王泥喜 法介…紺 | |
成歩堂 龍一…黒 | |
成歩堂 みぬき…赤 | |
裁判長…緑 | |
牙琉検事…茶 | |
宝月 茜…桃 | |
絵瀬 まこと…黄緑 | |
絵瀬 土武六…灰 | |
或真敷 バラン…薄橙 | |
葉見垣 正太郎…橙 | |
或真敷 ザック…青 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
原灰…黄 | |
ラミロア…藤 | |
牙琉 霧人…紫 |
成: |
ハミガキさん。 この方、ご存知ですよね? |
葉: |
ああ。モチロンです! ザック氏とはトモダチでしたから。 ‥‥5発、パンチは食らいましたが。 モチロン、奥さんも 存じ上げてますよ。 |
成: |
この人は、或真敷 優海。 ザック氏の奥さんで‥‥ 或真敷 天斎の ひとりムスメです。 ‥‥詳しく 聞かせていただけますね? |
葉: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ま。ま。いいでしょうッ! |
葉: |
優海さん‥‥ザック氏と結婚して、 みぬきさんが生まれたワケですが。 じつは、アレ。 再婚だったそうでしてね。 |
成: |
さいこん‥‥? (初めて聞く情報だ‥‥) |
葉: |
なんでも、前のダンナさんも 芸人さんで。 ステージで イノチを落としたそうです。 結婚して、1年も たたないうちの悲劇、ってゆう。 |
成: | そうだったんですか‥‥ |
葉: |
‥‥キレイなヒトでしたよ。 今でも、写真を持ってますがね。 みぬきさん、小さい頃から 知ってますがね。 ‥‥彼女はまだ、 シアワセなほうだと思いますよ。 あなたという”家族”が いるワケですからね。 |
成: |
‥‥‥? どういうことですか? |
葉: |
いやね。思い出したんですよ。 優海さんには‥‥もうひとり。 子供がいたな、ってゆう。 |
成: |
なんですって! でも! ‥‥みぬきは ”ひとりっ子”と聞いています! |
葉: | ああ。‥‥前の夫ですよ。 |
成: |
前の‥‥? ステージで亡くなったという、 最初のダンナさんですか? |
葉: |
たしか。ひとり。 コドモがいたはずですよ。 その子も、両親が いないワケですから‥‥ 今、どこでどうしているやら。 |
成: |
(優海さんの、 もうひとりの”子供”‥‥) このポートレイト‥‥ 貸していただけますか? |
葉: |
‥‥どうぞ。たまには ココロよくさしあげますよ。 |
手に入れた。 | |
成: |
(こっちのロケットは、 もう使わないな‥‥ 忘れないうちに、みぬきに 返しておこう) |
葉: |
事件とヒトはむすびついて、 どんどんどんふくらんでいく‥‥ そうは思いませんか? |
成: |
(そんなコトより、”どん”が 1ヶ、多かったような) |
葉: |
‥‥すべてを解きほぐすのは 不可能だと思いますね。ワタシは。 |
成: |
そうかもしれません。 ‥‥でも、とにかく。 ぼくは、ぼくにできることを するだけです。 そして‥‥見つけだした手がかりを、 ”次”の連中に伝えます。 |
葉: | ”次”‥‥ですか。 |
成: |
この物語の幕を引くのは ぼくじゃない。 ぼくには、そんなケンリは ないようですからね。 |
葉: | ‥‥天斎なら‥‥ |
成: | ‥‥‥? |
葉: |
天斎なら、アナタのそのコトバに 何を見いだしたでしょうな。 |
成: | どういうことですか? |
葉: |
気づいているのではないですか? みぬきさんを見ていれば。 或真敷の”チカラ”‥‥ |
成: |
‥‥みぬきに、 ウソをつくことはできません。 |
葉: |
天斎も、そうでした。 そして、そのむすめさん‥‥ 優海さんもね。 |
成: |
‥‥フシギなチカラです。 或真敷”一族”のものなんですか? |
葉: |
天斎から聞いたことがありますよ。 優海さんと結婚したザック氏も、 いい”目”を持っていたが‥‥ やはり、或真敷の目には 勝てなかったようです。 |
成: |
(‥‥ポーカーの勝負を やったのかな‥‥) ”或真敷の秘密”。 それを知っているのは‥‥ |
葉: |
ザック氏が死んだ今、 もう、いないのかもしれませんね。 |
成: | (或真敷 ザック‥‥か) |
成: |
‥‥ここへ来てついに、事件は そのすべての姿を見せ始めた。 <<或真敷一座>>の”歪み”が生んだ 事件は、すべてを飲み込み‥‥ 最終的に、その”チカラ”に 収束しようとしていた。 或真敷 天斎‥‥或真敷 優海から うけついだ、次の世代へ‥‥ その架け橋になる人物に、もう一度。 ‥‥ぼくは、会わなければならない。 |
成: |
彼女の”チカラ”が 気になっていました。 ヒトのココロを見抜くような、 あのフシギな”チカラ”‥‥ はじめて目にしたときは、 ビックリしましたよ。 |
ザ: |
ビックリしたあとは‥‥ ”勝負”に利用していたようだが? |
成: | まあ‥‥使えるモノは使わないとね。 |
ザ: |
しかし。私自身には、 そんな”チカラ”はない。 |
成: |
それじゃあ、みぬきちゃんに ”チカラ”があるのは‥‥ どうしてですか? |
ザ: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
成: |
みぬきちゃんの”チカラ”は、 ”彼女”から受け継いだんですね? あの子の、おかあさん‥‥ 或真敷 優海さんから。 |
ザ: | そのハナシはしたくないッ! |
成: |
優海さんは”行方不明” ということでしたね。 なぜ、あなたが優海さんの話を したくないか。その理由は‥‥ |
成: |
‥‥これは、有名な話です。 誰もが知っている。 あなたがた3人は、 かつて<<チーム>>だった。 一時は、この国で 最も有名な3人でした。 そして‥‥一方で、もうひとつ。 誰も知らない話がある。 優海さんは、リハーサルの最中に イノチを落とした。 あなたと‥‥或真敷 バランさんの ”弾丸”によって。 |
ザ: |
事故だったんだ! それに‥‥私ではないッ! この私が、優海を撃つはずがない! |
成: |
‥‥バランさんも 同じことを言うでしょうね。 或真敷 天斎氏の 事件と同じように。 |
ザ: | くそッ! |
ザ: |
‥‥私は、優海の目が好きだった。 ココロを見られる恐ろしさは あったが‥‥ それを包み込む優しさがあった。 彼女が死んで、或真敷 天斎も、 この世を去ってしまった‥‥ |
成: |
それじゃあ、その”チカラ”を 受け継いでいるのは‥‥ もう、みぬきちゃんだけ、 ということになるわけですか? |
ザ: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
成: | ザックさん‥‥? |
ザ: | さあ‥‥私には、わからないな。 |
成: |
(‥‥やれやれ。”チカラ”が なくても、ミエミエだな‥‥) みぬきちゃんの他にも‥‥ だれか、いるんですね? ”チカラ”を受け継いだ者が。 |
ザ: |
ば、バカな! そんなコト、わかるワケが‥‥ |
成: |
たしかに‥‥ ”奇跡”でも起こらないかぎり、 ぼくに知るチャンスはなかった。 しかし。‥‥その”奇跡”が、 起こったのかもしれません。 もうひとり、”チカラ”を持つ者。 ‥‥ぼくは、知っているんですよ。 |
ザ: | こ。この青年は‥‥? |
成: |
名前は‥‥忘れてしまいました。 なんか、ヘンな名前でしたが。 |
ザ: | いったい。ナニモノなんだ‥‥ |
成: | 弁護士です。 |
ザ: | べ。べんごし‥‥? |
成: |
知り合いの法律事務所を 訪ねたとき、見かけたんです。 |
ザ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥で? それがどうかしたかね? センセイ。 |
成: | ‥‥‥‥‥‥‥ |
ザ: |
いきなり、そんなコゾウの写真を 見せられてもな。 キミ自身が『それはボクです』と 言ってくれたほうが、笑える。 |
成: |
では、その笑いを 引っこめてあげましょう。 |
ザ: | ‥‥‥! |
成: |
たしかに、100%の 確証は、ありません。 しかし。この青年と優海さんを つなぐリング‥‥<<輪>>があります。 |
ザ: | リング‥‥だって? |
成: |
これを見れば、あなたも 認めるかもしれません。 ‥‥青年と優海さん。ふたりの 大きな”共通点”を示す証拠がある。 |
成: |
じつは‥‥ ぼくは、知っているんですよ。 優海さんは、 再婚だったそうですね。 |
ザ: | ‥‥‥! どうして、それをッ! |
成: |
結婚して1年もたたないうちに、 亡くなったとか。 |
ザ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 旅芸人だった。或真敷一座に 客演したときに知り合ったのだ。 優海はそいつと結婚したあと、 一時、一座を離れた。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 彼女は、そのときに子供を‥‥? |
成: |
ここに、彼女の写真があります。 初めてこれを見たとき、 イヤでも目に入りました。 ‥‥この、特徴的な<<腕輪>>‥‥ |
ザ: |
‥‥そいつは、或真敷の一家に 伝わっているものらしいな。 |
成: |
この青年は‥‥ これと、まったく同じ <<腕輪>>をつけていたのです。 |
ザ: |
なんだと‥‥ッ! やはり‥‥ そういうことだったのか! |
成: | 何か、思い当たることでも‥‥? |
ザ: |
この写真は、優海が一座を出ていく 前に、私が撮った。 アイツが帰ってきたとき‥‥ <<腕輪>>は、ひとつだけに なっていた。 |
成: | ひとつに‥‥そ。それじゃあ! |
ザ: |
‥‥この青年にやった。 そうとしか考えられない! |
ザ: |
フシギな”チカラ”‥‥その 由来など、私にはわからない。 ただ。或真敷一家に”それ”が 遺伝しているのは、ジジツだ。 |
成: | いったい‥‥なんですか? |
ザ: |
一度だけ、彼女‥‥ 優海に聞いたことがある。 彼女は、こう言っていた。 そのチカラは、”ヒトの緊張”に 反応するとか。 |
成: | きんちょう‥‥ですか。 |
ザ: |
そこに対面している相手が、 少しでも緊張すると‥‥ 相手がかくそうとしても、 それを感知してしまうらしい。 |
成: | ”見える”ワケですか? |
ザ: |
そこがフシギなところなのだが‥‥ 相手の緊張を”感知”したコトを、 自分で気づくコトはできないそうだ。 ある”道具”を使わないかぎりは。 |
成: |
どうぐ‥‥ もしかして、それが‥‥? |
ザ: | そう。”腕輪”というワケだな。 |
成: |
(初めて見たときからイミありげ だとは思っていたけど‥‥ あの腕輪に、どんなチカラが あるって言うんだ‥‥?) |
ザ: |
‥‥いいだろう。 私が知っているコトは、 ゼンブ話しておくよ。 |
成: |
今さら、言うまでもありませんが。 あのふたりは‥‥ |
ザ: |
ああ、どうやら。 兄妹、ということになるな。 そして、当然‥‥兄キも、 ”チカラ”を持っている。 |
成: |
みぬきちゃんに、お兄さん‥‥ どうしたものでしょうね。 |
ザ: |
‥‥成歩堂くん。 今夜、この勝負が終わったら‥‥ 私は、ふたたび身をかくす生活に 戻ることになるだろう。 |
成: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
ザ: |
あの子をヒトリにさせたくない。 できれば‥‥ |
成: |
わかりました。いつか折りを見て、 ふたりに伝えることにしますよ。 |
ザ: |
いや、すまないな。 ‥‥何からなにまで。 |
成: |
ホントですね。 なんで、こんなコトになったか‥‥ ぼくがイチバン、知りたいですよ。 |
ザ: |
あの腕輪は、特殊な金属で できているらしい。 ヒトの体温に合わせて、 ごくゆっくり、伸縮するとか。 |
成: | 体温に合わせて‥‥? |
ザ: |
そう。だから、つねに‥‥ つけた人間の手首と、ピッタリ 同じサイズになるのだそうだ。 |
成: |
‥‥それが”チカラ”と 何の関係があるんですか? |
ザ: |
さっきも言っただろう? 或真敷の”チカラ”は、 他人の”緊張”に反応する。 緊張を感じると、それに反応して、 こちらも緊張する‥‥ その緊張によって、わずかに 筋肉にチカラが入るんだ。 自分でイシキすることは できないがね。 |
成: |
筋肉が‥‥ じゃあ、その”腕輪”は‥‥ |
ザ: |
腕輪をしていると、筋肉の微妙な 収縮を”感じる”ことができる。 なにしろ、つねに腕輪は ピッタリのサイズだからね。 |
成: |
‥‥つまり。 腕輪がキツく感じたとき。 それはすなわち、相手が ”緊張”しているワケですね。 |
ザ: | まあ、そういうコトだな。 |
成: |
でも。それがわかったところで、 相手のココロはわかりませんよね。 |
ザ: |
‥‥そこから先は、 私にもわかるような気がする。 タンジュンに、 ”視力”のモンダイだ。 |
成: |
視力‥‥? (それはまた、ずいぶん シンプルなハナシだな‥‥) |
ザ: |
”動体視力”というコトバを 聞いたことは? |
成: |
動いているものを見る チカラ、ですか? 集中しているスポーツ選手は、 ボールが止まって見える‥‥ なんてハナシを聞いたことが ありますけど。 |
ザ: |
なにも、スポーツに かぎったことではないさ。 集中力は、ワレワレに いろいろなものを見せてくれる。 ‥‥表情の”一瞬の動き”から、 そのイミを読み取るコトもできる。 |
成: | ‥‥‥! |
ザ: |
”魔術”の秘密の一部は、 そこにあるのだ。 観客のココロの動きを 自在に操る必要があるからね。 |
成: |
じゃあ‥‥ケツロンとしては。 或真敷一族は”目がいい” ってコトですか? |
ザ: |
そういう言い方をすると ミもフタもないがね。 ”視力”と‥‥それから、 並はずれた”集中力”だな。 |
成: |
ううん‥‥ぼくには 見えそうな気はしませんけど。 |
ザ: |
もちろん、そんな”集中力”を 持続させることはムズカシイ。 だが、”集中すべき時”をダレかが 教えてくれたらどうだろう? |
成: | あ! それが、この”腕輪”‥‥ |
ザ: | ‥‥そういうワケだな。 |
成: |
で、でも。みぬきちゃんは、 そんなもの、持っていませんよ。 |
ザ: |
ポーカーの勝負だろう? ”集中すべきタイミング”なら、 腕輪がなくてもわかるさ。 |
成: | ‥‥‥! |
ザ: |
みぬき自身は 気がついていないだろうがね。 ‥‥私が知っている”或真敷”は、 これがすべてだ。 |
成: | ありがとうございました。 |
ザ: |
その青年の腕輪が本物ならば。 やがて、彼もそれを使って‥‥ ”チカラ”を目ざめさせることが できるだろう。 |
成: |
‥‥覚えておきます。 それでは、ゲームを はじめましょうか。 |
ザ: |
ああ‥‥ここまで話したんだ。 最後に、もうひとつ。 ‥‥あの晩のコトを話しておこうか。 |
成: | ”あの晩”‥‥? |
ザ: |
我が師匠‥‥或真敷 天斎が 天に召された、あの日のコトだ。 |
成: | ‥‥‥! |
ザ: |
2挺のピストルと、 2通の”脅迫状”‥‥ あれは、 天斎の<<テスト>>だったのだ。 |
成: | <<テスト>>‥‥ |
ザ: |
或真敷 天斎は、晩年。 私たちをギリギリまで苦しめた。 しかし、あのとき。 私には、撃てなかった。 ‥‥そこで、かわりに <<ピエロのヒタイ>>を撃ったのだ。 ‥‥どうやら。それが ”コタエ”だったみたいだ。 |
天: |
『‥‥これを持って行け。 我が芸は、キサマに譲るわ。』 |
ザ: | 『こ。これは‥‥』 |
天: |
『我がヒネくれた”座興”に つきあってくれた礼だ。 オマエは”正しいもの”を撃った。 ‥‥正直なトコロ。 オマエに撃たれて死ぬのも 悪くなかったのだがな。』 |
ザ: |
『撃てるワケがないでしょう。 ‥‥私の師匠です。』 |
天: |
『フン! オマエなら、 そう言うと思っておったよ。』 |
ザ: |
『‥‥しかし。もし、 私が何も撃たずに帰ったら‥‥ どうなさる おつもりだったんですか?』 |
天: |
『そのときは、当然。チャンスは バランに回っただろう。』 |
ザ: |
『じゃあ、もし。 私が、あなたのヒタイを撃ったら?』 |
天: |
『それは、そのときだ。 オマエかバランが ワシのヒタイを撃ち抜いたら‥‥ ‥‥我が”死”とともに、 我が”芸”も、闇に帰る。 それもまた、よいだろう?』 |
ザ: | 『は、はあ‥‥』 |
天: |
『まあ。これで、心残りはなくなった。 オマエには、礼を言うよ。 そして‥‥あやまっておくかな。 いろいろ、すまなかった。』 |
成: |
天斎氏は、あなたに芸を 譲りたかったんでしょうね。 だから、指定された時間が バランさんよりも、早かった。 |
ザ: |
‥‥どうかな。 もう、今となってはわからない。 バランのヤツは‥‥ 今、どうしているのかな? |
成: |
‥‥あなたが”死ぬ”のを 待ってますよ。 このまま”7年”がすぎれば、 上演権は彼のものですからね。 |
ザ: |
‥‥ああ。 こうして私が出てきたことで、 そのユメも終わってしまったな。 |
成: |
じつは、 それだけじゃありません。 やっぱり‥‥世間は アマくない、というか‥‥ |
ザ: |
ま。まさか‥‥! 師匠の”死”の疑惑が、 バランのヤツに‥‥? |
成: |
あなたが消えて、裁判は 中断されたままですからね。 バランさんが手を貸したんじゃ ないか、というウワサもあります。 |
ザ: |
そんな、バカな‥‥! ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥どうやら‥‥ この世から”消える”前に ‥‥もうひとつ。 片づけなくちゃならん シゴトがあるようだ。 |
成: | ‥‥‥? |
ザ: |
‥‥まったく。 意外にメンドウなものだな。 人生の”後始末”というヤツは。 |
成: |
‥‥そして、その晩。 或真敷 ザックは殺害された。 ”浦伏 影郎”という名の 異邦の男として‥‥ この世を去る前に、 最後に彼が残したもの。 それが、コイツだ。 <<自白書>>‥‥ 『好きに使ってくれ』と彼は言った。 ‥‥もちろん、 誰も殺害などしていない。 古い相棒・或真敷 バランに対する、 彼なりの”ケジメ”だったのだろう。 |
手に入れた。 | |