王泥喜 法介…紺 | |
成歩堂 龍一…黒 | |
成歩堂 みぬき…赤 | |
裁判長…緑 | |
牙琉検事…茶 | |
宝月 茜…桃 | |
北木 滝太…水 | |
北木 小梅…青 | |
北木 常勝…灰 | |
並奈 美波…紫 | |
矢田吹 麦面…黄土 | |
河津 京作…黄緑 | |
引田(偽)…黄 |
成歩堂芸能事務所 | |
?: |
おうおうおうおう! いつまで待たせやがんでェ! この店はよォ! |
み: |
あ。オヤジさん。 おはようございます。 |
?: |
おう! みぬきちゃん! このたびは、大将。 トンだコトだったなあ。 |
み: |
ええ。なんとかイノチは とりとめたみたいですけど‥‥ |
王: |
(依頼人、って‥‥ このヒト、か‥‥?) |
?: |
それで? こっちがその。 オドロキくんってヤツかい? |
王: | え。は、はい! |
?: |
お。ウデまくりなんかしやがって。 すっかりヤル気みたいだな! |
王: |
はい! ヤル気なら、自信がありますけど。 |
?: |
大将からハナシは聞いてるだろ? ひとつ、ヨロシクたのむぜ! |
王: |
は、はいッ! 弁護、ですよね! |
?: |
ベンゴォ? ナニ、ネムたいコト 言ってんだよニイちゃん。 屋台よ、屋台! オレサマの、城ってヤツだあ! |
王: | やたい‥‥? |
み: |
ホラ。こちら、ラーメン屋さんの ムギツラさんじゃないですか! |
王: |
その、いかにも”知り合い”を 押しつける紹介、やめてくれよ。 |
?: |
アンタ、最近この街に 引っ越してきたのかい? |
王: | そういうワケじゃあ‥‥ |
?: |
じゃ、名物屋台<<やたぶき屋>>の ご主人ぐらい、知ってるだろうが? |
王: | やたぶき屋‥‥? |
?: |
はああ。なんとかしてくれよ、 みぬきちゃんよォ。 |
み: |
あの。この方は矢田吹 麦面 (やたぶきむぎつら)さん。 とにかく、 お話を聞いてみましょうよ! |
麦: | よろしくたのむぜ、ニイちゃん! |
王: |
ええと‥‥ たしか、屋台のご主人とか。 |
麦: |
矢田吹 麦面。 ”ムギツラのオヤジ”でいいぜ。 究極の”みそ”を求めて ‥‥1年と3ヶ月! |
王: | 意外と浅い歴史ですね。 |
麦: |
ウチの家系、代々ラーメン屋でさァ。 当然、ワシも期待されたワケだ。 しこしこ麺にこだわる、 15代目としてなァ。 |
み: | そっちの歴史は深いんですね。 |
麦: |
でもさァ。若気のいたりというか。 親に反抗して、ベツのシゴトを 選んだワケ。 でも、ケッキョク うまくいかなくてな。 |
王: | はあ。 |
麦: |
ケッキョク、気づいたワケ。 ワシの血管にも‥‥ やっぱり、みそスープが 流れているんだ、ってなァ! |
み: |
いいお話ですねえ。 ある種”ウンメイ”みたいな! |
麦: |
そう、それ! ”ウンメイのちぢれ麺で 結ばれた縁”ってヤツ? |
王: |
(わかるような、 よくわからないような) |
麦: |
それで、去年から屋台を始めたワケ。 15代目<<やたぶき屋>>さァ! |
王: |
あの。 <<やたぶき屋>>というのは‥‥? |
麦: |
シッカリしてくれよォ。 この辺じゃ知らない者はないぜ。 親のカタキよりしょっぱい みそラーメンを出す屋台じゃねえか。 |
王: | (悪いけど、知らない) |
み: |
うちのパパ、常連さんなんですよ。 オヤジさんの屋台の。 |
麦: |
まだ弁護士のセンセイだったころ。 先代の屋台に、よく来てたらしいぜ。 副所長さんと、ふたりしてさァ。 |
王: |
すみません。そのうち 食べに行きますよ。 |
麦: | それだッ! ニイちゃん! |
王: | え。 |
麦: | その屋台がモンダイなんだよ! |
み: | ‥‥どういうコトですか? |
麦: |
盗まれちまったんだよ! ワシの屋台がッ! |
王: | 盗まれた‥‥? |
麦: |
ゆうべのコトだよ。 いつもどおり、街をねり歩いたワケ。 チャルメラ吹きちらかしてさァ。 |
み: |
親父さんのチャルメラ。近所から 苦情が出るほど大音量ですもんね。 |
麦: |
おいおい、やめてくれよ。 テレちまうぜ。 |
王: |
(それ以前に‥‥今の、 ”チャルメラ”なのか‥‥?) |
麦: |
とにかく。店を閉めて、 ウチの前に置いておいたワケ。 ‥‥そしたら、今朝も今朝ッ! お日さまが、カオを出す前‥‥ ‥‥コツゼンと消えてたワケ! ワシの城がッ! |
王: |
ヨッパライが持って 行っちゃったんじゃないですか? オレの、テキトーな スイリですけど。 |
麦: |
とにかく、アレがないと 店が開けられねェ。 どんぶりもゼンブ、 あの中にしまってたしなァ。 |
み: |
それはそれは‥‥その。 おキノドクでしたね。 |
麦: |
マッタクだぜ‥‥というワケで。 よろしくたのむぜ、ニイちゃん。 |
王: |
え。あ、あの。もしかして‥‥ ”依頼”というのは‥‥? |
麦: |
おう。探してきてくれや。 ‥‥オレサマの屋台。 見つけてくれたアカツキには ゴチソウしてやるからよ! 一生忘れられないほど しょっぱいみそラーメンを、なァ! |
王: |
あ。でも、オレ。 弁護士ですから‥‥ |
麦: |
ワシの家、ここだから。 ナニかあったら寄ってくんな! 今日中にたのむぜ。 仕込みがあるからな! |
王: |
やれやれ‥‥なんなんだよ。 交通事故の次は、 屋台ドロボーか‥‥ |
み: |
あの‥‥じつは。 みぬきもね。 聞いてもらいたい話があるの。 |
王: |
え。 (なんか、またイヤな予感‥‥) |
麦: |
おう! 聞いてやれや、ニイちゃん! |
み: |
ゆうべのコトなんだけど‥‥ みぬきも、盗まれちゃったの。 |
麦: |
ほお。ナニをだい? オヤジさんに言ってみな! |
み: |
あのね。‥‥その。 みぬきの、パンツなんだけど。 |
王: | ぱ‥‥ぱんつ‥‥? |
王: |
えーと。それで‥‥盗まれたって? その‥‥ナニを。 |
み: |
そうなの。 みぬきのパンツ。 |
王: | そう、か。パンツをねえ。 |
麦: |
それは、その‥‥ タイヘンなコトだよなァ。 |
み: |
ゆうべ、この事務所で お留守番していて。 そこの窓のソトにパンツを 干しておいたの。そしたら‥‥ 大事なパンツだったから。 みぬき、追っかけたの。 ドロボーを。『待てー』って。 |
王: |
あんまり ムチャしないほうがいいと思うよ。 |
み: |
‥‥ケッキョク、 見失っちゃって。 あのパンツがないと、みぬき‥‥ |
麦: |
それは、その‥‥ タイヘンなコトだよなァ。 |
み: |
事件が起こったのは この事務所だから‥‥ ハイ。 地図に書きこんでおきますからね! |
麦: |
それじゃ。 とりあえずワシは帰るから。 たのんだぜ。ワシの屋台! |
王: | はあ。 |
麦: |
それと、その子のメンドウも、 ちゃんと見てやれよ! |
み: |
よかったですね、オドロキさん! いきなり、おシゴトがいっぱい、 できたじゃないですか! |
王: | う。うん‥‥ |
み: | 一度、整理しておきましょうよ! |
王: |
(シゴト、ねえ‥‥) まず、ひとつ目は‥‥ |
み: |
成歩堂 龍一‥‥ パパの”ひき逃げ事件”ですね。 パパをハネ飛ばした 犯人を見つける、と。 |
王: | ‥‥カネになりそうもないな。 |
み: |
そして、ふたつ目は‥‥ ムギツラの親父さんの依頼。 ”屋台盗難事件”ですね。 |
王: |
‥‥報酬は、 しょっぱいラーメンだっけ。 |
み: |
そして、最後は、みぬきね。 ”みぬきちゃんのパンツ盗難事件” |
王: |
‥‥なんか、どんどん事件が ショボくなってる気がするな。 |
み: |
さ。さ。オドロキさん! 街へ繰り出しましょうよ! |
王: |
‥‥すっかりヤル気みたいだな、 きみは。 |
み: |
だって面白そうだもん! ゼンブ、 バッサリ解決しちゃいましょうよ! |
王: |
(やれやれ‥‥ それじゃ、始めるとするか。 <<ひき逃げ事件>>‥‥ <<屋台盗難事件>>‥‥ そして‥‥ <<パンツ盗難事件>>か) |
ひき逃げ事件・現場 | |
王: |
ここが、成歩堂さんが クルマにハネ飛ばされた‥‥? |
み: |
はい! 地図によると、ここですね。 |
王: |
なんか、すごい屋敷だなあ。 ‥‥妙な威圧感がある、というか。 |
み: |
あ。あそこに やさしそうなオバさんがいますよ! お話、聞いてみましょうよ! |
王: |
う、うん。 (正直なところ‥‥こっちの公園も 気になるんだよな‥‥) |
み: |
すみませーん! あの。ちょっといいですか? |
?: | なんだい、おじょうちゃん。 |
王: | (うわ。ドスのきいた声‥‥) |
み: |
あの。すごいおうちですよねー。 ご主人様、お金持ちなんですか? |
?: |
フッ‥‥”お金持ち”とは ゴアイサツだねえ。 ‥‥ここはね。 キタキツネ一家のお屋敷だよ。 |
王: | え。 |
?: |
それで? 何か用かい。おニイさん。 |
王: |
い。いえッ! なんでもッ! さ。行くよ! |
み: |
だ。ダメですよ、オドロキさん! ちゃんと、お話を聞かないと! |
王: |
で。でも! キタキツネ一家って‥‥ (このへんにニラミをきかせている、 ヤクザの一家だぞ!) |
?: |
‥‥聞きたいコトはハッキリ聞く。 オトコの子でしょ、アンタ。 |
王: | うわわわわ! わかりました! |
み: | わあい、ありがとう! おばさん! |
王: |
(‥‥みぬきちゃん、 コワくないのかな‥‥) |
小: |
キタキツネ一家4代目組長の妻、 北木 小梅(きたきこうめ)‥‥ 以後、お見知りおきを。 |
王: |
べ。弁護士の王泥喜 法介です。 (その、殺気のこもった目で見るの、 やめてくれないかな‥‥) |
王: |
なんだ‥‥? 公園のほうを見つめてるぞ。 |
み: |
キレイなお姉さんですね。 なんだか、アレ。 ”ワケあり”って感じですよね。 |
王: |
(たしかに、 ちょっと気になるけどね) |
王: |
公園の入口に、 大きなゴミ箱が置かれている。 いちおう、調べておくか‥‥ |
み: |
タイヘンなんですね。 探偵さんって。 |
王: |
”弁護士さん”ね。 ‥‥あ。 |
み: |
ペンキがついてるゴミが2つ、 ありますね。 |
王: |
こっちは‥‥スリッパ、か。 どうやら、 病院のスリッパみたいだな。 |
み: |
あ! こっち! これ、自動車の‥‥ |
王: |
ミラー‥‥か。 モギ取れたみたいだね。 何かの衝撃で‥‥ |
み: | あの。これ、って‥‥ |
王: |
たぶんね。成歩堂さんを ハネ飛ばしたクルマのものだ。 |
み: |
パパ‥‥強いんですね。 これ、モギ取っちゃうなんて。 とにかく。みぬきのポッケには 1個しか入らないから。 どっちを持っていきましょうか? |
ポッケにネジこんだ。 | |
王: |
やっぱり、個人的には、 こっちのほうが気になるんだよな。 |
み: |
アレじゃないですか? ドラマの撮影。 とにかく、入ってみましょう! |
警: |
あー、おじょうちゃん。 ダメだよ、入ってきちゃ。 |
み: | 怒られちゃった。 |
王: | あの。何か、あったんですか? |
警: |
ん? いやいや。 大したコトじゃないから。 おゆうぎなら、よそでやりなさい。 |
王: |
”おゆうぎ”じゃないですよ! あの。オレたち、弁護士で‥‥ |
?: | ‥‥どうしたの? |
警: |
あ、宝月刑事殿! ゴクローサマであります! |
王: | (刑事さん‥‥?) |
み: | 白衣を着てるなんて‥‥ヘンなの。 |
王: | ヒトのコト言えるかよ。 |
?: | で。なに? この子たち。 |
警: |
それが‥‥ベンゴシを名乗る ヤジウマのようでして。 |
?: |
あー。いいかな? おゆうぎなら、ヨソでやろうね。 |
王: | だから! オレたちは‥‥ |
?: |
‥‥さもないと。 そのカオに、ひっかけちゃうよ? 実験中のハイドロキシアセアニリド ホスホモノエステラーゼ溶液を、ね。 |
み: |
えー、なんですか? その、ハイドロキシアセアニリド ホスホモノエステラーゼ溶液って。 |
王: |
とりあえず、カラダに悪そうだ。 行こう、みぬきちゃん! |
?: |
ヘンなのが入ってこないように おねがいね。 |
警: | ‥‥はっ! |
王: | ううん‥‥情報がほしいな。 |
み: |
さっきのお屋敷の、 おばさんに聞いてみましょうよ! |
王: |
(ちょっぴり、 気が進まないけどな‥‥) |