王泥喜 法介…紺 | |
成歩堂 龍一…黒 | |
成歩堂 みぬき…赤 | |
裁判長…緑 | |
牙琉検事…茶 | |
宝月 茜…桃 | |
北木 滝太…水 | |
北木 小梅…青 | |
北木 常勝…灰 | |
並奈 美波…紫 | |
矢田吹 麦面…黄土 | |
河津 京作…黄緑 | |
引田(偽)…黄 |
王: |
‥‥<<やたぶき屋>>の屋台。 これを盗みだしたのは‥‥ 宇狩院長だったのです! |
美: |
な。なによそれ! わたしを”殺した”ショックで、 屋台を持って来ちゃったってワケ? |
王: |
医院には、屋台の中にあったハズの 大量のどんぶりが残されていた。 屋台が、医院に持ちこまれたのは アキラカです。 モンダイは‥‥なぜ。 屋台のどんぶりが持ち出されたか? |
み: |
あ。もしかして! 屋台が重かった、とか? |
王: |
もしくは‥‥どんぶりのかわりに、 ”何か”を載せようとしたか‥‥ |
裁: |
あ‥‥‥ ま、まさか! それは‥‥ |
王: |
どうやら、見えてきたようですね。 宇狩院長が、どんぶりのかわりに 屋台に載せたモノ‥‥それは! 並奈 美波さん! あなたの”死体”だったのです! |
美: | わたし、ですってッ! |
王: |
宇狩院長が、あなたを”殺害”した と考えていたならば! |
牙: |
次に考えるのは、当然‥‥ ”死体の始末”だね。モチロン。 |
美: |
な。何をバカな! どうして そんなバカな話になるのよ! |
王: |
スイリを進めましょう。 ‥‥何かが見えてくるハズです。 宇狩院長は、あなたを始末するため、 ”ある場所”を目指した。 ‥‥そして。 その場所に向かう途中‥‥ 被告人・北木 滝太と 出会ってしまったのです! |
牙: | ‥‥それはどうだろう。 |
裁: | なんですかな。牙琉検事。 |
牙: |
公園内に入ってしまえば、 そこは行き止まりじゃないかな? |
美: |
そうよ! 院長が自分で 公園に行くワケがないわ! あの屋台は、そう! お坊ちゃんの偽装工作よッ! |
王: |
”行き止まり”‥‥それならば、 こう考えればいい。 そこが”目的地”だったのだ、と。 |
美: | な、なんですって‥‥ |
裁: |
どうやら、弁護人には 考えがあるようですな。 屋台を引いた宇狩氏が ”どこを目指していたか?” ‥‥それでは、 指摘していただきましょう。 屋台を引いた被害者が 目指していた”地点”とは! |
裁: | そこは‥‥”川”‥‥! |
王: |
彼は、そこへ向かっていた。 理由は‥‥言うまでもありません。 |
牙: | ”死体の始末”‥‥ |
美: |
じゃ。じゃあ‥‥アイツ。 わたしを、その川に‥‥! |
牙: |
”捨てる”しか 思いつかなかったんだろうね。 |
美: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
これで、”不自然”とされていた 状況がすべて、整いました。 犯行現場に屋台を引いてきた被害者。 それに対する、被告人。 そして‥‥ 屋台の中には、あなたがいる。 |
美: | あ‥‥‥ |
王: |
そして、最後の仕上げです。 公園には、そのとき。 パンツの河津 京作さんがいました。 そして、彼は‥‥ 犯行の瞬間、叫び声を上げた! |
美: | わたしが‥‥撃ったというの‥‥? |
王: |
あなたなら、滝太クンのピストルを 盗むことができた。 あなたしか、いないのです! |
裁: | ‥‥いかがですか! 証人ッ! |
美: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ふっ。 <<ごくろうさま>>‥‥とだけ 言ってあげるわ。 |
王: | ‥‥どういうことですか? |
美: |
ロクでなしのお坊ちゃんを 助けるために、 そこまでテキトーなハナシを 作りあげるなんてねえ‥‥ |
み: |
ナニ言ってるんですかッ! オドロキさんのスイリは、ゼンブ! キチンと説明していますッ! <<なぜ、宇狩院長さんは 屋台を引いていたのか?>>‥‥ ‥‥あなたに、 セツメイできるんですか! |
美: |
それなら‥‥ひとつ。 あなたたちのスイリに 大きな風穴を開けてあげるわ。 どうやら‥‥検事さんは 気がついてるみたいね。 |
王: |
な。なんだって‥‥! (ここまで来て‥‥まだ、 反論するつもりか!) |
裁: |
そ。そうなのですか! 牙琉検事ッ! |
牙: |
やれやれ‥‥まいったな。 ぼくに言わせるのかい? |
王: |
‥‥‥! (ホントに‥‥何か、あるのか!) |
牙: |
‥‥クルマだよ。 彼女が言いたいのは。 |
王: | くるま‥‥? |
美: |
そうよ! 宇狩医院には、 リッパなガレージがあったでしょ? |
裁: |
たしかに‥‥緑のスポーツカーが 1台、あったようですね。 |
美: |
院長が、屋台を盗んだ‥‥? そもそも、それがおかしいのよ。 ‥‥何かを運びたかったら、 クルマを使えばよかったんだから。 |
王: | あ‥‥‥! |
牙: |
被害者に、屋台を盗む”理由”が ない以上‥‥ きみのスイリは、コンポン的に 成り立たないコトになるね。 |
み: |
あのっ! みぬきのカンですけど! あの、緑の自動車。 コワれて動かなかったんですよ! |
牙: |
いいトコに気づいたね。 さすが、おじょうちゃん。 でも‥‥ザンネンながら、 それは、ないんだよ。 |
み: | え‥‥‥ |
牙: |
忘れたのかな? おじょうちゃん。 大事なパパのコトなのに。 |
み: | パパ‥‥? |
王: |
そ。そうか‥‥! 事件の起こった、あの晩。 成歩堂さんをハネ飛ばしたのは‥‥ 宇狩 輝夫のクルマ、だった‥‥ |
裁: | な‥‥なんですと! |
牙: |
その後、ガレージに戻ったのだから、 クルマには、故障はなかったんだ。 |
美: |
‥‥そのとおり。 それなのに‥‥ その、自慢のクルマを 使わないハズがないでしょ? |
王: | ぐ‥‥ッ! |
牙: |
このムジュンが、キレイに 説明できないかぎり‥‥ きみのスイリは成立しないのさ。 ‥‥おデコくん! |
王: | そ‥‥‥そんなあああああああッ! |
裁: |
静粛に! 静粛に! 静粛に! いかがですか、弁護人! 宇狩院長は、なぜ! クルマを 使って死体を始末しなかったか? |
王: | う‥‥うううう‥‥ |
牙: |
どうだい? なりゆきで聞くけど、 今度は、降参かな? |
王: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
牙: |
まあ‥‥最後にもう一度、 思い出してみることだね。 ‥‥この2日間で聞いた、 すべての”情報”を。 |
王: | (すべての‥‥”情報”‥‥) |
裁: |
弁護人! あなたのスイリには、 どこかにムジュンがあります。 今度こそ、これが最後です! あの晩、ナニがあったか‥‥ 弁護側の結論をうかがいましょう! |
王: |
(そういうこと、か‥‥ どうやら。すべてが ここにつながったみたいだな) ‥‥あの晩。宇狩院長は、クルマを 使うことはできなかったのです。 |
美: |
な‥‥なんで、 そんなコトがわかるのよ! |
王: |
きのう、オレは”ある情報”を 聞いたんです。 それに気がつけば‥‥ カンタンなコトです! |
裁: |
どうやら。提示していただくのが 早いようですな。 事件の夜、クルマが動かなかった ジジツを示す<<証拠品>>とは! |
裁: |
またしても‥‥ パンツ、なのですかッ! |
み: |
”みぬきのパンツは小宇宙”‥‥ なんでも出てきちゃうんですよ! ‥‥そう。殺人事件の真犯人も、ね。 |
美: | ‥‥‥? |
王: |
事件が起こった、その晩。 この街では、ベツの犯罪が もうひとつ。起こっていたのです。 <<パンツ盗難事件>>‥‥ 今回の、カギとなる事件‥‥ ”犯行”に気づいた少女は、 犯人を”ある場所”に追いつめた。 その場所とは‥‥ 宇狩外科医院のガレージでした。 |
美: | な。なんですって‥‥! |
王: |
ハンニンは、証拠のパンツを ”ある場所”に隠して、逃走‥‥ ‥‥その”場所”。 みなさん、おぼえていますか‥‥? |
裁: |
たしか‥‥そう! クルマの 排気パイプ、でした‥‥! |
王: |
‥‥そのとおりです。 そして、オレはきのう。そのときは 気がつかなかったケド‥‥ ものすごく重要な”情報”を 聞いていたんです。 ‥‥そう! 牙琉検事。あなたからね! |
み: | 『あの! 捜査ですか?』 |
牙: |
『まあね。帰ろうと思ったんだが‥‥ バイクがイカれちゃってね。』 |
王: | 『バイクが‥‥?』 |
牙: |
『エンジンがかからないんだ。 排気パイプがつまっちゃって。』 |
み: |
『へえ! 高そうなオートバイなのに、 そんなコトで こわれちゃうんですか?』 |
牙: |
『クルマもバイクもいっしょさ。 どんな理由であれ‥‥ 排気パイプをふさがれると、 エンジンがかからなくなる。』 |
美: | エンジンが‥‥かからない‥‥ |
王: |
‥‥あの晩。 宇狩医院で事件が起きたのは、 ちょうど、パンツドロボーが ガレージに潜入したころでした。 そのときから、オレたちが コイツを発見するまで。 ‥‥あのクルマは、 動かなかったんですよ。 |
美: | ‥‥なんて‥‥コト‥‥ |
み: |
だから‥‥宇狩院長さん、 屋台を使うしかなかったんですね。 おトナリさんの屋台は、 見慣れていたから。 |
王: |
‥‥いかがですか、美波さん。 これで、すべての謎に コタエが出たと思いますがね! |
美: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ そう、みたいね。 |
美: |
『(‥‥こ‥‥ ここは、どこ‥‥ 暗くて、ナニも見えない ‥‥狭い‥‥そして 苦しい‥‥ ノドが焼けるみたい‥‥)』 |
宇: | 『な。なんだ、キミは‥‥』 |
滝: |
『なんだ、じゃねえだろう! 忘れたとは言わせねえぜ。』 |
宇: | 『あ‥‥ッ!』 |
美: | 『(滝太‥‥クン‥‥?)』 |
滝: |
『‥‥アンタに、思い知らせる ためにやって来たぜ。 ‥‥よくもまあ、 ダマしてくれたなァ‥‥』 |
宇: |
『ま。待ってくれ! 私のハナシを聞いてくれ!』 |
滝: |
『な。なんだよ。 メイドのみやげに聞いてやるぜ。』 |
宇: |
『いいか! アンタは ダマされてるんだよ! アイツに! 私だけじゃないんだ! じつは‥‥』 |
美: |
『(ダメ‥‥! あのオトコを‥‥ ダマらせないと‥‥!)』 |
河: |
『き。キミタチッ! そ。そこでナニを‥‥‥』 |
美: |
おかしいなあ。こんなはずじゃ なかったんだけど‥‥ どうやら‥‥ ここまで、みたいね‥‥ |
裁: |
しかし‥‥ まだ、ギモンは残っています。 あなたは‥‥どうやって、 あの屋台から消えたのですかな? |
美: |
銃声のあと‥‥目撃者のヒトが 逃げていく足音が聞こえたの。 |
牙: |
その話は、河津 京作の 証言にもあったね。 警察に通報をするために、 公衆電話に向かったんだ。 |
美: |
そのスキに、あそこから 逃げ出すことができたの。 |
王: |
‥‥そのとき、スリッパの 足跡がついたのですね。 |
美: |
屋台で運ばれてきたせいで、わたし、 スリッパをはいたままだった。 屋敷の前でペンキを踏んじゃって。 ゴミ箱に捨てたの。 |
王: | ‥‥それが、失敗でしたね。 |
美: |
ちがうわ。 わたしの、イチバンの失敗は‥‥ あなたに依頼したことよ。 弁護士さん。 |
王: | え‥‥ |
美: |
わたし。信じてたのよ‥‥ アナタのこと。 ”なんでも事務所”なんて ふざけたチラシを配ってるし。 このヒトなら、まちがいなく‥‥ 滝太クンを有罪にしてくれるって。 |
王: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
裁: |
どうやら、審理はここまで のようです。 ‥‥牙琉検事。 並奈 美波さんは? |
牙: |
‥‥すべてを認めたよ。 緊急逮捕の手続きも済んでる。 |
み: |
牙琉検事、すずしい顔してますね。 自分が負けたってのに‥‥ |
王: |
(たぶん‥‥牙琉検事は 気づいていたんだ。 ‥‥並奈 美波さんが ハンニンであることに‥‥) |
牙: |
『まあ‥‥最後にもう一度、 思い出してみることだね。 ‥‥この2日間で聞いた、 すべての”情報”を。』 |
王: |
(これじゃあ‥‥ 勝ったなんて、言えないよな) |
牙: |
‥‥ん? どうしたのかな、 おデコくん。 |
裁: |
それでは。被告人に 判決を言いわたしましょう。 |
裁: | 本日は、これにて閉廷します! |
地方裁判所 被告人第2控え室 | |
み: |
やりましたね! オドロキさん! おめでとうございます! |
王: |
ああ、やったな! ‥‥なんとか、ね。 |
み: |
滝太さんも、無罪になって‥‥ キレイな身体で極道の世界へ 羽ばたいていくんですねー。 きっと、オドロキさんに カンシャして‥‥ |
滝: |
テメエこのヤロウくそ弁護士がッ! よくも! よくもオレの! よくもオレのミナミちゃんをッ! |
み: |
‥‥まったく、カンシャ されてないみたいですね。 |
滝: |
テメエこのヤロウくそ弁護士がッ! 返してくれよ! オレのミナミちゃんをよおおおお! |
?: | コラッ! 滝太ッ! |
王: | あ! 常勝さん‥‥ |
常: |
‥‥滝太。いいかげんに、 目を覚ましたらどうなのだ。 |
滝: |
テメエこのヤロウくそオヤジがッ! 目を覚ますのは キサマの方だろうが! 極道のミチ踏みはずして、 カネ儲けに走りやがって! |
常: |
滝太ッ! オマエは なにもわかっとらんのだッ! |
み: |
‥‥そのうち、つまみ出されますね。 この調子だと。 |
王: |
めんどくさい親子だな、 マッタク。 |
み: |
‥‥あ、そうだ! おとうさんが、お金を かせごうとしてる”理由”‥‥ 滝太さんに 教えてあげましょうよ! |
王: |
え! オレが? (急に言われても‥‥) |
滝: | ああ? なんだぁ? |
み: |
証拠を見せてあげましょうよ! わからずやの滝太さんに。 |
王: |
(常勝さんが、カタギに なろうとしてる”理由”‥‥) |
王: |
滝太クン。 ‥‥考えてみてください。 自分の身体が、今‥‥ どんな状態なのか。 |
滝: | ‥‥‥! |
王: |
きのう、あなたのお母さん‥‥ 小梅さんは、こう言っていました。 |
小: |
『なんというか、今はね。 ウチは、カネがいるんだよ。 キレイなカネが、たくさんね。』 |
滝: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ まさか‥‥オヤジ‥‥? |
常: |
‥‥世界中を探した。 そして、見つけた。 おまえの、そのムネの弾丸を 取り出せる医者を、な。 その手術を受けるには、 大金が必要なのだよ。 |
滝: |
そ。そんな‥‥! 極道だって、カネ儲けぐらい‥‥ |
常: | ダメなのだ。‥‥それでは。 |
滝: | ‥‥‥! |
常: |
オマエをこんな目にあわせたのは、 極道という生き方のせいだ。 ‥‥オマエを助けたい。 キレイなカネで‥‥な。 わかってくれないか。 ‥‥滝太。 |
滝: |
オ、オヤジ‥‥ ば。バカにしやがって‥‥ いつも‥‥いつも、こうだッ! |
み: | た。滝太さん‥‥? |
滝: |
いいか、くそオヤジ! オレだって。オレだってなあ! いつか、きっと! キサマをケリオトしてやるんだ! どこの世界に逃げてもな! クビを洗って待っておけッ! テメエこのヤロウくそオヤジがッ! |
み: | あ! ‥‥滝太さん! |
常: | ‥‥コレでいいのです。 |
王: |
オヤジさん! (その目で見つめないでほしいな) |
常: |
アンタたちに会えてよかった。 ‥‥ワシは、コトバがニガテです。 やはり。プロに任せるものだね。 |
王: | そ。そんな‥‥ |
常: |
‥‥いつか‥‥ 新製品・<<キタキツネもなか>>を 持って、お礼にうかがうとしよう。 |
王: |
(‥‥お菓子屋さんにでも 落ち着くつもりなのかな) |
常: | ‥‥では。失礼しますよ。 |
王: | (行っちまった‥‥) |
み: |
‥‥それじゃ。オドロキさん! 帰りましょうか。 <<成歩堂なんでも事務所>>に! |
王: |
なんで、事務所で働くコトに なってるんだよ! |
み: |
だって、ホラ。 みぬきたち。いいコンビだし。 どうしたんですか! はやく、行きましょうよー! |
王: |
(まあ‥‥いいか。 この子には、助けられたし。 それに‥‥ 気になるコトもある。 ‥‥この子が教えてくれた、 オレの中のフシギな力‥‥ そして、この<<腕輪>>の謎‥‥ この子といれば、きっと‥‥ 今の成歩堂さん、 ちょっとニガテだけどね) |
み: |
あ! そうだ。 帰る前に、行かないと! |
王: | え? ‥‥どこに? |
み: |
”報酬”ですよ! ムギツラさんの! |
王: |
‥‥ああ。しょっぱいラーメンか。 もう、屋台は戻ったのかな? |
み: |
そのあとは、みぬきのステージも 見に来るんですからね! ぼうしクンスペシャル。 みぬきからの”報酬”です! |
帽: |
じつはコレ、 めったにやりません。 |
王: | ‥‥だから、もういいよ。それ‥‥ |