第2話『逆転連鎖の街角』第1回法廷(その3)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
成歩堂 みぬき…赤
裁判長…緑
牙琉検事…茶
宝月 茜…桃
北木 滝太…水
北木 小梅…青
北木 常勝…灰
並奈 美波…紫
矢田吹 麦面…黄土
河津 京作…黄緑
引田(偽)…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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同日 午前11時17分
地方裁判所 被告人第2控え室

王: みぬきちゃんッ!
いるのかッ!
?: ‥‥お。早かったねー。
感心かんしん。
王: み‥‥みぬきちゃん!
ブジだったのか‥‥よかったッ!
くくくくく‥‥
み: な。泣かないで! オドロキさん!
王: くそお。
キタキツネ一家のヤツらめ!
やっていいコトと
悪いコトがあるぞッ!
今すぐ‥‥訴えてやるッ!
み: 待って!
落ちついて、オドロキさん!
さもないと‥‥
王: うわわわああああッ!
なな、なんだなんだ!
み: ビックリしました?
これ、みぬきの得意芸。
<<ぼうしクン>>って言うんだよ!
帽: ぼうしクンです。ヨロシク。
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥
み: 毎晩、<<ビビルバー>>のステージで
大ウケなんだから!
帽: 恥ずかしながら、大ウケです。
み: ね。どう? どう?
王: コラッ! やっていいコトと
悪いコトがあるぞッ!
今すぐ‥‥訴えてやるッ!
み: ナニ言ってるんですかっ!
訴えられるのは、
オドロキさんのほうじゃない!
王:え‥‥‥
み: きのう、滝太さんのお父さんと
約束したじゃない!
”かならず、ムスコさんを助ける”
って!
王: で。でも!
あの証言に、ムジュンはなかった!
弁護士のオレに、
ナニができるって言うんだよ!
み: 判決が言いわたされたら、
オシマイなんですよね?
止めるためだったら、みぬき。
なんだってやるんだから!
王: みぬきちゃん‥‥
み: オドロキさん、聞いて!
もしかしたら、ムダかも
しれないけど‥‥これしかないの。
みぬきには”見える”‥‥
あのヒトの”ココロの動き”が。
王: ココロの‥‥うごき?
み: 思い出してください!
あの証人が、ムジュンした証言を
したときのコト。‥‥ゼンブ!
王: い。今までのムジュン‥‥
ゼンブ、だって?

(「おぼえている」を選択)
王: ああ。いちおう、
おぼえてると思うけど‥‥
み: あのヒトは2回、アイマイで
自信のない証言をしました。
そして‥‥2回とも、
ムジュンしていたんです。

河: 『男は、手に持った‥‥そう。
ピストルを屋台の男に向けたのです。』
『そのままピストルを投げ捨てて、
すたこら逃げていきましたよ。』

み: ハンニンが手にしていたのが
ピストルだったか、どうか‥‥
あのヒトは、自信がなかった。
だから、ムジュンした。
王: そ、そうだけど‥‥
それが、どうしたの?
み: 気がつきませんでしたか?
自信のない証言をするとき‥‥
あのヒトは、かならず
”ある動き”をするんです。

河: 『男は、手に持った‥‥そう。
ピストルを屋台の男に向けたのです。』

み: <<ピストル>>というコトバを
発する”一瞬”だけ‥‥
あのヒトは指にチカラが入って、
本のページをいじっていました。
王: そんなの、
見えるワケないよ!
み: みぬきには見えるんです!
だからこそ、パパは‥‥
<<ボルハチ>>で7年間。ポーカーで
負けたコトがなかったんです。
王: え‥‥ッ!
み: 大勝負のときはいつも。みぬきが
トナリに座って見てたの。
みぬきには、ゼンブ見えた。
‥‥相手のココロの”動き”が。
王: ま。まさか‥‥成歩堂さんは、
それで‥‥勝ってたの?
み: 相手の手札をのぞくワケじゃない
から、”ズル”じゃないし。
モチロン、いつも見てる
ワケじゃありませんよ。
パパ、ポーカーは得意だから。
でも<<無敗>>なんて、ムリでしょ?
王: でも! そんなコト言われても‥‥
(信じられないよ!)
み: もう一度! あのヒトの
証言を聞いて‥‥ううん、ちがう!
証言を”見て”ください!
王: 証言を‥‥”見る”‥‥?
お、オレにはムリだよ!
できっこない!
み: できます。
王:‥‥!
み: ‥‥パパが言ってたから。
オドロキさんには、
そのチカラがあるんだ、って。
王: な、成歩堂さんが‥‥?
(証言を‥‥人のココロの動きを
”見る”‥‥)
み: もう時間です! みぬきには、
他に方法が思いつかないから‥‥
王: (開廷前‥‥この子は言った)

王: 『あれ‥‥
今日は成歩堂さん、来てないんだ。』
み: 『足の古傷が痛みだしたから、って。
『みぬきがいれば大丈夫だろ』って
笑ってたよ。』

王: (”大丈夫”‥‥あのコトバは、
このコトを言ってたのか?
この子は、自分にできるコトを
精一杯やってくれた。
オレだけ、逃げる
ワケにはいかない‥‥!)
‥‥行こう。
み: オドロキさん‥‥
王: なんか、オレにも
できるような気がしてきたよ。
み: ‥‥みぬきは、ずっと。
そんな気がしていました!
あ。それから。
王:
み: <<ぼうしクン>>のコト、イイ感じで
ごまかしておいてくださいね。
帽: ぼうしクンです。ヨロシク。
王: ‥‥やれやれ‥‥


同日 午前11時40分
地方裁判所 第4法廷

裁: それでは、審理を再開します。
王: はいッ! 大丈夫です!
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あの。
おトナリの
おじょうさんですが‥‥
み: あ。みぬきですか?
裁: なにか報告するコトは
ないのですかな?
‥‥さきほどの
”シルクハットの怪人”について。
王: あ。いえ! オレの方で、
ちゃんとハナシをつけましたから。
裁: ハナシを‥‥?
王: はい! だって、オレ。
弁護士ですからね。
牙: あれは、不思議なユメ。
ひとときのイリュージョン‥‥
そう思っておけばいいのさ。
そうだよね? おじょうちゃん。
み: ‥‥気づいてますね。
あの検事さん‥‥
王: あのクールな感じ、
なんかハラ立つな。
牙: とにかく‥‥
結論を聞かせてほしいな。
このおリコウさんを、
どうするのか‥‥
王: あ、それですケド‥‥
もう一度、尋問をやりなおします!
ええと‥‥
聞き忘れたことがありますから。
裁: 先ほどの、この証人の証言に
問題はありませんでした。
時間かせぎは認めません。
‥‥そのつもりで。
王: ‥‥はい。
み: 忘れないで、オドロキさん!
あの証人は‥‥
動揺すると、ページを
いじるクセがあるコトを!

(目撃から通報まで)
河: 『ハンニンが逃げるのを止めることは
できませんでした。』(証言1)
『現場を離れてはいけない‥‥
ワタクシは、そう思ったのです。』(証言2)
『だから‥‥そう。携帯電話で
警察に通報しました。』(証言3)
『10分後。警察が到着するまで、
現場にはダレも来ませんでしたね。』(証言4)
王: (証言を”見る”‥‥そんなコト、
オレにできるのか?)
み: ‥‥集中してみましょう!
どこかに”弱点”があるはずです!
王: (”集中”‥‥
と、言われても‥‥
耳は、コトバを聞いている。
目は、表情をとらえている。
もっと‥‥すべての”感覚”で、
証言をとらえるんだ!
な、なんだ‥‥?
オレの”腕輪”が‥‥
なぜだ‥‥?
腕輪が、いつもと”ちがう”
感じがする‥‥!)
み: やっぱり‥‥
パパの言ったとおり。
オドロキさんにも
”見えて”いるんですね?
”弱点”のある証言を探して!
オドロキさんなら、できます!
王: (”なぜ”かは、わからない‥‥
でも‥‥この”腕輪”が
”何か”教えてくれる気がする)

(「証言3」をゆさぶる)
王: 事件を目撃してすぐ、通報を‥‥?
河: まあ。警察に記録が残っています。
調べてもらえればよろしいでしょう。
み: 待って、オドロキさん!
きっと‥‥この証言です!
王: ‥‥! もしかして‥‥
”クセ”のコト、かい?

み: 『忘れないで、オドロキさん!
あの証人は‥‥
動揺すると、ページを
いじるクセがあるコトを!』

王: (‥‥そして。今回の証言で、彼が
本を開いているのはここだけだ。
つまり‥‥ここに”クセ”が
かくれている、というコトだ!)
‥‥なぜだか、理由はわからない。
でも、オレにはわかるんだ。
み: ‥‥? なんですか?
王: この”腕輪”が‥‥今。
いつもとちがう。まるで‥‥
彼の”何か”に反応しているように
‥‥感じる!
み: うでわ‥‥ですか?
王: オレはまだ、みぬきちゃんの言う
”集中”の意味は、わからない。
でも‥‥この”腕輪”の反応を
信じてみようと思うんだ。
(反応している”腕輪”に
タッチしてみるんだ‥‥!)

(腕輪に触れる)
王: な。なんだ、コレ‥‥!
(証人の、カオが‥‥表情の動きが、
アタマの中に入ってくる‥‥!
他のものは”見えない”
そして‥‥”聞こえない”!)
み: オドロキさん。
王: ‥‥! みぬきちゃん!
これは、いったい‥‥?
み: それが”集中する”という
ことなんです。
王: しゅうちゅう‥‥
み: 今のオドロキさんなら”見える”
ハズ。証人のすべてが。
王: で。でも、これはちょっと‥‥
自分でもキモチ悪いよ!
み: とにかく。今は、証人のクセを
探らないと。‥‥おぼえてますか?
王: たしか‥‥自信のない証言をする
とき”本のページをいじる”だっけ。
み: そうです! オドロキさんは今、
証人のカオを見つめていますね。
‥‥それはそれは、
ものすごい目つきで。
王: (まあ、そうだろうな‥‥)
み: その視線を‥‥まず、証人の
”手”に移してください。
王: ”手”に‥‥?
み: 今回は、クセがわかってますから。
彼の”手”を視界に入れてください。
王: (たしかに、今はアイツのカオしか
見えていない。
”視界”を操作‥‥か。
とにかく、やってみよう!)

(手元に視線を移動)
み: いいですね!
これでジュンビができました。
王: ジュンビ‥‥って、何の?
み: 証人のクセを<<みぬく>>んです。
王: <<みぬく>>‥‥
み: 今度は、証人のコトバに
耳をかたむけましょう。
そして‥‥”クセ”を
見つけるんです!
王: つまり。彼がページを”いじる”
瞬間、だね。
み: そう! その”クセ”を見つけたら
‥‥そこで<<みぬく>>んです!
弱点を突けば‥‥かならず。
勝負の”流れ”は変わります!
王: ”流れ”‥‥ね。さすが、
勝負師のムスメさんはちがうね。
み: みぬき、マジシャンですから。
王: (彼のコトバに集中するんだ。
そして、彼の”指の動き”に!)
み: 見逃しても、大丈夫。
何度でも探すコトができますから!
王: (よし。やってみるんだ。
‥‥王泥喜 法介!)

(「携帯電話で通報をしました」をみぬく)
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
(今‥‥たしかに。
たしかに、オレには見えたッ!)
裁: い。イキナリなんですかッ!
河: お。おど。おどか。おどかさ。
‥‥おどかさないでくれたまへッ!
王: 河津さん‥‥
では、お聞きしましょう。
なぜ‥‥今。
本のページをいじったんですか?
<<携帯電話>>というコトバを
発するときに!
河: な。なに。なにを。なにを言。
‥‥なにを言うんだッ!
王: どうやら‥‥詳しく聞かせて
もらったほうがいいみたいですね。
‥‥<<携帯電話>>について。
(さて。何を聞くべきか‥‥?)

(「携帯電話をみせてもらう」を選択)
王: ‥‥河津さん。携帯電話を
見せていただけませんか!
河: え!
な。なんで! どーして!
王: それは‥‥見せてもらえれば
わかりますよ。
河: そ、それがその。
今はあの。持っていないので‥‥
裁: 持っていない‥‥?
王: ‥‥河津さん。
アナタの携帯電話‥‥
コイツじゃないですか?
河: ああッ! そ、それは!
‥‥どうしてッ!
み: こ。これって‥‥きのう!

王: 『これ‥‥携帯電話、だな。』
み: 『タイヤの下に落ちてますよ。
自動車が動いたら、
ふみつぶしちゃいます!』
王: 『うーん‥‥この家のヒトのものかな。』

王: ‥‥おかしいですねえ、河津さん。
河:‥‥‥!
王: あなたの携帯電話が‥‥なぜ。
ここにあるんですかッ!
裁: ちょっと待ってください!
いったい、どういうことですかッ!
王: この携帯電話は、
きのう、拾ったものです。
‥‥宇狩外科医院の、ガレージで。
裁: うかり‥‥
被害者の自宅ではないですかッ!
河: えええええええッ!
まさか! ウソだッ!
王: 河津さん!
あなたはウソをつきましたね!
携帯電話がここにある以上‥‥
警察に通報できたワケがない!
河: ぐわああああああああああああッ!

河: たしかに‥‥あの晩。ワタクシは
携帯電話を持っていませんでした。
だから、警察への通報は、
公衆電話を使ったと言えるでしょう。
裁: 公衆電話‥‥携帯電話では
なかったのですね!
王: その<<公衆電話>>‥‥いったい、
どこですかッ!
河: それは‥‥その。あえて
ゲンミツ・かつ正確に示すのならば。
およそだいたい
このあたり、でしょうか。
裁: けっこう、
公園から離れていますね。
‥‥しかし。
なぜ、そんなウソを‥‥
王: それは‥‥当然。
携帯電話をなくしたことを
知られたくなかったのでしょう。
何しろ、見つかった場所が‥‥
被害者のお宅の
ガレージだったワケですから。
河: ど。ど。どういうことだ!
王: ‥‥あなたは、事件当夜。
宇狩外科医院のガレージに
不法侵入していたコトになります!
この携帯電話が、
それを物語っている!

(ざわめきが起こる)
河: ば。バカなコトをッ!
それじゃあ、まるで‥‥
このワタクシが、その宇狩医師の
イノチでも狙って‥‥
ガレージにひそんでいたように
聞こえるではありませんかッ!
裁: まあ、ジッサイ‥‥宇狩医師は、
その晩。殺害されたワケですからね。
河: い。いやいや! そんな言い方は
ルール違反と言えましょう!
たしかに! 携帯電話を紛失して、
困っていたのはジジツ!
しかし。それが事件当夜のコト
だったかどうかはわからないッ!
裁: ふむう‥‥いかがですか?
弁護人。
その携帯電話が、事件当夜
落とされたものであるならば、
たしかに事件との関連性が
気になるところですが‥‥
み: チャンスですよ! サツジンのツミ、
あのヒトになすりつける!
王: ‥‥せめて”ムスびつける”って
言ってくれないかな。
(どうだろう‥‥
証拠品はあるんだろうか。
携帯電話が落とされたのが、
事件当夜だと立証する証拠‥‥)

(「証拠品を提示」を選択)
王: もちろん、証拠があります!
牙: たいした自信だ。
いいと思うよ。‥‥どうでも。
裁: ‥‥それでは。
提示していただきましょう!
王: 携帯電話が、事件当夜に
落とされたコトを示す証拠は‥‥

(「ミラー」を選択)
裁: それは‥‥ドアミラー、ですか。
王: じつは。宇狩医師のクルマは、
事件当夜‥‥
交通事故を起こしているのです。
河: こうつうじこ‥‥?
王: ‥‥そのとおりです。
<<人情公園>>‥‥現場に近い場所で
事件当夜の午後9時すぎ。
宇狩院長は、ある人物を
ハネ飛ばしているのです!
河: そ。それがなんだって言うんだ!
王: 車庫にクルマが入ったのは、
その事故の”後”‥‥つまり。
事件当夜の午後9時すぎ、
ということになります。
もし、それ以前に携帯電話が
落とされたのであれば‥‥
車庫にクルマが入った際、
ひきツブされてしまうハズです。
携帯電話は、タイヤのすぐ
そばに落ちていたのですからね!
河:あ‥‥
王: ‥‥つまり、河津さん!
あなたが、コレをガレージに
落とすことができたのは!
事件当夜、午後9時以降しか
あり得ないのです!
河: うわぎゃあああああああああッ!

(ざわめきが起こる)


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