王泥喜 法介…紺 | |
成歩堂 龍一…黒 | |
成歩堂 みぬき…赤 | |
裁判長…緑 | |
牙琉検事…茶 | |
宝月 茜…桃 | |
マキ・トバーユ…黄土 | |
ラミロア…藤 | |
ローメイン・レタス…青 | |
眉月 大庵…紫 | |
或真敷 バラン…薄橙 |
成歩堂なんでも事務所 | |
み: | ね。ね。オドロキさん! |
王: | なに? |
み: |
うーん‥‥えーと、アレ。 ‥‥いや、ちがうな。 なんていうか、ソレ。 ‥‥いや、ピンとこないな。 |
王: |
なんだよ。イライラするな。 ハッキリしろよ。 |
み: |
んーと、ね。今日の法廷。 なんて言っていいのかな、って。 オドロキさんとしては、 点をつければ何点ですか? |
王: |
え! そ。そうだなあ‥‥ えーと、アレ。‥‥いや。 やっぱり‥‥なんていうか、ソレ。 ‥‥ダメだ。ハッキリしない。 |
み: |
ね? なんか、 モヤモヤした感じだったでしょ? |
王: |
うーん‥‥たしかに。 いちおう、マキさんの有罪判決は まぬがれたけど。 なんだか、メンドウなモンダイが 増えちまったよな。 |
大: |
『国際警察に、 さっきのナンバーを照会したよ。 おもしろいコトがわかった。 <<IPXX314206>>‥‥ このナンバーで登録されていた 捜査官の名前は‥‥ ローメイン・レタスだ。』 |
王: |
被害者のレタスさんは‥‥ 潜入捜査中の、 国際警察の”捜査官”だった! ‥‥ヤッカイだよなあ。 レタスさんがナニを捜査してたのか、 見当もつかないし。 |
み: |
あ、でも、ホラ! 今日の法廷で、”真犯人”の名前も バクロされたじゃないですか! |
ラ: |
『待ってください‥‥! 今の、その声‥‥ ‥‥‥‥‥‥彼、です。 まちがいありません。 2発の銃声を聞いたとき‥‥ レタスさんと話していた声‥‥ そう。今の方です! ミスター・ダイアン!』 |
み: |
なんていうか。ナゾが多いって、 ワクワクしますよね! なんとなく。 |
王: |
オレはしないケドね。 そういえば‥‥成歩堂さんは? 意見を聞きたいんだけど。 |
み: |
あ。そういえば、パパ。 最近、見ないですよね。 |
王: |
おとうさんを、 ”のらネコ”みたいに言うなよ。 |
み: |
なんだかね、パパ。最近、 よく出かけてて、いないんですよ。 ”ごくひにんむがある”って。 |
王: | ゴクヒぃ‥‥? |
み: |
とにかく。カンタンに ヒトに頼っちゃダメですよ! ちゃんとここに、 みぬきもいるワケですから。 |
王: |
やれやれ‥‥わかったよ。 とにかく、時間がないし、 調査をしないとね。 |
み: |
そうですよ! やっちゃいましょうよ! |
王: |
今日の法廷で‥‥ラミロアさんは、 ハッキリ証言した。 <<犯人は、ダイアンさんだ>>って。 |
み: |
ラミロアさん。一度、聞いた声は ゼッタイ忘れないんでしょ? なんか、カッコイイですよねー。 |
王: | うん。まあね。 |
み: |
なんていうんでしたっけ、アレ。 ええと。 ”じごくみみ”っていう‥‥ |
王: |
ちょっとちがうぞ、それ。 ‥‥でも。 そんなコトはあり得ないんだよな。 |
み: | あり得ない‥‥? |
王: |
いいかい? オレたちが銃声を聞いたのは、 コンサートのまっ最中だったんだ。 |
み: |
あ。みぬきならそのころ、 総立ちでフィーバーしてました! |
王: |
じゃ。当然、みぬきちゃんも 見てたワケだよな? ‥‥ステージでフィーバーしている、 ダイアンさんを。 |
み: |
そりゃそうですよ! なんたって、ガリューウエーブの ギタリストですからね! ‥‥あ。 |
王: |
そうなんだよ。 ガリューウエーブの連中には、 ゼッタイのアリバイがあるんだ。 楽屋で、レタスさんを 撃てるハズがない。 |
み: |
でも‥‥ラミロアさん、 聞いたんですよね? 現場で‥‥ダイアンさんの声を。 |
王: |
(何かが‥‥ まちがっているんだ‥‥) |
王: | 国際警察の捜査官‥‥かあ。 |
み: |
で? なんですか? ”こくさいけいさつ”って。 |
王: |
え! そ。そりゃ、アレだろ? 国際犯罪のハンニンを つかまえるんじゃないか。 |
み: |
なんでも”こくさい”をつけりゃ いいワケじゃないと思いますケド。 |
王: |
‥‥やっぱり、アレかな。 ラミロアさんを調べていた、とか? |
み: |
えええ! ナニ言ってるんですか! ラミロアさんが犯罪者なワケ、 ないじゃないですか! |
王: |
いやいや。ヒトは見かけによらない、 って言うぞ。 |
み: |
コドモの純真な目はゴマかせない、 って言うじゃないですか! |
王: |
自分で言うなよ。 ‥‥とにかく。レタスさんは、 何かの事件を追っていたんだよ。 |
み: |
その”何かの事件”って‥‥ やっぱり。 今回の事件にも、関係あるのかなあ。 |
王: |
ううん。やっぱり、関係あった、 と考えるのがフツーだよなあ。 ‥‥個人的には、 あんまり考えたくないけど。 (レタスさん‥‥ ナニを調べていたんだろう‥‥) |
?: | ‥‥はーっはっはっはっはァ‥‥ |
王: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
み: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
なんだ、今の。 ‥‥みぬきちゃん? |
み: |
ち。ちがいますよッ! みぬき、 あんなにホガらかに笑いません! |
?: |
‥‥浮き世に奇跡のあるところ、 常に或真敷の影あり‥‥ |
み: | あ! あなたは、おとといの‥‥ |
み: | 『きゃあああああッ!』 |
王: | 『だ。ダレだッ!』 |
み: |
『‥‥‥‥‥‥‥‥ 気のせい、じゃないですよね。今の。』 |
王: |
『シルクハットをかぶっていたよな。 ‥‥トモダチ?』 |
み: | 『ちがいますッ!』 |
?: | そのせつは‥‥どうも。 |
王: |
はあ。どうも‥‥ (ニヤニヤ笑いながら、 言われてもなあ‥‥) |
み: |
ああああッ! あ。あ。あ。あ。あ。 あ‥‥あなたはッ! |
王: |
なんだよ。 やっぱり、トモダチか? |
み: |
ナニ言ってるんですか! 或真敷(あるまじき)バランさん ですよ! あの。大魔術のッ! |
バ: |
さよう‥‥テレビでおなじみ、 あの有名な或真敷 バランです。 |
王: |
(ニヤニヤ笑いながら 言われてもなあ‥‥) |
バ: |
ひさしぶりですな、みぬき嬢。 そろそろ、7年になりますかな。 しばらく見ないうちに、 ずいぶん大きくなった。 |
み: |
おひさしぶりです! ゼンゼン変わりませんね! バランさんのほうは。 |
王: |
あの‥‥ いったい、大魔術師さんが、 オレたちになんの用ですか? |
バ: |
‥‥おそらく。用があるのは、 あなたたちの方でしょう。 なんなりと、 聞いていただいてけっこう。 このバランに乱反射する‥‥ ビッグスターのオーラを、 恐れることはありません。 |
王: |
(‥‥たしかに、あるイミ、 恐るべきオーラがマブしいな) |
み: |
ね。ね。 いろいろ聞いてみましょうよ! |
王: |
(やれやれ‥‥さすがに、 魔術師のタマゴ。 ホンモノに会えて、 コーフンしてるのかな‥‥) |
み: |
だって。バランさん。 みぬきのパパの、 大親友なんだもんね! |
王: |
な。なんだって! パパ‥‥ っていうと、成歩堂さんの‥‥? |
み: |
ちがうよ。みぬきの‥‥ 本当の、パパ。 |
王: |
‥‥! (みぬきちゃんの‥‥ ”本当の”おとうさん‥‥) |
み: |
あの。もしかしてオドロキさん。 <<或真敷一座>>を知らない‥‥ なんてコトはないですよね? |
王: |
あるまじき‥‥ なんていうか、その。 どこかで聞いたような気は するんだけどね‥‥ |
バ: |
おお。まさに、 あるまじき青年というべきかな。 今をトキめく大魔術集団を ご存じないとは。 |
王: |
(或真敷 バラン‥‥ 思い出してきた。 たしか、オレが小さいころ、 テレビによく出てたような‥‥) |
み: |
そうですよ! ゴウカ客船を消してみたり、 遊園地をバクハしてみたり、 銀行の金庫から金塊を消してみたり、 あげくの果てに、 閉じこめられた刑務所から 脱走してみたり! |
王: |
‥‥なんだか‥‥ 大いなるゴカイを生みそうな プロフィールだな、それ。 |
バ: |
人々の、ジョーシキにとらわれた ココロのカギをカチャとハズす。 ‥‥これこそが、或真敷の 本当の”奇跡”なのですよ。 |
王: | ‥‥あれ? |
み: | なんですか? |
王: |
たしか‥‥ムカシ、テレビで 見たころは‥‥たしか。 ”コンビ”だったような 気がするんですけど。 |
み: | こんび‥‥ |
王: |
もうひとり、 相棒がいませんでしたっけ。 ”或真敷 なんとか”っていう‥‥ |
バ: |
”或真敷 ザック”‥‥さよう。 まさにこの世にあるまじき、 偉大な魔術師でしたな。 |
み: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
? ど。どうしたの? 急にダマりこんで。 |
み: | パパ‥‥ |
王: |
ぱぱ‥‥? (‥‥! ま。まさか‥‥) |
バ: |
さよう‥‥かつて或真敷一座は、 2人の大魔術師が支えていた。 この私、或真敷 バランと‥‥ その相棒・或真敷 ザック! |
王: |
もしかして‥‥その、ザックさん、 というのが‥‥? |
み: | うん。みぬきの、本当のパパ。 |
王: |
(みぬきちゃんの、おとうさん‥‥ やっぱり魔術師だったのか‥‥) ‥‥はじめて聞いたね。 おとうさんのコト。 |
み: |
だって。話してもしょうがないもん。 ‥‥もう、いないから。 |
王: | ‥‥そう、なんだ。 |
み: |
あ。でもね。みぬき、 さみしくないよ。 だって、ホラ。 パパがいてくれるし。 今は、オドロキさんも みぬきを笑わせてくれるし。 |
王: |
ベツに、笑わせようと 思ってるワケじゃないぞ。 |
み: |
‥‥まあ。 パパは最近、見かけないけど。 |
バ: |
‥‥おお。どうやら、ここへ来た 目的を忘れるところでした。 |
王: |
え! ナニかあったんですか? 目的。 |
バ: |
ここへ来たのは、 2つの目的がありました。 1つ目は、モチロン。 みぬき嬢。 あなたに会いに来たのです。 |
み: | うれしいです! バランさん! |
バ: | それはそうでしょう。 |
王: | ‥‥キモチよく断言しますね。 |
バ: |
おととい。あのコロシアムにて、 じつに7年ぶりの再会。 なつかしいキモチを 押さえられなかったもので。 あなたが、あの小さな盲目の ピアニストを弁護するハナシは‥‥ スタッフたちのあいだでも、 話題になっておりましたよ。 ミゴトな弁護でしたな、みぬき嬢。 |
み: |
へへ。みぬきヒトリのチカラじゃ ないですけど。 |
王: |
弁護したのは、 オレなんだけど‥‥ |
バ: |
そして‥‥もう1つの目的は‥‥ コイツです。 |
み: | それは‥‥ビデオテープ、ですか? |
バ: |
さよう‥‥ おとといのコンサートのテープ。 みぬき嬢のため、或真敷を代表して、 持ってきてさしあげましたよ。 よろしかったら‥‥ 鑑賞いたしますかな? |
Sugar, Sugar... 腕に 抱かれて こころのカギは 今、 盗まれた ...Pleasure... いとしの メロディー この身をつつみ 今、 放たれた Uh... uh... 胸を焦がす Fire... 恋人も 燃える 愛の弾丸よ Fire... いのちまで 奪って Guitar, Guitar... ふたりは 空へ | |
み: |
うーん‥‥やっぱり、イイですねー。 ラミロアさんの歌。 なんというか、アレ。 みすてりあす、っていうのかなあ。 |
王: |
(‥‥ラミロアさんの歌より‥‥ もっと”ミステリアス”なコトが 起こってる気がするけどな) |
バ: | ‥‥ハッハッハッハッハッ‥‥ |
王: |
(もしかして‥‥ 事件当夜、この帽子のおじさんが 会場にいた”理由”は‥‥) |
バランから受け取った。 | |
王: |
あの‥‥もしかして。 この歌の途中で起こっている ”フシギ”は‥‥ |
み: | フシギ‥‥? |
王: |
ラミロアさんが消えたり現れたり してるじゃないか! |
み: |
あ。ああ‥‥見なれてるから、 フシギだって思いませんでした! |
王: | (さすが、魔術の子‥‥) |
バ: |
‥‥さよう。 かの、ささやかなステージこそ。 この或真敷が仕掛けた魔術なのです。 |
み: |
やっぱり! バランさんが、 コンサート会場にいたのは‥‥ |
バ: |
ご想像のとおり。 このバランのトリックを 見届けるためだったのです。 |
王: |
じゃあ‥‥ラミロアさんが消えた、 そのシカケ‥‥ご存じなんですか? |
バ: |
トーゼンでしょう! 我こそ、ステージの神。 ステージ上で起こるすべての フシギを操る‥‥ そのフシギなチカラこそ 神たるゆえんなのですから。 |
王: |
あ、あの! よかったら‥‥そのシカケ。 教えていただけませんか! |
み: | おっと! |
王: | み。みぬきちゃん‥‥? |
み: |
魔術師にシカケをたずねるのは ルール違反ですよ、オドロキさん。 |
王: |
ナニ言ってるんだよ! 殺人事件の捜査だぞ! |
バ: |
そういうワケにはまいりませぬ。 或真敷の秘術は、或真敷だけのもの。 それに‥‥ |
王: | それに? |
バ: |
いたましき事件が起こったのは、 この大魔術‥‥ <<イリュージョン>>の ずっと”後”のコト。 |
王: | う。 |
バ: |
だめだめ。 ‥‥教えるワケにはまいりませぬな。 |
み: | ザンネンでしたー。 |
王: | (クソ。なんかハラが立つな) |
バ: |
‥‥それでは、みぬき嬢。 バランはこれにて失礼いたしますぞ。 |
み: |
バランさん! もう少し、 ゆっくりしていってくださいよー。 |
バ: |
そうもまいりませぬ。 捜査に協力を求められているゆえ、 現場に戻らなければ。 |
王: |
じゃあ‥‥今日は、 あのコンサート会場に? |
バ: |
さよう。このバランに話があったら、 あのコロシアムへどうぞ。 ではッ! いざ、さらばッ! |
王: |
(サッソウとマントを ひるがえして‥‥ ドアからフツーに出ていったな) |
み: |
さあ! それじゃ、オドロキさん! みぬきたちも行きましょうよ! 調査に! |
王: |
ああ、そうだね。 (或真敷 バラン‥‥ 聞きたいことは、 たくさんあるぞ‥‥ ラミロアさんが消えた ”大魔術”‥‥ そして‥‥この、 みぬきちゃんのコトも‥‥) |