第4話『逆転を継ぐ者』第1回法廷(その1)

表セリフ集一覧に戻る

王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
成歩堂 みぬき…赤
裁判長…緑
牙琉検事…茶
宝月 茜…桃
絵瀬 まこと…黄緑
絵瀬 土武六…灰
或真敷 バラン…薄橙
葉見垣 正太郎…橙
或真敷 ザック…青
糸鋸 圭介…黄土
原灰…黄
ラミロア…藤
牙琉 霧人…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


←この前のセリフ



10月8日 午前9時48分
地方裁判所 被告人第6控え室

王: おはようございます!
ま: ‥‥‥‥‥‥‥‥
み: あ。まことさん、って
いうんですよね!
あたし、成歩堂 みぬきです!
よろしくおねがいしますね!
ま: ‥‥‥‥‥‥‥‥
み: あの! みぬきたち、
ミカタですから!
なんでも、話してくださいね!
ま: ‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥おはようございます‥‥
王: ‥‥!
(しゃ‥‥しゃべった!)
み: うーん‥‥そうですねー。
できれば、もっとニッコリして
しゃべった方がいいと思います。
ホラ。まことさん、キレイだから。
ツカミがカンジンですよ!
王: いやいや。さすがにそれは
ムリな注文だよ。みぬきちゃん。
ま: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥よろしくおねがいします‥‥
み: ‥‥‥‥‥!
王: (‥‥そうきたか)
ま: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: (やれやれ‥‥また、
マニキュアを塗ってるぞ‥‥)
み: いいなあ! なんか、アレ。
”オトナのオンナ”って感じです!
ま: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥塗ってみますか?‥‥
み: きゃああっ! いいんですかッ!
王: やれやれ‥‥
(被害者の絵瀬 土武六さんは、
”贋作師”だった。
そして、アトリエからは、
盗まれた絵が発見された。
”犯罪”のニオイのする
生活が‥‥
事件を引き起こしたのかも
しれないな)


同日 午前10時
地方裁判所 第3法廷

裁: こッ。これより‥‥コホン。
絵瀬 まことの法廷を、その。
かッ! かッ! かッ!
‥‥開廷いたしますぞッ!
み: どうしちゃったのかな、
裁判長さん。
声はウラ返ってるし、
目は泳いでるし。
裁: ええと‥‥その。
本日の審理は、おそらく。
この国の法廷の歴史に、
長く、その名を
記すコトになるでしょうッ!
牙: ”裁判員”の試験的採用‥‥
新制度を採り入れるにあたっての、
貴重な第一段階、というワケだね。
み: あ! パパが言ってた
”ゴクヒ任務”‥‥
牙: 裁判員‥‥一般的に”陪審員”
として知られている。
判決に”民意”を反映させるため、
この国でも導入が検討されている。
王: でも‥‥法廷内に、ソレっぽいヒト、
いないみたいですけど‥‥
牙: この法廷は、3台の
テレビカメラが常時、とらえている。
すべての情報が、裁判員の手元に
届くようになっているのさ。
ショクン! サイコーにクールな
審理をおねがいするよ!
裁: こ、コラッ、牙琉検事!
それは、その。
私が言いたかったですぞッ!
牙: これはこれは、失礼‥‥
裁: それでは、ショクン!
今日は、その。
今日は、”くうる”な審理に
しようではありませんかッ!
王: (裁判員‥‥
彼らは”法律”に縛られない。
人々の”ココロ”が
反映される法廷‥‥
審理のゆくえに、どんな影響を
およぼすことになるんだろう)
裁: それでは、牙琉検事。
事件の説明をおねがいします。
牙: 被害者は、画家の絵瀬 土武六氏。
仕事場のアトリエで‥‥
コーヒーに盛られた
猛毒によって死亡した。
‥‥言うまでもなく、被告人。
絵瀬 まことクンがいれたものだ。

(王泥喜「異議あり!」)
王: コーヒー自体には、
毒は入っていなかったハズです!
牙: ふうん‥‥少しは
ベンキョウしてきているみたいだね。
たしかに。毒が検出されたのは‥‥
この、コーヒーカップだったのさ。
裁: カップ‥‥ですか。フチに、
クチをつけた跡が残っていますな。
牙: 死因についてだけど。
ここに、解剖記録がある。
裁: 証拠品として、受理しましょう。

証拠品<<土武六の解剖記録>>の
データを法廷記録にファイルした。
裁: この記録によると、
被害者の死因は‥‥
”アトロキニーネ”による
中毒死、とありますが。
牙: 自然界には存在しない化合物で、
致死量は0.002ミリグラム。
少しでも体内に入ったら‥‥
もう、死神の手から
逃れることはできない。
裁: それでは、牙琉検事。
証人をおねがいしましょう。
牙: 今回の、シンプルな事件に
ふさわしい、シンプルな人物‥‥
‥‥犯行の一部始終を
目撃したオトコさ。
王: (あの記者、というワケか‥‥)

牙: じゃあ、証人。
名前と職業をたのむよ。
葉: あッ! はい!
なんというか葉見垣 正太郎です!
職業は、オトコいっぴき。
王: つまり、ジャーナリスト、
というわけですね?
葉: あ! ちょっと。いいですか、
ちょっとワタシ、なんですけども!
裁: はい。なんですか?
葉: 決めつけはよくないと思う
ワケですよ、ワタシとしましては。
”先入観は、無限のサバクを
公園の砂場にする”ってゆう。
王: でも。ジャーナリスト
なんですよね?
きのう、そう言ってましたよ。
葉: ‥‥まあ、そうなんですケド。
いや、あのワタシ。ユメと野望を
抱いて、ここにいるワケです。
証言するかわりに、スクープを!
この事件の、独占記事を!
このハミガキがッ!
”あのハミガキ”にッ!
裁: ‥‥それでは、
さっそく証言していただきましょう。
王: (”最高にシンプルな事件”‥‥か。
そいつはどうかな‥‥?)

(目撃したこと)
葉: 『あの晩、9時ごろにスタジオを
訪ねて、取材をしました。』(証言1)
『ダレも入ったことのないアトリエ。
まさに報道史上に残る瞬間でした!』(証言2)
『取材を始めてすぐ、
ムスメさんがワレワレにコーヒーを。』(証言3)
『あとはみなさん、ご存じのとおり。
‥‥”巨星、落つ!”ってゆう。』(証言4)
『取材中、彼女以外に部屋に
入ってきた者はいませんでしたッ!』(証言5)
裁: ふむう‥‥なるほど。
たしかに、シンプルな事件ですな。
そう‥‥あなた自身が
毒を入れたのでなければッ!
葉: な。な。な。ナニを
言い出すんですか、あなたは!
裁: いやいや。なにしろ、
カメラが入っていますから。
私もこう、”キレモノ”っぽい
ところを見せておきませんとね。
牙: ホントにやってないんだろうね?
キミ。
葉: こ。こ。こ。これは、ワタシ!
アレじゃないですか!
<<言論のマッチポンプ>>ってゆう。
<<コンテンポラリーな魔女狩り>>
ってゆう!
コレは1本、特ダネになりますぞ!
ズバリ! <<コトバの暴力法廷>>!
牙: はっはっはっはっ。
たしかにねえ。
み: 牙琉検事。とても楽しそうです。
王: ううん‥‥ヒドいな。
裁: それでは、弁護人。
尋問をおねがいします。

(「証言4」をゆさぶる)
王: なんですか?
”キョセイ、オツ”って。
み: なんか、アレ。
ムカシの電報みたいですよね。
”カネオクレ タノム”
みたいな。
葉: かー。知らないんですか!
新聞のキマリモンクですよ。
大人物が亡くなるコトです。
おっきな星が落ちるワケです。
み: でも。ウチューって、
重力がないハズですよね?
落ちないと思うけどなあ、星は。
みぬきとしては。
王: ‥‥どうでもいいよ。
葉: いや、それ、ワタシ。たしかにッ!
一理ありますね、それは。
それなら<<巨星、割れる>>‥‥
いや、これじゃ伝わりにくい。
いっそストレートに<<巨星、死ぬ>>
‥‥いや、これじゃ意味がない。
ワザワザたとえ話にしなくても、
<<ドブロク、死ぬ>>でいいし‥‥
王: (もう少し、実になるコトを
聞いてみるか‥‥)

(「巨星のコーヒーのこと」を選択)
王: 土武六さんのコーヒーですけど。
実際に”飲んだ”ところは
見たんですか?
葉: モチロンですとも!
”見たモン勝ち、言ったモンは
もっと勝ち”‥‥ってゆう。
それが、ワレワレの世界ですから。
‥‥ただ。
王: ”ただ”‥‥なんですか?
葉: ”見た”というほども
ないですね、ワタシ。
”飲んだか飲まないか”‥‥
ある種、そんな感じでした。
ほんのヒトクチ、
クチをつけただけ、ってゆう。
裁: ふむう‥‥トンでもない
猛毒だったようですからな。
葉: ワタシの胃も、ある種、
すっぱくなりましたね。
出されたコーヒー、ワタシ。
”ゴク飲み”してましたので。
もしかして! そこに何か!
何か”トリック”があったとか!
どーなんですかその辺!
ヒトコト、おねがいしますッ!
王: (うっとうしいなあ‥‥)
裁: いかがですか?
今の証言は、重要ですかな?

(「重要である」を選択)
王: 被害者はコーヒーを飲んで、
すぐに倒れたワケですね?
葉: ええ。そのとおりと断言しても
さしつかえないと断言できましょう。
王: 裁判長! 今の発言は、
たいへん重要と考えます。
ただちに証言に加えてください。
裁: それでは、ただ今の発言を、
証言に加えていただきましょう。
葉: 重要! 承知しました!
『ヒトクチ、飲んだか飲まないか‥‥
その瞬間、彼は倒れたのです!』(証言6)

(「証言6」に「コーヒーカップ」をつきつける)
王: 問題は‥‥<<アトロキニーネ>>
という毒の”特性”です。
裁: とくせい‥‥ですか?
しかし。牙琉検事によりますと。
致死量は0.002ミリグラム、
中枢神経をマヒさせる‥‥
コレを飲んだとしたら、いくら
あなたでも、ヒトタマリも‥‥
王: (なんでオレなんだよ)
‥‥残念ながら、
牙琉検事の情報には‥‥
決定的に”欠けている”
部分があったのです。
牙: ‥‥‥‥‥‥‥
裁: かけている‥‥?
王: ‥‥たしかに、
アトロキニーネは猛毒です。
しかし。クチに入れたからと言って、
すぐに死が訪れるワケではない。
アトロキニーネの毒性は
”遅効性”ですからね!
裁: ちこうせい‥‥ッ!
葉: なんですかそれ‥‥ッ!
王: あるカガク捜査官によると、
アトロキニーネは‥‥

茜: 『毒性は、超・モーレツなんだけど、
体内への吸収は、意外にゆっくり!
呼吸器への影響が現れるのは、
服毒から最低15分はかかるわ。』

王: コーヒーを飲んだとき、被害者の
死は決定されました。しかし!
最後の一杯を楽しむ時間は
残されていたはずだったのです!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛にィィッ!
どういうコトですかッ!
弁護人の主張が
正しいのであれば‥‥
ただ今の証言は、
アキラカにムジュンしていますッ!
王: さあ‥‥いかがですか、
証人!
葉: ちこうせい‥‥ああ、ちこうせい。
その、モードクは‥‥
本記者のカラダを、今になって
むしばみ始めたのだったッ!
み: ‥‥特ダネを
書き始めちゃいましたね。
王: (やれやれ‥‥)

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: ‥‥ハミガキくん、だっけ?
もう一度‥‥よおく
思い出してくれないかなあ。
葉: は、はい?
牙: ホントに、”ヒトクチ飲んだ瞬間”
被害者は死んだのかなあ?
重要なコトだから、
よーく考えて欲しいんだけど。
葉: あ、ワタシ。
こう思うんですけどもワタシ。
いわゆるそれは‥‥
”パブリックなホノめかし”
‥‥ってゆう。
牙: まあ、たしかに。
カレが即死ということになれば。
この事件は”シンプル”なものでは
なくなってくるね。
その場合‥‥キミは当然、
記事を書けなくなるわけだ。
葉:え‥‥
牙: だって、そうだよね?
スイソクで記事は書けない。
他の記者たちも、やがては
このネタをかぎつけるだろうし。
ちょっと残念だけど、独占記事は
あきらめるしかない、か。
葉: すくーぷ‥‥すくうぷ‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あ。あの。ちょっとワタシ。あの。
ちょっと、ワタシなんですけれども。
裁: な。なんですか。
ちゃんと聞いてますからッ!
葉: お。お。思い出したんですよ!
ある種、その。
<<記憶のリバイバル>>ってゆう!
<<思い出のサバイバル>>ってゆう!
王: ‥‥イミがわかりません。
葉: そういえば‥‥取材の中で、ワタシ。
気がついたコトがあったのですよ!
”なかなか効かない毒”のコトは
聞いていたものですからね!
牙: ‥‥きみ自身も、ヒトの話を
なかなか聞かないみたいだけどね。
裁: 証人! それは、このナゾの
ヒントになるコト、なのですか?
葉: えー、モチロンですとも!
”猛毒のムジュン”という”猛毒”
を解毒する”解毒剤”‥‥ってゆう。
王: ‥‥だから、
イミがわかりません。
葉: メンミツな取材の結果、
ワタシには見えたのですよ。
ダレが、あのコーヒーに
毒を入れたか‥‥

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛にッ!
牙: どうやら‥‥変えるつもりは
ないみたいだね。
”コーヒーを飲んだ、次の瞬間に
死んだ”という証言を。
葉: モチロン! 変えるつもりは
ありませんよ!
この事件の独占記事を書く
という、ワタシのユメもね!
牙: ‥‥‥‥‥やれやれ。
そりゃあそう、だろうな‥‥
王:‥‥‥?
牙: あのオトコが”シンプルな事件”
なんか、選ぶはずがない。
裁: ”あの、おとこ”‥‥?
牙: 成歩堂 龍一だよ。
王:‥‥‥!
牙: オーケイ、ハミガキくん。
話を聞かせてもらおうじゃないか。
何か、気づいたことが
あるんだって?
葉: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: 本法廷は、裁判員という新制度を
検討するべき、重要な場です。
ギモンの余地は、
残すべきではありません。
”気になったこと”について、
証言していただきましょう!

(気になったこと)
葉: 『ワタシがアトリエを訪ねたとき‥‥
土武六氏、机に向かっておりました。』(証言1)
『手紙を書いていたようですが‥‥
あわてて封筒に封をしました。』(証言2)
『そのときは何とも
思わなかったのですが‥‥』(証言3)
『もしかして。アレこそは”遺書”
というヤツだったのではッ!』(証言4)
裁: ふむう‥‥”遺書”ですか‥‥
葉: 何やら、ムズカシイ
カオをしてましたからな。
いわゆる”4次方程式ヅラ”
ってゆう。割り切れない感じの。
み: なるほどー‥‥”自殺”かあ。
ドブロクさん、キノドクだけど。
それなら、まことさん。
やっぱり、ムジツです!
王: いくらなんでも、取材中に
自殺はしないと思うけどなあ。
み: ううう‥‥
裁: それでは、尋問をおねがいします。

(「証言2」をゆさぶる)
王: 手紙を‥‥?
葉: ”取材は不意ウチ、だましウチ”
‥‥ってゆう。
‥‥これが、何よりも有効なのです。
王: ‥‥どういうことですか?
葉: あの晩、ワタシ。ヤクソクの
15分前に、スタジオに到着。
いきなりガチャとこう、ドアを
開けて侵入してやったワケですよ!
王: ‥‥それは、ちょっと
マズかったのでは。
葉: ドブロク氏、みっともないほど
大あわてでしたな。
書き終えたらしい手紙を、
黄色の封筒にしまいこみましたよ。
ピンと来ましたね。
アレにヒミツがある、って。
裁: ふむう‥‥たしかに、
イミありげですな。
いかがですか? 弁護人。
王: (どうだろう‥‥?
何か、大事なコトを
言ったような気もするような)


次へ→