王泥喜 法介…紺 | |
成歩堂 龍一…黒 | |
成歩堂 みぬき…赤 | |
裁判長…緑 | |
牙琉検事…茶 | |
宝月 茜…桃 | |
北木 滝太…水 | |
北木 小梅…青 | |
北木 常勝…灰 | |
並奈 美波…紫 | |
矢田吹 麦面…黄土 | |
河津 京作…黄緑 | |
引田(偽)…黄 |
成歩堂なんでも事務所 | |
王: |
‥‥やれやれ。サンザンだったな。 今日の法廷。 |
み: |
そうですか? みぬきは楽しかったけどな。 ちゃんと、滝太さんも助けたし。 |
王: |
‥‥なんか、パンツの話題で 明け暮れたような気がするよ。 |
み: |
事務所のいい宣伝になったなー。 今晩のステージが楽しみ。 オドロキさんも 見に来てくださいね! |
王: | うん‥‥ |
み: | <<ぼうしクン>>も出ますからね! |
帽: | 恥ずかしながら、登場します。 |
王: | そいつはもう、いいよ。 |
美: | あの‥‥ |
み: | あ。美波さん! |
美: |
今日は、なんというか。 ありがとうございました。 |
王: | あ、いえ。とんでもない! |
美: |
それで、どうなんでしょうか。 滝太クン‥‥ |
王: |
(とりあえず、有罪判決は逃れた。 でも‥‥) |
美: |
おねがいです。 助けてあげてくださいね! わたしたち‥‥ 来月、ケッコンするんです。 |
王: |
それは、おめでとうございます。 (くそ‥‥やっぱり、 負けるワケにはいかないよな) |
美: |
あの。わたしにできることなら、 なんでもしますから! |
王: |
ケッコン‥‥大丈夫ですか? キタキツネ一家に嫁入りなんて。 |
美: |
わたしは平気だけど。 滝太クンのコト、好きだし。 |
み: |
うわあ。なんか、いいですよね! そういうの。 |
王: |
もしかして‥‥ アコガレている、とか? ‥‥極道の奥さんに。 |
美: |
うーん。どうかなあ‥‥ じつは、家族から反対されてて。 ちょっとタイヘンなの。 |
み: |
あの! 滝太さんとは、どこで お知り合いになったんですか? |
王: |
(そういえば‥‥ 美波さん、極道の世界と縁が あるようには見えないもんな) |
美: |
ああ‥‥ちょっと。 ムカシの職場で、ね。 |
み: |
へええ。職場結婚かあ。 ろまんちっくですねえ。 |
美: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
(美波さん‥‥自分自身のコトは、 あんまり話してくれないな) |
美: |
なんかね。今の組長さん、 極道から足を洗おうとしてるの。 |
王: |
え。そうなんですか! (極道を‥‥やめる?) |
美: |
フツウの企業に生まれ変わろうと しているみたい。 滝太クンのお父さんがね。 最近、急に言い出して‥‥ 組員のヒトたちも、ずいぶん とまどってるみたい。 |
王: |
(そういえば‥‥似合わない エプロンをつけてたな‥‥) ‥‥でも、それ。 滝太さんは反対しそうですね。 |
美: |
ふふ。あのヒト、 やんちゃなトコロがあるから。 |
王: |
”やんちゃ”って 感じじゃないですけど。 |
美: |
『オレが組長になって、 ゼッタイ極道をつづける!』って。 ちょっぴり、背伸びしたい オトシゴロなんですよね。 |
王: |
(ややこしそうだもんな。 あの親子) |
美: |
最近、すごーく 儲けてるの。キタキツネ一家。 滝太クンのお父さん、 いろんな世界にカオがきくから。 |
王: |
(たいした人物らしいな。 滝太クンのお父さん‥‥) |
美: |
滝太クン。『極道がカネ儲けに 走ったらオシマイだ』って。 |
み: |
それって、アレですね! ”ぜねれーしょん・ぎゃっぷ” ‥‥ってヤツ。 |
王: |
ふつう、父と子の主張は 逆だけどね。 |
王: |
そういえば、滝太さん。 被害者の宇狩医師の手術を 受けているそうですね。 |
美: | そうみたい、ですね。 |
滝: |
『半年前、入院したとき、 アイツはオレの手術に失敗した! しかも、そのまま、 ダマって退院させやがった! おかげでこっちは、 また手術のやりなおしさ!』 |
美: |
‥‥そんなコトが あったみたいですね。 滝太クン。 ケンカが好きだから。 |
王: |
ピストルが出てきたら”ケンカ” とは言わない気がしますけど。 |
み: |
”イノチに関わる可能性がある” って言ってましたよね。牙琉検事。 |
美: |
そ。そんな! きっと‥‥ 検事さんのオドシ、だと思います。 |
み: |
”手術のミス”‥‥ それをかくされたら、 ハラ立ちますよねー。 |
王: |
(もう少し詳しく、 ”手術”の情報を知りたいな。 宇狩医院‥‥行ってみるか‥‥) |
美: |
それじゃあ。 わたし、そろそろ帰りますね。 滝太クンのコト。 どうか、よろしくおねがいします。 |
王: |
ははは、はい! ま、ま、まかせてください! |
み: |
オドロキさん。声がふるえてます。 そんなんじゃ、逆に不安ですよ。 |
王: |
うるさいな。 こういうの、慣れてないんだよ。 |
美: |
ふふふ。大丈夫。 弁護士さんのこと、信じてますから。 |
留置所 面会室 | |
み: |
‥‥うーん。 滝太さん、取調べ中みたいですね。 |
王: |
話を聞きたかったんだけど‥‥ また、あとで来てみようか。 |
看: | あの‥‥ |
王: | はい? |
看: |
もう1人の容疑者なら、 取調べが済んでいますよ。 |
み: |
あ! もしかして、 あの無類のパンツ好きの! |
王: |
‥‥河津 京作、か。 (あの人もタイホされたのか) よし。河津さんの話を聞いてみよう。 ‥‥ちょっと疲れそうだけど。 |
み: | 貴重な”目撃者”ですからね! |
王: |
(まあ‥‥ある種”貴重な” 目撃者だよな、アレは‥‥) |
河: |
なんなのですか‥‥ ワタクシはこれで、忙しいのですよ。 今日中に、論文の構成をまとめ‥‥ ムムッ! アナタがたはッ! |
王: |
‥‥河津さん。 お話をうかがいに来ました。 |
河: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥まあ、いいでしょう。 手短にお願いしますよ。 |
王: | (立ち直りが早いな‥‥) |
王: |
河津さん。 事件の夜アナタは、パンツを‥‥ |
河: |
待ってください! やはり‥‥ カンチガイをされているようです。 |
王: | ‥‥どういうコトですか? |
河: |
たしかに、あの夜。 ワタクシはパンツを入手しました。 しかし! あれは、ワタクシの 燃ゆる向学心がさせたコトですッ! |
み: |
みぬきのパンツのシカケを 知りたかっただけですもんね。 |
河: | あ、あなたはッ! |
み: | ‥‥? |
河: |
どうか、あなたを ”先生”と呼ばせてくださいッ! |
み: | ええっ! |
河: |
なんとかして 教えていただけないか! ワタクシの人生を狂わせた、 あのパンツのナゾをッ! なんなら、このワタクシを あなたサマの”弟子”にッ! |
み: |
オドロキさん! なんとかしてください! |
王: |
いいんじゃない? カッコウもマジシャンぽいし。 |
み: | そんなムセキニンな‥‥ |
王: |
事件の夜、目撃したこと。 もう一度、教えてもらえませんか? |
河: |
‥‥いいでしょう。 法廷で証言したとおりですが。 あの夜。あの場所にいたのは たしかに、被告人の方でした。 被告人は、被害者にピストル‥‥ いや。”何か”をつきつけていた! ワタクシは叫んだ。 「キミタチ、ヤメタマヘッ!」と。 ‥‥次の瞬間、銃声がッ! |
王: |
それ‥‥やっぱり、 本当なんですね? |
河: |
‥‥あのパンツのフシギが ツユと消えた以上‥‥ ワタクシには、もう ウソをつくイミがないのですよ。 |
王: |
(たしかに、”パンツ泥棒”より かくしたいコトもないよな) |
み: |
滝太さんが現場にいたコト、 まちがいないみたいですね‥‥。 |
王: | 信じたくなかったけどね。 |
み: |
あのパンツ泥棒さんの証言が ホントなら‥‥ やっぱり、滝太さんは 不利ですよね。 |
王: |
滝太クンが現場にいたコトは ホントみたいだからなあ。 (どうやら、他の方向から 攻めたほうがよさそうだな) |
み: |
‥‥とにかく! いろいろ調べてみないと。 さあ! 調査に行きましょう! |
王: |
どう? 何か気づいたコト、ある? |
み: |
うーん。 ちょっと待ってくださいね。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ えいッ! やあッ! |
王: |
(おお! 何もないところから、 証拠品がつぎつぎと!) |
み: |
ハイ、おしまいでーす。 スゴいでしょ? みぬき。 |
王: |
‥‥うん。スゴいと思うよ。 (やれやれ‥‥) |
キタキツネ組邸前 | |
王: | (うわ。またいたよ‥‥) |
小: |
ああ、アンタたち! ちょいと! |
王: | お。オレたちですか。 |
み: |
こんにちは! 小梅ネエさん! |
王: |
(この子も、妙な呼び方を おぼえちまったし‥‥) |
小: |
聞いたよ! この小梅サマのパンツ。 取り戻してくれたんだってね! |
王: |
い。いや、まあ‥‥ ベツにオレは‥‥ |
小: |
なんだい! ハッキリしないねェ、男のクセに! アンタなんだろ? ハンニンをつかまえたの。 |
王: |
は、ハイ、すみません! オレがやりました! |
み: |
パンツのコトで怒られてる オドロキさん、おもしろーい。 |
王: | ‥‥うるさいな。 |
小: |
ま。そんなコトより。 ウチの滝太はどうなんだいッ! |
王: |
い。いや、まあ‥‥ ベツにその‥‥ |
小: | だから、ハッキリしろっての! |
王: |
は、ハイ、すみまっせん! (これだから 来たくなかったんだよな‥‥) |
み: |
なんというか、さすが! <<組長のムスコ>>って感じですねー。 『オレは<<わる>>の道を行く』 って言ってました! |
小: |
あのトシごろはね。 そういうのにあこがれるモンさね。 ‥‥特に、オトコのコは。 |
み: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: | なんで、オレを見るんだよ。 |
小: |
半年前。あの子、 抗争で撃たれちゃってさ。 |
王: |
ええ‥‥ ムスコさんから聞きました。 |
小: |
‥‥もし、あのとき。あの子が ピストルを持っていたとしても。 きっと、あの子は 相手を撃たなかったろうね。 |
み: | え‥‥‥ |
小: |
ワルぶっていても、 あの子にヒトは撃てない。 ‥‥アタシには よくわかってるのさ。 |
王: |
(さすがに、おかあさんのコトバは 重みがあるなあ‥‥) |
小: |
今回のコトが終わったら‥‥ 組長と、キチンとハナシを つけてくれるといいんだけどねェ。 |
み: |
”くみちょう”‥‥あの。 滝太さんのお父さん、ですか? |
王: | そういえば‥‥仲が悪そうでしたね。 |
小: |
たしかに‥‥ ウチの組のピストルが1挺、 なくなってるんだよ。 |
み: |
やっぱり、 凶器はこの屋敷から‥‥ |
王: |
ピストルなんて、そうカンタンに 手に入るものじゃないからなあ。 |
小: |
下の者は、持ち出すことはできない。 組長と、若頭、 そして‥‥滝太、ぐらいかねェ‥‥ |
王: | そ。そうなんですか‥‥ |
小: |
今度の事件で、警察の捜査は 一家の内部に入ってくるだろうし。 いいシオドキ、なんじゃないかね。 わっはっはっはっはっは! |
王: |
(小梅さん‥‥なんか、 さばさばしてるなあ) |
小: |
‥‥ああ。 滝太の婚約者だね。 |
王: |
来月、 ケッコンされるんですよね? |
小: |
まあね。 最近は、ウチに寝泊まりしてるよ。 |
み: |
‥‥小梅ネエさん、あんまり うれしそうじゃないですね? |
小: | ‥‥! よ。よくわかったねェ。 |
王: |
(”見抜く”までもなく、 オレでもわかるぞ‥‥) よかったら‥‥彼女のこと、 聞かせていただけますか? |
小: |
‥‥あの子はね。 いきなり滝太がつれてきたのさ。 ケッコンしたい、ってね。 |
み: |
なんか、キレイなカタですよねー! おじょうさま、みたいな。 |
小: |
たしかに、キレイさね。 でも、ねェ‥‥ |
み: | ‥‥? |
小: |
いや、気のせいだとは思うけどさ。 こういう世界にいるとねェ‥‥ ヒトのキタナイところばっかり 目にするコトになる。 そのおかげで、なんとなくね。 ハナがきくようになるのさ。 ”ニンゲン”に対する、ハナがね。 |
王: |
(何か、ひっかかるコトでも あるのかな‥‥?) |
み: |
いわゆる、アレですね。 ”おんなのかん”ってヤツ。 |
小: |
ウチの組長はね。ダレよりも 滝太を大事にしてるんだよ。 |
王: |
でも、ムスコさんは‥‥その。 お父さんの方針には 反対みたいですね。 |
小: |
ああ。‥‥ウチは今、 方向転換の最中なのさ。 今のシノギから足を洗って、 まっとうな商売をしよう、ってね。 滝太は、それが 気に入らないみたいでさ。 |
み: |
もしかして‥‥ もうからないんですか? ”ごくどう”って。 |
小: |
わっはっはっはっはっは! なんというか、今はね。 ウチは、カネがいるんだよ。 キレイなカネが、たくさんね。 |
王: |
そうなんですか‥‥ (何か、事情があるみたいだ‥‥) |
小: |
いつか。あの子にも、 組長のキモチがわかる日が来るさ。 |