御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
須々木 マコ…橙 | |
優木 誠人…黄緑 |
上級検事執務室・1202号 | |
鑑: |
優木検事! 血文字の 調査終了しました! |
優: |
OK! ボクにも見せてくれよ! ヘイ! パス! これ、保管しといて! |
糸: | うおおおおおおッス! |
優: | あれ。イトノコさんじゃない。 |
糸: |
優木検事! シンミョウに おナワをチョウダイするッス! |
優: |
おいおい。これは、なんの ジョーダンなの。ミツルギさん? |
御: |
冗談ではない。 優木 誠人。キミが、この事件の 犯人であることは分かっている。 |
優: |
‥‥! 自分の部屋を追いだされて ハラたつ気持ちも分かるけどさ。 捜査のジャマ、 しないでくれるかなあ。 |
御: |
”検事”という仮面で、 うまく隠しているつもりだろうが。 その下に透けて見えているぞ。 ミニクイ犯罪者の素顔が‥‥な。 |
優: |
ははッ。とんでもないことに なっちゃったなあ。 あ。そういえばさ。アンタの師匠は、 狩魔 豪(かるまごう)だったよね。 |
御: | ! |
優: |
40年間無敗だった伝説の検事。 でも、その影では証拠品の ネツゾウのウワサが絶えなかった。 |
御: | ‥‥‥‥‥‥‥‥。 |
優: |
ボクもヌレギヌにはせいぜい 気をつけないといけないね。 |
御: |
チョウハツのつもりか? ‥‥ムダなおしゃべりだ。 その口は、せめて 申し開きに使いたまえ。 まあ‥‥。どちらも、 ムダに変わりはないがな。 |
優: |
そちらこそ、ハジをかくことに ならないといいけどね。 |
優: |
『アンタがどんな的外れなことを 考えてるか知らないけど。』(推理1) 『ボクが犯人じゃないっていう 証拠は、いくらでもあるよ。』(推理2) 『そもそも、ボクはどうやってキミの 部屋のカギを開けたっていうのさ?』(推理3) 『いきなりで悪いけど。 ハナシはもう終わりだね!』(推理4) |
御: |
まだ、ハナシを終わらせるわけには いかないのだよ。 |
優: |
シツコイなあ。 何かコンキョでもあるわけ? |
御: |
(そのコンキョ、証拠品で 示してやるとしようか) |
御: |
キミは、開けることができた。 この”マスターキー”を使ってな。 |
優: |
おいおい。 待ってくれよ。 ボクは、そのカギに 触れたことなんて一度もないよ。 |
御: |
その通りだ。キミはカギに指一本 触れずに、この部屋の扉を開けた。 いや。 開けさせた‥‥というべきかな。 |
優: | ‥‥‥‥! |
御: |
キミが、部屋のカギを 開けさせたのはこの人物だ! |
御: |
キミは、自分の部屋のカギを スズキさんに開けてもらっているな。 |
優: |
ああ。カギを忘れちゃってね。 たまにあるんだ。そういうことが。 |
御: |
そのときスズキさんが開けたのは、 本当にキミの部屋だったのだろうか。 |
優: | ! |
マ: | ええッ! |
優: |
面白い発想だけどさ。 実際どうだったか、 本人に聞いてみたらどうかな? |
マ: |
えーっと。スズキ、まちがいなく 優木検事の部屋を開けたッス。 ナンバープレートも確認したから マチガイないッス! |
優: | ほら。彼女だってこう言ってるよ。 |
御: |
開けている本人が気づけないように、 仕組まれていたとしたら? |
優: |
ハッ! そんなこと どうやるっていうんだい? |
御: |
ナンバープレートなど、 入れ替えればすむこと。 |
マ: |
たしかにドアのナンバープレートは、 カンタンに取り外しができるッス! |
御: |
そして、さらにあるものを使って スズキさんに誤認させたのだよ。 私の部屋を、 キミの部屋のようにな。 (ユウキ検事が自分の部屋だと 間違わせるのに使用したのは?) |
マ: | バスケットゴールッスか! |
御: |
コイツは、検事局の廊下に あまりにも似つかわしくない。 だからこそ、 強烈に印象に残るハズだ。 自分の部屋の前に、おかしなものを 置いている困った検事がいるとな。 |
優: | うぐぐぐぐぐぐッ! |
マ: |
たしかにそうッス! あの バスケットゴールがあったから‥‥。 まちがいなく、優木検事の 部屋だと思ったッスよ! |
御: |
このバスケットゴールには、 動かされたアトがあった。 私の部屋の前に移動させたのだろう。 |
優: |
な‥‥なるほどね。そういう 疑い方をするんだ。勉強になるなあ。 でもさ。そんなのは仮説に すぎないだろう? |
優: |
『アンタの言ってることは、 仮説にすぎないよ。』(推理1) 『ボクはその子に、 自分の部屋を開けてもらった。』(推理2) 『それからずっと、 執務室にいたんだ。』(推理3) 『疑われる理由は ひとつもないよ!』(推理4) |
御: |
(あくまでセイレンケッパクを 主張するか‥‥) |
優: |
ボクは、このジャケットのように マッシロさ。 マコくんは、そのジャージのように マックロだと思うよ。 |
マ: |
このジャージは、クロというよりも ハイイロッス! |
御: |
落ち着きたまえ‥‥。それでは、 白黒ハッキリさせるとしよう。 |
御: | それは、ウソだな。 |
優: |
な、なんだよ! ウソなんかじゃないって! |
御: |
これは、被害者が キミに宛てたメモだ。 |
優: | メモ? |
御: |
キミの部屋の扉の下にあったものだ。 気がつかなかったか? ここに、こう書いてある。 「不在のようだから出直す」 |
優: | ‥‥‥‥‥‥‥‥。 |
御: |
被害者が、部屋を訪れたとき、 キミはいなかった。 どこで何をしていたのかな? |
優: | ぐぐぐぐぐッ! |
御: |
はっきりさせようではないか。 そのときキミは‥‥。 スズキさんにカギを開けさせ、 私の執務室に侵入していたのだ! |
優: |
それは、キミの仮説にすぎないッ! ボクが、その子に、カギを 開けさせた証拠なんかないだろう! |
御: |
ところがあるのだよ‥‥。 決定的な証拠品がな! |
優: | う、ウソだろ? |
御: |
この証拠品が、キミが彼女にカギを 開けさせたことを示している! |
御: |
キミの部屋のドア。 調べさせてもらった。 |
優: |
ボクの部屋のドア? ハッ。ムダなことするね。 何も出なかっただろ? |
御: |
そう。出なかったのだよ。 ドアノブからスズキさんの指紋がな。 |
優: | し、指紋だって? |
御: |
スズキさんが ドアを開けたのならば‥‥。 彼女の指紋が、 検出されなければおかしいはずだ! |
優: | あッ! |
御: |
私の部屋のドアノブは、 指紋が拭き取られていた。 おそらくは、スズキさんの指紋が ついていたのだろう。 もういいだろう‥‥。 ユウキ検事。 キミは、ドロボウ目的で、 私の執務室に侵入した。 そのことに仲間戸刑事が 気づいたのだろう。 出張中の私の部屋から聞こえる 物音に気づいたのかもしれない。 キミは、止めようとする 仲間戸刑事を殺した。 そして、折悪しく帰って来た 私をおどして逃走した‥‥。 |
優: | ‥‥‥‥‥‥‥‥。 |
御: |
あのとき言ったはずだ。 私の執務室で事件を起こしておいて、 逃げきれるなどとは思わないことだ。 |
優: | ‥‥‥‥ふふ。ふっふっふっふ。 |
御: | ‥‥‥‥! |
優: | はっははははははははははは! |
糸: | 何がおかしいッスか! |
優: |
だってさあ。検事局イチの 天才検事こと御剣 怜侍が‥‥ 大マジメな顔して、 マトはずれなことを言ってる。 こんな面白い見世物は 他にないだろう? |
御: | なに? |
マ: |
御剣さんは証明したッス! アンタが、犯人だって! ジタバタあがくのも いいかげんにするッスよ! |
優: |
仮説にすぎない‥‥ そう言ったハズだよ。 ボクの部屋のドアノブの、 キミの指紋だけど。 あれ、ボクが拭き取ったんだ。 |
マ: | え? |
優: |
ボク、ちょっとケッペキショウな ところがあってさ。 キミが触ったドアノブを 触るのイヤだったの。 だから、キミがカギを開け閉め したとき、すぐに拭いたんだよ。 そのあと、ボクとリョウの指紋が 付いたんだろうね。 |
糸: | そ、そんなの! デタラメッス! |
優: |
それと、リョウの残したメモだけど。 いつ置かれたかわからないよね? きっと、ボクが来るよりも前に メモを残していったんじゃないかな。 たとえば、夕方頃とかさ。 |
御: |
そのメモに、キミは 気づかなかったというのか? |
優: |
気づかなかったんだろうね。 ちょっと仕事のことでアタマが いっぱいだったから。いけないなあ。 |
マ: |
そんなの、あきらかにウソッス! 気づかない訳がないッスよ! |
優: | そんなの、証明できないだろ? |
御: | ‥‥‥‥‥‥。 |
マ: |
御剣さんッ! なんか言ってやるッスよ! |
御: |
(くッ。たしかに、 証明することができない‥‥!) |
優: |
それにさあ。ボクには、決定的な アリバイがあるみたいなんだよね。 |
御: | ”アリバイ”だと‥‥? |
優: |
さっきのミツルギ検事の話を 聞いてて気づいたんだ。 最初からこのハナシを すればよかったんだってね! |
優: |
『たしかミツルギ検事が帰ってきたの、 午前2時ごろだったよね?』(推理1) 『そこで犯人に拳銃を つきつけられておどされた。』(推理2) 『でも、ちょうどそのころボクは 警察局をおとずれてたんだ!』(推理3) 『警察局に聞いてもらえば分かるよ。 カンペキなアリバイだろ?』(推理4) |
御: | 警察局を訪れていただと‥‥? |
優: |
警察局に確認をとってもらっても かまわないさ! |
御: |
‥‥‥‥。 イトノコギリ刑事! |
糸: |
はいッス! アリバイがウソだって 自分が調べてくるッスよ! |
糸: |
み、御剣検事! 大変ッス! たしかに優木検事は、午前2時ごろ 警察局をおとずれているッス! |
優: | ほらね。 |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥。 (すべての証拠が、彼が 犯人であることを示している。 このアリバイ、何かムジュンが あるはずだ!) |
御: | たしかに、その時間だが‥‥。 |
優: |
その記憶、セイカクかな? ボクにとって大事なところだからさ。 |
御: |
時計を確認したことを覚えている。 マチガイない。 |
優: |
んー。ナイス証言! 午前2時に帰って来たキミは‥‥。 |
御: | その通りだが‥‥。 |
優: |
ただ一人、犯人と顔を合わせた人物。 それがキミなんだよ。 犯人、ボクじゃなかったでしょ? |
御: | ‥‥暗闇で何も見えなかったな。 |
優: |
いやいや。きっとなにか見てるよ。 ほら。思い出してみて! |
御: |
(まるで、私が尋問されている かのようだな‥‥) |
優: |
まあいいか。 覚えていなくてもさ。 ミツルギさんと犯人が会ったのは たしかでしょ。 |
御: | 警察局をおとずれていた‥‥。 |
優: |
そう! 検事局を出て、すぐに 警察局に向かったんだ。 |
御: |
警察局への問い合わせは すでに済んでいる。 |
優: |
そして、結果は ボクの言うとおりだった。 |
糸: |
‥‥たしかに、そうッス。 優木検事が来たのを、 複数の刑事が見ているッス。 |
優: |
これで分かったでしょ? カンペキなアリバイだって。 これがボクの”隠し玉” だったんだよ。 |
御: |
(くッ‥‥! バカな‥‥! アリバイをくずす スキが見つからない‥‥!) |
優: |
どうしたのかな? ただでさえ フキゲンそうな顔がこわばってるよ。 |
糸: |
御剣検事! なんとかならないッスか! |
優: |
うーん。 そろそろゲンカイってカンジだね。 そこのキミ! |
警: | ハッ! |
優: |
彼女のエスコートをお願いするよ! あくまで、紳士的にね。 |
糸: | マ、マコクン! |
マ: | イトノコセンパイ‥‥! |
御: |
(何か‥‥何かないのか? この状況を逆転する方法は! このアリバイを崩すヒント‥‥。 見落としていることはないか?) |