第2話『逆転連鎖の街角』探偵パート2日目(その5)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
成歩堂 みぬき…赤
裁判長…緑
牙琉検事…茶
宝月 茜…桃
北木 滝太…水
北木 小梅…青
北木 常勝…灰
並奈 美波…紫
矢田吹 麦面…黄土
河津 京作…黄緑
引田(偽)…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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同日 某時刻
引田クリニック

成: やあ、また来たね。
オドロキ弁護士クン。
今日の法廷では
ゴカツヤクだったみたいだね。
何か相談ごとかい。ちょうど、
タイクツしてたところなんだ。
王: (宝月刑事さんが言ってた‥‥
知りたければ、
自分で調べることだ、って)
成歩堂さん!
オレに‥‥7年前のこと、
教えてくれませんか。
オレ、知りたいんです。
あなたに何があったのか!
成: ‥‥7年前のコト、か。
いきなりズバッと来たね。

(「7年前のこと」を聞く)
成: 7年前。ぼくは、ある被告人の
弁護をするために、法廷に立った。
それは、”ある天才”の死に
まつわる事件だった‥‥
キミも知っているんじゃないかな?
王: ‥‥あの事件は、大騒ぎに
なりましたからね‥‥
そのときの相手が、あの
牙琉検事だったんですか。
成: ‥‥そうだね。
彼はまだ、17歳だったかな。
王: (17歳って‥‥
高校生じゃないか!)
成: アメリカで検事になったらしいよ。
自由の国だから、アソコは。
‥‥そして、17才の新人に敗れた
ミジメなぼくは、法曹界を去った。
それだけのコトだよ。
王: ”それだけ”‥‥って。
そんなワケ、ないじゃないですか!
成: ‥‥と、いうと?
王: オレ、ニュースで見ました。
”ねつ造”‥‥ですよね。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: 証拠品を‥‥デッチ上げて、
弁護士バッジを奪われた、って!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥

(「”ねつ造”」を聞く)
成: それで‥‥
キミは、どう思ってるんだい?
ウワサの”ねつ造弁護士”を
目の前にして、さ。
王: お。オレは‥‥‥
(信じたくない‥‥でも!
この前の法廷で、
成歩堂さんは‥‥)

成: 『気づいていたかい?
今日の裁判には、ひとつ。
”ニセモノ”の証拠が
あったことに。
本来、あるはずのなかった証拠。
‥‥罪深い、手品の”タネ”さ。』

成: あっはっはっはっは。
否定できない‥‥か。
‥‥まあ。ぼくが”ねつ造”を
したかどうかなんてコトは‥‥
もう、モンダイじゃないだろ?
王: そ、そんな‥‥!
成: ぼくは、もう弁護士じゃない。
‥‥それだけが、真実だよ。
王: (”ねつ造”のコト‥‥
話してくれないみたいだな。
‥‥今は、まだ)

(「成歩堂なんでも事務所」に移動する)

(「留置所」に移動する)


同日 某時刻
留置所 面会室

滝: はーい、お待たせ!
ボクのかわいい堕天使ちゃん!
‥‥って。
またオマエらかよ!
王: あの。
毎回、その登場をするんですか?
滝: まあな。さっきは
オヤジにやっちまってさァ。
かなり気まずいムードに
なっちまったぜ!
王: (‥‥そのケイケンから
何か学んでほしいな‥‥)
滝: それにしても。
アンタらも、ゴクロウだよな。
オレはもう、
カクゴはできてるってのにさ!
王: (やれやれ‥‥有罪になる気
マンマンだな)

(「有罪判決」を聞く)
滝: ベツに、オレは気にしねェぜ。
有罪判決のひとつやふたつ。
み: でも! もし”殺人罪”なんて
コトになったら‥‥
滝: なあに。それもケイケンってヤツよ。
まさか、死刑にはなるまい?
極道にとっちゃア、
勲章みたいなもんだからなァ。
み: でも、滝太さん。
やってないんですよね?
滝: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ま。いいじゃねえの。
そんなの。どっちでもさァ。
王: (滝太クンの”チンモク”‥‥
ワケがあるのかもしれないな)

(「父親のこと」を聞く)
滝: ‥‥とにかく。最近の
オヤジには、ガッカリしたぜ。
み: なんか。”ごくどー”を
やめる‥‥らしいですよね。
滝: そんなコト!
オレがさせるかよッ!
オレはさ。クールな”ワル”を
目指して、やってきたワケ。
コシヌケのオヤジに
つきあえるかっての。
王: ‥‥はあ。
滝: オレが出所したアカツキには。
ミナミちゃんといっしょに‥‥
新しいキタキツネ一家に
生まれ変わってやるのさ!
王: (‥‥有罪判決は
大前提みたいだな)

(「サンダル」をつきつける)
王: 滝太さん。もしかして‥‥
コイツに見覚えがありませんか?
滝: お! モチロン、知ってるぜ!
なんたって、オレが
買ってやったんだからなァ!
み: みなみさんに‥‥ですか?
滝: ああ。
誕生日のプレゼントにさァ。
彼女、足が小さくてさ。
カワイイんだよなあ!
み: このサンダル‥‥みなみさんのもの、
だったんですね‥‥
王: ああ‥‥なんとなく、
予想はついていたけどね。
滝: な‥‥なんだよ。
その、しめっぽいムードはさァ!
王: (やれやれ‥‥)

証拠品<<サンダル>>のデータを
書き換えた。

(「滝太のカルテ」をつきつける)
滝: なんだ、コレ。
レントゲン写真じゃねえか。
もしかして‥‥
王: そう。滝太クン。
あなたのものですよ。
滝: オレ、タバコ吸わないから。
長生きできるんじゃねェの?
み: やっぱり‥‥
わかってないみたいですね。
王: あの。ココなんですけど‥‥
見てもらえますか?
<<担当看護師>>のところ。
<<並奈 美波>>のサインです。
滝: ‥‥へえ。さすが、弁護士だなあ。
バレちゃったかあ。
み: じゃあ、やっぱり。
みなみさんと知り合ったのは‥‥
滝: まあ、ね。彼女に出会ったのは、
あの病院さァ!
王: ‥‥詳しく聞かせてもらえますか。
そのハナシ‥‥
滝: しかたないなァ! 聞かせちゃうか。
オレたちの”なれそめ”を!

(「なれそめ」を聞く)
滝: 半年前、組の抗争で
撃たれちまってよォ。
ベツにオレ、死んでも
よかったんだけど‥‥
なんか、助かっちまって。
病院にかつぎこまれちゃったワケ。
み: ‥‥<<宇狩外科医院>>ですね?
滝: そこでさ。出会っちまったワケよ。
オレだけの堕天使ちゃんに。
王: 並奈 美波さん‥‥ですか。
滝: 最初は、オレのコト、
コワがってたみたいなんだけどさ。
ひかれちまったんだろうなァ。
オレの”悪”のミリョクに!
王:はあ‥‥
滝: カノジョ。病院のシゴトが
イヤになってたらしくてね。
それなら、オレんトコに来いよ!
って言ってやったワケ。
オトコらしいだろ?
カノジョ。なんて言ったと思う?
み: なんて言ったんですか?
滝: ちょっとは考えろよなー、
オマエらもさあ。
‥‥小さな声で言ったんだよ。
『わたしとケッコン
してくれるなら‥‥』って。
王: それで‥‥婚約を?
滝: そういうコト!
病院でアイをちかったワケ。
手術も終わって、カノジョとふたり。
あの病院とおサラバ、ってワケ!
王: あの。その”手術”ですけど‥‥
滝: ‥‥ああ。
なんかモンダイがあったみたいだな。
聞いたぜ‥‥健康診断で。
弾丸がまだ、残ってる、って。

(「健康診断」を聞く)
み: 健康診断、って。
組長さんがやったんですよね。
滝: ああ。
情けねェハナシだよ。
極道が長生きして
どうするんだっての!
み: でも! そのおかげで、
弾丸のコトがわかったんですよね?
滝: たしかになァ。
だからこそ‥‥
あの医者に思い知らせて
やろうと思ったんだけどなァ。
弾丸を抜くのは、ベツに
それからでもかまわねえだろ?
こうして、
退院後もピンピンしてるわけだし。
王: その、健康診断‥‥
初めてだったんですか?
滝: ああ。今月に入って、
急にオヤジが言いだしてサ。
オヤジもトシをとった、
ってコトなんだろうさ。

(「成歩堂なんでも事務所」に移動する)

(「矢田吹さん宅前」に移動する)


同日 某時刻
矢田吹さん宅前

み: あ。ムギツラさん!
やっと見つけましたあ!
麦: おう、おじょうちゃん!
どうしたい、そんなカオして。
み: オドロキさん!
見てもらいましょうよ、アレ。
やっぱり、”専門家”に
聞くのが一番だと思います!
王: (‥‥そうだな、見せてみるか。
ムギツラ”先生”に)
麦: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
う‥‥ううううう。
王: ムギツラさん!
どうしたんですか!
麦: なんか、うれしくてよお。
また、医者としてのオレが
役に立つときが来るなんて、なァ。
王: ムギツラさん‥‥

(「滝太のカルテ」をつきつける)
王: あの‥‥オヤジさん。
コレ、なんですけど。
麦: おう! カルテじゃねえの。
ダメだよこんなの。
勝手に持ち出しちゃ。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
み: あの。どうしたんですか?
ダマりこんで‥‥
麦: なんだ、こりゃ‥‥
どういうコトだよ、コレは!
王: いやいや!
こっちが聞きたいですよ!
その、カルテ‥‥
オレの依頼人のものなんですけど。
み: 今、サツジンの容疑を
かけられて、裁判を‥‥
麦: バカ言ってんじゃねェよ!
そんなネムたいコト言ってたら‥‥
死ぬぜ、このクランケ。
み: ‥‥くらんけ?
麦: 患者だよ、カンジャ。
こいつは‥‥一刻を争う事態だ。
王: く。詳しく聞かせてください!
麦: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
これからのハナシは、
<<外科医>>としてさせてもらう。
シッカリ聞くコトだ。
‥‥ニイちゃん。
王: (‥‥ウソだろ‥‥)

(「滝太のカルテ」を聞く)
麦: カルテによると‥‥
この、北木 滝太っていうクランケ。
心臓の横っツラに、弾丸を
カッ食らったみたいだな。
王: はい。そのとおりです。
麦: そして、こっちのカルテには
”術後”‥‥つまり。
弾丸の摘出手術後の経過が
書かれている。‥‥しかしだ。
心臓のヨコに、ハッキリ
弾丸のカゲが見えるんだよ。
王: でも。なぜ、そんなコトに‥‥
麦: 考えられることは、ひとつだ。
手術が、むずかしすぎた。
み:え‥‥
麦: 弾丸は、心臓につながる大動脈の
すぐそばにメリ込んでやがる。
しかも‥‥奇跡的なコトに、
弾丸の周りも動脈が取り囲んでいる。
‥‥コンマ2ミリのブレで、
大出血が起こるだろうぜ。
フツーの医者には、
手が出せねえのさ。
み: そ。そんな‥‥!
麦: こんな状態自体、奇跡的なんだ。
コイツを抜き取るには‥‥
その奇跡を超えた、
大魔術が必要だろうぜ。
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
み: そっち方面の奇跡は、
みぬきに期待しないでください!
麦: 心臓の脈動や肺の活動で、
弾丸は今も”活きて”いやがる。
長くて‥‥半年、だな。
王: でも! 滝太クンが退院したのは
‥‥もう半年前ですよ!
麦: だから! 一刻を争う事態だって
言ってるんだよ!
裁判なんて、後回しだ!
王: (なんてこった‥‥)

(「宇狩の苦悩」を聞く)
み: なぜ、宇狩さんは‥‥
こんな、ヒドいコトを!
ほったらかしなんて、
ヒドすぎます!
麦: わかる気がするよ。
アイツの‥‥宇狩のキモチがな。
緊急手術をして、クランケの
ムネを開いて‥‥
この状況に出くわしたときの、
アイツの”絶望”が。
み: ぜつぼう‥‥
麦: アイツは、そのまま傷口を
閉じるしかなかった。そして‥‥
”弾丸を抜けなかった”なんて‥‥
とても、言えなかっただろうぜ。
み: あ! キタキツネ一家‥‥
麦: そう。このクランケは、
あの組のひとりムスコだ。
そして‥‥手術をしなくても、
退院して、生きることはできた。
まあ。‥‥やがて、心臓が大出血を
起こして、ほぼ即死するがな。
み: そんな‥‥!
麦: そして‥‥その”死亡”を
処理するのは、宇狩自身だ。
組との、深いつながりを利用すれば。
ごまかすコトは不可能ではなかった。
み: ヒドいです! それって。
滝太さんを、見殺しですッ!
麦: ‥‥オトナの世界には、ミニクイ
暗闇がクチを開いている。
それにくらべれば、極道のケンカ
なんてカワイイもんだ。
ホントの”悪”には‥‥
チカラが強いか弱いかなんて、
関係ないんだ。
み: ‥‥‥‥‥‥‥‥
あの! ムギツラさん、
外科医だったんですよね!
それなら! 滝太さんの手術を‥‥
麦: ‥‥バカ言うな。
み:え‥‥
麦: 少なくともこの国には、
こんな手術ができる医者はいねえよ。
たぶん‥‥世界にも、ひとり。
いるか、いないか‥‥
み: じゃ、じゃあ‥‥滝太さんは‥‥
麦: 今、生きてるのが
不思議なくらいだ。
み: そ。そんな‥‥!
王: ‥‥ひとつ。
モンダイがあります。
み: お。オドロキさん‥‥?
王: この、カルテです。
<<担当看護師>>のトコロ‥‥
‥‥並奈 美波。
み: ‥‥ああ。これがキッカケで
ふたりは知り合ったんですよね。
王: モンダイは‥‥彼女はカクジツに
”知っていた”ってコトだよ。
‥‥滝太クンが、
”どういう状態だったか”をね。
み:あ‥‥‥
王: 彼女は‥‥なぜ。それを本人に
言ってあげなかったんでしょうか?
麦: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: (‥‥常識で考えて、
あり得ないハナシだ‥‥
患者のイノチの危険が近い
コトを、知っていたのなら‥‥
婚約する前に、するコトが
あるはずじゃないか‥‥!)
み: あのお姉さん‥‥いったい、
何を考えていたんでしょう‥‥
王: (並奈 美波さん、か‥‥)


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