王泥喜 法介…紺 | |
成歩堂 龍一…黒 | |
成歩堂 みぬき…赤 | |
裁判長…緑 | |
牙琉検事…茶 | |
宝月 茜…桃 | |
絵瀬 まこと…黄緑 | |
絵瀬 土武六…灰 | |
或真敷 バラン…薄橙 | |
葉見垣 正太郎…橙 | |
或真敷 ザック…青 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
原灰…黄 | |
ラミロア…藤 | |
牙琉 霧人…紫 |
地方裁判所 被告人第6控え室 | |
み: |
ええと‥‥ ケッキョク、どういうコト だったんですか? オドロキさん! |
王: |
だから。殺害された 絵瀬 土武六さんは、いわゆる‥‥ ”絵瀬 土武六さん”じゃ なかった、ってコトだよ。 |
み: |
え? じゃ、ダレだったんですか? |
王: | いや、だからそれは‥‥ |
ま: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
(‥‥この状況を知ってか知らずか、 ご本人はマニキュア塗り、か) やっぱり‥‥その。 あなたが<<贋作>>を‥‥? |
ま: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥そうです‥‥ おとうさんの、かわりに‥‥ ‥‥イケナイこと、 でしたのですね‥‥ |
み: |
あの。みぬきたちに、 聞かせてくれますか? |
ま: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥おとうさんは、画家でした‥‥ ‥‥わたし、小さい頃から 絵を描くのがスキで‥‥ ‥‥ある日。おとうさんが、 気がついたんです‥‥ ‥‥わたしに‥‥その。 ”チカラ”があることに‥‥ |
み: |
チカラっていうのが‥‥その。 ”贋作”の‥‥? |
ま: |
‥‥なんて言うんでしょう。 ”絵”だけじゃないんです‥‥ ‥‥材料さえあれば、 なんでも”つくる”ことが‥‥ |
王: | なんでも‥‥? |
ま: |
‥‥おとうさんも、喜んでくれて。 わたし、うれしかった‥‥ ‥‥それが‥‥ いつのまにか‥‥ |
王: | <<贋作>>‥‥ですか。 |
ま: |
‥‥わたし。身体が弱いし。 性格も、こんなだから‥‥ ‥‥あまり、ソトの世界の コトは、わからなくて‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥おとうさんは‥‥ わたしのせいで‥‥ |
み: | じゃあ、この、赤い封筒は‥‥? |
ま: |
‥‥見おぼえがあります。 もう、ずっとムカシ‥‥ |
王: |
じゃあ。 そのころから、もう‥‥その。 ”作品”を作っていたんですか? |
ま: |
‥‥12才のコロから やっていましたから‥‥ |
王: |
じゃあ! 切手のウラの”毒”を 見抜いたのは、やっぱり‥‥ |
係: |
‥‥弁護人! そろそろ時間です! 法廷へおねがいします! |
王: |
は、はい! (時間切れ、か‥‥) |
み: |
あ! まことさん! コレだけ聞かせてください! アトリエにあった、 3枚の絵、ですけど‥‥ |
ま: |
‥‥あれも、わたしが お仕事で描いたものです‥‥ |
み: |
調査をしていたら‥‥ みぬきたち。見てしまったんです。 3枚のキャンバスの下に 隠されていた”下絵”を‥‥ |
ま: |
‥‥そう、だったんですか‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥弁護士さん‥‥ |
王: | ‥‥はい! |
ま: |
‥‥わたしのおとうさん‥‥ 知っていたみたい、です‥‥ ‥‥あなたがたのことを‥‥ |
王: | 亡くなった、おとうさんが‥‥? |
ま: |
‥‥”成歩堂法律事務所”‥‥ ‥‥いつも、情報を 集めていたんですよ‥‥ |
み: |
で。でも! みぬきたち、最近は‥‥ |
ま: |
‥‥おもしろおかしく手品をしたり ピアノを弾いてるんですね‥‥ |
み: | おもしろおかしく‥‥ |
ま: |
‥‥最近、弁護のおシゴトを 再開されたと聞いて‥‥ ‥‥おとうさんも、それは 喜んでいました‥‥ |
み: |
‥‥ドブロクさん、って‥‥ いったい、ダレなんですか? |
王: | ‥‥オレが知ってるワケないだろ? |
み: |
もしかして! 土武六さん、 パパのパパ、だったりして! |
王: |
トシの感じからして、 それはアヤしいと思うぞ。 (みぬきちゃんと成歩堂 龍一の 親子関係ぐらい、な‥‥ <<贋作師>>は、 ムスメのまことさんだった。 これがいったい、事件にどんな 影響を、およぼすんだろう‥‥) |
地方裁判所 第3法廷 | |
裁: | それでは、審理を再開します。 |
ま: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
(まことさん‥‥かなり キンチョーしてるみたいだ。 ‥‥せわしなく、 ツメなんか噛んでるぞ) |
牙: |
じゃあ‥‥まず。 聞かせてもらおうかな。 <<贋作師・絵瀬 土武六>>という ”仕組み”について、ね。 |
ま: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
(また、だ‥‥まことさん。 牙琉検事のカオを見つめてるぞ) |
み: |
クヤシイけど、カッコいい ですからねー。牙琉検事。 |
王: | なんで”クヤシイ”んだよ。 |
裁: |
それでは、おじょうさん。 うかがいましょうか。 あのニクむべき<<贋作>>は、 本当に、アナタが‥‥? |
ま: | ‥‥‥! |
牙: |
‥‥じゃあ、ぼくの質問に 答えてくれるかな? あの絵を描いたの、キミなの? ‥‥とても、よく似ていたけど。 |
ま: |
‥‥あ‥‥はい‥‥ ‥‥あれ、わたしが描きました‥‥ ‥‥おとうさんが、 よくホメてくれたんです‥‥ |
裁: |
やはり‥‥<<贋作>>は、 この少女がやっていたようですな。 |
牙: |
しかし。”ウラ”の事情までは 見せたくなかった。 だから、被害者が<<身代わり>>を つとめていた、というわけだね。 ‥‥表向きは<<贋作師>>として。 |
ま: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥わたし‥‥やっぱり。 悪いコトを‥‥? |
牙: |
とにかく‥‥もう少し、 情報がほしいね。 たとえば、そうだね。 ‥‥コイツについて。 |
王: | ‥‥! |
牙: |
‥‥どうだろう。 見たコトは、あるかな? |
ま: |
‥‥は。はい‥‥ 机の引き出しに入ってた‥‥ |
裁: |
それでは、証言を おねがいしましょう。 この封筒について、 知ってることを教えてください。 |
ま: |
『‥‥わたしが作った”作品”は、 おとうさんが売ってくれて‥‥』(証言1) 『‥‥この封筒は、はじめて”絵”で ないものを作ったときに‥‥』(証言2) 『‥‥”とりひき”は、おとうさんが やってくれていたので‥‥』(証言3) 『‥‥わたしは‥‥封筒に入っていた ”切手”をもらったんです‥‥』(証言4) 『‥‥そのシゴトのあと、今の アトリエに移りました‥‥』(証言5) |
裁: |
ふむう‥‥ どうも、さまざまな興味深い 事実が含まれた証言でしたな。 |
牙: |
‥‥ご本人は 気づいていないようだけどね。 |
裁: |
それでは、 尋問をおねがいします! |
王: |
はいッ! 大丈夫ですッ! (贋作師<<絵瀬 土武六>>‥‥ その正体について、 情報を集めるんだ!) |
王: |
まことさんの”作品”と いうのは、ええと。 ”ソックリ”に描いた絵のこと、 なんですか? |
ま: |
‥‥似ていれば似ているほど おとうさんが喜んでくれて‥‥ ‥‥わたしも うれしくって‥‥ |
裁: |
しかし。あなたはその。 ずいぶん若いようですが‥‥ いったい、いつごろから? |
ま: |
‥‥はじめて絵が売れたのは、 12才のときでした‥‥ |
王: |
‥‥裁判長ッ! 彼女は、それが法律に触れる とは知らなかったんです! |
牙: |
‥‥まあまあ。 キミが今、弁護しているのは‥‥ 彼女の”贋作”では ないんじゃないかな? |
裁: |
ふむう‥‥そうですな。 今は、土武六氏を殺害したかも しれない、この一通の封書‥‥ これについて、 お話をうかがいたいですな。 |
ま: | ‥‥わかりました‥‥ |
王: |
”初めて”というと‥‥ それまでは、<<絵>>だけを 描いていたんですか? |
ま: |
‥‥そうです‥‥ ‥‥でも、おとうさんが 気づいたんです‥‥ ‥‥わたしが再現できるのは、 ”絵”だけじゃないコトに‥‥ |
王: | と、いうと? |
ま: |
‥‥たとえば‥‥誰かの書いた お手紙とか‥‥ ‥‥コップにさわったときの 指先の”跡”とか‥‥ ‥‥書類に書かれたサインとか、 ハンコとか‥‥ |
王: |
(‥‥ゼンブ、キナくさいもの ばっかりじゃないか!) |
牙: |
つまり。この封書の ”1000万円”のシゴト。 コイツがキッカケだったわけだ。 <<絵瀬 土武六>>の新事業の、ね。 |
裁: | あたらしい‥‥”事業”? |
牙: |
<<犯罪事件の証拠品>>の贋作。 ひらたく言えば、そう‥‥ ”ねつ造”かな。 |
王: | (なんてこった‥‥) |
王: |
じゃあ‥‥あなたは、自分の作品に どういうイミがあったかは‥‥ |
ま: |
‥‥わたし、絵を描くのが スキですから‥‥ |
牙: |
とにかく、彼女は‥‥ ちょっとフツウじゃない世界に 生きてきた少女、というワケだね。 |
王: |
それじゃ、まことさん。 この封書のときも、書類は‥‥? |
ま: |
‥‥おとうさんがサインして 送り返したと思います‥‥ |
王: |
ええと。この手紙の指示に したがったんですか? ”同封の封筒に、同封の切手を 貼って返送すること”‥‥ |
ま: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
裁: |
重要なコトですからね。 よく考えて、おねがいいたします! |
王: |
切手を”もらった”‥‥ ど。どういうことですかッ! |
ま: |
‥‥あの。 いけなかったのでしょうか‥‥ |
王: |
だ。だって! その切手を使わなかったのは‥‥ ウラに、モードクがッ‥‥! アトロキニーネがッ‥‥! |
牙: | ‥‥待ちなよ、おデコくん。 |
王: | ‥‥‥! |
牙: |
コタエを押しつけちゃダメだよ、 弁護士クン。 さあ‥‥ ぼくに聞かせてくれるかな? きみは、どうして切手を ”もらった”のか‥‥? |
ま: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
裁: | ? どうしましたかな? |
ま: |
‥‥とても‥‥ キレイだったから‥‥ |
裁: |
はあ‥‥いわゆる、その。 ”記念切手”というヤツですかな? |
ま: | ‥‥きっと、それです‥‥ |
王: |
じゃあ‥‥そこに ”毒”が塗られていたコトは‥‥? |
ま: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (知らなかったみたいだな) |
牙: |
‥‥この”ワナ”は、 たまたま失敗した、ってコトかな。 その”記念切手”のおかげで。 |
裁: |
ふむう‥‥ あぶないところでしたな。 |
王: |
<<どぶろくスタジオ>>に 引っ越した、ってコトですか? |
ま: |
‥‥はい‥‥ ヒトと会わなくなって‥‥ ‥‥わたしは、絵本の 絵を描くようになりました‥‥ |
牙: |
この依頼がキッカケで、”犯罪”と つながりを作ってしまったのならば。 世間から隠れようとした 気持ちも、リカイできるね。 |
ま: |
‥‥どうしても、ヒトと会う 必要があるときは‥‥ ‥‥おとうさんが<<作者>>として 応対してくれるんです‥‥ |
王: |
それが、画家<<絵瀬 土武六>>の 正体だったんですね‥‥ 作品を”描く”のはあなた。 作者の”カオ”は、父親の土武六氏。 |
裁: |
どうやら‥‥あなたは、 何も知らなかったようですね。 ‥‥身の回りで、どんな 危険なコトが起こっていたか‥‥ |
牙: | 知らなかったそうだよ。 |
王: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ その”記念切手”ですけど。 もう少し、詳しく 聞かせてもらえますか? |
ま: |
‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥キレイだったんです。 そして、なによりも‥‥ |
王: | なんですか? |
ま: |
‥‥わたしの大好きな人たちの 絵が描いてありましたから‥‥ |
王: |
‥‥‥! (は。はじめて聞く情報だ‥‥) |
牙: |
‥‥どうやら、尋問はまだ つづくみたいだね。 証言をつづけてもらえるかな? ‥‥おじょうさん。 |
ま: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 『‥‥切手は、大好きな魔術師の 絵だったから、もらったの‥‥』(証言6) |
王: |
あなたが好きな<<魔術師>>‥‥ それは、コイツらですかッ! |
ま: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
み: |
こらッ! なんですか、 ”コイツら”って! |
裁: |
ふむう‥‥なるほど。 それにしても‥‥なぜ。 わざわざ”びじねす”の文書に、 記念切手など、同封したのでしょう。 |
王: | たしかに‥‥そうですね。 |
み: |
キレイな切手の方がいいですよ! <<或真敷一座>>なら、なおさらです。 |
裁: |
しかし、そのせいで 殺害計画が失敗したのであれば‥‥ ヒニク、と言うしかありません。 ‥‥いかがですか? 牙琉検事。 |
牙: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
裁: | ‥‥牙琉検事? |
牙: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ あるまじき‥‥あるまじき‥‥ |
王: |
(なんだ‥‥? 牙琉検事の ようすがオカシイ‥‥) |
牙: |
‥‥おじょうさん。 ひとつだけ、いいかな‥‥? |
ま: | ‥‥‥‥‥‥? |
牙: |
‥‥今、こう証言したね? 『この依頼で、はじめて‥‥ ”絵”以外のものを”作った”』 |
ま: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
牙: |
‥‥教えてくれないか。 いったい、そのとき”作った”のは、 なんだったのか‥‥? |
ま: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥どうして、ですか‥‥ |
牙: |
いいからッ! 答えて! ‥‥早くッ! |
ま: | きゃああああああっ! |
裁: |
が。牙琉検事‥‥? どうしたのですか。 あなたが声を荒くするなんて‥‥ |
牙: |
‥‥たしかに、ぼくらしくない。 あやまるよ。 でも。‥‥聞かせてほしいんだ。 おねがいするよ。おじょうさん。 |
ま: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥本‥‥でした‥‥ ‥‥ある”本”の、 1ページを作りました‥‥ |
牙: |
”ほん”‥‥ もう少し、セイカクにたのむよ。 |
ま: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥手書きの、本‥‥ あれは‥‥日記、のような‥‥ |
牙: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ウソだッ! そんな‥‥バカなッ! |
み: |
ど。どうしたのかな、 牙琉検事‥‥マッサオです。 |
牙: |
‥‥おじょうさん。 その”本”だが‥‥ ウラ表紙に<<シルクハット>>が 描かれていた! ‥‥どうだい! |
ま: |
‥‥‥‥! ‥‥どうして、それを‥‥ |
王: |
‥‥牙琉検事! 被告人は、キチンと証言している! そんな聞き方は、やめてください! |
牙: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ キミは‥‥ 聞いていないのか。何も。 ‥‥キミの、 ウスよごれたセンセイから! |
王: | ウスよごれた‥‥? |
牙: |
‥‥成歩堂 龍一だよ。 決まってるだろ? |
み: | ‥‥パパ‥‥? |
牙: |
あのオトコが、今から 7年前‥‥ 弁護士バッジを 奪われることになった法廷。 |
王: | ‥‥‥! |
牙: |
‥‥彼の運命を決定したのは、 ある”証拠品”だった。 ‥‥一冊の、手記。 ウラ表紙に<<シルクハット>>の マークが刻まれていた‥‥ |
王: | ‥‥なんですってェェェ‥‥ッ! |
王: |
(”ニセの証拠”で、法曹界を 追放された、成歩堂 龍一‥‥ ‥‥その証拠を ”作った”贋作師が‥‥ 目の前の、この‥‥ この子だっていうのか‥‥ッ) まことさん! ‥‥教えてください。 7年前の、あの法廷で‥‥ <<絵瀬 土武六>>‥‥”あなた”に 証拠品のねつ造を依頼した人物は! ‥‥いったい。誰だったのですか! |
ま: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥わたし。一度しか 会ったことがなくて‥‥ |
王: |
一度‥‥ ”会った”んですか! どんな‥‥ どんな人物だったんですか! |
ま: |
‥‥それは‥‥ ‥‥それは‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
み: |
まことさん‥‥ どうしちゃったのかなあ。 また、牙琉検事のカオを じっと、見つめてますけど‥‥ |
牙: |
な‥‥なんだい? ぼくが、どうかした‥‥? |
ま: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥ハッキリ、おぼえてます‥‥ ‥‥あのとき、わたしに 本をわたしてくれたヒトは‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: | 誰だったんですかッ! |
ま: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ぐっ‥‥ ごほっ! |
王: | ま‥‥まことさんッ! |
‥‥ドサッ‥‥ | |
被告人・絵瀬 まこと: 証言中、人事不省の重態。 医師の診断:猛毒・アトロキニーネ による、急性中毒。 | |
‥‥以上が、<<絵瀬 土武六>>殺害 事件の公判‥‥その、全記録です。 絵瀬 まことは、審理中。 何者かに、毒を盛られたようです。 致死量にわずかに足りなかったため、 一命はとりとめましたが‥‥ 現在、集中治療室にて、 予断を許さない状況です。 ‥‥こうして。 単純に見えた事件は‥‥ ここへ来て、その真の姿を 闇の彼方へくらましたのです。 真実への長い旅‥‥ここに、 もうひとつの裁判記録があります。 ある種”出発点”ともいえる 審理の記録です。 ‥‥私たちは、そこに 立ち会わなければなりません。 ‥‥そう。すべてを知るために‥‥ |