第3話『逆転のセレナード』第2回法廷(その3)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
成歩堂 みぬき…赤
裁判長…緑
牙琉検事…茶
宝月 茜…桃
マキ・トバーユ…黄土
ラミロア…藤
ローメイン・レタス…青
眉月 大庵…紫
或真敷 バラン…薄橙
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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ラ: 『『早くスイッチを押せ!』‥‥
小窓から、そう聞こえました。』(証言6)

(「証言6」に「リモコン」をつきつける)
王: ‥‥”スイッチを押せ”‥‥
そのコトバのナゾを解くカギが、
ひとつだけあります。
牙: ふうん‥‥しかし。
現場に”スイッチ”と呼べるものは、
なかったよ。電灯のスイッチ以外は。
王: たしかに‥‥
現場に”スイッチ”はなかった。
しかし。ここに、ひとつ‥‥
どこからどう見ても
”スイッチ”があります。
裁: たしかに‥‥コレは”スイッチ”
としか言いようがありませんな。
王: モンダイは‥‥
コイツは、現場ではなく、
ステージから発見されたのです。
裁: ”すてーじ”‥‥?
王: もちろん、コンサートのあった、
あのステージです。
コイツは‥‥
そこにかくされていた!
牙: ステージ‥‥
裁: では‥‥ラミロアさんの
聞いたオトコの声は‥‥
そのスイッチを押せ、と命じていた、
というのですか!
王: ‥‥そう考えられます。

(ざわめきが起こる)

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: バカなコトを言っては困るな‥‥
おデコくん。
王: ‥‥なんでしょうか?
牙: 会場の位置関係を
たしかめるまでもない。
ラミロアさんの楽屋とステージは、
こんなに離れている。
しかもステージでは、
ガリューウエーブが演奏中だった。
ぼくたちのバンドは、少々、
ボリュームが大きいことで有名だ。
いくら大きい声で叫んでも‥‥
どこにも届かないだろうね。
ラ: 刑事の方の声‥‥大きめでしたが、
”叫んだ”というほどでは‥‥
牙: どうやら‥‥おデコくんの叫びも、
どこにも届かなかったみたいだね。
王: ‥‥ザンネンですけど。
叫ぶ必要はなかったんですよ。
牙: ‥‥どういうことだい?
王: そう‥‥なにも、叫ばなくても‥‥
あの楽屋からステージに、”声”を
届けることはカンタンだったんです。
証拠品を示すまでもないけどね!
これを使えば、楽屋からステージに
声を届けることは、カンタンです!

(「ヘッドセット」を選択)
王: 牙琉検事。もちろん、
コイツに見覚えはありますね?
牙:
そ、それは‥‥
裁: な。なんですか!
私の知らないところで、また新しい
デンワが発売されたのですかな?
王: これは‥‥一種のトランシーバー、
‥‥通信装置です。
裁: つうしん‥‥
王: あの晩‥‥ステージに立った
メンバーは全員‥‥
コイツを装着していた。
そう聞きましたけどね。牙琉検事。
牙: た。たしかに‥‥メンバー間の
やりとりをするため‥‥
ぼくたちは全員、
そいつをつけていた‥‥
王: つまり! コイツをつけていれば!
楽屋からステージに声を届けるなど、
カンタンだったのです!

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: しかし!
電子楽器への影響を考えて‥‥
そのヘッドセットの通信範囲は、
最小にとどめてあるはずだ。
み: たしか‥‥10メートルぐらいだ、
ってラミロアさんが言ってました!
王: 会場の断面図を見てください。
牙:あ‥‥
王: そう‥‥ステージと、楽屋‥‥
歩く距離はとおいように見えます。
しかし。直線距離は‥‥
10メートルもありはしない!
牙: ば。バカな‥‥
裁: では‥‥ラミロアさんが聞いた
”ハンニンの声”は‥‥
ステージの上にいる
”誰か”に向けられていた、と!

(ざわめきが起こる)

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: バカな! ”スイッチ”が
コイツを指しているとして‥‥
なぜ、それがステージの上に
あったとわかるんだ!
こんなもの、ポケットに入れて、
どこにでも持っていける!
事件後に、誰かがステージに
捨てたのかもしれないじゃないか!
み: た‥‥たしかに、そうですよ!
ハンニンが”スイッチを押せ”って
言ったとき、
コレがどこにあったのかなんて‥‥
わかるはずが‥‥
王: ま。まあ‥‥そうだけど‥‥
裁: ふむう‥‥
その点がハッキリしないかぎり‥‥
このスイッチと事件の関係を、
議論するイミはないでしょう。
王: うう‥‥
(この方向でマチガイない!
そう思っていたんだけど‥‥)
牙: そもそも。その”スイッチ”が、
いったいなんなのか?
そんな情報すら、ないワケだからね。
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
(待てよ‥‥
この”スイッチ”がなんなのか、
‥‥オレは知っている。
そして。そこから導き出される
”ケツロン”は‥‥
トンでもない”ジジツ”を
指し示している‥‥!)
み: ど。どうしたんですか?
オドロキさん‥‥
王: この”スイッチ”‥‥オレたちは、
モチロン、知っているよね。
み: う‥‥うん。
王: じゃあ‥‥あの日。
これが使われたとき‥‥
いったい”何が起こったか”‥‥
それを考えてみよう。
裁: いかがですかな? 弁護人。
そのスイッチに関して、これ以上の
情報が提示できないのでしたら‥‥
王: ‥‥裁判長。
裁: なんですか、弁護人。
王: ‥‥この”スイッチ”が
ナニモノなのか‥‥
たしかに。
それを最初に示すべきでした。
裁: ふむう‥‥
どうやら弁護側は‥‥
なんとしてもこのスイッチを
事件と結びつけたいようですな。
よろしい。
では、証拠品の提示を求めます。
‥‥この”スイッチ”の正体を示す
証拠品とは‥‥!

(「発火装置」を選択)
王: 牙琉検事。もちろん‥‥
コイツにも見覚えがありますね?
牙: あッ! そいつは‥‥
裁: な。なんですか!
今度こそ、私の知らないところで
新しいデンワが‥‥
王: ‥‥これは、発火装置です。
(デンワには見えないだろ‥‥)
裁: は。はっかそうち‥‥
あの。火が出る”発火”ですか?
王: ‥‥その”発火装置”です。
牙: ま。まさか‥‥まさか。
そのリモコンは‥‥
王: そう。この発火装置を
作動させることができます。
牙: なんだと‥‥
王: ちょっと、やってみましょうか。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あちちちちちちちちちちちちち!
コラッ、弁護人!
ナニをするのですかッ!
王: あ。すみません‥‥けっこう、
火力が強かったんだっけ。
裁: ヒゲに燃えうつったら、
大惨事ですぞ!
王: ‥‥牙琉検事。
いいですか。もう一度、言います。
このスイッチを押すと‥‥
発火装置が作動するんですよ。
牙: ‥‥‥‥‥‥‥‥
王: このジジツから‥‥何か、
思い当たることはありませんか?
牙: もしかして、キミは‥‥
ぼくのコトを言ってるのかな?
み:あ‥‥
王: そう。あの晩のコンサートで‥‥
不自然な”発火”がありました。
演奏の最中に‥‥いきなり、
ギターが炎上した、あの瞬間です。
裁: し。しかし‥‥あれは、
いわゆる”演出”だったのでは‥‥
王: 牙琉検事自身は、
まったく知らなかったようです。
それに‥‥燃え上がったギターは、
とても大事な”思い出の品”だった。
み: たしか、ボルジニアで
ラミロアさんにもらったんですよね。
すごくキレイな音がする、って。
牙: いいギターほど、よく燃えるのさ。
ところで‥‥おデコくん。
王: なんでしょうか。
牙: まさか‥‥キミは。2つの”点”を
つなげようとしているのかい?
ラミロアさんが聞いた
”ハンニンの声”と、
”燃え上がったギター”
‥‥その2つの”点”を。
王: ‥‥そうです。
ハナシはカンタン。
犯行現場には、
レタスさんとハンニンがいた。
そして、ハンニンは
ヘッドセットを使って、
ステージの誰かに
”スイッチを押せ”と命令する。
そして、スイッチは押されて‥‥
ギターが燃え上がった。
裁: た‥‥たしかに‥‥スジは
とおっているように聞こえますが。
何か、こう‥‥
シックリこない部分が‥‥
王: そうですか? 実に、
シンプルだと思いますが‥‥?

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: やれやれ‥‥キミには
ガッカリしたよ‥‥おデコくん。
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥
牙: 少しはおもしろいハナシが
聞けるかと思っていたけど‥‥
見込みちがいだったようだ。
裁: どういうことですか? 牙琉検事。
牙: おハナシにならない、ってコトさ。
いいかい? たしかにあの晩、
ぼくのギターは燃えちまった。
その原因は‥‥
コイツ、かもしれない。
しかし!
あの”事件”が起こったのは‥‥
コンサートの第2部だった!
み: あ! そうですよ!
だって!
ギターは、ラミロアさんの歌に
合わせて火を吹いたんだもん!
牙: そう。しかし、殺人事件が
起きたのは、第3部だ‥‥
マッタク、関係がないじゃないか!
裁: ふ‥‥ふむう‥‥たしかに。
これはもう、前提からして
オオマチガイだったようですな。
牙: だから、
お話にならないっていうのさ。

(王泥喜「異議あり!」)
王: 果たして、そうでしょうか。
裁: ‥‥!
ど。どういうことですか?
弁護人。
王: 前提からまちがっていたのは‥‥
今までのオレたちのほう
だったのかもしれない。
裁: その”前提”というのは‥‥?
王: もちろん‥‥
『殺人事件はコンサートの第3部に
起こった』という前提ですよ!

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: 何を言い出すんだい。
宝月 茜刑事が銃声を聞いて、
事件を発見したのは‥‥
第3部だったはずだろう?

(王泥喜「異議あり!」)
王: ‥‥たしかに、あの”銃声”が
響いたとき‥‥
マキさんは、あの楽屋にいた‥‥
そう証言してくれました。
裁: な。なんですと‥‥
王: しかし!
こうも証言しています‥‥
そのとき。
被害者はすでに撃たれた後だった!
あのとき響いたのは、
”音”だけだった、と!
牙: ば。バカな‥‥!
王: 犯行が起こる直前。
ハンニンはヘッドセットで、
”スイッチを押せ”と
だれかに命令した‥‥
そして、その次の瞬間。牙琉検事の
ギターが燃え上がった‥‥
ギターには、リモコン式の
発火装置が仕掛けられていた。
ここから導き出される結論は、
ひとつしかない!
‥‥事件が起こったのは、
第3部ではなかった‥‥
そう。バラードタイム‥‥
第2部だったのです!
牙: なんだって!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
し。しかし!
それはオカシイではないですか!
王: ‥‥どこが、ですか?
裁: この殺人は‥‥その。”歌詞”の
とおりに起こったということでした。
み: あ! そうですよ!
見てください!
「弾丸」は、「燃えた」あと
じゃないとオカシイですよ!
王: その考え方がオカシイんだよ。
み:え。
王: ‥‥そもそも。
ハンニンがなぜ、歌詞のとおりに
事件を”作りあげた”のか‥‥?
ふつうに考えたら、そんなコトは
メンドウなだけです。
ハンニンにとって、
なんのメリットもありません。
裁: そ、それはそうですが‥‥
何か、理由があったのでは。
王: そう。何か理由があったのです。
ハンニンにとって有利になるような、
”何か”が。
牙: ‥‥! ま。まさか‥‥
”逆”だった、というのかい?
裁: ど。どういうコトですか?
”逆”とは‥‥
牙: たしかに‥‥事件が”歌詞”の
とおりに起こったのなら‥‥
事件が起こったのは、ギターが
燃えた”後”だったことになる。
しかし‥‥おデコくんのスイリでは。
事件が起こったのは、
ギターが燃える”直前”だった‥‥
王: ‥‥そうです。
”事件が起こったのは、
ギターが燃えたずっと後だ”‥‥
そう思いこませることこそが、
ハンニンの目的だったのです!
だからこそ、ハンニンは”歌”の
とおりに事件を”演出”した。
最後にわざわざキケンを犯して
死体を盗みだしたのも‥‥
そのためだったのですッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
た。たしかに‥‥そう考えれば、
不自然な状況にも説明が‥‥
王: ”起こった順序”を変えることで、
真犯人はアリバイを作ろうとした!
つまり、ハンニンは‥‥
第2部にアリバイがなく、第3部に
アリバイがあった人物です!

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: どうやら‥‥そろそろ、
教えてあげなければならないようだ。
‥‥キミのおとぎ話には、
なんのイミもない、ってコトをね。
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥
牙: たしかに、
もっともらしく聞こえるよ。
ハンニンが、犯行を<<歌詞>>に
合わせたように見せかけた理由‥‥
しかし! いいかい?
キミのスイリには、そもそも。
そのスタート地点から、
コンポン的なムジュンがあるんだよ。
王: ムジュン‥‥だって?
牙: ああ。
もう何度も指摘したはずだけどね。
犯行当時。殺人現場の”小窓”は、
閉まっていた‥‥
そこから、ラミロアさんが
”声”を聞くことはできない。
王:あ‥‥
牙: どうもキミは、その点からムリに
目をそらそうとしているけどね。
聞こえるハズのない声をもとに
推理をしても、ムダだよ‥‥
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
(たしかに‥‥
オレのスイリは、ラミロアさんの
証言からスタートしている‥‥
ラミロアさんの聞いた、
ハンニンの声‥‥)
み: で。でも‥‥それが
”聞こえなかった”のなら‥‥
王: いいかい。
”スイッチを押せ”というコトバ。
現場には、こうしてスイッチが
存在して‥‥
それがリモートコントロール式の
発火装置を作動させた。
そして、牙琉検事のギターが
いきなり燃え上がったんだ。
(‥‥これが、
グーゼンのハズがない!)
牙: じゃあ‥‥そろそろ、
ハッキリしようか。
事件の直後、現場を調べたとき‥‥
あの小窓は閉まっていた。
ラミロアさんは、
いったいどうやって!
その”声”とやらを
聞くことができたのかな?
裁: ふむう‥‥
たしかに。そのコタエがないかぎり、
これ以上のギロンはムダですな。
‥‥弁護人! いかがですかな?
王: (ここは、正念場だ‥‥
ポイントは、ひとつ。
ラミロアさんは、
たしかに”声”を聞いた。
そして、それは‥‥
”第2部”のコトだった!
よく考えるんだ。ラミロアさんに、
声が聞こえた‥‥その理由は?)

(「別の場所から聞いた」を選択)
王: ‥‥オレたちが調べたとき、小窓は
閉まっていた。それは、たしかです。
そして、ハンニンがわざわざ、
それを閉める必要もなかった。
つまり‥‥あのマドから
声を聞くのは”不可能”です。
牙: やれやれ‥‥やっと、
ハナシが通じたようだね。
正直なトコロ、キミもボルジニアの
ニンゲンかとウタガイ始めていたよ。
王: ラミロアさんは、あの小窓から
”声”を聞くことはできなかった。
それなら‥‥当然。
”別の場所”から
声を聞いたことになります。
裁: な‥‥なんですって‥‥
牙: ‥‥やれやれ。
せっかくハナシが通じたと思ったら、
気のせいだったようだ。
もしかしたら‥‥キミ、
宇宙人なのかな。
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥
牙: いいかい? おデコくん。
ラミロアさんは‥‥
”小窓から声を聞いた”と
ハッキリそう証言している。
そして‥‥現場には、”小窓”と
呼べるものは、ひとつしかない!
王: ‥‥果たして‥‥そうでしょうか。
牙:
王: 現場には、もうひとつ‥‥
あからさまな”小窓”が
存在したのではないでしょうか‥‥
み: え‥‥そ。そうなんですか!
裁: どうやら‥‥ズバリ、
お聞きしたほうがよいようですね。
ラミロアさんは、現場の
あるポイントから声を聞いた‥‥
弁護人! いったい、
それはどこだったのですか!
王: ラミロアさんが声を聞いた場所‥‥
それは、ここです!

(「通気口」を選択)
王: ‥‥もちろん、ラミロアさんは
”ここ”から声を聞いたのです。
裁: な。なんですと‥‥そ。そこは‥‥
”小窓”ではない‥‥
つ。”通気口”ではないですかッ!

(ざわめきが起こる)
王: ラミロアさん本人も認めています!
彼女はボルジニアの人間であり‥‥
この国のコトバに慣れていない!
”通気口”を”小窓”と表現しても
おかしくないでしょう!

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: こんな‥‥
ムチャなハナシがあるかッ!
ラミロアさんが、天井裏で
ハンニンの”声”を聞いたって?
王: ロンリ的に考えると、
それしかありえません。
牙: どこがロンリ的なんだよ!
王: じゃあ、聞きますけど。
どこがロンリ的ではないんですか?
牙: ダレでもわかるだろう!
モンダイは、ひとつだ!
どうして、ラミロアさんが天井裏に
いなけりゃならないんだ?
コソコソかくれるみたいに!
王: それは‥‥カンタンなコトですよ。
本人に聞けばいい。
‥‥そうですよね? ラミロアさん。
ラ:‥‥!
王: 今までのハナシ‥‥
聞いていましたね?
ラ: ‥‥ええ‥‥
きのうから、どうもオカシイとは
感じていたのです。
たしかに、あれは
”閉じて”いました。しかし‥‥
なぜ、それが
”聞こえない”ことになるのか‥‥
そこの検事さんが、宇宙人に見えて
しまったりしたものです。
牙: ぐううう‥‥
王: コトバを使うから、ややこしくなる。
ラミロアさん。あなたが
声を聞いたという”小窓”‥‥
この、天井の‥‥ここ、ですね?
ラ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
そう‥‥その天井のところ‥‥です。
牙: な‥‥なんだってぇぇぇッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
静粛にィィィッ!

裁: ‥‥証人。
もう一度だけ、カクニンします。
あなたは‥‥この、
天井裏から、その。
犯行の瞬間を”聞いた”と
言うのですか?
ラ: そう、ですわね。
まさか、それがこんな大きな
モンダイになっているとは‥‥
王: いったい‥‥なぜ。
そんなところにいたのですか?
ラ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: どうやら、証言していただいた方が
よさそうですな。
ラ: そ。それは‥‥あの。
‥‥‥‥‥‥困ります‥‥
裁: 殺人事件の審理に関わることです。
聞かないわけには行きません。
あなたが天井裏から事件に
出会ってしまった”事情”‥‥
それについて、証言をお願いします。
ラ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: (どうやら‥‥まちがってなかった
みたいだな‥‥)


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