第3話『逆転のセレナード』第2回法廷(その8)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
成歩堂 みぬき…赤
裁判長…緑
牙琉検事…茶
宝月 茜…桃
マキ・トバーユ…黄土
ラミロア…藤
ローメイン・レタス…青
眉月 大庵…紫
或真敷 バラン…薄橙
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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王: (どう考えても、
真相はアキラカじゃないか‥‥
それなのに!
”法廷のシステム”が、
犯人を守る、なんて‥‥!)
み: オドロキさん!
パパ、言ってましたよね!

成: 『彼の犯行を立証するのは‥‥
かなりムズカシイだろうね。
今の法廷のシステムでは、特にね。』
王: 『じゃあ‥‥どうすれば!』
成: 『だから。忠告しただろ。
‥‥がんばれ、って。
フツーの手段で、彼の犯行を
立証するのはムリだからね。』
王: 『うううう‥‥』
成: 『発火装置‥‥
眉月 大庵にとっての
”発火装置”を探すことだよ。』

み: あの刑事さんの”発火装置”‥‥
なんのコト、でしょうね。
王: それは、もちろん‥‥
<<急所>>ってコトじゃないかな。
小さな火花を散らすだけで、
あとは勝手に燃え広がるような‥‥
(これ以上アイツを追いつめるには、
フツーの手段では不可能‥‥
と、なれば‥‥何か致命的な
”弱点”を突くしかない!)
大: ‥‥さて。そろそろオレは
シゴトに戻っていいかな。
こうみえても、忙しくてね。
才能のない弁護士の思い出作りに
つきあっているヒマはないんだ。
裁: ふむう‥‥
いかがですかな? 弁護人。
ここまで審議して、
決定的な証拠がでなかった以上‥‥
ふたたびこの証人を喚問することは、
ムズカシイと思われますが‥‥
王: ‥‥”発火装置”‥‥
大: なんだと‥‥?
王: 牙琉検事が言っていました。
”いいギターほど、よく燃える”
牙: あ、ああ‥‥
いいギターは、よく乾燥させてある。
そうやって、最高の音を伝えるよう
計算しつくされているからね。
王: キッカケは、小さな火花でも‥‥
それは、決定的なダメージを与える。
そんな”発火装置”が‥‥
あなたの計画にも埋めこまれていた。
‥‥そう。
最初から、ね。
大: な。なんだと‥‥
王: (これは、勝負だ。
うまくいかなかったら‥‥
アイツをとらえることは
できない‥‥しかし!)
み: やるしかない、ですね!
大: フッ‥‥このオレを焼き尽くす
”発火装置”‥‥だと?
最後までロマンチストだなァ、
弁護士クン。
牙: いいじゃないか。
そのロマンチックな物語に‥‥
ぼくは最後まで、
つきあってみたいね。
大:‥‥!
牙: おデコくん。
キミは、この眉月 大庵を、
”告発”しようとしている。
レタス氏殺害の罪、そして
ボルジニアのマユ密輸の件で。
‥‥それを立証する、
最後のチャンスだよ。
裁: 審理は、とっくに時間を
超過しています。
弁護人。
これが最後の”提示”です。
あなたのいう”発火装置”が
作動しなかった場合は‥‥
この証人に対する尋問は、
その時点で終了します。
‥‥よろしいですね?
王: ‥‥はい。
裁: それでは、うかがいましょう。
眉月 大庵”告発”のコンキョ‥‥
それを提示してください!
王: (これが‥‥
”最後のチャンス”!
眉月 大庵の計画を焼き払う、
最後のカギは‥‥)

(「証人を提示」を選択)
王: ”発火装置”‥‥それは、
証拠品ではありません。
大: な。なんだと‥‥
王: たしかに、”決定的な証拠”を
提示することはできませんでした。
それならば‥‥
手段を変えるまで、です!
牙: ‥‥<<証人>>というワケ、かな。
王: きわめてムズカシイ状況ですが‥‥
彼の罪をすべて立証できる
”ある人物”がいます。
裁: ‥‥わかりました。弁護人。
眉月 大庵の罪を立証できる
人物‥‥いったい、誰ですかな?

(「マキ・トバーユ」を選択)
大: 眉月 大庵の罪を立証できる
人物‥‥
それは、モチロン‥‥
被告人、マキ・トバーユです!
裁: ま‥‥またしても‥‥
あなたの依頼人ですか!

(ざわめきが起こる)
王: マキ・トバーユは、
マユの密輸計画の協力者です。
彼なしでは、眉月 大庵はマユを
手に入れることはできなかった。
そして、マユを密輸しようとした
人物がこの事件の犯人である‥‥
そのことは、
じゅうぶんに立証が可能です!
裁: ふむう‥‥
それは、どうしてですかな?
王: レタス氏が追っていた、
この”マユ”‥‥
ボルジニアの協力が得られれば‥‥
マユを燃やした際にどういう成分が
出るかが判ります。
このギターを調べれば‥‥
同じ成分が発見されるでしょう。
裁: なるほど。
ジツにカガク的ですな。
王: つまり‥‥ボルジニアのマユの
密輸に関して‥‥
マキ・トバーユが眉月 大庵との
協力関係を認めれば‥‥
それで、この事件は解決です!
大: クッ‥‥
クックックックックッ‥‥
み: ま。また、笑ってるみたいですけど。
‥‥ダイアンさん。
大: 恐れ入ったよ。
その、情熱‥‥
なんとしても、
オレをつかまえたいみたいだな。
‥‥しかし。
それは不可能なんだよ。
王: ‥‥なんですって?
大: あのピアニストが‥‥
認めるわけがないだろう?
マユの”密輸”を。
裁: どういうことですかな?
牙: ”マユを国外に持ち出した者は、
死刑”‥‥
ボルジニアの法律、だね。
み:あ‥‥
大: そう! いいかい?
あのピアニストが、もし、
密輸をしていたら‥‥
それを証言することは、
”死”を意味するんだよ。
アイツが、
そんな証言をするワケが‥‥
王: それは、ちがうんですよ‥‥
眉月刑事。
大: ‥‥なに‥‥?
王: ”逆”なんですよ。
マキさんは、ここで”密輸”を
認めないと‥‥
それこそ、
タイヘンなコトになるんです!
大: ど。どういうコトだ‥‥?
王: 今、マキさんが
”密輸”を認めれば‥‥
その罪は、この国の法律で、
裁かれることになります。
この国では、密輸の罪は、
死刑にはあたらない。
大:あ‥‥
王: 今回の事件の被害者は、
潜入捜査中の国際警察の捜査官です。
当然‥‥ボルジニアにも、
そのニュースは伝わっているはず。
牙: たしかに‥‥今日の審理の内容も
報道されるだろうね。
モチロン‥‥
<<ボルジニアのマユ>>のことも。
大: そんな‥‥そんな、バカな!
王: 今、マキさんが
罪を認めなければ‥‥
いずれ、ボルジニアの警察に
逮捕されることになります。
まさか‥‥この法廷で、
今さら彼に‥‥
”殺人”の罪の有罪判決が下るとは
思ってないでしょうね?
大: し。しかし!
オレは認めない!
オレを‥‥オレを告発することは
できないはずだ!
王: たしかに‥‥”法律”はそれを
認めないかもしれません。しかし。
今日の審理を聞いたら、あなたを
潔白と思う者はいないでしょうね。
‥‥それはもちろん。被告席の
マキ・トバーユもいっしょです。
大: ‥‥ぐ‥‥ッ!
王: マユの密輸、
そして、あなたの計画‥‥
マキ・トバーユは、
すべてを聞いてました。
そう! 彼には今、
助かる道は他にないのです。
彼自身の”罪”‥‥
<<マユの密輸>>を認める以外にね!
大: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥な。
何も、シンパイはいらねえぜ。
オレが‥‥オレが、
オマエをこの国から出してやる。
ユメみたいにゴウカな隠れ家を
用意してやるぜ。
お菓子でできた家がいいか?
いや。ピアノでできた家がいいか。
だから‥‥‥‥
‥‥たのむッ!
しゃべらないでくれぇぇぇ
ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!
牙: ‥‥ダイアン。
キミとの、最後のセッション。
‥‥ムネに響いたよ。
王: ‥‥今の発言を、
自白と考えてよろしいですね。
大: ‥‥クッ‥‥クックックッ‥‥
み: ダイアンさん‥‥
また、笑ってますよ。
王: さっきの笑いよりも、かなり
味わい深いものがあるけど、ね。

(ざわめきが起こる)

裁: さて‥‥本日の審理。
すべて聞いておりましたね?
マ: ‥‥はい。
裁: 話していただけますかな?
すべてを。
マ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
王: こんな結果になって、
オレも残念です。
でも‥‥オレは、
罪をごまかす弁護士じゃないんです。
牙: 今日の審理は‥‥キミに
聞かせるためにあったようなものさ。
今さら迷っても、
しかたのないことじゃないかな。
マ: ‥‥わかっていたこと。
最初から‥‥
王: マキさん‥‥
マ: 事情‥‥説明、できない。でも。
必要だった。おカネ。
とても、たくさん‥‥
裁: ‥‥今回の法廷は‥‥
ワレワレにとって、微妙な問題を
扱わざるを得ませんでした。
”裁きの庭で、そのコトバに
絶対の意味を持つものは、
ただ、証拠品のみである”
‥‥その原則は、ゼッタイです。
しかし‥‥
牙: それだけでは、裁ききれないことも
ある‥‥そういうことだね。
裁: また、このような事件が
起こったら‥‥
何か、新しい対処が
必要なのかもしれませんな。
‥‥ともあれ。
被告人、マキ・トバーユ。
マ: ‥‥はい。
裁: あなたには、この国の正当な
裁判をヤクソクします。
そして‥‥今回の訴え。
<<レタス氏殺害>>において‥‥
まずは判決を下したいと思います。
よろしいですね。
マ: ‥‥あなたがた、感謝している。
ワタシ‥‥イツワリばかり。
なのに‥‥真実、見つけてくれた。
裁: ‥‥それが、ワレワレの
務めですからな。それでは。
被告人、マキ・トバーユに
判決を言いわたします。


(無罪判決)

裁: 本日は、これにて閉廷します!


同日 午後4時42分
地方裁判所 被告人第2控え室

み: マキさん‥‥どうなるのかな。
王: やっぱり‥‥マユを持ち出す罪は
犯していたんだからね。
もう一度‥‥ベツの裁判を
受けることになるんじゃないかな。
?: これで、よかったんだよ。
み: パパ‥‥!
ラ: おふたりには、
お礼を言いませんとね‥‥
王: ラミロア‥‥さん‥‥
ラ: あら。どうしたのですか?
王: すみません‥‥オレ!
マキさん、ラミロアさんの大切な
パートナー、だったんですよね‥‥
ラ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ええ。自分のコドモのように
思っていました。
今でも、そうです。でも‥‥
悪い何かにとりつかれてしまった。
それは、事実です。
そして‥‥それは、
つぐなわなければならない。
当然のコトでしょう?
王: すみませんでした‥‥
ラ: あやまらないで。
あなたたちのおかげ‥‥
私にも、少しだけ。
勇気がわいてきました。
み: ゆうき‥‥?
ラ: 目の手術を‥‥
受けてみようと思うのです。
成: ぼくがね。オススメしてみたんだよ。
み: え‥‥じゃあ。
見えるようになるんですか?
ラ: 今まで‥‥”光”というものが、
怖かったのです。
何もかもをアキラカにしてしまう、
”光”が‥‥
成: 医者の話では、ラミロアさんは‥‥
何かの”事故”が原因で、
目が見えなくなったらしいんだ。
王:じこ‥‥
ラ: わたくし、記憶を失っています。
目が見えるようになったら‥‥
今までココロがさけていたジジツが、
見えてしまうかもしれない。
そんなふうに思ったのです。
成: でもね。今日の弁護を聞いて、
考えを変えたそうだよ。きみの‥‥
なにものからも目をそらさない‥‥
まっすぐな視線を感じたんだ。
ラ: ‥‥もし、この目に光が戻ったら。
今度こそ、絵筆をとりたいと
思っているのですよ。
王: 絵筆‥‥?
み: あ‥‥!
<<音の絵の具の風景画家>>ですね!
ラ: あなたたちの”絵”を描く‥‥
ヤクソクしますわ。
み: わあ!
ありがとう‥‥ラミロアさん!
成: ぼくもね。きみにはお礼を
言っておくよ。オドロキくん。
王: 成歩堂さん‥‥?
成: やっぱり‥‥
急がなくちゃいけない‥‥
そう思ったんだ。
ぼくの、”ゴクヒ任務”もね。
王: ゴクヒ‥‥任務。
ラ: できれば‥‥また、
お会いしたいですわね。
オドロキさん。ミヌキさん。
み: はい! 楽しみにしてますね!

王: (こうして、殺人事件のバラードは
静かに流れ、そして終わった。
この事件のおかげで‥‥
<<恋するギターのセレナード>>は
大ヒット。
牙琉検事のハデなアクセサリーが、
また増えたみたいだ。
でも‥‥検事さんに
言っておきたいことがある。
今度また、バラードを
作るときは‥‥)
み: 歌の最後で、ちゃんとハンニンを
つかまえておくこと!


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