第2話『逆転連鎖の街角』第2回法廷(その1)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
成歩堂 みぬき…赤
裁判長…緑
牙琉検事…茶
宝月 茜…桃
北木 滝太…水
北木 小梅…青
北木 常勝…灰
並奈 美波…紫
矢田吹 麦面…黄土
河津 京作…黄緑
引田(偽)…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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6月17日 午前9時52分
地方裁判所 被告人第2控え室

み: いよいよ、ですね!
ゆうべはよく眠れましたか?
王: あ。うん。ゆうべ、
1時にはフトンに入ったから。
み: で? 今日は何時に
起きたんですか?
王: 午前3時、かな。
み: ‥‥ゼンゼン眠れてませんね。
でも、大丈夫。
みぬきがついてるし。
ボウシくんだって、
いつも見てますよ。
帽: いつも見てますよ、キミ。
?: がんばるんだよ、オドロキくん。
王: こ。この声は‥‥
成: やあ。ゆうべはよく眠れたかな?
王: ‥‥成歩堂さん!
成: 病院、思ったよりヒマでさ。
さっき、退院してきたよ。
これなら、そば屋でピアノ弾く
マネしてるほうがマシだからね。
み: ね。パパ! 今日は、どんな証人を
用意してるの? ガリュー検事!
成: さあね。当ててごらん。
み: んーとね。
小梅さんとか!
成: あっはっはっ。キモっ玉かあさんか。
ハズレだよ。
み: うーん、ザンネン。
でも。みぬき、思うな。
パパも、早く新しいママ、
見つけないと!
成: お。コイツは朝からイッポン
取られちまったな。
あっはっはっはっは。
王: (だから、ウソっぽいんだよなあ、
この親子)
それで、成歩堂さん!
検察側の、今日の証人は‥‥?
成: ‥‥並奈 美波だよ。
依頼人の婚約者の。
王: (彼女が‥‥証言台に!)
み: でも、なんで? コイビトだから
不利な証言、するワケないのにね。
成: うーん‥‥どうなんだろうねえ。
王: (どうやら‥‥決着のときが
来たみたいだな!)
み: みぬきのパンツは
小宇宙ですからね!
きっと、ハンニンも
取り出して見せますよ!


同日 午前10時
地方裁判所 第4法廷

裁: これより、
北木 滝太の法廷を開廷します。
王: 弁護側、準備完了しています。
牙: ‥‥検察側。チケットは
即日ソールド・アウトだね。
裁: さて。
きのうの審理では‥‥
どちらかと言えば、目撃証人自身の
罪に関する印象が強いですが‥‥
み: いわゆる、
みぬきのパンツ事件ですね。
裁: 少なくとも、
ハッキリわかったことは‥‥
事件が起こったとき。
やはり公園には、被告人と被害者、
‥‥そして目撃者の3人しか
いなかった、というコトです。
牙: ‥‥そういうコト。
そこで、今日は‥‥
あのザンネンな事件を、
外側から見てみようと思ってるんだ。
王: ”ソトガワ”‥‥ですか?
牙: ”凶器の入手経路”‥‥
”犯行準備”‥‥
被告人クン。ウカツにも
ゼンブ、しゃべっていたんだよ。
‥‥フィアンセにね。
裁: ふぃあんせ‥‥?
牙: ‥‥婚約者さ。
人生の共犯者ってヤツかな。
裁: それでは、その‥‥
いいなずけを入廷させてください!

牙: ‥‥それじゃ、キミ。
名前と、職業を。
美: 並奈 美波と申します。
今は、花嫁修行中というか‥‥
裁: ふむう‥‥
いいココロがけです。
最近は、温泉タマゴすら作れない
ムスメさんも多いですからな。
しかし‥‥今日は、検察側の
証人として出廷したわけですな?
美: わたし‥‥最初は、
証言したくありませんでした。
でも、やっぱり。
かくしておくことはできなくて。
裁: ふむう‥‥やはり、
リッパなココロがけです。
牙: ‥‥それで?
たしか、キミは事件当日。
被告人・北木 滝太から
打ち明けられたらしいね?
カレの”犯行計画”について。
美: ‥‥はい。
裁: それでは、証人! サッソク、
証言していただきましょう!

(滝太の”犯行計画”)
美: 『あれは、一家の健康診断の結果が
届いた日でした。』(証言1)
『宇狩外科医院のウソを知って、
滝太クン‥‥キレちゃって。』(証言2)
『『あの医者。思い知らせてやる』
って。組のピストルを持ち出して。』(証言3)
『‥‥その夜。
あんなコトになっちゃったんです。』(証言4)
『だから。あの犯行ができたのは‥‥
滝太クンしか‥‥いないんです。』(証言5)
裁: やはり、あのピストルは、
キタキツネ一家のものでしたか‥‥
牙: その件に関しては、
<<拳銃の不法所持>>ということで、
キタキツネ一家には、すでに
捜査班が入ってるみたいだね。
裁: それで、被害者のイノチを奪った
銃弾は、やはり‥‥?
牙: 被告人が持ち出したピストルから
撃たれたものと立証されたよ。
み: そんなコト、立証できるんですか?
王: 撃たれた弾丸には”線条痕”と
呼ばれるキズが残るんだ。
み: ”せんじょうこん”‥‥
牙: 弾丸の”指紋”みたいなものさ。
発射したピストルを特定できる。
王: それで‥‥その計画のコト。
証人は、いつ聞いたんですか?
美: はい。‥‥あの事件が
起きた、その日です。
わたし!
止めなければいけなかったのに!
まさか‥‥
ホントに撃ってしまうなんて!
裁: ‥‥わかりました。
それでは弁護人。
尋問をおねがいします!

(「証言5」をゆさぶる)
王: どうして、
そんなコトが言えるんですか!
美:え‥‥‥

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: ‥‥おじょうさんをドナるのは
ナシだ、おデコくん‥‥
ピストルを持ち出したのは、
被告人‥‥滝太クン、だっけ?
彼だったことは、もうわかっている。
裁: それは‥‥そうですね。
牙: それを使って被害者を撃つことが
できたのは、ただヒトリ。
被告人しかいない。
‥‥カンタンなロジックだろ?
裁: ‥‥そう。ポイントはそこです。
いかがですか、弁護人。
この点については。
王: (どうなんだ? ピストルを
使うことができたのは‥‥)

(「他にもいた」を選択)
王: ‥‥今の証言を聞けば、
アキラカに、もうひとり。
ピストルを使えた人物が
存在したことがわかります。
牙: なんだって‥‥?
裁: ほほお‥‥興味深いですね。
それでは、うかがいましょう。
被告人の他に、ピストルを
使うことが可能だった人物とは!

(「並奈 美波」を選択)
王: それは‥‥もちろん、
あなた自身ですよ。美波さん。
美: ‥‥!
わ。わたし‥‥ですって?
王: あなたは、ハッキリと
証言しています。
<<事件の当日、被告人から
ピストルのことを聞いた>>‥‥
‥‥つまり。知っていたワケです。
あなたも‥‥”犯行計画”を!

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: すると‥‥キミは。
こう主張するワケだ。
このおじょうさんが、恋人から
ピストルを盗みだして‥‥
院長センセイを殺害した、と。
‥‥婚約者のかわりに。

(ざわめきが起こる)
牙: ヤレヤレ‥‥
たいした”愛”だね。
裁: たしかに‥‥
現実的とは言えませんな。
私も、懸想した相手には
ワリと尽くすほうですが‥‥
ヒトのイノチを奪うとなれば、
さすがに”ちゅうちょ”します。
王: (”ちゅうちょ”せずに
”中止”しろよ!)
では‥‥もし。
被害者と証人のあいだに、
”つながり”があったら‥‥?
そこに<<個人的な動機>>があった
‥‥そう考えることができます。
牙: ふうん‥‥おもしろいね。
被害者と、この証人のお嬢さん。
いったい、どんな関係が
あったというのかな?
み: やっぱり、警察のヒトたち‥‥
あの金庫の中は
調べなかったみたいですね。
王: 被害者と、証人・並奈 美波
の関係をあらわす”証拠品”とは!

(「滝太のカルテ」を選択)
裁: これは‥‥カルテ、ですか。
王: 宇狩外科医院の金庫に
しまわれていました。
モンダイは‥‥
このカルテに記された名前です。
裁: ‥‥これは‥‥ッ!
証人! ここに‥‥ここに。
あなたの名前がありますぞッ!
美:‥‥!
王: さあ!
どういうことですか、証人ッ!
美: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
”どういうこと”と言われても
困るけど。
王: ‥‥!
(表情が変わったぞ‥‥)
美: 半年前まで、あの病院の
スタッフとして働いていた。
つまんないシゴトだった。
だから、やめた。
それだけ、だけど。
‥‥ナニか?
裁: ちょっと待ちなさい!
あなたは”被害者とはなんの
関係もない”と証言しています!
美: なんの関係もないわよ。
‥‥今となっては、もう。
王: 今となっては‥‥?
美: だって。半年前に、やめたんだから。
もう、無関係でしょ。
‥‥アナタたち、もしかして。
コイビトのムカシのコト、ぜんぶ
聞かないと気がすまないタイプの、
ちっぽけなオトコ、なのかしら?
裁: そんなコトはないですぞ!
私は、その。
愛しいヒトの、ちょっとした過去も
まとめて抱きしめるタイプの、イキ

(王泥喜「異議あり!」)
王: ”今はもう”無関係‥‥
それは、通らないんですよ。
美: ‥‥どういうこと、かしら?
王: (さすが、キモっ玉が座っている。
キタキツネ一家にヨメ入りしよう
とするだけのコトはあるな)
あなたは、宇狩外科医院の
スタッフをやめた後も‥‥
あの病院と、なんらかの
関係があったハズなのです。
裁: それでは、弁護人!
提示していただきましょう。
この証人が、今でも宇狩外科医院と
”つながり”があるという証拠を!

(「美波のサンダル」を選択)
王: 宇狩外科医院のエントランスに、
このサンダルが残されていました。
‥‥あなたのものですね?
美: あ‥‥‥ッ!
さ。さあ、知らないわ。
同じサンダルなんていくらでも‥‥
牙: ザンネンだなあ、おじょうさん。
今のは、よくなかった。
美:‥‥!
牙: 今の”動揺”はシッパイだったね。
さすがに、ごまかしきれない。
美: な、なによ‥‥あなた、
わたしのミカタじゃないの?
牙: ‥‥足のユビにだって、
<<指紋>>ってモノがある。
このサンダルが、だれのものか?
調べれば、すぐわかっちゃうよ。
美: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ふうん‥‥そう来るんだ。
‥‥やっぱり、協力なんて
するんじゃなかったなあ。
わたしはただ、滝太クンに‥‥
正しい道を進んでもらいたかった
だけなのに。
裁: ふむう‥‥しかし、
こうなっては、しかたありません。
もう少し、あなたのお話を
聞かなければならないようです。
王: 病院のエントランスに、あなたの
サンダルがあった以上‥‥
あなたは事件当日、宇狩外科医院に
行ったことになります!
美: ‥‥反論しても、ムダみたい。
裁: それでは、証人。そのときのコトを
証言していただきましょう。
‥‥事件当日、あなたはなぜ、
宇狩外科医院を訪ねたのか?

(宇狩外科医院の出来事)
美: 『たしかに、あの日。病院に行ったわ。
辞めたのが1月だから、半年ぶりね。』(証言1)
『”警告”っていうの? ホラ。
滝太クン、ピストル用意してたし。』(証言2)
『院長さん、小心者だから。
自分のミスも言えないぐらい。』(証言3)
『他にないでしょ? わたし自身には、
後ろ暗いトコロは何もないし。』(証言4)
『いちおう、ムカシのよしみでね。
気をつけるように言ってあげたの。』(証言5)
裁: ”ミス”というと‥‥
きのう、被告人自身のクチから
聞きましたな。
『手術に失敗した』‥‥と。
美: ちっぽけなセンセイだったけど。
撃たれるのはカワイソウじゃない?
だから、いちおう
知らせてあげようかな、って思って。
裁: ふむう‥‥それはたしかに、
自然なコトかもしれませんね。
牙: しかし。ダレが見ても不自然な点が
ひとつ。あるみたいだけどね。
裁: なんですかな? 牙琉検事。
牙: エントランスに落ちていた
サンダルだよ、モチロン。
サンダルを履いて
病院に行ったのなら、当然。
そのサンダルを履いて帰るはずだ。
ぼくならそうする。
裁: ‥‥たしかに。
私でも、そうするでしょう。
牙: いったい、なぜ‥‥
サンダルは残されていたのか?
美:‥‥!
王: (しまった!
‥‥先に、言われちまったぞ)
牙: ‥‥これには、何か。
説明が必要だろうねえ。
‥‥たとえば‥‥そう。
よく似たサンダルがあって、
まちがえて履いて帰った‥‥とかね。
美: ‥‥‥‥‥‥‥‥
じつは、そのとおりなの。
よくわかりましたね、検事さん。
牙: なあに。他に説明がつかないからさ。
そうだろう? おデコくん。
王: (‥‥しまった!
牙琉検事のヤツ‥‥
証言の”穴”をふさいじまった!
先手を打たれたか‥‥)
裁: それでは、弁護人。
‥‥尋問をおねがいします。

(「証言4」に「滝太のカルテ」をつきつける)
王: このカルテ‥‥院長室の金庫に
しまってありました。
美: ‥‥それが?
王: なぜ。このカルテだけが、
金庫の中にあったのか‥‥
証人。あなたには、
その理由はわかりますね?
美: ‥‥‥‥!
裁: どういうことですかな?
王: 宇狩院長は、手術を”シッパイ”
するワケにはいかなかったのです。
だから、ウソの報告をして‥‥
”真実”は、金庫にかくした。
牙: ‥‥ヒドい医者だね。
王: しかし‥‥ここで、あなたが
登場するんですよ。
美: ‥‥‥‥‥‥‥
王: カルテを処理した看護師は
あなただった。つまり‥‥
あなたも知っていたのです!
手術の失敗を。
裁:あ‥‥
王: あなたは、宇狩医師と
同じ立場にあったのです!
これでも”無関係だった”と
主張するつもりですか!

(ざわめきが起こる)
美: ‥‥ずいぶん、好きなコトを
言ってくれるのね‥‥新米さん。
王:‥‥!
美: いい? わたしの身分は、
あくまで<<看護師>>なの。
カルテの内容にセキニンが
あるのは、医者だけよ。
裁: ふむう‥‥これは、重要な
ジジツと考えます。
証言に加えていただきましょう。
美: ザンネンね‥‥ボウヤ。
王: ‥‥!
(ま。また‥‥反応している!)
み: どうかしましたか?
オドロキさん。
王: また‥‥反応してるんだよ。
オレの<<腕輪>>が。
み: う。うでわ‥‥ですか?
王: きのうと同じだ。
みぬきちゃんの言っていた‥‥
<<証人の動揺が、無意識の
”クセ”として現れる!>>
み: で、でも! みぬきには‥‥
何も、見えませんけど。
王: え‥‥
(じゃあ‥‥この”反応”は
なんなんだ‥‥?)
み: もしかして‥‥
きっと。そうなんだ!
王: な。なんだよ。
み: オドロキさんの、”感覚”。
きっと、みぬきよりも、ずっと
スルドいんだと思います。
王:え‥‥!
み: みぬきには見えない‥‥でも。
オドロキさんは”感じている”。
王: そんな! オレに、そんな
チカラがあるハズが‥‥
み: いいですか、オドロキさん!
みなみさんの証言のどこかに
”弱点”があります。
でも、それがどんな<<クセ>>かは
わかりません。
王: じゃあ‥‥どうすれば!
み: オドロキさんが”みぬく”んです。
<<目>>と‥‥<<感覚>>で!
王: (今のところ、
オレがたよれるのは‥‥
‥‥コイツだけ、だ。
理由はわからないけど‥‥
コイツに”触れる”と、
”集中”できそうな気がする。
‥‥やってみよう。
今の証言を、崩すんだ!)


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