第2話『逆転連鎖の街角』第1回法廷(その2)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
成歩堂 みぬき…赤
裁判長…緑
牙琉検事…茶
宝月 茜…桃
北木 滝太…水
北木 小梅…青
北木 常勝…灰
並奈 美波…紫
矢田吹 麦面…黄土
河津 京作…黄緑
引田(偽)…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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王: (よかったあ。
これでイイんだな、やっぱり)

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: 弁護士‥‥か。
あいかわらずだな。キミらは。
王:え‥‥
牙: 古い戦術だね。細かいムジュンを
つついて、証人の動揺をさそう‥‥
‥‥7年前。キミの大先輩が
致命傷を負ったのを忘れたのかな。
成歩堂 龍一‥‥とか言ったっけ?
王: ‥‥‥!
と、とにかく! キズの位置が
ムジュンしているのはたしかです!
河: ぐ‥‥ッ!
牙: ‥‥あのさ、おデコくん。
王: ‥‥‥!
(”おでこ”‥‥?)
牙: たとえば。キミが公園を
通りかかったとしようか。
ふたりの男が向かい合っていて、
一方が相手にピストルを向けている。
‥‥さあ。キミはどうする?
王: それは、まあ‥‥
止めようとするでしょうね。
『やめろ!』とか言って。
牙: じゃあ‥‥おじょうさん。
あなたは?
み: え。み。みぬきですか?
みぬきはねぇ。ええと‥‥
きゃーって言っちゃうカモ。
牙: それで。河津くん‥‥だっけ?
キミは、ナニを”叫んだ”のかな?
王: あ‥‥ッ!
(コメカミの弾痕‥‥もしかして)
河: ‥‥そう。
たった今。思い出しましたよ。
裁: どうやら、証言をつづけて
いただいた方がいいようですな。

(事件当夜・目撃したこと2)
河: 『ハンニンがピストルを向けたとき、
ワタクシは、行動に出たのですよ。』(証言1)
『『キミタチ、ヤメタマヘッ!』
凛として、そう叫んだわけです。』(証言2)
『その声に、被害者はこちらを見た。
その瞬間、1発の銃声が。』(証言3)
『ヒキョウなるハンニン‥‥被告人は
発砲後、恐ろしくなったようです。』(証言4)
『そのままピストルを投げ捨てて、
すたこら逃げていきましたよ。』(証言5)
裁: なるほど‥‥
犯行を止めようとしたワケですね。
河: そうです。‥‥凛として、ね。
み: あのおニイさんが叫ばなければ、
ハンニン、撃たなかったカモ。
王: そ。そういうこと、
言うモンじゃないよ。
牙: ちょっと、さ。今の発言を
検討してみようよ。
‥‥上面図を見てくれるかな。
目撃者‥‥河津クンだっけ?
この状況で叫んだワケだね。
『ヤメタマヘッ!』とかなんとか。
その声に反応して‥‥
被害者は、目撃者の方を見る。
‥‥その瞬間、
ハンニンが発砲すれば‥‥
‥‥解剖記録のとおり。
<<右のコメカミ>>に着弾するね。
裁: たしかに‥‥
反論しようがないですな。
河: ‥‥勇盟大学理工学部の実力、
というヤツでしょうか。
裁: それでは、弁護人。‥‥尋問を!

(「証言5」に「ピストル」をつきつける)
王: ちょっと待ってください!
河: またまた、アイマイな発言ですね、
弁護士さん。
いかにも”日本人的”と
言わざるを得ない。
王: はい‥‥?
河: ”ちょっと待て”の
”ちょっと”‥‥
‥‥いったいワタクシは、
何分待てばよいのでしょうか?
たとえばアメリカ人ならば
<<ジャスタ・ミニット!>>
”1分待て”‥‥それでこそ
正確なスケジュールの立てようが
裁: ‥‥弁護人。
王:はい。
裁: あなたは、”じゃすたみにっと”と
やらに異議を申し立てたのですか?
王: ちがいます! とにかく!
このピストルを見てください!
コイツには、
指紋が残っていません!
河: テレビや映画の影響でしょうか。
なげかわしいコトですが‥‥
最近のハンニンは、なかなか凶器に
指紋など残してはくれないのです。
王: ‥‥しかし! ハンニンは
”すたこら”逃げたワケですよね?
み: そうだよ!
指紋をぬぐい去るヒマなんて、
なかったじゃないっ!
河: ‥‥‥‥ッ!
牙: 少女にヘコまされる大学生‥‥
新曲のテーマを見つけたよ。
み: みぬきはもう、オトナですっ!
牙: あっはっはっはっ‥‥
カンタンに考えてみたら
どうかな? おじょうさん。
み:え。
牙: ハンニン‥‥被告人が
手袋をしていたとしたら?
み: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
その発想はなかったですね。
オドロキさん。
裁: いかがですか? 弁護人。
王: (ハンニンは”手袋”をしていた
‥‥どうなんだろう?

(「モンダイあり」を選択)
王: 凶器の記録に、
ハッキリ書いてあります!
<<指紋はふきとられている>>‥‥
つまり”痕跡”が残っていた。
しかし。
あなたの証言では‥‥
ハンニンは、指紋をふきとるコトは
できなかったはずです!
河: ‥‥しかしねェ。見たものを
変えることはできないのです。
ワタクシは、たしかに見た。
ハンニン‥‥被告人のヒトが‥‥
手にしていた凶器を投げ捨て、
逃げていったのを。
裁: ふむう‥‥
河: そして、現場には‥‥
このピストルが残っていた。
つまり。彼が投げ捨てたのは
ピストルだったワケです。
牙: そういうことみたいだよ、
おデコくん。‥‥何か反論は?
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥
み: どうしたんですか!
発声練習してきてたんですよね!
王: ‥‥やっと気づいたよ。
いくら発声練習をしても‥‥
発言することがなければ
イミがないんだ、なんて‥‥
み: ナニ言ってるんですか!
今の、あのヒトのコトバを聞けば、
ハッキリしてるじゃないですか!
王: え‥‥なにが?
み: あのおニイさんは、ハッキリ
”見て”いなかったんですよ。
‥‥ハンニンが
”ナニを”投げ捨てたか。
王:あ‥‥!
み: 現場にピストルが残っていたから、
そう思いこんでいるだけ。
あるイミ‥‥
”カワイソウなヒト”なんです!
河: な。なんだシツレイなッ!
たしかにワタクシは、血で書いた
ラブレターを黒板に張り出されたと
いう苦いケイケンがあり、そういう
イミでは、”カワイソウなヒト”と
呼ばれるのはムリもないと言える。
しかし、その一方で
裁: 証人の主張は、こうです。
犯人は”ナニか”を投げ捨てた‥‥
それに対する、弁護側の
意見をうかがいましょう!
み: 投げ捨てたのが、
ピストルじゃないとしたら‥‥
王: 投げたのは、当然‥‥
”他のモノ”だったコトになる!
牙: ‥‥どうやら、おじょうちゃんの
方が、アタマが回ってるみたいだ。
王: (くそ‥‥! サワヤカな笑顔
うかべやがって!)
裁: それでは、
提示していただきましょう。
ハンニンが逃走の際に投げ捨てた
”他のモノ”の正体とは‥‥?

(「小刀」を選択)
裁: それは‥‥カタナ、ですか?
ゆうべ<<深夜劇場>>の
映画で見ましたが。
王: (早く寝ろよ‥‥)
現場から発見されたものです。
‥‥被告人の指紋が付着しています。
裁: 指紋が‥‥
王: つまり。これで
ふたつのコトが立証されます。
その1。被告人が投げ捨てたのは、
ピストルではなかったこと。
その2。被告人は、
手袋などしていなかったこと。
裁: ふむう‥‥なるほど‥‥
牙: でもさ、おデコくん。
キミは同時に、ふたつのコトを
立証したことになるよね?
王:え。
牙: その1。目撃者が見たハンニンは、
被告人・北木 滝太だったこと。
その2。ドスを向けていた被告人は、
被害者に対して殺意があったこと。
王:あ‥‥
裁: ふむう‥‥なるほど‥‥
王: (くそ‥‥さすが、牙琉先生の弟、
といったところか‥‥)
裁: ‥‥この証人は、思いこみが
激しいところがあるようです。
もう少し、お話を
聞いておくべきでしょう。
‥‥多少、キビしめに!
河: ‥‥あなたがたは
いつだってそうだ。
『徒歩で家を出たマサオ君を、5分
後、お兄さんが追いかけました。
何分後に追いつくでしょうか?
‥‥ただし!
マサオ君は、一度も信号に
引っかからなかったものとする』
”ものとする”‥‥
そうですとも。
ジッサイには、そんなコトは
めったにないのに。
あなたがたは”ものとする”の
ヒトコトで、押しつけようとする!
裁: それでは、証人。
おねがいします。
事件を目撃した”後”のコトに
ついて、証言するものとします。

(目撃から通報まで)
河: 『ハンニンが逃げるのを止めることは
できませんでした。』(証言1)
『現場を離れてはいけない‥‥
ワタクシは、そう思ったのです。』(証言2)
『だから‥‥そう。携帯電話で
警察に通報しました。』(証言3)
『10分後。警察が到着するまで、
現場にはダレも来ませんでしたね。』(証言4)
王: なぜ、ハンニンを
追わなかったのですか!
河: 向こうは殺人犯ですからね。
モチロン追いつく自信はありました。
ウデにもおぼえはありますが‥‥
逆上したハンニンが何をするか、
二次方程式では解けませんからね。
裁: ふむう‥‥
牙: さっきの証言で、被告人が
現場にいたのは証明されたよね。
そして、現場に他の人物が
いなかったのなら‥‥
‥‥やはり。
ハンニンはカレしかいない。
そういうコトに
なるんじゃないかな?
裁: なるんじゃありませんか?
弁護人。
王: (なんとしても‥‥
この証言をくずさないと!)

(「証言1」をゆさぶる)
王: ハンニンは、どっちの方向に
逃げていきましたか?
河: ハンニンも、ワタクシの
存在に気づいていたのでしょう。
当然、ワタクシとは逆の
方向に逃げていきましたね。
王: (キタキツネの屋敷とは
逆の方向になるな‥‥)
牙: 被告人が、自宅と”逆方向”に
逃げたコトを指摘しても、ムダだよ。
ほんの少し回り道をすれば、
帰れるんだからね。
王: (ううう‥‥
読まれちまった)
み: ‥‥‥‥‥‥‥‥

(「証言2」をゆさぶる)
王: ずいぶん落ち着いていましたね。
殺人事件を目撃したのに‥‥
河: どんなときも
平静を保つ強いココロ‥‥
理工学部の道を歩む者には、
それが必要なのです。
世紀の大発見の瞬間。フラスコを
取り落としてしまわないように。
牙: クールな対応だった、と
評価できるんじゃないかな。
王: (うーん。事件後の行動に
不自然な点はないか‥‥)
み: ‥‥‥‥‥‥‥‥
王: (‥‥みぬきちゃん、
なんか言いたそうだな‥‥)

(「証言3」をゆさぶる)
王: まず、救急車を呼ぼうとは
思わなかったのですか?
河: 当然のことながら‥‥ワタクシは
医学もカジっております。
ワタクシの所見によれば、
頭部に銃弾を一発。ゆえに、即死。
ゆえに、救急車を呼ぶ
必要は、マッタクなし!
おお‥‥なんとウツクシイ。
これが、”三段論法”なのです。
王: (‥‥ナミダぐんでるぞ)
み: ‥‥‥‥‥‥‥‥

(「証言4」をゆさぶる)
王: その10分間のコト、
詳しく話してください!
河: いつ、ナニが起こるか、わからない。
いつ、ダレが現れるか、わからない。
極限のキンチョー感の中。
ワタクシは立っていたのです。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: もしかして‥‥
それだけ、ですか?
河: ダレも来ず、ナニも起こらない。
ワタクシは宇宙の中心だったのです。
裁: 夜の公園ですからね。ヒトが
とおらないのも、当然でしょう。
王: (見ていただけ‥‥
それじゃ、どうしようもないぞ)
み: ‥‥‥‥‥‥‥‥
王: (‥‥みぬきちゃん、
なんか言いたそうだな‥‥
ダメだッ!
なんのモンダイもない‥‥)
牙: ‥‥そろそろ気が済んだかい、
おデコくん。
王: (今は、もう‥‥
いったん、ひくべきなのか!)

(「はい」を選択)
王: ぐ‥‥‥ッ!
(ダメだ! 特に、
アヤシイところはない‥‥)
裁: どうやら‥‥証人の証言には
モンダイはないようですな。
牙: このピストルに”指紋がない”
‥‥説明なら、カンタンだよ。
たとえば、犯行当時。ハンニンは
やはり、手袋をしていたとしようか。
犯行後、ピストルを投げ捨てたとき。
ポケットから、コイツを落とした。
まあ‥‥愛すべきチンピラくんに
ふさわしいミス、かな。
王: う‥‥‥うおおおおおおおおッ!
裁: どうやら‥‥
ここまで、のようですな。
王: (やっぱり‥‥
オレじゃ、ダメだったか!)
牙: ガッカリ、だね。正直なトコロ。
‥‥どうやら。
キミは、ぼくの相手じゃ
なかったみたいだ。おデコくん。
裁: それでは、これにて
証人の尋問を終了します。
‥‥被告人・北木 滝太に
判決を言いわたしましょう。

(待った!)

きゃああああああああああああっ!
王: み‥‥みぬきちゃんッ!
?: ‥‥動くな。
裁: な‥‥なんですか、
あなたはいったいッ!
牙: ‥‥‥‥‥‥
?: その判決‥‥待ってもらおうか。
王: おまえ‥‥まさか!
キタキツネ一家の‥‥
裁: キタキツネ一家、と言えば‥‥
あの、極道の!
?: この、かわいいムスメの
イノチと引きかえだ。
‥‥20分。休廷しろ。
裁: な。なんですとッ!
ほ。法廷がそんな、チンピラの
オドシに屈するなど‥‥
牙: ‥‥裁判長さん、さ。
裁:‥‥!
牙: 強がっても、イミはないさ。
従うより、ないんじゃないかな。
裁: ぐッ。むむむむむ‥‥
?: ‥‥20分、休廷だ。
さもないと‥‥後悔するコトになる。
王: あ‥‥待てッ!
(クソッ! 風にように消えた!)
み:
‥‥今朝の控え室に来て、
オドロキさん!‥‥
裁: ‥‥いたしかたない。
20分、休廷します!
係官!
すぐ、きゃつの後を追うようにッ!


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