: ‥‥フッフッフッ‥‥
裁: 牙琉弁護士‥‥?
霧: ‥‥私は今まで、
本当のコトを話していなかった。
亜: な。なんですと‥‥!
霧: ‥‥何も、
自分のためではありません。
すべては、依頼人‥‥
成歩堂氏のため、でしたが。
王:‥‥!
霧: しかし。ここまで来ては、
かくす意味もなくなったようです。
‥‥いいでしょう。
今こそ、お話ししますよ。
裁: それでは、証言を
おねがいしましょうか。
事件の夜‥‥あなた自身が
どう関わっていたのか。


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