第1話『逆転の切札』第1回法廷(その6)

表セリフ集一覧に戻る

王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
牙琉 霧人…紫
裁判長…緑
亜内検事…茶
浦伏 影郎…青
逆居 雅香…水
成歩堂 みぬき…赤
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


←この前のセリフ



(事件当夜のこと)
霧: 『あの夜。あのオトコの”殺気”が
気になって、店に戻ったのですよ。』(証言1)
『地下の階段を降り、廊下の小窓から
<<ナラズモの間>>をのぞいてみた。』(証言2)
『それが‥‥ちょうど、事件の直後
だったようです。』(証言3)
『被害者は、現場写真のとおりの
姿勢で死んでいました。』(証言4)
『ハゲたアタマと、キゼツした少女。
‥‥そして、ボトルを持った成歩堂。』(証言5)
『『ココにいてはマズい』‥‥
とっさに思い、その場を離れました。』(証言6)
『そこに、成歩堂からの
電話が入ったのです。』(証言7)
亜: なんと‥‥あなた、
事件を目撃したというのですかッ!
霧: 幸か不幸か、”決定的瞬間”では
ありませんでしたが。
裁: あ。あなたは
弁護人でありながら‥‥
被告人に不利な証言を
しているのですぞッ!

(ざわめきが起こる)
霧: やむを得ない、でしょうね。
私は今、こうして
証言台に立っているのですから。
成: ‥‥そうなんだよ、牙琉先生。
霧:‥‥‥?
成: 今のきみは、
そう証言せざるを得ないのさ。
”廊下の小窓から事件を目撃した”
‥‥とね。
王: 成歩堂さん‥‥?
成: 何しろ、それ以外に‥‥
被害者のアタマを目撃できる
タイミングはないからね。
王:あ‥‥‥
裁: とにかく。弁護人に尋問を
おねがいしましょう。
よろしいですね? オドロキくん。
王: はい‥‥
(まさか、こんなコトに
なるなんて‥‥
牙琉先生と‥‥”対決”!)

(「証言5」をゆさぶる)
王: 現場にいたのは、
その3人だけですか?
霧: そう‥‥
私が見たかぎりは、ね。
亜: ‥‥それならば、ハナシは早い。
ハンニンは、被告人‥‥
成歩堂 龍一以外にないッ!
なぜ、警察に
話さなかったのですかな?
霧: 理由は、2つ。
私は決して、犯行の”瞬間”を
見たワケではなかった‥‥
そして、もうひとつ。
‥‥あろうことか、弁護を
依頼されたものですからね。
私には、友人を見捨てる
ことはできなかったのですよ。
裁: ふむう‥‥

(王泥喜「異議あり!」)
王: 事件が起こったとき、現場には
”第三者”がいたはずです!
霧: オドロキくん。私は”見ていない”
と言っていますよ。
王: で、でも! 成歩堂さんが
すでに証明したはずです!
霧: 現場にいたという、その”第三者”
‥‥イコール”真犯人”。
当然、そう
主張するつもりなんでしょうね?
成: ‥‥そのとおりだよ、牙琉先生。
霧: では、私のほうからうかがおう。
いったい、なぜ。
”真犯人”は、カードを
スリ替えねばならなかったのか?
王:‥‥‥!
霧: どうかな? その”理由”‥‥
提示できるのですか?
王: (どうなんだ‥‥!
オレに、できるのか?)
成: たしか、スリ替えられたのは‥‥
5枚目のAだったね。オドロキくん。
王: 5枚目の‥‥”A”‥‥
裁: いかがですかな? 弁護人。
カードがスリ替えられて、
持ち去られた”理由”‥‥
そのコンキョを提示できますか?

(「証拠品を提示する」を選択)
王: (‥‥どうやら、
ここが”勝負どころ”だ!)
なぜ、カードは
スリ替えられたのか‥‥。
弁護側は、その”理由”を
提示したいと思います。
霧: ‥‥‥‥‥‥‥
裁: それでは、弁護人に
提示していただきましょう。
真犯人が”5枚目のA”
を持ち去った、その理由とは!

(「血のついたA」を選択)
王: そのコンキョは‥‥ええと。
これ、です。
亜: ”A”‥‥ですか‥‥?
裁: これは‥‥
け。血痕が付着しています!
スペードのヨコに‥‥!
霧: な‥‥‥なんだとッ!
亜: バカなッ! 私は‥‥
私は、聞いていませんぞッ!
裁: これは‥‥まさか!
現場から持ち去られた
”5枚目のA”ですかッ!

(ざわめきが起こる)
霧: ば‥‥バカな!
なぜ‥‥なぜ、キミが‥‥
そんなものを持っているのだッ!
王: そ、それは‥‥その。
(なんだ、このあわてようは‥‥
アヤシイ女の子からもらった、
ただのアヤシイカードなのに)
成: そのカードはね。
あの晩、事件の後‥‥
<<ボルハチ>>で、
ぼくが拾ったんだよ。
カードは商売道具だからね。
‥‥ムスメにわたしておいたんだ。

(牙琉霧人「異議あり!」)
霧: う‥‥ウソだッ!
そんな‥‥そんな、バカなッ!
こ、こんな証拠‥‥
認められぬッ! ニセモノだッ!
成: ”ニセモノ”? ‥‥どうして
そんなコトが断言できるのかな?
霧: な。なんだと‥‥
成: コイツが”ニセモノ”だと
断言することができるのは‥‥
犯行現場からカードを持ち去った、
”真犯人”だけのハズだよ‥‥?
霧: ‥‥‥‥‥‥!
成: じゃ、ハナシをつづけようか。
この”血痕”が原因だった
としたら、どうでしょう。
亜: 原因‥‥?
成: 真犯人が、カードを
持ち去った”理由”ですよ。
裁: ど。どういうことですか‥‥?
成: 現場写真‥‥被害者の頭部を
もう一度、よく見てください。
犯行の瞬間、帽子は床に落ちて、
このとおり‥‥
ひとすじの血が、
後頭部に向かって流れています。
この血が、一滴。カードに落ちた。
‥‥そうは考えられないでしょうか。
王: カードに、血が‥‥
成: ハンニンは、それをかくすために
カードを持ち去ったのです。

(牙琉霧人「異議あり!」)
霧: と。とにかく!
この証拠品は、違法だッ!
成: 違法‥‥?
霧: 成歩堂! キミも
一度は法廷に立ったオトコだ。
証拠品を隠すことが、
どれだけ大きな”罪”であるか‥‥
成: そのギロンはあとだよ、先生。
それよりも‥‥
これで、きみの疑問に
答えるコトができたようだね。
霧: な。なんのコトですか?
成: ハンニンがカードを
持ち去った”理由”だよ。
カードに残った、1滴の血。
彼にとっては”致命的”だった。
‥‥だから、持ち去った。

(牙琉霧人「異議あり!」)
霧: そ。そんなスイリ‥‥
なんのコンキョもないッ!

(成歩堂「異議あり!」)
成: それはちがうんだ、牙琉先生。
霧: な‥‥なんだと‥‥
成: カードに残された、1滴の血‥‥
これだけで、ぼくたちは
真相に達することができるのさ。
‥‥1本道の、
ごくカンタンなロジックでね。
どうだろう、オドロキくん。
王: は、はい!
成: 想像してくれないか。
事件現場の状況を。
事件は、この
<<ナラズモの間>>で起こった。
あわれな被害者の死体は、
ポーカーテーブルで発見された。
そして、ハンニンによって
カードがスリ替えられる前‥‥
被害者の手札の中には、
血のついたカードが1枚、あった。
‥‥と、なれば。
現場の状況で、ひとつ。
決定的にオカシイところがある。
裁: いったい、それは‥‥
なんですかッ!
成: わかりやすくいこう。
血痕のついたカードがあることで、
”ムジュン”するのは‥‥
上面図の、どのマークか?
”被害者”? ”犯人”?
”証人”? ”目撃者”?
‥‥カードに残された血痕と
ムジュンするのは‥‥?

(「被害者」を選択)
王: それは、やっぱり‥‥
”被害者”、じゃないでしょうか。
裁: どういうこと、ですかな?
王: ‥‥被害者はヒタイを殴られて、
のけぞった状態で死んだワケです。
ということは‥‥血が落ちるならば、
”後頭部の下”になります。
裁:あ‥‥‥
王: ‥‥現場写真を見てください。
この状態で、血が落ちたのであれば。
‥‥血痕はカードの上ではなく、
床の上に残るハズです。
裁: た、たしかに!
すると‥‥どういうことに?
成: ぼくたちが座っていたのは、
回転イスだった。
王: ‥‥”回転イス”‥‥
ま。まさか‥‥!
成: ‥‥オドロキくん。ちょっと、
イスを回してみようか。

(椅子を逆に回す)
裁: イスの向きが”逆”‥‥!
王: そういうコトになりますね。
犯行が行われた、その瞬間‥‥
イスは”逆”を向いていたと
考えなければオカシイのです。
裁: では、成歩堂くんが警察に
通報して、戻ってきたときは‥‥?
成: ぼくが戻ってきたとき、死体は
この写真と同じ向きでした。
王: つまり‥‥回転イスを回したのは、
ハンニンだということになります。
霧: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
成: では、次の段階に進みましょうか。
もう一度、上面図を見てください。
事件が起こった瞬間‥‥
死体の向きは、逆だった。
と、なると‥‥ふたたび、
キョーレツなムジュンが生まれます。
亜: ま。またですか!
成: さあ。ロジックをたどろうか、
オドロキくん。
この状況で”ムジュン”するのは、
上面図の、どのマークか?
”被害者”? ”犯人”?
”証人”? ”目撃者”?
殺害されたときの、被害者の
向きとムジュンしてるのは‥‥

(「犯人」を選択)
王: たしか、被害者は‥‥正面から
ヒタイを殴られたんですよね。
成: そのとおり。
王: そうなると‥‥あの。
殴れませんよね、ヒタイは。
‥‥今の”犯人”の位置では。
成: ああ。殴れないだろうね。

(亜内検事「異議あり!」)
亜: しかし! 弁護側の主張は
あまりにも不自然ですぞッ!
ゲームの最中‥‥被害者が、なぜ
壁を向いて座っていたのか!
成: その理由も、そのうち
アキラカになるかもしれませんよ。
亜: な。なんですと‥‥
成: 現場では、もっと不自然なコトが
起こっているのですよ。
‥‥引きつづき、
上面図を見てください。
オドロキくん。この状況で
ヒタイを殴ったとすれば‥‥
犯人が立っていた場所は
”どこ”だったか‥‥?
マークしてみようじゃないか。
王: え。で、でも‥‥!
(その場所に立つのは
”不可能”じゃないか‥‥)
成: ‥‥大丈夫。
いいから、スイリを進めてみよう。
事件が起こったときの死体の
”向き”は、決定された。
その他のものは”ないもの”
として考えてかまわない。
この状況で、犯行が可能だった
場所は、どこか‥‥?

(「被害者の正面の棚」を選択)
王: このとき、犯行が可能だった
場所‥‥それは、ここです!

(亜内検事「異議あり!」)
亜: マジメに
やってもらいたいですなァ‥‥
王: は、はあ‥‥
(‥‥大マジメなんだケドね)
亜: 言うまでもないコトですが。
その場所に立つことは不可能だ。
‥‥なんと言っても、被害者の
目の前に、タナがありますからな。
犯人は、タナの上から殴った
‥‥とでも?
成: ‥‥言ったはずですよ。
ロジックは1本道だと。
犯人の位置が、ロンリ的に
そこしかなかったのであれば。
事件が起こったとき、
その場所には‥‥
王: あッ! ‥‥そうか!
‥‥事件が起こったとき。
タナは‥‥なかったんですね!
裁: な。なんですって‥‥
成: そう考えるしかないでしょう。
どうだい、牙琉先生?
霧: ‥‥‥‥‥‥‥‥
成: ‥‥裁判長!
弁護側に、提案があります。
事件の現場‥‥<<ナラズモの間>>の
タナを、今すぐ調査するのです!
裁: 係官! 現場を
調べる手配をしなさい!
現場‥‥<<ナラズモの間>>の
タナを、動かしてみるのです!
成: ああ‥‥裁判長。
裁: なんですか!
成: 捜査員には、もうひとつ。
調べるべきことがあります。
係官に、コイツをわたして
いただけますか。
裁: ふう‥‥やれやれ。
‥‥どうやら。
やはり、あなたの立つべき場所は
法廷‥‥のようですね。
成: それは、どうも‥‥

(ざわめきが起こる)
成: ‥‥では。ぼくたちは、さらに。
先に進むことにしましょう。
上面図を見てください。
また、変更が加わりました。
事件が起こったとき、ここに
犯人が立っていたということは‥‥
このタナは、ここにはなかった。
と、なれば‥‥
オドロキくん。今度は
タナを動かしてくれるかな?

(棚を左にズラす)
成: ありがとう。
‥‥そうです。
タナの位置こそが問題でした。
犯行時のタナの位置は、
この状態でなければならない。
これで、事件が起こったときの
位置関係が再現できたね‥‥おや。
‥‥おかしいですねえ。
裁: こ。今度はなんですかな?
成: 現場の状況‥‥上面図です。
もう一度、よく見てください。
どうやら、新しいムジュン‥‥
最後のムジュンが、
ついにカオを出したようです。
王: (あ‥‥こ。これは‥‥)
成: さあ、オドロキくん。
見えてきたかな。
ぼくたちが行き着こうとしている、
ロジックの”終着点”が。
裁: それでは、弁護人。
指摘してください!
”被害者”? ”犯人”?
”証人”? ”目撃者”‥‥?
この状況で”ムジュン”して
いるのは、どのマークか‥‥?

(「目撃者」を選択)
王: あの。タナ、なんですけど‥‥
いいんですよね?
”動かされていた”ってコトで。
成: いいんじゃないかな。
王: でも‥‥そうなると。
決定的にオカシイです。だって‥‥
タナが、小窓を
ふさいでるじゃないですかッ!
裁: あああッ!
王: そうなんです。
廊下にいた牙琉先生は‥‥
小窓から、部屋の中を
目撃することができないんです!
霧: な‥‥なんだと‥‥ッ!
成: ‥‥おや。はじめて
動揺したみたいだねえ‥‥
霧: ぐ‥‥ッ! バカな‥‥
成: どうやら‥‥
見落としていたみたいだな。
犯行の瞬間、あの小窓は
”ふさがれていた”というジジツを。
霧: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
成: さあ、牙琉先生。
聞かせてもらえるかな?
いったい、きみは‥‥
どこから事件を見たのか!
霧: ぐ‥‥ぐ‥‥ッ!
係: 失礼します! 裁判長殿ッ!
裁: 静粛になさいッ! 審理中ですぞ!
係: た‥‥ただ今! <<ボルハチ>>の
捜査員から、連絡が入りました!
現場の‥‥<<ナラズモの間>>の
タナの調査報告です!
裁: ほ、ほお‥‥どうでしたかな?
係: それが、その‥‥
あのタナの後ろには、隠しトビラの
シカケがほどこされていました!
裁: な‥‥‥なんですッとおォォォッ!

(ざわめきが起こる)
成: ‥‥言ったはずですよ。
<<ナラズモの間>>には‥‥
常連客なら知っている
”あるシカケ”がある、と‥‥
王: (そういえば‥‥
そんな証言を聞いたな)
成: あの部屋は、かつて非合法の
取引に使われていたそうだ。
だから、警察に踏みこまれたときの
”逃げ道”が設置されていたのさ。
王: それが、”隠しトビラ”‥‥
成: トビラの向こうは、
レストランの中につながっている。
暗黒街のボスたちは、そこから
警察の目を逃れて‥‥
さめたボルシチを
食べたそうですよ。
今回のハンニンと
同じように‥‥ね。
これが、ロジックの”終着点”さ。
‥‥オドロキくん。
王: (なんてコトだ‥‥
たしかに、この”切札”が‥‥
真相を暴いちまった!)
事件が起こった時間‥‥
廊下の小窓は、ふさがれていた。
そして、被害者のアタマから
帽子が落ちていたのは‥‥
犯行の瞬間から、成歩堂さんが
通報しているあいだの、数分間。
つまり。被害者の”アタマ”を
目撃するコトができたのは‥‥
<<ナラズモの間>>の”中”。
そこしか、あり得ません。
‥‥いかがですか? 牙琉先生。
霧: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: ふむう‥‥
それでは、あの晩。本当は、
何があったのでしょうか‥‥?
王: ここまで来た以上、
スイリはカンタンだと思います。
あの晩の、あの時間‥‥
犯人は、なんらかの理由で浦伏氏を
殺害しなければならなかった。
そこで、その人物は
チャンスを待っていたのです。
隠しトビラの向こうで、
息を殺して‥‥
そして‥‥そのチャンスは、訪れた。


うおおおおおおおお!

きゃあああああああッ!

なんて、バカなコトを!
待ってろ。今、ヒトを呼んでくる!

王: ‥‥浦伏さんに殴られた
逆居 雅香さんは、気を失った‥‥
成歩堂さんは、通報をするために
1階に向かった。
<<ナラズモの間>>には、
浦伏 影郎だけが残される。
”犯人”は隠しトビラから
<<ナラズモの間>>へ侵入‥‥
成: 被害者は‥‥その気配に
気づいたんだろうね。
王: だから、イスを回転させて、
タナのほうを見た!
成: ‥‥犯行後‥‥犯人は
カードに落ちた”血痕”を見た。
”彼”としては、
そいつを持ち去るしかなかった。
血痕は、彼の”犯行ルート”を
まっすぐ指し示していたから‥‥
王: そう。犯人は、ケッキョク
<<ナラズモの間>>には入らなかった。
だから‥‥気がつかなかったんだ。
部屋の奥に散らばった、
”赤”いカードに!
霧: ‥‥‥‥‥‥ッ!

(ざわめきが起こる)


次へ→