第2話『逆転エアライン』前編(その2)

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御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
狩魔 冥…水
木之路 いちる…緑
白音 若菜…紫
ジンク・ホワイト…青
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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同日 午前7時26分
G−390機内 1Fラウンジ

御: コノミチさん。先ほどは助かった。
木: ‥‥いえ。許可を下したのは、
あくまで機長ですから。
わたくしもまだ、御剣さまのことを
信じているわけではございません。
ご注意くださいませ。
御剣さまの立場が変わったわけでは
ないのですから。
御:うム。キモに命じておこう。
木: 先ほど、機長からお達しが
ございました。
じきに、この機は
着陸態勢に入ります。
そのときは、すみやかに席に
戻るようにとのことでございます。
御: (空港着陸までがタイムリミット
ということか‥‥
それまでに、ホワイト氏の
目撃証言を崩さねばならない!)
ところで、この飛行機のどこかに、
犯人が隠れている可能性は
ないのだろうか?
木: それは、ありえませんわ。
お客様に客室に集まって
いただいた後、
機内をテッテイ的に
見回りましたから。
ビジネスやエコノミーは、
従業員用のキーを使わないと
移動できないですし‥‥
各通路に、カードキーの使用記録は
ございませんでした。
御: (つまり、ファーストクラスの
誰かが犯人というのは‥‥
カクジツというわけか。
そして、あの後ここに
近づいたものは‥‥
誰もいないということになるな)

(捜査開始
1Fラウンジ)
御: それでは、始めるとしようか。
木: 何から始められるおつもりですか?
御: うム。ホワイト氏の主張はこうだ。
事件は午前6時から、
6時15分の間に起こった。
その間、ラウンジにいたのは
私ひとり。
ゆえに、私にしか犯行は行えない。
私が殺していない以上、犯人は
どこかにいたはずだ‥‥

(ロジック「犯人はどこにいたのか?」追加)
木: 御剣さまの言葉を信じるならば、
そうなりますね。
御: うム‥‥。信じてもらうためにも、
まずは<<情報>>を集めるとしよう。

(「死体」を調べる)
御: このエレベータが
移動できる範囲は?
木: 1Fと2Fだけでございます。
地下の貨物室も移動できますが、
従業員のカードキーが
必要になります。
御: (乗客が行けるのは
1Fと2Fのみ、か)

(ロジック「エレベータ」追加)
御: (あやしい場所は、
すみずみまで調べるとしよう)

(「落ちている像」を調べる)
御: これは‥‥なんだろうか?
なんともフキツなゾウケイだが。
木: 当社のマスコットキャラクター
<<ゴーユーくん>>の貯金箱です。
機内ショップで
売っているものですわ。
限定発売の商品ですので、
もう最後のひとつだったはずです。
御:機内ショップ‥‥?
木: ええ。ラウンジの先にございます。
今はシャッターを下ろさせて
いただいておりますが、
死体が発見されるまでは
開けておりましたわ。
御: (血痕がついているな‥‥
これが凶器なのだろうか?)

(ロジック「凶器のゴーユーくん」追加)

(「死体」を調べる)
御: よりにもよって
エレベータの中に死体とはな。
木: やはり、
し、死んでいるのでしょうか?
御: うム。
(死体を目の前にして、さすがに
ドウヨウしているようだな‥‥)
木: アクビーさま‥‥
死んでいるならお返事を‥‥
御: (ドウヨウを
とおりこしているようだ。
さて‥‥。
死体の様子は‥‥)
後頭部に血がニジんでいる‥‥
これが死因なのだろうか?
よほど強いイキオイで
なぐられたのだろうな‥‥

(ロジック「撲殺」追加)
御:メガネも割れている‥‥

(ロジック「割れたメガネ」追加)

(「ポケット」を調べる)
御: (ム‥‥。ポケットから
何か出ているようだな。
シツレイして、ポケットの中身を
調べさせてもらおう)
‥‥‥‥‥‥ん?
これは‥‥写真か。
どこかの‥‥建物の中で撮られた
写真の様だな。

<<アクビーの写真>>を
捜査手帳に記録した。

(「首のストラップ」を推理する)
御: (この場所‥‥あの証拠品と
関係があるのか‥‥?)

(「アクビーの写真」をつきつける)
御: アクビーが持っていたはずの
”マシーン”がないのだ。
木:‥‥マシーン?
御: コホン‥‥。
いや、携帯電話のことだ。
木: それがなくなっていると
いうことは‥‥
御: 犯人が持ち去った。
そう考えるべきだろう。

<<行方不明の携帯電話>>を
捜査手帳に記録した。

(「ぶどうジュースの跡」を調べる)
御: エレベータの前に、ぶどう
ジュースがこぼれている。
(エアポケットの時に、
こぼれたのだろう)
木: 掃除をしなければ
なりませんわね‥‥
御:見つけたぞ‥‥!
木:
どうされたのですか、御剣さま?
御: 重要な証拠をみつけたのです。
ここに残されている、
重要な証拠とは?

(「足跡」をつきつける)
木:これは‥‥
御: 不鮮明ですが、これは足跡だと
考えていいでしょう。

(ロジック「こぼれたぶどうジュース」追加)
木:これってやっぱり‥‥。
御: ええ。
おそらくは犯人のものでしょう。
木: 御剣さま! すぐに全員の
クツを調べましょう!
御: いや。その必要はありません。
残念ですが、足跡を照合するには、
これは不鮮明すぎます。
木:そうでございますか‥‥。

(ロジック)
(「凶器のゴーユーくん」と「撲殺」をまとめる)
御: 撲殺死体の横に、血のついた貯金箱。
これはまさしく‥‥。
木: あ! 御剣さま。わたくし、
気付いてしまいましたわ!
御:な、なんだね?
木: ゴーユーくんもケガしています。
ほら、カドのところ!
御: (‥‥‥‥
それがどうかしたのだろうか?)
木: どうですか? 御剣さま。
あやしいですよね!
御: うム‥‥。どうやら、この貯金箱が
凶器のようだな。
木: やっぱりそうですか。
わたくしも、そうじゃないかと!
御: (どういう推理をしたのだ‥‥?)

<<ゴーユーくん貯金箱>>を
捜査手帳に記録した。

(「犯人はどこにいたのか?」と「エレベータ」をまとめる)
御: (エアポケットの直前、ラウンジ
には私のほかに誰もいなかった。
しかし、もし犯人がエレベータに
同乗していたとするならば‥‥)

(ロジック「同乗していた?」追加)

(「同乗していた?」と「こぼれたぶどうジュース」をまとめる)
御:見つけたぞ‥‥!
木:
どうされたのですか、御剣さま?
御: 私以外にもう1人、
この場所にいたのはマチガイない。
木:えッ! ほ、本当ですか?
御: ええ。カンタンなことです。
証拠はこのぶどうジュースの
足跡です。
この足跡が示すことは明白です。
これは、アクビー以外の人物が、
エレベータから降りた証拠だと
いえる。
木: でも‥‥アクビーさま自身の
足跡かもしれませんわ。
御: よく見てください。
被害者の靴は汚れていない。
木:つまり‥‥
御: エレベータには、アクビー以外に、
もう1人誰かが乗っていた
ということですよ。

<<ぶどうジュースの足跡>>を
捜査手帳に記録した。

(捜査終了)
御:(うん?)
ジ: ■■■■■■!
■■■■■■■■■!
?: ■■■■■‥‥■■■■■‥‥
ジ: あってはならん!
あってはならんことじゃぞッ!
?:‥‥‥‥‥‥
ジ: わかるか?
映画が遅れるということは、
飛行機の到着が遅れることと
同じなんじゃぞっ!
?: ええーっと。でも、映画は‥‥
ジ: ええい! もう良いわ!
時間のムダじゃッ!
木: ホワイトさま。
いかがなさいましたか?
席に着いていていただきたいの
ですが‥‥
ジ: イライラしてしかたがないッ!
座ってなどいられるかッ!
どうじゃ、検事!
アンタの無実を証明できそうかの?
御: ミスター・ホワイト。
お望みとあらば、すぐにでも。
ジ: なんじゃとおッ!
ワシの目撃証言が
おかしいとでもいうのかッ!
御: ギモンの余地があると言って
いいだろう。
もう一度詳しく話を聞かせて
いただきたい。
ジ:のぞむところじゃッ!

(目撃したこと)
ジ: 『ワシは、アクビーがエレベータに
乗るのを見たのじゃ!』(推理1)
『あれは、ワシの懐中時計の針が午前
6時をさしたときのことじゃった!』(推理2)
『ラウンジで死体が発見されたのは、
その15分後なのじゃろ?』(推理3)
『そのときラウンジにいたアンタが
犯人でマチガイない!』(推理4)
御: (ホワイト氏の主張は
イッカンしている‥‥
犯行が行われたと思われる時刻に
ラウンジにいたのは私だけ‥‥)
ジ: どうじゃ? ワシの証言。
やぶれるもんなら、やぶってみい!
ほれほれ! 早くせい!
御: (なんなのだ、このイラツキは!
なんとしてもこの証言を
くつがえす!)

(「証言1」をゆさぶる)
御: ミスター・ホワイト。そのとき、
エレベータの中を見ただろうか?
ジ:ああ。モチロン、見たとも。
御: 被害者は、1人でエレベータに
乗ったのか?
ジ: そうじゃ! 乗っていたのは、
アイツ1人じゃった!
御: (うム。この発言を、見逃すことは
できないな‥‥)
ジ: 『乗っていたのは、アイツ1人
じゃった!』(推理5)

(「証言5」に「ぶどうジュースの足跡」をつきつける)
御:ミスター・ホワイト。
ジ:なんじゃああッ!
御: あなたの証言は、完全にムジュン
している!
ジ:どういうことじゃッ!
御: エレベータの前を、よく見て
いただきたい。
ぶどうジュースがこぼれている。
ジ: それが、どうしたのじゃ?
アンタがこぼしたのかね?
御: いや‥‥。エアポケットの衝撃に
よるものだ。
しかしそのことよりも重要なのは、
この足跡だ。
ジ:あ、足跡じゃと!
御: そう。エレベータの中から、
ラウンジへと続くこの足跡‥‥
アクビー以外の何物かが
降りた証拠だと言える!
ジ:んぐぐぐぐぐぐぐッ!
御: エレベータには、もう1人
乗っていたはずなのだ!
さあ! 正直に話して
いただこうか!
ジ: ■■■!
‥‥■■■■■■■■■■?!
御:‥‥‥‥‥‥
木: あなた。通訳をしてちょうだい。
?: えーっと。
”いや! そんなハズはない!”と
言ってますねー。
ジ: いや! そんなハズはない!
ゼッタイに、1人じゃった!
だって、ワシ見たもの!
御:‥‥‥‥‥‥
木: 御剣さま。わたくしには、
ホワイトさまがウソをついている
とは思えないのですが‥‥。
御: (‥‥たしかに、ウソをついている
ようには見えない。
どういうことだ、これは?)
ミスター・ホワイト。
もう一度詳しく、話を聞かせて
もらえないだろうか?
ジ:ぬうう!

(目撃したこと2)
ジ: 『アクビーが席を立ったとき、
ワシはイライラしておった!』(推理1)
『何度も何度も懐中時計を
カクニンしていたのじゃ。』(推理2)
『ワシは、席を立ったヤツを
なんとなく目で追った。』(推理3)
『ヤツが乗りこんだエレベータの中も
はっきりと見た。』(推理4)
『まちがいなく、
他には誰も乗っていなかった!』(推理5)
木: ホワイトさま。
あまり興奮なさいませんよう‥‥。
ジ: なんじゃッ! キサマもワシの
言うことにモンクがあるのかッ!
木: きゃあッ!
めめめ、めっそうもございません!
御: (ウソをついているようには
見えないが‥‥
どこかにムジュンがあるはず‥‥
それを見つけ出すのだ!)

(「証言2」をゆさぶる)
御:なぜ、そんなに懐中時計を?
ジ: ありえん! ありえんことが
起こったのじゃ!
御: そういえば、さきほどもそこの
CAともめていたようだが‥‥。
ジ: CAに、映画の上映時間のことで
クレームをつけていたところじゃ!
ワシの時間を返せ!
金で! ‥‥とな。
御: (映画? 機内上映のヤツのことか。
たしかスカイマガジンに‥‥
映画の紹介や、
上映時間が書かれていたな‥‥)
ジ: この飛行機で上映予定だった
”愛と雪国のサンバ”は‥‥
ワシの国では見れない、
海外先行上映の映画じゃった。
ワシは映画が楽しみじゃった!
ことあるごとに懐中時計で時間を
カクニンしておったんじゃ!
ワシは、飛行機に乗るたび、
針を次の到着地に合わせておる。
時刻にマチガイはない!
なのに映画の上映が遅れて
おったのじゃよ! それも大幅に!

(御剣検事「待った!」)
御: その懐中時計の話‥‥
じっくり聞かせていただこう!
ジ: 『映画がなかなか始まらず、何度も
懐中時計をカクニンしておった。』(推理6)
『懐中時計の針は、飛行機に乗る
たび、次の到着地に合わせておる。』(推理7)

(「証言7」に「スカイマガジン」をつきつける)
御: ミスター・ホワイト。
先ほど、アナタはこう証言した。
ジ: 『ワシは、飛行機に乗るたび、
針を次の到着地に合わせておる。』
御: 到着地に合わせている。
ということは、
アナタの時計は、到着地の時間に
なっている。
ジ: そうなるな。時計の正確さには
6セントかけてもいいぞ。
御: ‥‥これを見ていただこう。
このスカイマガジンによれば、
飛行機内の時間は、中継地の
時間に合わせられている!
当然、映画のスケジュールも
それをもとに計算されている。
コノミチさん!
この飛行機の<<中継地>>は‥‥。
木: 当機の<<中継地>>は、
西鳳民国(せいほうみんこく)です。
御: (西鳳民国か‥‥。
アジアの小国だったな)
木: 当機の時計は、<<中継地>>の時間に
合わせておりますので‥‥
機内時間は常に<<西鳳民国時間>>に
合わせられていますわ!
ジ:なんじゃとッ!
御: 西鳳民国と到着地の時差は、
およそ3時間‥‥
調整した時間の分、スケジュールが
ズレるのは、アタリマエなのだよ。
ジ:んがっ!?
御: 到着地の時間に合わせて
いるならば、
時計は3時間進んでいる
ことになる。
そうなると、あなたの目撃証言も
変わってくる‥‥
100万セントかけてもいい。
あなたがアクビーを見たのは、
3時間前の午前3時だったのだ!
ジ: んがががががががががががががが
ががががががががががががががっ!
100万セントもおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおっ!
御: (これで、私のヌレギヌは晴れたと
考えていいだろう‥‥)
木: つまり、犯行時刻の範囲が広く
なったということですわね。
御: そうだ。犯行時刻は、ホワイト氏が
被害者を目撃した午前3時から、
死体が発見された午前6時15分の
間ということになるな。
その間、アクビーは
どこにいたのだろうか?
?: あのー。ちょっといいですかあ。
御:キミは‥‥?
白: えーっとですねえ。‥‥あッ!
CAの白音 若菜
(しらおとわかな)っていいますう。
御:なんだろうか?
白: その時間は、ちょっと
ちがうんですよお。
木: どういうことなの、白音さん。
白: ヒックスさまは、午前5時に
席にいましたよぉ。
御: ? どうして、そんなことが?
木: あ! そうですわ。<<中継地>>で、
<<点呼>>を行いましたもの。
御: 西鳳民国に降りたときのことか‥‥。
たしか給油作業を行ったのだったな。
木: ええ。<<西鳳民国時間>>で、
午前4時から5時までのことです。
御: その間、乗客の増減は
あったのだろうか?
木: いいえ。
西鳳民国で降りられた方や、新しく
乗ってきたお客様はおりませんわ。
御:従業員の方は?
木: 貨物の搬入はありましたけど、
現にCAふたりともここに
おりますから。
御: (従業員と乗客の出入りは
なかった‥‥
そう考えてよさそうだな)

<<西鳳民国の給油>>を
捜査手帳に記録した。
白: わたし、点呼しましたよお。
午前5時の出発のときは‥‥
アクビーさまは
まだ客席にいましたわぁ。

<<白音 若菜の証言書>>を
捜査手帳に記録した。


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