第3話『逆転のセレナード』探偵パート2日目(その3)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
成歩堂 みぬき…赤
裁判長…緑
牙琉検事…茶
宝月 茜…桃
マキ・トバーユ…黄土
ラミロア…藤
ローメイン・レタス…青
眉月 大庵…紫
或真敷 バラン…薄橙
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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同日 某時刻
ステージ前

み: あれ。この曲‥‥
ラミロアさんの歌ですよね?
王: ああ、そうだね。
<<恋するギターのセレナード>>‥‥
み: いいなあ。みぬきも、
こんな舞台に立ってみたいです!
王: そうだなあ。オレも、見てみたいよ。
み: 満場のお客さんが、いっせいに
感動のタメイキをもらすんですよ。
みぬきのバラードで。
王: うんうん‥‥って、待てよ!
手品じゃないの?
み: ‥‥あ。
そういえば、みぬき。
魔術師志望だったっけ。
王: (ううん‥‥
自分を見失ってるみたいだ)
バ: これはこれは‥‥みぬき嬢ッ!
み: あ! バランさん!
王: ナニしてるんですか?
こんなところで。
バ: ‥‥このバラン、シゴトには
セキニンを持つほうですからな。
こうして、トリックの点検を。
み: ああ。ラミロアさんの
”瞬間移動”の魔術ですね!
バ: シッパイすれば、或真敷一座の名に
キズがつくコトになりますからな。
その折りに、あのピアノが
目に入りましてね。
‥‥かの異国のレディのメロディを
思い出していたところです。
み: ね。ね。オドロキさん! おハナシ、
聞かせてもらいましょうよー!

(「ラミロアの”魔術”」を聞く)
み: 事件があった夜の
ステージですけど‥‥
ラミロアさんが”消えた”魔術、
バランさんのシワザですよね?
バ: さよう。ムラサキの検事さんから
相談を受けました。
クライマックスで、ユメのように
彼女を消してくれないか、とね。
王: ”ユメのように”‥‥
バ: しかし‥‥あのステージは、
あくまでも<<音楽会>>。
魔術のために、トクベツな装置を
使うことはできない。
なかなか挑戦しがいのある
シゴトでしたよ。
王: たしかに‥‥
タワーの上で”消えた”あと。
”移動”するためには‥‥
<<隠し通路>>が必要だもんなあ。
バ: そこは、バランも
プロ中のプロ中のプロ。
その会場ごとに合わせて、
トリックを”作り出す”のですよ。
‥‥事件のため、このコンサートは
全国の注目を集めています。
或真敷一座にとっても、
これは悪いハナシではない。
み: それで、シカケのカクニンを
してたんですね!
バ: ああ‥‥そうだ。
ピアノといえば‥‥
あそこのピアノ。バランとしては、
やや気になりますな。
王: ”気になる”‥‥?
どうしてですか。
バ: さあ。どうしてでしょうか。
王: (やれやれ‥‥自分で
調べたほうが早そうだな)

(「或真敷一座」を聞く)
バ: ‥‥あなたの考えていることは
わかります。
『”或真敷”‥‥ああ。そういえば
ムカシ、テレビで見たっけ』
おおかた、そんなトコロでは
ないでしょうかな?
王: え‥‥ええ。そのとおりです。
み: これがウワサの
”読心術”かもしれませんよ!
王: ‥‥ウソつけ。
バ: ‥‥今から、20年ほど前。
ひとりの天才魔術師が
この世界に降り立った‥‥
‥‥その名は、
<<或真敷 天斎(てんさい)>>。
‥‥彼が立ち上げたのが、
<<或真敷一座>>なのです。
その全盛期。お茶の間のテレビに
彼らが立たない日はなかった。
王: (たしかに‥‥小さいころ、
よく見た気がするな‥‥)
バ: ‥‥しかし、この数年間。
ザンネンなコトですが‥‥
或真敷一座は、世間からカンゼンに
姿を消したと言ってよいでしょう。
み: そ。そんなコトないです!
みぬき、かならず見に行きますし!
スーパーの屋上とかで
やってるステージとか!
王: (スーパー、ねえ‥‥)
バ: ‥‥そういうシゴトを重ねて、
ワレワレは待っているのですよ。
ふたたび表舞台へ戻る、
そのチャンスをね。
我が相棒のためにも‥‥
或真敷の奇跡は、守り抜かねば。
王: ”相棒”‥‥それって、
モチロン‥‥
バ: さよう。或真敷 ザックです。
王: (みぬきちゃんの、
おとうさん‥‥か)
バ: 7年前、彼がいなくなるまで‥‥
<<或真敷>>の名は、まさに
ショウビジネス界の王だったのです。
<<或真敷一座の、
ザックとバラン>>こそがッ!

(「ザックとバラン」を聞く)
バ: 我々の師匠・或真敷 天斎こそ、
まさに奇跡を生み出す大天才でした。
み: みぬき、今も忘れません。
小さいころ見た、あの奇跡!
おっきな飛行機が、こう‥‥
どうにかなっちゃう、アレ!
王: (‥‥よくおぼえてないみたいだ)
バ: 天斎が、その才能を認めた弟子は、
私とザックのふたりだけでした。
<<ザックとバラン>>は、一座の
花形スターだったのです。
み: スゴいでしょ? 或真敷 ザック、
みぬきのパパなんですよ!
バ: 天斎とザックの亡き、今。
私のねがいは、ただひとつ。
残されたこの私が、天斎の奇跡を
ステージによみがえらせるッ!
み: みぬき。応援してますから!
バ: みぬき嬢。早く大きくなることです。
あなたのウデっぷしが必要なのだ。
み: はいッ! このウデっぷしで!
王: (やれやれ。ものすごいスピードで
話が事件からそれていくな‥‥)

(「ピアノ」を調べる)
み: おっきなピアノですよね!
みぬき。弾いたことないんですよね。
王: ふうん。
成歩堂さんに習えばいいのに。
み: あー、ダメダメ。
パパ、弾けないから。
王: (これだけソンケイされてない
パパもめずらしいな)
み: ひとつここは。ベンキョウさせて
いただいちゃおうかな。
‥‥あれ。
王: 今‥‥ヘンな音がしなかった?
み: もう一度。やってみますね!
やっぱり。ピアノに、なんか
引っかかってますよ!
ちょっと、見てみますね。
ピアノのフタの中。
‥‥あれ。
弦のあいだに、こんなものが。
スイッチ‥‥がついてますけど。
王: (だれかがピアノの中に
放り込んだらしいな)

<<スイッチ>>のようなものを
ポケットに入れた。

(「楽屋前ろうか」に移動する)

(「ラミロアの楽屋」に移動する)


同日 某時刻
ラミロア 楽屋


‥‥さくさくさくさく‥‥
王: う‥‥‥
このキョーレツなニクシミをこめて
カリントウを噛み砕く音は‥‥
茜: ‥‥ナニしに来たのよ。
王: あいかわらず、フキゲンそうですね。
アカネさん。
茜: そりゃそうでしょ。
法廷でアンタにやりこめられて、
牙琉検事にバカにされちゃうし。
王: レタスさんが書き残した
血の跡、ですか。
茜: アレを見れば、犯人の目が
見えるのはアキラカじゃないか!
‥‥って。さっき、刑事部長に
コッテリしぼられちゃった。
み: でも! あの血の跡のおかげで
わかったコトもあります!
王: レタスさんが、じつは国際警察の
捜査官だったコト、とか。
み: だから、おてがらじゃないですか!
茜: そうなんだけどね。
だから、コッテリしぼられたあと、
これ、もらっちゃった。
ごほうびだって。
王: ‥‥カリントウ、
流行ってるんですか? 刑事部屋で。
茜: ‥‥さくさくさくさく‥‥
み: ‥‥それで、また
現場を調べていたんですか。
茜: まあ、ね。でも。
なんにも手がかりがないのよねー。
‥‥ヘンなモノを1ヶ、
見つけただけ。
み: ”ヘンなモノ”‥‥?

(「今日の法廷」を聞く)
茜: もう、今年1年ぶんの
ハジをかいた、って感じ?
み: よかったじゃないですか!
茜: え。なにが?
み: だって、ホラ。
今年はもう、ハジをかかないですむ、
ってコトですよね!
王: ‥‥そういうコトじゃないと思うぞ。
茜: とにかくね。あのちっちゃな子に
ダマされてたと思うと、くやしくて。
目が見えたんなら、よけいに
アヤシイんじゃない? あの子。
天井の通気口も見えたワケだし、
ピストルも撃てたし。
み: でも‥‥ラミロアさん、
そうは証言していませんよ。
茜: ああ。現場で、ハンニン‥‥
眉月刑事の声を聞いた、ってね。
み: そうですっ!
茜: もう。なんでワケのわかんない
事件ばっか起こるのよ、この国は!
王: クニのせいに
しないでくださいよ‥‥

(「事件について」を聞く)
茜: 今日の法廷で言っていたコト、
ホントなのかな。
あの事件が‥‥その。
検事さんのくだらない”歌”の
とおりに起こっている、って‥‥
王: <<恋するギターのセレナード>>
‥‥ですか。
み: あ、それ!
みぬきが見つけたんですよ!
‥‥まず、牙琉検事の
”ハートのキー”が盗まれました。
‥‥そして、ラミロアさんが
空中に”放たれた”あと‥‥
牙琉検事のギターが
”燃え上がった”‥‥
最後に、レタスさんは
”弾丸”にイノチを奪われて‥‥
ギターを抱いて”空”へ‥‥
高さ、5メートルですけど。
茜: ここまで一致していると‥‥
グーゼンとは思えないよね。
み: ですよねっ!
みぬきが見つけたんですけど。
茜: これって、やっぱり。
ハンニンがやった‥‥のかなあ?
王: オレに聞かないでくださいよ。
ハンニンじゃないし。
茜: あたしだってちがうよ。
あの通気口、入れないし。
み: ‥‥え! みんな‥‥
みぬきを疑ってるんですかっ?
王: (ダレも言ってない)

(「”ヘンなモノ”」を聞く)
み: ‥‥あの。
ナニか見つけたんですか?
茜: まあね。ちっちゃくて、きのうは
見落としていたんだけど‥‥
あの、ソファの下に、
コイツがね‥‥
み: ‥‥なんですか。コレ。
茜: 何かの機械の部品、みたいだけどね。
サッパリわからないの。
ハジっこについてるキカイ、
見覚えがあるから調べてみたら‥‥
どうやら<<アンテナ>>みたい。
み: アンテナ‥‥
茜: だから。電波に反応するのかな、
って思って。
み: 電波、か。ココロ当たり
あるような‥‥ないような。

(「スイッチ」をつきつける)
王: あの‥‥コレ、なんですけど。
どう思いますか?
茜: これまた、ちっちゃい機械ね‥‥
どうやら、発信器みたいだけど。
み: はっしんき‥‥
茜: このスイッチを押すと、
電波信号が発信される仕組みね。
なんに使うかわからないけど。
王: ‥‥電波‥‥ですか。
み: どうしたんですか?
オドロキさん。
王: あの‥‥アカネさん。
さっき、”ヘンなモノ”を見つけた、
って言ってましたよね。
茜: ああ‥‥コレ?
王: ちょっと‥‥こっちのスイッチを
押してみますね。
茜: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あちちちちちちちちちちちちちッ!
み: もも。燃えてますよ!
アカネさんのキカイがッ!
茜: アンタ、ナニすんのよ!
王: ‥‥ぎゃあッ!
茜: どうやら‥‥コレ。
発火装置みたいね。
み: たしかに! ライターの燃えるトコ、
みたいな感じですよね。この部分。
茜: あやうく、焼きコロされる
トコだったけどね!
王: そんな目で見ないでくださいよ。
ワザとじゃないんですから。
茜: そうだね、たしかに‥‥
まあ。一歩、前進だよね。
み: ね。ね。オドロキさん!
アカネさん、キカイに
強いみたいだし‥‥
もう少し、聞いてみましょうよ!
このスイッチのコト!

(「スイッチについて」を聞く)
茜: ‥‥まったく。
いきなり燃やされるとはね!
王: ちょっと火花が散った
だけじゃないですか!
茜: ナニよ! 加害者が、
ヒラキなおるつもり?
み: ううん。ここにも小さな
火花が散ってますねー。
王: とにかく‥‥
これ、発火装置の
リモコンスイッチだったんですね。
茜: ちょっと、見せて。それ。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: どうですか?
茜: たしかに、これは
ちっちゃな発信器ね。
電波は弱いみたい。せいぜい、
10メートルていど、かしら。
み: はっしんき‥‥

証拠品<<リモコン>>のデータを
書き換えた。
茜: ちなみに。
会場の断面図を見ると‥‥
ここ‥‥ラミロアさんの楽屋から
10メートルは‥‥
楽屋エリアはもちろん‥‥
ステージもいちおう、
有効エリアに入るみたいね。
王: (ステージ‥‥は、さすがに
関係ないと思うけど‥‥)

証拠品<<会場の断面図>>のデータを
法廷記録にファイルした。
茜: ‥‥さてと。それじゃ、
あたしは捜査をつづけようかな。
王: じゃあ、オレたちも、
他の手がかりを探してみます。
茜: とりあえず。コイツが
発火装置だとわかったワケだしね。
もう少し、調べてみるよ。
み: がんばってくださいね!
王: (”発火装置”‥‥か。
オレも調べてみたほうがいいな)

証拠品<<発火装置>>のデータを
法廷記録にファイルした。

(「楽屋前ろうか」に移動する)

(「ひのまるコロシアム」に移動する)


同日 某時刻
県立国際ひのまるコロシアム

大: なんだい? このあわれな殺人犯に、
なにかご用かな?
み: ダイアンさん‥‥
大: まったく、メーワクなハナシさ!
あのおばさんのせいで‥‥
すっかりシゴトを
取り上げられちまったぜ!
み: ダイアンさん、フキゲンそうです。
王: やれやれ‥‥たまには
ゴキゲンなヤツはいないのかな。
み: サツジン現場ですからねー。
それはムリかも。
大: バカにしやがって。牙琉のヤツ‥‥
オレには、これ以上ない
”アリバイ”があるってのにな!

(「アリバイ」を聞く)
み: あの‥‥ダイアンさんの
”アリバイ”って、やっぱり‥‥?
大: 聞くまでもないだろう?
事件が起こったのは、コンサートの
第3部の真っ最中だった。そうだろ。
王: ええ‥‥たしかに。
(オレたちは、
その時間に銃声を聞き‥‥
撃たれたレタスさんを
発見した‥‥)
大: その時間ならさ。1万人の人間が、
オレを見ていたワケ。
‥‥あの、ステージの上でな。
み: ダイアンさんのギター、
ゴキゲンでしたよね!
大: ありがとうな、おじょうちゃん。
‥‥ってなワケだからよ!
どうしてオレが、
シゴトができねえんだよ!
王: お。オレにドナられても‥‥
(ラミロアさんの”証言”か‥‥
犯行のとき、ダイアンさんの
声を聞いた、って‥‥)
大: くそッ! オレは、あのおばさんと
話したコトもなかったんだぜ!
それなのに‥‥そもそも、
おぼえられるはず、ねえだろうが!

(「牙琉のこと」を聞く)
み: シゴトが取りあげられた、って‥‥
大: 牙琉のヤツさ! ”ウタガイが
晴れるまで”とか言ってたが‥‥
ホント、マジメすぎるんだよな!
み: がりゅう検事が‥‥マジメ‥‥?
大: ちゃらちゃらしたカッコしてるがな。
うっとうしいほどマッスグなヤツだ。
‥‥いや。正直なトコロ、
実際うっとうしいな。
おとといのイザコザ、
聞いてただろ?
王: え‥‥もしかして、アレですか?
この、”ミキサー”を使って‥‥

牙: 『さっきの演奏だ。
なんなんだよ、アレは!』
王: 『ズレているのは‥‥
このパートですね。』
牙: 『どこのどいつだ? ええと。
<<ギター・2>>‥‥』
大:『あ。』
牙: 『ダイアン! オマエじゃないか!』

大: コマかいんだよな、ジッサイ。
ワルいヤツじゃないんだが。
み: みぬき。大好きですよ、
ガリューウエーブ!
アルバムはゼンブ、持ってるし。
大: まあ‥‥悪くないバンドだけどな。
牙琉のヤツなかなかいい歌を書くし。
王: そういえば‥‥
牙琉検事の姿が見えませんけど‥‥
大: ああ。アイツなら、
今日は検事局のオフィスだろう。
王: けんじきょく‥‥
(そういえば、行ったコトないな)
大: あの被害者のデータが国際警察から
送られてきているハズだ。
‥‥本来なら、オレが
対応しているハズ、なんだけど。
み: ね。ね。みぬき、行ってみたいな。
がりゅう検事のオフィス!
王: 検事局‥‥行ってみようか。
み: そう来なくちゃ!
大: ヤレヤレ‥‥アイツに
よろしく言っておいてくれよ。
現場にも入れず、
相棒がイライラしている、ってな!
王: ‥‥それじゃ、オレたちはこれで。
大: なあ、おまえさ。
王: は‥‥はい?
大: どう思ってるんだよ。
ホントのトコロは。
‥‥オレがやった‥‥なんて
考えてないだろうなあ?
王: そ。それは‥‥
大: なんか、たよりないからな、
おまえさ。おぼえておいてくれよ。
事件が起こった瞬間。オレは
ステージで、暴れてたんだぜ。
王:‥‥‥!
大: あの”歌姫”とかいうおばさんの
言うことに、ダマされるなよ。
さもないと‥‥
1年ぶんのハジをかくことになるぜ。
み: なんか‥‥感じ悪いですね。
王: (眉月 大庵‥‥刑事、か‥‥)

(「牙琉のオフィス」に移動する)


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