第4話『逆転を継ぐ者』探偵パート1日目(その3)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
成歩堂 みぬき…赤
裁判長…緑
牙琉検事…茶
宝月 茜…桃
絵瀬 まこと…黄緑
絵瀬 土武六…灰
或真敷 バラン…薄橙
葉見垣 正太郎…橙
或真敷 ザック…青
糸鋸 圭介…黄土
原灰…黄
ラミロア…藤
牙琉 霧人…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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茜: それじゃあね。まず、
サンプルは‥‥そうだなあ。
この、おみくじに
してみようか。
サンプルを、こうやって
<<メカ>>にセットすると‥‥
王: ‥‥何も写りませんよ。
茜: ま。あわてないで。
画面の右側を見て。
これが、封筒の”断面図”なの。
み: だんめんず‥‥?
茜: 今、ちょうど封筒のソトガワの
断面が表示されてるワケ。
そうだなあ‥‥ジッサイ、
やってみたほうが早いね。
ちょっと、そこのツマミを
回してみてくれるかな。
そうそう。そうやってスキャンする
”厚み”を調節するわけ。
み: あ! なんか出た!
茜: ね? 中のお札に書かれた文字が、
こうして表示されるワケ。
すごいでしょ?
王: でも‥‥ゼンゼン読めませんよ。
茜: もっとツマミを回してみて。
つまりね。ホラ。
紙キレ1枚でも、
大きくおおきく拡大すると、
ほんの少し波うってるワケ。
み: えー。そうなんですか?
茜: このX線はね。0.05ミクロンの
光線で試材を分析するから。
その”厚さ”の断面に書かれた
ものしか表示しないの。
王: よくわかりませんけど、
読めなきゃイミないじゃないですか。
茜: そこで、次のステップよ。
この映像を、ちょっと
こすってみてくれるかな。
み: ”こする”‥‥画面を、ですね?
茜: そう。これで、この映像は
スクリーンに”固定”されたわ。
じゃ、ツマミを少し回して。
はい。じゃ、またこの映像を
こすって”固定”させてみようか。
み: あ! わかった!
こうやって‥‥
少しずつズラして
塗りつぶせばいいんですね!
茜: そう。さすが!
み: なるほどねー。じゃあ、
もう少しやってみましょうよ!

(おみくじをスキャンする)
茜: じゃ、プリントアウト
するわね。
み: きゃあ!
大吉ですよ、大吉!
茜: ふふん。この<<メカ>>が
秘めたパワー、わかったでしょ?
さ。じゃあ、いよいよ
本番、行ってみる?

(手紙をスキャンする)
茜: じゃ、プリントアウト
するわね。
み: ”いっせんまんえんを
ふりこみ”ですか‥‥
土武六さんの絵。イイお値段で
売れたみたいですね!
茜: 封筒の中には、もう一枚
入ってるけど。
‥‥どうする?
み: あ。モチロン、やります!
気になるじゃないですか!
茜: じゃ、2枚目。行くわよ。

(二枚目をスキャンする)
茜: じゃ、プリントアウト
するわね。
み: ‥‥ケッキョク、絵の代金
についてのお手紙でしたね。
王: それにしては、ずいぶん
キンチョーをはらんだ文面だな。
それに‥‥
み: なんですか?
王: どうして、この1通だけが
残されていたのかな。
‥‥7年も前のものなのに。
み: ‥‥なんか、トクベツな
ものなのかなあ、これ。
ね? アカネさん。
茜: ‥‥さあ、ね。
‥‥‥‥‥‥‥‥
王: (アカネさん‥‥
何か、知ってるみたいだ。
オレたちに話してくれる
ようすはない、か‥‥)

<<赤い封筒>>のデータを
書きかえた。

(詳細で「コーヒーカップ」を調べる)
み: あ‥‥ここッ!
なんか、カラダに悪そうな
シミがありますよ!
きっと、これが。ウワサの
”ブルーマウンテン”なんですね!
王: きっと、ここまで青いってコトは
ないと思うよ。
このシミは‥‥おそらく‥‥
(アカネさんに聞いてみるか)

(「コーヒーカップ」をつきつける)
王: あの、アカネさん。
このカップなんですけど‥‥
ここ‥‥カップのフチに、
青白い”アト”がありますよね。
茜: え! あ。そ、それね!
えーとね。ウワサなんだけど‥‥
”ブルーマウンテン”っていう
コーヒーがあるらしいよ!
王: きっと、ここまで青いってコトは
ないと思いますよ。
茜: ううう‥‥わかったわよ。
それはね。
あたしのカガク薬品のアト。
み: でたッ!
アカネさんのシュミ、カガク捜査!
茜: ”シュミ”はないでしょ‥‥
み: やっぱり、今回もアカネさん、
カガク捜査してたんですねー。
茜: このスプレーをふきつけると、
毒物に反応して青く変色するの!
王: と、いうことは。
被害者を殺害した”毒”は‥‥
茜: そう。毒は、コーヒーに
入っていたワケじゃなかったの。
こうして、カップのフチに
塗ってあったみたいね。
み: やっぱり、カガクは
スゴいんですねー!
王: (カガク捜査‥‥か。
アカネさんのチカラ、
借りられないかな‥‥)
み: とりあえず、
ホメてみたらどうですか?
女のヒト、ホメられて
イヤな気はしない、って言うし。
王: (‥‥とにかく、
ハナシを聞いてみるか)
‥‥あの。
<<毒性検査>>なんですけど。
茜: ははあ‥‥
気になる? やっぱり。
コレね。アトロキニーネを
検出する試薬なワケ。
み: あとろ‥‥‥?
茜: やだなあ。被害者の遺体から
検出されたモードクじゃない!
王: (‥‥アカネさんが
イキイキしてきた。キケンだ)
茜: 毒性は、超・モーレツなんだけど、
体内への吸収は、意外にゆっくり!
呼吸器への影響が現れるのは、
服毒から最低15分はかかるわ。
それにね! 聞いてくれる?
最新の研究では‥‥
王: い。いやいや。
専門的なコトはいいですから!
み: あ、わかった!
そのスプレーを吹きつければ‥‥
茜: そう! どんなにかすかな
痕跡でも見つけちゃうわけ!
み: ねー、アカネさん!
それ。みぬきもやってみたいー!
茜: いいよ、ホラ。
‥‥まあ。アヤシイところはもう、
あたしが調べちゃったけどね。
み: やったー! じゃ、オドロキさん。
やってみますね。
王: ぎゃあああっ!
ナニするんだよッ!
み: いや、ホラ。オドロキさんに
反応しないかな、って。
王: ヒトを毒物扱いするなッ!
み: だって。オドロキさん、アレ。
”どくぜつ”だし。
王: (とにかく‥‥調べてみるか)

(もどる)
み: ザンネン。
なかったですね。毒の反応。
王: まあ、アカネさんが、
さんざん調べた後だからね。
‥‥いや、ちょっと待てよ。
み: どうしました? オドロキさん。
王: あそこの小さな机の上、
ちゃんと調べられた?
み: ちょっと遠いですからね。
ザッとやっただけです。
王: 念のため、調べてみようか。

(「小さな額」を調べる)
み: きゃあああああッ!
反応しました!
茜: ええええええッ!
どこ、どこよ!
み: ホラ! この、
カワイイ額の中ですッ!
茜: やー、やるねー。
やっぱり、みぬきちゃんだよ。
み: へへ。みぬき。魔術師だし。
王: (見つけたの、
オレなんだけどな‥‥)

<<小さな額>>のデータを
法廷記録にファイルした。
王: (なんで、額の中なんかに
毒の反応が‥‥?
‥‥他に、毒物の反応は
ないみたいだな‥‥)
ところで、アカネさん。
教えてもらえますか?
事件当夜、取材にきていた
”記者”というのは‥‥?
茜: あ。あたしに聞かれても困るけど。
明日の裁判の証人になるみたいね。
み: やっぱり‥‥
茜: 名前‥‥なんだっけ。
カオは、一生忘れないんだケド。
ああ。そうそう。
ハミガキさん。
み: はみがき‥‥
茜: ヒトリで特ダネを追って、
マスコミに売りこむんだってさ。
王: ‥‥今まで、ダレにも会おうと
しなかった画家が‥‥
トツゼン、知らない記者の取材を
引き受けて‥‥その夜、殺害された。
み: ものすごくアヤシイですね。
‥‥その取材。
茜: まあ‥‥たしかに。
気になるわよね。
王: その記者のヒトに
ハナシを聞きたいんですけど‥‥
茜: そうねー。たしか、今日も
取材だ、って言ってたよ。
‥‥なんとかいう、
手品師さんのショー、だったかな。
王: てじなし‥‥?
(ま。まさか‥‥)
み: あの! もしかして。
<<或真敷 バラン>>‥‥とか?
茜: あー、そうそう! そんな感じ!
今度、デカいショーをするみたいね。
王: (‥‥やれやれ。
或真敷 バラン‥‥か。
どうやら、情報を集めざるを
得なくなっちまったな)
茜: よかったら、この名刺。あげるわ。

<<ハミガキの名刺>>を
法廷記録に挟んだ。

(「ひのまるコロシアム」に移動する)


同日 某時刻
県立国際ひのまるコロシアム

み: わああ。夢と魔法の
ステージですねー! まさに。
王: ほんのちょっと前までは、
悪夢と無法のステージだったのに。
み: さ。さ。早くアイサツに
行きましょうよ! バランさんに!
王: (やれやれ。
事件のコトが気になるな‥‥)
?: はあーっはっはっはっ
はっはっはっはっはあ!
み: この、究極の営業スマイルは‥‥
バ: これはこれは、みぬき嬢ッ!
また会えるとは!
あるまじきシアワセ!
み: きゃあっ、バランさん!
お元気でしたか!
みぬきも、会えてうれしいです!
バ: それはそうでしょう。
王: (まばたきもせずに
言いきったな‥‥)
バ: それで、みぬき嬢。
今日は、どうされたかな?
バランへの花束は、ステージの幕が
下りてからの、ふたりの呪文。
み: あの。今日は、お祝いの
ごアイサツに来たんです!
大魔術ショーの開演、
おめでとうございます!
バ: なあに‥‥バランとしては、
みなさまにお祝いを申し上げたい。
奇跡のショーを見ることのできる、
幸運な大衆のみなさまにねッ!
王: (やれやれ‥‥)
バ: 或真敷 天斎の奇術が、
このバランの手によって蘇る!
まさにあるまじきッ!

(「大魔術ショー」を聞く)
み: ものすごい人気なんだよ!
今回の大魔術ショー。
<<或真敷一座>>の奇跡が、
7年ぶりに蘇るんですからね!
バ: ‥‥みぬき嬢。
あなたにはモウシワケない。
本来ならば、このショーは
あなたの父上が行うべきだった。
み: パパ‥‥‥
バ: ”兄弟子”・或真敷 ザック。
あのような事件がなければ‥‥
み: ‥‥もう、いいんです。
パパのことは。
バ: あなたの父上は
偉大な魔術師だった。
彼が生きていれば‥‥
このバラン。
よろこんで、彼の助手として
ステージに立っていたでしょう!
み: バランさん‥‥ありがとう。
でも、みぬき。
うれしいんです!
お師匠さんの魔術が、
また見られるんですから!
王: (みぬきちゃん‥‥
ホントにうれしそうだな)

(「或真敷 天斎」を聞く)
バ: 我が師匠・或真敷 天斎こそ、
まさに魔術の”創造神”‥‥
彼が生み出した魔術は、いつも
ワレワレの想像を超えていた。
み: みぬき、まだ小さかったけど。
一生、忘れません。
天斎師匠が乗ったスポーツカーが、
客席のはるか上空を走り回って‥‥
超音速で宇宙へ消えていった、
あの日のコト!
王: (思い出に、多少の演出が
入ってるみたいだな)
バ: この7年間。全世界が
”奇跡”の復活を熱望していた。
<<或真敷一座>>‥‥その奥義を
受け継ぐモノとして。
そのキタイにこたえることは、
神より与えられた使命にひとしい!
王:あの‥‥
バ: ナニかな。名もなき大衆を
代表する、名もなき青年よ。
王: そんなに世界が待っていたのなら、
どうして7年もほったらかしに?
バ: ふう‥‥‥
青年は、ご存じないやもしれぬ。
しかし、この世界は”法律”という
魔術に支配されている。
王: ‥‥聞いたことはあります。
魔術かどうかは知りませんけど。
バ: 或真敷 天斎の”奇跡”‥‥
その上演は、実現不可能だった。
‥‥この7年間。ある”法律”が
ジャマをしていたのですよ。
王: (”7年”‥‥
なんか、引っかかる数字だな)
み: ‥‥あの。
どういうことですか?
バ: ”興行権”というヤツですよ。
みぬき嬢。

(「興行権」を聞く)
み: あの‥‥
”興行権”というのは‥‥?
バ: 天斎の魔術を支えているのは、
きわめて独創的な”トリック”。
それは、彼の”財産”として、
法律で守られているのです。
王: <<知的財産>>というヤツですね?
バ: さよう。天斎は、それを
”遺産”として、相続させたのです。
‥‥ある人物に。
王: まさか‥‥その”人物”って!
バ: そうなのです、みぬき嬢。
それが、あなたの父上‥‥
或真敷 ザックだったのです!
み:パパ‥‥
バ: しかし。みぬき嬢もご存じのとおり。
あなたの父上は、その。
7年前‥‥この世界から
姿を消してしまった。
王: (どうやら‥‥
ハナシが見えてきたな)
ある人物が”行方不明”になって、
一定の期間が過ぎた場合‥‥
その人物は”死亡”したことになる。
‥‥そういうことですね?
バ: ‥‥そのとおり。
よくご存じだ。半ソデのヒトよ。
その”期間”‥‥
それが、すなわち7年なのですよ。
み:あ‥‥‥
バ: つまり、みぬき嬢‥‥
言いにくいことではあるが。
今年の、春‥‥4月。
あなたの父上は、法律的に
”死亡”したことになるのです。
そして、あなたの父上の正式な
遺言状が残されていない以上‥‥
師匠・天斎の秘術は、このバランに
相続されることになるのです。
‥‥それが、師匠の遺志として、
書類が残されているので。
み: そう、なんですか?
オドロキさん。
王: そうだね。いわゆる
<<失踪宣告>>‥‥というヤツだ。
み: ‥‥パパ‥‥


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