王泥喜 法介…紺 | |
成歩堂 龍一…黒 | |
成歩堂 みぬき…赤 | |
裁判長…緑 | |
牙琉検事…茶 | |
宝月 茜…桃 | |
絵瀬 まこと…黄緑 | |
絵瀬 土武六…灰 | |
或真敷 バラン…薄橙 | |
葉見垣 正太郎…橙 | |
或真敷 ザック…青 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
原灰…黄 | |
ラミロア…藤 | |
牙琉 霧人…紫 |
留置所 面会室 | |
王: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
み: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
まったく。いつまで待たせるんだよ。 もう、20分もたつぞ! |
み: |
ちょっと、みぬき。 モンク言ってみましょうか。 あそこに、知らんプリで 立ってるおじさんに。 |
王: |
でもさ。こういうのって、たいてい 怒った次の瞬間に出てきたりして。 気まずい思いをすることが 多いんだよなあ。 |
み: |
ラーメン屋の注文と いっしょにしないでくださいよ。 あのー、おまわりさあん。 おねがいした面会のヒト、 まだですかあ? |
看: |
ナニ言ってるんですか! 面会なら、もう とっくに始まってますよ! |
み: |
‥‥‥え。 きゃあああああああああっ! |
王: |
い。い。い。い。 ‥‥いったい、いつからそこにッ! |
?: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
と。と。と。と。 ‥‥とにかく。座ってくださいッ! |
?: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
み: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ な。なんか、ものすごく キンチョーしますね。 |
王: |
この、サスペンスフルな空気‥‥ なんとかしないと。 みぬきちゃん、なんかやってよ。 マジシャンだろ? プロの。 |
み: |
そ。そうですね。 じゃあ‥‥ |
帽: | ぼうしクンです。ヨロシク。 |
?: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
み: |
きゃあああああっ! キゼツしちゃいましたッ! |
王: |
うううん‥‥ パンツ芸のほうがよかったかな。 |
み: | ”パンツ芸”って言うなッ! |
王: |
あ、お。オレ! 今度、あなたの ベンゴをするコトになって。 ホント、これも 何かのウンメイですよね! |
?: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
あ! ウンメイといえば、オレ! ほ。星占いがトクイなんですよ! あなた、ナニ座ですかッ! |
?: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
み: |
‥‥あの。みぬきのでよければ 教えますけど。 |
王: |
‥‥ゴメン。 イキオイで言ってみただけなんだ。 (自分のウンメイを 呪いたい気分だぞ‥‥) |
王: | ええと‥‥その。お名前は? |
?: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
あ! ヒトに名前を聞くときは、 自分から名乗るモンですよね! オレ、王泥喜 法介です! |
?: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
み: |
‥‥あの。みぬきなら、 成歩堂 みぬきですけど。 |
王: |
‥‥ゴメン。知ってるよ。 (まいったな‥‥) |
王: |
あ、そうだ! 事件のコト、聞かせてもらえるかな。 オレ。弁護士だし! |
?: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
さ。最近、ナニか変わったコト、 ありませんでしたかッ! |
?: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
み: |
あの。こないだ、外国の人に道を 聞かれたときのコトなんですけど。 |
王: |
‥‥ゴメン。そのハナシは、 後にしてくれるかな。 (オレ自身が外国人に なった気分だぞ‥‥ やれやれ‥‥ どうやら、ここにいても 胸がセツなくなるだけ みたいだな‥‥) |
み: |
オドロキさんは、 よくやったと思います! |
?: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
み: |
み、見てください、オドロキさん! マニキュアなんか塗ってますよ! |
王: |
くそー‥‥明日のベンゴより オシャレのほうがダイジってコトか。 ‥‥行こうか、みぬきちゃん。 |
?: | ‥‥あの‥‥ |
王: | ‥‥‥! |
?: |
あの。こ。これ‥‥ 読んでください‥‥ |
王: |
あ。ど、どうも‥‥ (女の子に呼び出された 野球部のキャプテン気分だな。 校舎のウラでラブレターなんか もらったりするのかな‥‥) |
み: |
あまずっぱいカオしてないで、 カード見てください! |
王: |
これは‥‥名刺、みたいだな。 名前と住所が書いてあるぞ。 ええと‥‥名前は、 絵瀬 まこと(えせまこと) 住所は‥‥ <<どぶろくスタジオ>>と。 |
手に入れた。 | |
王: | あの。いったい、これは‥‥ |
ま: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ どうやら。面会は 終わり、みたいだね。 |
み: |
現場‥‥なのかなあ。 その<<どぶろくスタジオ>>って。 |
王: | とにかく‥‥行ってみようか。 |
どぶろくスタジオ | |
王: |
ここは‥‥なんというか、 ”アトリエ”みたいだな。 |
み: |
そうですね。なんか、こう。 ゲージュツって感じがします。 でも、それより‥‥ あの、床のテープ‥‥ |
王: |
うん。どうやら、 ここが”現場”みたいだね。 |
み: |
あ、あそこに。 絵が並んでますよ。 |
王: |
ダメだよ。 勝手にさわっちゃ。 |
み: |
大丈夫ですよ。 見るだけですから。 あれ。オドロキさん。 ここ‥‥ |
王: |
‥‥まだ、描きかけだったのかな。 (下絵の黒い線が見えるな‥‥) |
み: |
それにしては‥‥ここの下絵。 他の部分と合いませんね。 |
王: |
あ。ホントだな‥‥ (ちょっと、気になるな) |
法廷記録にファイルした。 | |
み: |
‥‥なんか。作風がゼンゼン ちがうんですねー。1枚ごとに。 |
?: |
あ! やっぱり来たね、アンタたち。 |
み: |
アカネさん! おひさしぶりです! |
茜: |
そう、かしらね。 ”また、アンタたち?”って 思わなくもないけど。 ‥‥で。ここに来た、 ということは、やっぱり‥‥? |
王: |
あの。明日の<<シミュレート裁判>> なんですけど‥‥知ってますか? |
茜: |
うん。聞いてるよ。成歩堂さん、 アンタを選んだんだねー。 |
王: |
オレたち。どんな事件か ゼンゼン知らないんですけど。 |
茜: |
ああ‥‥殺されたのはね。 このアトリエのヌシね。 画家の 絵瀬 土武六(えせどぶろく)さん。 |
み: | どぶろく‥‥ |
茜: |
それで、タイホされたのが、 ひとりムスメのまことさんね。 |
王: |
ああ‥‥ 今、留置所で会ってきました。 |
み: |
なんか。どちらかといえば‥‥ ”殺人者”っていうより。 ”被害者”体質に見えましたけど。 |
茜: |
まあ‥‥そうねー。 ただ。殺人の手口は ”毒殺”だったからね。 ”か弱い女の子でもできた” って考えられてるみたい。 |
み: | ど。ドク、ですか‥‥ |
茜: |
ま。成歩堂さんから ハナシは聞いてるからさ。 ここなら、好きなだけ 調べてくれてかまわないよ。 あたし、カリントウ食べてるし。 |
王: |
(今回は、関係者のハナシを 聞くことはできない‥‥ この現場で、どれだけ手がかりを 見つけることができるか? ‥‥それが”カギ”に なりそうだな‥‥) |
み: |
あの‥‥ゲージュツカなんですか? 絵瀬 どぶろくさん、でしたっけ? |
茜: |
そうねー。絵本の挿絵とか 描いていたみたい。 女の子のファンが多かったって。 ”どぶろく”のクセに。 |
み: |
はああ‥‥ たしかに、キレイですよねー。 あそこにある、油絵なんか。 |
茜: |
う‥‥‥うん。 じつは、あの油絵は‥‥ 挿絵ではないんだけどね。 |
王: |
(‥‥なんだ? 歯切れが悪いな‥‥) |
茜: |
なんでも、かわったオジサンでね、 どぶろくさん。 今まで、ダレにもカオを 見せたことがなかったみたい。 |
み: | ダレにも‥‥? |
茜: |
このアトリエに、いつも 閉じこもっていてね。 ソトとのやりとりは‥‥ あそこにある<<レターボックス>>で お手紙を使ってたんだって。 |
王: | ”手紙”‥‥かあ‥‥ |
み: |
なんですか? オドロキさん。 |
王: |
”手紙”なんて、めずらしいな‥‥ って思って。 最近は、電子メールや インターネットを使うから。 |
茜: |
土武六さん、そういうのが キライだったみたいでね。 ソトとのやりとりは、ゼンブ。 郵便を使っていたの。 |
み: |
そういうの、なんとなく ”ゲージュツカ”っぽいですよね! |
法廷記録にファイルした。 | |
茜: |
‥‥そういうわけで、 この部屋に入れたのは‥‥ ムスメのまことさんだけだったの。 |
み: |
ああ。 あの、ハンニンの。 |
王: | ‥‥”ハンニン”って言うなよ。 |
茜: |
ジッサイ、この部屋から 見つかった指紋は‥‥ 土武六さんとまことさんの ものだけなの。キホン的には。 |
み: | ”キホン的には”‥‥? |
茜: |
じつは‥‥ゆうべ、ね。 初めて、土武六氏は記者の取材に 応じたの。トツゼン、ね。 そして。その取材の最中‥‥ 事件は起こった。 |
み: | 初めての、取材‥‥ |
王: |
あの。事件が起こった夜のコト‥‥ 詳しく聞かせていただけませんか? |
王: |
あの‥‥ まことさん、でしたっけ? 土武六さんのムスメさん なんですか。 |
茜: |
そうよ。なんか、 小さいころから身体が弱くてね。 ‥‥ほとんど ソトに出たことがないみたい。 |
み: |
‥‥そんな感じでしたねー、 たしかに。 |
茜: |
ベンキョウは、お父さんが 教えていたみたい。 そういえば。留置所に連行する ときも、タイヘンだったよ。 ”ソトの世界に出たら死んじゃう” とかなんとか、大騒ぎ。 |
王: |
はあ‥‥ それは、タイヘンでしたね。 |
茜: |
まあ。最終的に、オマジナイを してもらって連行したんだけど。 |
み: | オマジナイ‥‥? |
茜: |
彼女なりに、勇気が出る オマジナイがあるそうなの。 |
王: |
(‥‥毎度、おかしな 依頼人ばっかりだな) |
み: |
そんな”ひっこみじあん”な子が、 どうしてお父さんに毒を‥‥? |
茜: |
さあねー。 あたしに聞かれてもなあ。 |
王: |
その”毒”ですけど。 やっぱり、コーヒーに‥‥ |
茜: |
う、うーん‥‥セイカクには、 ちょっとちがうんだけどね‥‥ |
み: | ‥‥? どういうコトだろ。 |
王: |
(自分で調べろ、 ってコトかな) |
茜: |
さっきも言ったけど‥‥ ゆうべ、初めて”ソトのヒト”が このアトリエに入ったの。 ”ナゾの画家の素顔に迫る!”って いう記事だったみたいだけどね。 |
王: |
よりによって‥‥最初の取材の 晩に、事件が起こった‥‥ |
茜: |
‥‥午後9時。 毎晩この時間。まことさんは、 コーヒーをいれることになっていた。 このコーヒーを、土武六氏が 飲んだ瞬間、急に苦しみだして‥‥ |
み: |
‥‥死んじゃった、 というワケですか‥‥ でも! わざわざ取材の夜に 毒を入れるなんて‥‥! |
茜: |
‥‥ちょうど、彼女が コーヒーを持ってきたとき‥‥ 記者のヒトは、部屋の奥の キカイを見にいっていたそうなの。 ‥‥だから、彼女には記者さんの 姿が見えなかったみたい。 その記者さんの通報で 警察がかけつけた、ってワケ。 |
王: |
それにしても。 どっちかといえば‥‥ アヤシイのは、 その記者のほうでしょう! |
茜: |
でも、記者さんは土武六さんの コーヒーには近づかなかったし‥‥ まことさん本人も、 それは認めてるわ。 |
王: |
(とにかく‥‥その”記者”って ヒトの話、聞いてみたいな) |
み: |
あれ‥‥‥ こんなトコロに 絵が隠してありますよ! |
王: | ‥‥ほ。ホントだ! |
み: |
なんか、アレ。 見られちゃ困る絵なのかも! |
王: | ‥‥うれしそうだな。なんか。 |
み: | なんだ。フツーの絵じゃない! |
王: |
何を怒ってるんだよ‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
み: |
ど。どうしたんですか? オドロキさん。 |
王: | この、絵‥‥どう見ても‥‥ |
み: | ‥‥‥? |
王: |
(ダレかの意見を 聞いてみたいな‥‥) |
法廷記録にファイルした。 | |
茜: |
あー、それ。 被害者のコーヒーカップね。 |
み: |
あ、わかった! この中に、 ドクが入っていたんですね! みぬき、初めて見ました! ドク入りコーヒー。 |
王: |
人生で、何度も目にするモノ じゃないけどな。 |
茜: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ”ドク入りコーヒー”‥‥か。 じつは、ちょっとビミョーなの。 |
王: | どういうことですか‥‥? |
茜: |
そのコーヒーの中からは、 ドクは検出されなかったの。 |
み: | え‥‥ |
茜: |
‥‥その先のコトは、 自分で調べて。 あたしにも”立場”ってモンが あるんだからさ。 |
データを法廷記録にファイルした。 | |
王: |
‥‥この机。 もう少し、そばによってみよう。 |
王: |
この封筒‥‥ 一度、開封したアトがあるね。 |
み: |
あ。知ってますよ、それ! ヤカンの蒸気をクチのトコに シューってあてると‥‥ ペロンって開いちゃうんですよね! ノリが溶けて。 |
王: |
そこまでデリケートな モンじゃないよ、コレは。 |
み: |
ホントだ。テキトーに破いて、 テキトーに封がしてあります。 ‥‥あれ。 この封筒の消印‥‥ もう、7年も前のものですね。 |
王: |
(一度、開いて‥‥ もう一度”封印”した手紙。 ちょっと気になる、な‥‥) |
法廷記録にファイルした。 | |
王: |
(ここはひとつ、アカネさんの チカラを借りたいトコだな‥‥) |
み: |
アカネさん、おだてるとヨワいから。 そこを忘れないでくださいね! |
茜: |
なあに? さっきから、 コソコソと。 |
王: |
あの‥‥ オレ、思うんですけど。 やっぱり。アカネさんあっての オレたち、なんですよね。 ええと、その。 ‥‥カガク的に。 |
茜: |
お。気づいちゃった? やっぱり、そこに。 |
王: |
え、ええ! やっぱり。 カガクなんですよね。これからは! |
茜: |
もう、しょうがないなあ! 今回だけだよ? じゃ、アヤシイものを見つけたら、 とりあえず見せてごらん? |
王: |
アカネさん。 これ、なんですけど‥‥ |
茜: |
ああ。そ、それね! マッカな封筒よね。なにかと。 |
王: | (なんだ? あわてて‥‥) |
み: |
あの。これって一度、 開けたアトがありますよね? |
茜: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ヒミツ。 |
王: |
ひ。”ヒミツ”‥‥? (予想外のコタエだな) それって‥‥知ってるって コトですか? この封筒の中身。 |
茜: | まあ‥‥読んだからね。あたしは。 |
み: |
あ! コレ、開封した”アト”が ありますけど。アカネさんが‥‥? |
茜: |
あたしなら、もっと上手に 蒸気をあてるよ! |
王: |
(コッソリ見たのは まちがいないみたいだな‥‥) |
茜: |
ふふん‥‥あたしにはね。 キョーリョクな武器があるから。 |
み: | ぶき‥‥ |
茜: |
あたしだってね。 メカを使えるのよ、メカ。 |
王: |
(なんとかならないかな、 アレ‥‥) |
み: |
とりあえず、 ホメてみたらどうですか? 女のヒト、ホメられて イヤな気はしない、って言うし。 |
王: |
(‥‥とにかく、 ハナシを聞いてみるか) あの。さっき見つけた 封筒の中身なんですけど‥‥ アカネさんの”メカ”で なんとかならないかなー、なんて。 |
茜: |
ほほお。気になる? やっぱり。 ホラ、これね! <<X線解析装置>>っていうんだけど。 |
み: |
”えっくすせん”っていうと‥‥ レントゲン写真の、アレですか? |
茜: |
そう! あたしが名付けたんだけどね。 |
み: | え。 |
茜: |
いや、ホントはもっと ムズカシイ名前なんだけど。 おぼえられないじゃない? |
み: |
要するに、スケて見える ワケですね? 封筒の中身が。 |
茜: |
そう! さすが、みぬきちゃん! キライじゃないなー。 そういう、おおざっぱなトコ。 じつはあたしも、コイツの機能。 カガク的に、よくわかってなくて。 |
み: |
ねー、アカネさん! それ。みぬきもやってみたいー! |
茜: |
しょうがないなあ、ホラ。 ‥‥まあ。もう、 だいたい調べちゃったけどね。 |
み: |
やったー! じゃ、オドロキさん。 やってみますね。 |
王: |
うわわあああっ! ナニするんだよッ! |
み: |
いや、ホラ。オドロキさんを 見てみようかな、って。 |
王: |
ヒトに、カラダに 悪そうな光線をあてるなッ! |
み: |
だって。オドロキさん、アレ。 ”はらぐろ”だし。 |
王: | (とにかく‥‥調べてみるか) |