王泥喜 法介…紺 | |
成歩堂 龍一…黒 | |
成歩堂 みぬき…赤 | |
裁判長…緑 | |
牙琉検事…茶 | |
宝月 茜…桃 | |
マキ・トバーユ…黄土 | |
ラミロア…藤 | |
ローメイン・レタス…青 | |
眉月 大庵…紫 | |
或真敷 バラン…薄橙 |
ラ: |
『『早くスイッチを押せ!』‥‥ 小窓から、そう聞こえました。』(証言6) |
王: |
‥‥”スイッチを押せ”‥‥ そのコトバのナゾを解くカギが、 ひとつだけあります。 |
牙: |
ふうん‥‥しかし。 現場に”スイッチ”と呼べるものは、 なかったよ。電灯のスイッチ以外は。 |
王: |
たしかに‥‥ 現場に”スイッチ”はなかった。 しかし。ここに、ひとつ‥‥ どこからどう見ても ”スイッチ”があります。 |
裁: |
たしかに‥‥コレは”スイッチ” としか言いようがありませんな。 |
王: |
モンダイは‥‥ コイツは、現場ではなく、 ステージから発見されたのです。 |
裁: | ”すてーじ”‥‥? |
王: |
もちろん、コンサートのあった、 あのステージです。 コイツは‥‥ そこにかくされていた! |
牙: | ステージ‥‥ |
裁: |
では‥‥ラミロアさんの 聞いたオトコの声は‥‥ そのスイッチを押せ、と命じていた、 というのですか! |
王: | ‥‥そう考えられます。 |
牙: |
バカなコトを言っては困るな‥‥ おデコくん。 |
王: | ‥‥なんでしょうか? |
牙: |
会場の位置関係を たしかめるまでもない。 ラミロアさんの楽屋とステージは、 こんなに離れている。 しかもステージでは、 ガリューウエーブが演奏中だった。 ぼくたちのバンドは、少々、 ボリュームが大きいことで有名だ。 いくら大きい声で叫んでも‥‥ どこにも届かないだろうね。 |
ラ: |
刑事の方の声‥‥大きめでしたが、 ”叫んだ”というほどでは‥‥ |
牙: |
どうやら‥‥おデコくんの叫びも、 どこにも届かなかったみたいだね。 |
王: |
‥‥ザンネンですけど。 叫ぶ必要はなかったんですよ。 |
牙: | ‥‥どういうことだい? |
王: |
そう‥‥なにも、叫ばなくても‥‥ あの楽屋からステージに、”声”を 届けることはカンタンだったんです。 証拠品を示すまでもないけどね! これを使えば、楽屋からステージに 声を届けることは、カンタンです! |
王: |
牙琉検事。もちろん、 コイツに見覚えはありますね? |
牙: |
! そ、それは‥‥ |
裁: |
な。なんですか! 私の知らないところで、また新しい デンワが発売されたのですかな? |
王: |
これは‥‥一種のトランシーバー、 ‥‥通信装置です。 |
裁: | つうしん‥‥ |
王: |
あの晩‥‥ステージに立った メンバーは全員‥‥ コイツを装着していた。 そう聞きましたけどね。牙琉検事。 |
牙: |
た。たしかに‥‥メンバー間の やりとりをするため‥‥ ぼくたちは全員、 そいつをつけていた‥‥ |
王: |
つまり! コイツをつけていれば! 楽屋からステージに声を届けるなど、 カンタンだったのです! |
牙: |
しかし! 電子楽器への影響を考えて‥‥ そのヘッドセットの通信範囲は、 最小にとどめてあるはずだ。 |
み: |
たしか‥‥10メートルぐらいだ、 ってラミロアさんが言ってました! |
王: | 会場の断面図を見てください。 |
牙: | あ‥‥ |
王: |
そう‥‥ステージと、楽屋‥‥ 歩く距離はとおいように見えます。 しかし。直線距離は‥‥ 10メートルもありはしない! |
牙: | ば。バカな‥‥ |
裁: |
では‥‥ラミロアさんが聞いた ”ハンニンの声”は‥‥ ステージの上にいる ”誰か”に向けられていた、と! |
牙: |
バカな! ”スイッチ”が コイツを指しているとして‥‥ なぜ、それがステージの上に あったとわかるんだ! こんなもの、ポケットに入れて、 どこにでも持っていける! 事件後に、誰かがステージに 捨てたのかもしれないじゃないか! |
み: |
た‥‥たしかに、そうですよ! ハンニンが”スイッチを押せ”って 言ったとき、 コレがどこにあったのかなんて‥‥ わかるはずが‥‥ |
王: | ま。まあ‥‥そうだけど‥‥ |
裁: |
ふむう‥‥ その点がハッキリしないかぎり‥‥ このスイッチと事件の関係を、 議論するイミはないでしょう。 |
王: |
うう‥‥ (この方向でマチガイない! そう思っていたんだけど‥‥) |
牙: |
そもそも。その”スイッチ”が、 いったいなんなのか? そんな情報すら、ないワケだからね。 |
王: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (待てよ‥‥ この”スイッチ”がなんなのか、 ‥‥オレは知っている。 そして。そこから導き出される ”ケツロン”は‥‥ トンでもない”ジジツ”を 指し示している‥‥!) |
み: |
ど。どうしたんですか? オドロキさん‥‥ |
王: |
この”スイッチ”‥‥オレたちは、 モチロン、知っているよね。 |
み: | う‥‥うん。 |
王: |
じゃあ‥‥あの日。 これが使われたとき‥‥ いったい”何が起こったか”‥‥ それを考えてみよう。 |
裁: |
いかがですかな? 弁護人。 そのスイッチに関して、これ以上の 情報が提示できないのでしたら‥‥ |
王: | ‥‥裁判長。 |
裁: | なんですか、弁護人。 |
王: |
‥‥この”スイッチ”が ナニモノなのか‥‥ たしかに。 それを最初に示すべきでした。 |
裁: |
ふむう‥‥ どうやら弁護側は‥‥ なんとしてもこのスイッチを 事件と結びつけたいようですな。 よろしい。 では、証拠品の提示を求めます。 ‥‥この”スイッチ”の正体を示す 証拠品とは‥‥! |
王: |
牙琉検事。もちろん‥‥ コイツにも見覚えがありますね? |
牙: | あッ! そいつは‥‥ |
裁: |
な。なんですか! 今度こそ、私の知らないところで 新しいデンワが‥‥ |
王: |
‥‥これは、発火装置です。 (デンワには見えないだろ‥‥) |
裁: |
は。はっかそうち‥‥ あの。火が出る”発火”ですか? |
王: | ‥‥その”発火装置”です。 |
牙: |
ま。まさか‥‥まさか。 そのリモコンは‥‥ |
王: |
そう。この発火装置を 作動させることができます。 |
牙: | なんだと‥‥ |
王: | ちょっと、やってみましょうか。 |
裁: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ あちちちちちちちちちちちちち! コラッ、弁護人! ナニをするのですかッ! |
王: |
あ。すみません‥‥けっこう、 火力が強かったんだっけ。 |
裁: |
ヒゲに燃えうつったら、 大惨事ですぞ! |
王: |
‥‥牙琉検事。 いいですか。もう一度、言います。 このスイッチを押すと‥‥ 発火装置が作動するんですよ。 |
牙: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
このジジツから‥‥何か、 思い当たることはありませんか? |
牙: |
もしかして、キミは‥‥ ぼくのコトを言ってるのかな? |
み: | あ‥‥ |
王: |
そう。あの晩のコンサートで‥‥ 不自然な”発火”がありました。 演奏の最中に‥‥いきなり、 ギターが炎上した、あの瞬間です。 |
裁: |
し。しかし‥‥あれは、 いわゆる”演出”だったのでは‥‥ |
王: |
牙琉検事自身は、 まったく知らなかったようです。 それに‥‥燃え上がったギターは、 とても大事な”思い出の品”だった。 |
み: |
たしか、ボルジニアで ラミロアさんにもらったんですよね。 すごくキレイな音がする、って。 |
牙: |
いいギターほど、よく燃えるのさ。 ところで‥‥おデコくん。 |
王: | なんでしょうか。 |
牙: |
まさか‥‥キミは。2つの”点”を つなげようとしているのかい? ラミロアさんが聞いた ”ハンニンの声”と、 ”燃え上がったギター” ‥‥その2つの”点”を。 |
王: |
‥‥そうです。 ハナシはカンタン。 犯行現場には、 レタスさんとハンニンがいた。 そして、ハンニンは ヘッドセットを使って、 ステージの誰かに ”スイッチを押せ”と命令する。 そして、スイッチは押されて‥‥ ギターが燃え上がった。 |
裁: |
た‥‥たしかに‥‥スジは とおっているように聞こえますが。 何か、こう‥‥ シックリこない部分が‥‥ |
王: |
そうですか? 実に、 シンプルだと思いますが‥‥? |
牙: |
やれやれ‥‥キミには ガッカリしたよ‥‥おデコくん。 |
王: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
牙: |
少しはおもしろいハナシが 聞けるかと思っていたけど‥‥ 見込みちがいだったようだ。 |
裁: | どういうことですか? 牙琉検事。 |
牙: |
おハナシにならない、ってコトさ。 いいかい? たしかにあの晩、 ぼくのギターは燃えちまった。 その原因は‥‥ コイツ、かもしれない。 しかし! あの”事件”が起こったのは‥‥ コンサートの第2部だった! |
み: |
あ! そうですよ! だって! ギターは、ラミロアさんの歌に 合わせて火を吹いたんだもん! |
牙: |
そう。しかし、殺人事件が 起きたのは、第3部だ‥‥ マッタク、関係がないじゃないか! |
裁: |
ふ‥‥ふむう‥‥たしかに。 これはもう、前提からして オオマチガイだったようですな。 |
牙: |
だから、 お話にならないっていうのさ。 |
王: | 果たして、そうでしょうか。 |
裁: |
‥‥! ど。どういうことですか? 弁護人。 |
王: |
前提からまちがっていたのは‥‥ 今までのオレたちのほう だったのかもしれない。 |
裁: | その”前提”というのは‥‥? |
王: |
もちろん‥‥ 『殺人事件はコンサートの第3部に 起こった』という前提ですよ! |
牙: |
何を言い出すんだい。 宝月 茜刑事が銃声を聞いて、 事件を発見したのは‥‥ 第3部だったはずだろう? |
王: |
‥‥たしかに、あの”銃声”が 響いたとき‥‥ マキさんは、あの楽屋にいた‥‥ そう証言してくれました。 |
裁: | な。なんですと‥‥ |
王: |
しかし! こうも証言しています‥‥ そのとき。 被害者はすでに撃たれた後だった! あのとき響いたのは、 ”音”だけだった、と! |
牙: | ば。バカな‥‥! |
王: |
犯行が起こる直前。 ハンニンはヘッドセットで、 ”スイッチを押せ”と だれかに命令した‥‥ そして、その次の瞬間。牙琉検事の ギターが燃え上がった‥‥ ギターには、リモコン式の 発火装置が仕掛けられていた。 ここから導き出される結論は、 ひとつしかない! ‥‥事件が起こったのは、 第3部ではなかった‥‥ そう。バラードタイム‥‥ 第2部だったのです! |
牙: | なんだって! |
裁: |
静粛に! 静粛に! 静粛に! し。しかし! それはオカシイではないですか! |
王: | ‥‥どこが、ですか? |
裁: |
この殺人は‥‥その。”歌詞”の とおりに起こったということでした。 |
み: |
あ! そうですよ! 見てください! 「弾丸」は、「燃えた」あと じゃないとオカシイですよ! |
王: | その考え方がオカシイんだよ。 |
み: | え。 |
王: |
‥‥そもそも。 ハンニンがなぜ、歌詞のとおりに 事件を”作りあげた”のか‥‥? ふつうに考えたら、そんなコトは メンドウなだけです。 ハンニンにとって、 なんのメリットもありません。 |
裁: |
そ、それはそうですが‥‥ 何か、理由があったのでは。 |
王: |
そう。何か理由があったのです。 ハンニンにとって有利になるような、 ”何か”が。 |
牙: |
‥‥! ま。まさか‥‥ ”逆”だった、というのかい? |
裁: |
ど。どういうコトですか? ”逆”とは‥‥ |
牙: |
たしかに‥‥事件が”歌詞”の とおりに起こったのなら‥‥ 事件が起こったのは、ギターが 燃えた”後”だったことになる。 しかし‥‥おデコくんのスイリでは。 事件が起こったのは、 ギターが燃える”直前”だった‥‥ |
王: |
‥‥そうです。 ”事件が起こったのは、 ギターが燃えたずっと後だ”‥‥ そう思いこませることこそが、 ハンニンの目的だったのです! だからこそ、ハンニンは”歌”の とおりに事件を”演出”した。 最後にわざわざキケンを犯して 死体を盗みだしたのも‥‥ そのためだったのですッ! |
裁: |
静粛に! 静粛に! 静粛に! た。たしかに‥‥そう考えれば、 不自然な状況にも説明が‥‥ |
王: |
”起こった順序”を変えることで、 真犯人はアリバイを作ろうとした! つまり、ハンニンは‥‥ 第2部にアリバイがなく、第3部に アリバイがあった人物です! |
牙: |
どうやら‥‥そろそろ、 教えてあげなければならないようだ。 ‥‥キミのおとぎ話には、 なんのイミもない、ってコトをね。 |
王: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
牙: |
たしかに、 もっともらしく聞こえるよ。 ハンニンが、犯行を<<歌詞>>に 合わせたように見せかけた理由‥‥ しかし! いいかい? キミのスイリには、そもそも。 そのスタート地点から、 コンポン的なムジュンがあるんだよ。 |
王: | ムジュン‥‥だって? |
牙: |
ああ。 もう何度も指摘したはずだけどね。 犯行当時。殺人現場の”小窓”は、 閉まっていた‥‥ そこから、ラミロアさんが ”声”を聞くことはできない。 |
王: | あ‥‥ |
牙: |
どうもキミは、その点からムリに 目をそらそうとしているけどね。 聞こえるハズのない声をもとに 推理をしても、ムダだよ‥‥ |
王: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (たしかに‥‥ オレのスイリは、ラミロアさんの 証言からスタートしている‥‥ ラミロアさんの聞いた、 ハンニンの声‥‥) |
み: |
で。でも‥‥それが ”聞こえなかった”のなら‥‥ |
王: |
いいかい。 ”スイッチを押せ”というコトバ。 現場には、こうしてスイッチが 存在して‥‥ それがリモートコントロール式の 発火装置を作動させた。 そして、牙琉検事のギターが いきなり燃え上がったんだ。 (‥‥これが、 グーゼンのハズがない!) |
牙: |
じゃあ‥‥そろそろ、 ハッキリしようか。 事件の直後、現場を調べたとき‥‥ あの小窓は閉まっていた。 ラミロアさんは、 いったいどうやって! その”声”とやらを 聞くことができたのかな? |
裁: |
ふむう‥‥ たしかに。そのコタエがないかぎり、 これ以上のギロンはムダですな。 ‥‥弁護人! いかがですかな? |
王: |
(ここは、正念場だ‥‥ ポイントは、ひとつ。 ラミロアさんは、 たしかに”声”を聞いた。 そして、それは‥‥ ”第2部”のコトだった! よく考えるんだ。ラミロアさんに、 声が聞こえた‥‥その理由は?) |
王: |
‥‥オレたちが調べたとき、小窓は 閉まっていた。それは、たしかです。 そして、ハンニンがわざわざ、 それを閉める必要もなかった。 つまり‥‥あのマドから 声を聞くのは”不可能”です。 |
牙: |
やれやれ‥‥やっと、 ハナシが通じたようだね。 正直なトコロ、キミもボルジニアの ニンゲンかとウタガイ始めていたよ。 |
王: |
ラミロアさんは、あの小窓から ”声”を聞くことはできなかった。 それなら‥‥当然。 ”別の場所”から 声を聞いたことになります。 |
裁: | な‥‥なんですって‥‥ |
牙: |
‥‥やれやれ。 せっかくハナシが通じたと思ったら、 気のせいだったようだ。 もしかしたら‥‥キミ、 宇宙人なのかな。 |
王: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
牙: |
いいかい? おデコくん。 ラミロアさんは‥‥ ”小窓から声を聞いた”と ハッキリそう証言している。 そして‥‥現場には、”小窓”と 呼べるものは、ひとつしかない! |
王: | ‥‥果たして‥‥そうでしょうか。 |
牙: | ! |
王: |
現場には、もうひとつ‥‥ あからさまな”小窓”が 存在したのではないでしょうか‥‥ |
み: | え‥‥そ。そうなんですか! |
裁: |
どうやら‥‥ズバリ、 お聞きしたほうがよいようですね。 ラミロアさんは、現場の あるポイントから声を聞いた‥‥ 弁護人! いったい、 それはどこだったのですか! |
王: |
ラミロアさんが声を聞いた場所‥‥ それは、ここです! |
王: |
‥‥もちろん、ラミロアさんは ”ここ”から声を聞いたのです。 |
裁: |
な。なんですと‥‥そ。そこは‥‥ ”小窓”ではない‥‥ つ。”通気口”ではないですかッ! |
王: |
ラミロアさん本人も認めています! 彼女はボルジニアの人間であり‥‥ この国のコトバに慣れていない! ”通気口”を”小窓”と表現しても おかしくないでしょう! |
牙: |
こんな‥‥ ムチャなハナシがあるかッ! ラミロアさんが、天井裏で ハンニンの”声”を聞いたって? |
王: |
ロンリ的に考えると、 それしかありえません。 |
牙: | どこがロンリ的なんだよ! |
王: |
じゃあ、聞きますけど。 どこがロンリ的ではないんですか? |
牙: |
ダレでもわかるだろう! モンダイは、ひとつだ! どうして、ラミロアさんが天井裏に いなけりゃならないんだ? コソコソかくれるみたいに! |
王: |
それは‥‥カンタンなコトですよ。 本人に聞けばいい。 ‥‥そうですよね? ラミロアさん。 |
ラ: | ‥‥! |
王: |
今までのハナシ‥‥ 聞いていましたね? |
ラ: |
‥‥ええ‥‥ きのうから、どうもオカシイとは 感じていたのです。 たしかに、あれは ”閉じて”いました。しかし‥‥ なぜ、それが ”聞こえない”ことになるのか‥‥ そこの検事さんが、宇宙人に見えて しまったりしたものです。 |
牙: | ぐううう‥‥ |
王: |
コトバを使うから、ややこしくなる。 ラミロアさん。あなたが 声を聞いたという”小窓”‥‥ この、天井の‥‥ここ、ですね? |
ラ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ そう‥‥その天井のところ‥‥です。 |
牙: | な‥‥なんだってぇぇぇッ! |
裁: |
静粛に! 静粛に! 静粛にィィィッ! |
裁: |
‥‥証人。 もう一度だけ、カクニンします。 あなたは‥‥この、 天井裏から、その。 犯行の瞬間を”聞いた”と 言うのですか? |
ラ: |
そう、ですわね。 まさか、それがこんな大きな モンダイになっているとは‥‥ |
王: |
いったい‥‥なぜ。 そんなところにいたのですか? |
ラ: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
裁: |
どうやら、証言していただいた方が よさそうですな。 |
ラ: |
そ。それは‥‥あの。 ‥‥‥‥‥‥困ります‥‥ |
裁: |
殺人事件の審理に関わることです。 聞かないわけには行きません。 あなたが天井裏から事件に 出会ってしまった”事情”‥‥ それについて、証言をお願いします。 |
ラ: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
(どうやら‥‥まちがってなかった みたいだな‥‥) |