王泥喜 法介…紺 | |
成歩堂 龍一…黒 | |
成歩堂 みぬき…赤 | |
裁判長…緑 | |
牙琉検事…茶 | |
宝月 茜…桃 | |
北木 滝太…水 | |
北木 小梅…青 | |
北木 常勝…灰 | |
並奈 美波…紫 | |
矢田吹 麦面…黄土 | |
河津 京作…黄緑 | |
引田(偽)…黄 |
王: |
オヤジさん。もしかして、 ”ムカシの職業”って‥‥ |
麦: |
‥‥バレちまったみたいだな。 そう、ワシは外科医だった。 おととしまでな。 |
み: |
じゃあ。宇狩さんは、アレですね? ”しゅくめいのらいばる”ってヤツ。 |
麦: |
‥‥アンタ。 ラーメンのネギは好きかい? |
王: | え。はあ。ワリと。 |
麦: |
ちりれんげでスープを飲むと、 かならずネギがまじっている。 ネギ好きにはたまらないが、 ネギ嫌いにもたまらない。 ‥‥ワシは、 ネギが大ッキライなんだッ! いちいち、よけいなところで 味わいのジャマをしてくさる! アイツがそうだった! 宇狩のネギボウズがッ! |
王: |
”くされ縁”みたいな もの、ですか? |
麦: |
‥‥宇狩 輝夫とワシは‥‥ 幼稚園のゆり組の頃から、 何かと張り合っとった。 あのオトコ‥‥かならず。ワシの 選んだ道を、後からついて来た。 そして、かならず。 ワシを追い抜いていくのだ。 |
王: | ‥‥はあ。 |
麦: |
そう! 先に外科医になったのは、 このワシなのだ! ああ、それなのにッ! あの、ネギボウズめが‥‥ッ! |
王: |
‥‥新しい容疑者が 見つかったみたいだね。ここに。 |
み: | そんなコト、言っちゃダメです! |
麦: |
ワシは‥‥メスのかわりに ミソをつかまされたんだッ! ‥‥すまんね。 中年のボヤキを聞かせちまって。 |
王: | いえ。いいですけど。 |
麦: |
おワビに‥‥ 何か、困ったことがあったら。 ワシんトコに来なさい。 |
王: | え? |
麦: |
アンタら、宇狩のネギボウズの 事件を調べとるんだろ? |
王: | ええ。そうですけど。 |
麦: |
外科医のコトは 外科医に聞け、ってコトよ。 まあ、何かあったら ムギツラのオヤジを思い出しなさい。 |
み: | わかりました! ありがとう! |
王: |
(やれやれ。長々とグチを 聞いたのもムダじゃなかったな) |
キタキツネ組邸前 | |
み: |
‥‥公園の前に、 ヒトだかりができていますよ! |
王: |
殺人事件があったワケだからなあ。 ヤジ馬が集まってるんじゃないか。 |
み: |
でも‥‥女の子のヒメイが 聞こえますよ。 きゃーきゃー言ってます。 |
王: | (あのバイクは、もしかして‥‥) |
牙: | やあ‥‥おデコくんじゃないか。 |
王: | ‥‥牙琉検事。 |
牙: |
困っちゃったよ。こんなところで、 ファンに見つかるとは。 |
?: | きゃー きゃー カッコイイ! |
王: | ‥‥この声援、もしかして‥‥? |
牙: |
最近、アルバムを 出したばっかりだからね。 ホラ。キミも手を振ってみたまえよ。 |
?: | きゃー きゃー カワイイ! |
牙: |
はっはっはっ。 テンションが上がってるからね。 もう、ダレでもかまわないのさ。 |
王: | (なんなんだ、この状況は) |
み: | あの! 捜査ですか? やっぱり。 |
牙: |
まあね。帰ろうと思ったんだが‥‥ バイクがイカれちゃってね。 |
王: | バイクが‥‥? |
牙: |
エンジンがかからないんだ。 排気パイプがつまっちゃって。 |
み: |
へえ! 高そうなオートバイなのに、 そんなコトで こわれちゃうんですか? |
牙: |
どうやら、使っていたオイルが 悪かったみたいでね。 クルマもバイクもいっしょさ。 どんな理由であれ‥‥ 排気パイプをふさがれると、 エンジンがかからなくなる。 ‥‥はかないモンだね。 キカイなんてさ。 |
王: |
オレ、自転車派だから。 よく、わかんないけど。 |
牙: |
ま。とにかくぼくは、 修理屋さんに行ってくるよ。 どうも、ここの現場主任さんは、 ぼくがキライみたいだからね。 |
王: |
”現場主任”‥‥あの。 白衣を着た? |
牙: |
そ。キゲンがよくないからね。 やさしくしてあげなよ。 ‥‥それじゃ! |
?: | きゃー きゃー カッコイイ! |
王: | 宝月刑事さんは、今日も低気圧、か。 |
み: |
とにかく、行って みましょうよ! 公園に! |
人情公園内 | |
王: |
あれ。なんか、 ちょっと印象がちがうような‥‥ |
み: |
きのうは、地面に青いシートが 敷いてありましたから。 |
王: |
ああ、そうだっけ。 あ。あそこ。 |
み: |
きのうの、白い刑事さんですね。 ゴミ箱に向かって土下座して、 必死にあやまってます。 |
王: |
‥‥カワイソウに。 きっと、捜査が進まなくて‥‥ すこし、アタマがおかしく なっちゃったんだな。 |
茜: |
ちょっと! アンタたち! ナイショ話なら、聞こえないように やってくれないかなあ。 |
王: | あ。刑事さん、どうも。 |
み: |
なんか、今日も ゴキゲンななめみたいですね。 |
茜: |
ホント、最低ね。 新しい道具はうまくいかないし。 じゃらじゃらした おニイさんには、やさしくされるし。 |
み: |
じゃらじゃら‥‥? 牙琉検事さんのコト、かな。 |
王: |
ふつう”ちゃらちゃらした” って言うんじゃあ‥‥ |
茜: |
あのヒトが歩くと、クサリが じゃらじゃら鳴って、気になるの。 さくさくさくさくさくさくさくさく さくさくさくさくさくさくさくさく。 |
王: |
(この刑事さんが歩くと、 さくさく言って、気になるな) |
茜: |
あーん。やっぱりダメ。 あたし、才能ないのかな。 |
王: |
(新しい<<カガク捜査>>を 試してるらしいな) |
王: |
そういえば、刑事さん。 成歩堂さんを知ってるみたいですね。 |
み: |
パパと、その。 どういうご関係なんですかっ! |
茜: |
あ。ああ‥‥あたしね。 ムカシ、成歩堂さんに、 お世話になったことがあるのよね。 ”助けてもらった”‥‥ っていうか。 |
王: |
(そういえば、言ってたっけ。 ”事件にまきこまれた”‥‥って) |
茜: |
あたし。アイマイなコトが ユルせないタチだから‥‥ 科学捜査官になるため、アメリカで ベンキョウしてきたんだよ。 |
王: |
でも‥‥ 刑事さん、なんですよね? 今。 |
茜: |
なんかね。試験に落ちたみたい。 でも! 重要なのは身分じゃない! カガクのココロだから。 |
み: | そうですよね! ココロですよね! |
茜: |
今日も、通信販売で 買った、このセット‥‥ 鑑識のチームが来る前に 試しまくっちゃうんだからね! |
王: | (大丈夫かな‥‥) |
茜: |
ちょっと、合わないんだよね。 ああいう、 じゃらじゃらしたタイプは。 |
王: | ”ちゃらちゃら”‥‥ね。 |
茜: |
やっぱり検事さんはこう、クールで ちょっとミケンにシワ寄せて‥‥ ”じゃらじゃら”より ”ひらひら”した感じが理想よね! |
王: |
‥‥まったく イメージがわかないなあ。 |
茜: |
‥‥それに、そうだよ! 牙琉検事といえば、7年前! 成歩堂さんから弁護士バッジを 取りあげた検事じゃない! |
王: |
ええええッ! そうなんですか! (あの検事が‥‥!) |
茜: |
‥‥あなた、 そんなコトも知らないの? 成歩堂さんのトコの子なんでしょ? |
王: |
(”子”ってなあ‥‥) あの。7年前‥‥いったい、 何があったんですか? オレ‥‥詳しいコト、 知らないんですけど。 |
茜: |
‥‥自分で調べなさい。 それが、あなた自身のためよ。 |
み: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
それで‥‥さっきから、 何をしてるんですか? 地面にしゃがみこんで。 |
茜: |
あ。聞きたい? 聞きたい? これなのよねー。買っちゃった! |
王: |
(”買っちゃった”‥‥って、 私物なのか‥‥?) |
み: |
なんですか? ローラーと‥‥のり、かな? |
茜: |
これねー。”足跡”を 鑑定するためのものなの。 |
王: | あしあと‥‥ |
茜: |
事件当夜、雨が降ってたから。 地面には、足跡が残ってるでしょ? |
み: |
あ。そういえばきのうは、 青いシートが敷いてありましたけど。 |
茜: |
うん。地面がぬかるんでたから。 一晩おいて、安定させたワケ。 ホラ。今日の法廷で、 モンダイになったでしょ? あの、パンツの大学生が ”どこで事件を目撃したか”が。 |
み: |
なるほどッ! それで、 ゴミ箱のそばを調べてたんですね? |
茜: | あ。そうだ! |
王: | なんですか? |
茜: | アンタ、やってみない? コレ。 |
王: |
え! いいんですか? オレたち、その‥‥”敵”ですよ? |
茜: |
いいって、いいって。 あたしのトモダチだもんね。 なんていうか、あたし。 ちょっとブキヨウみたいでさ。 さっきから、うまくいかなくて。 |
み: |
わあ。みぬき、トクイなんですよ! 手打ちうどんとか。 |
王: |
(”足跡検出”‥‥か。 さて。どうしよう?) |
王: |
それじゃあ‥‥ やらせていただきます! |
茜: |
そうこなくっちゃあ! よしよし。じゃ、説明するね。 えーと、なになに‥‥? |
み: |
宝月刑事さん、 説明書を広げてますよ! |
王: |
(やれやれ‥‥使うの、 初めてみたいだな) |
茜: |
まず、やっぱり。 調べる足跡を決めないとね。 公園の足跡の場所は、 あたしがマークしておいたから。 そうだなあ。 どの足跡から行こうかな‥‥。 とりあえず、被告人の証言を たしかめたいから‥‥ここ! この足跡を調べてみようか! |
み: |
うう‥‥ なんか、ワクワクしますね! |
茜: |
よーし。じゃ、行くよ。 まずは‥‥ 『残された足跡に、まんべんなく 石膏を流し込みます』 ‥‥はい。やってみて。 |
王: | どうやるんですか? |
茜: |
画面にタッチすると、 石膏を流し込むから。 こんな風に! |
王: |
(なるほどね。 やってみるかな‥‥) |
茜: |
ビーカーの中の石膏がなくなったら やり直しだからね! |
茜: |
へえ。見かけによらず、 器用にやるじゃない。 |
王: | (見かけによらず‥‥) |
茜: |
それじゃあ、次ね! えーと。『色が白くなるまで、 石膏を乾かします』か。 タッチしたところに 熱風があたるからね。 ‥‥はい。やってみよう! |
茜: |
うん、固まったみたいだね。 ‥‥サッソク、見てみようか。 うーん。しっかり取れたね。 次はインクをつけないと! 今度は‥‥これ。 ローラーで、 足跡の部分だけインクをのせるの。 ローラーの柄をしっかりにぎって、 動かすんだよ。 ハッキリ出るまで、 ゴロゴロやってみよう! |
茜: |
よーし! いよいよね! 足形を取ってみようかねー。 それじゃあ。 いくよー! |
茜: | それじゃ。照合してみようか。 |
王: | 北木 滝太の足跡‥‥か。 |
茜: |
やっぱり、あの子はあの晩。 事件現場にいたみたいだね! |
み: |
すごいすごい! なんか、 ”カガクしてる”って感じ! |
茜: |
でしょ? でしょお? ”生きてるッ”って感じだよね! |
王: | (そこまで言ってない) |
茜: |
もっとやってみたかったら、 あたしに話しかけてちょうだい。 ‥‥いちおう、 あたしもがんばってみるし。 |
王: |
(刑事さん‥‥ 異常にうれしそうだな) |
王: |
刑事さん。例のアレ、 おねがいします! |
茜: |
お! やる気じゃない! まだ鑑定してない足跡があるもんね。 ‥‥まず、調べる足跡を 決めてちょうだい! |
茜: |
うん。オッケー! いいカンジじゃない。 それじゃあ、次は乾かさないと! |
茜: |
オッケー! じゃあ、取り出してみようか! うーん。しっかり取れたね。 次はインクをつけないと! |
茜: |
よーし! いよいよね! 足形を取ってみようかねー。 それじゃあ。 いくよー! |
茜: | それじゃ。照合してみようか。 |
王: |
河津 京作の足跡‥‥か。 これで、彼の証言が ウラづけられたワケか‥‥ |
茜: |
あのパンツドロボーの子は、 ここで事件を目撃したみたいね。 |
王: |
刑事さん。例のアレ、 もう1回おねがいします! |
茜: |
あんたも、カガクのすばらしさが 分かって来たみたいじゃない! ‥‥まず、調べる足跡を 決めてちょうだい! |
茜: |
うん。オッケー! いいカンジじゃない。 それじゃあ、次は乾かさないと! |
茜: |
オッケー! じゃあ、取り出してみようか! うーん。しっかり取れたね。 次はインクをつけないと! |
茜: |
よーし! いよいよね! 足形を取ってみようかねー。 それじゃあ。 いくよー! |
み: |
‥‥あれ。なんか、 ヘンな”跡”が出てきましたよ。 コレ‥‥クツ、なのかなあ。 |
茜: |
たしかに、ヘンだね。 ”つるっ”としてるし。 |
王: |
そのかわり、木の葉が1枚、 くっついてますけど。 |
茜: |
関係者のクツには、 アキラカに当てはまらないね。 |
王: | (<<謎の跡>>‥‥か) |