御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
狩魔 冥…水 | |
木之路 いちる…緑 | |
白音 若菜…紫 | |
ジンク・ホワイト…青 |
御: |
では、犯行時刻は午前5時から、 午前6時15分の間になるな。 |
白: |
で、みつるぎさんは、何時から ラウンジにいたんですかあ? |
御: |
うム。私は飛行機が西鳳民国を出て すぐにラウンジに下りたので‥‥ あッ! |
ジ: |
おぬし、5時からずーっと ラウンジにいたのか! やはりアンタにしか犯行は 行えないではないか! |
木: |
御剣さま。 午前5時からずっとラウンジに いたのは、たしかなのですか? |
御: | 残念ながら、たしかだ‥‥ |
木: | でも、足跡の問題は? |
ジ: |
簡単なことじゃよ! ラウンジに来たアクビーを、 待ち伏せていたアンタが殺して、 死体をエレベータに運び込んだ! そこでエアポケットが 起こったのじゃ! ワシの目撃証言は、 まちがっていたかもしれん! じゃが、被害者がエレベータに 乗った時間など関係ない! 事件のすべては、ラウンジで 完結するんじゃからの! |
御: |
(事件のすべては、ラウンジで 完結する‥‥?) ‥‥はたして、そうだろうか? |
ジ: |
なッ‥‥‥‥! どういうことじゃ? |
御: |
そう断言するには、ひとつだけ、 不自然なものがある! (ラウンジだけでは、事件は 完結しないことを示すのは?) |
御: |
この足跡だよ。 足跡は、どこに向かっている? |
木: | そちらは、機内ショップですね‥‥。 |
御: |
その通り。機内ショップの方向に 向かっているのだ。 |
ジ: |
ワシには、足跡が 途切れているように見えるがの! |
御: |
たしかに、機内ショップまで 続いているわけではない。 しかし、機内ショップを指し示す 証拠品はこれだけではないのだ。 (足跡以外に、機内ショップを 指し示す証拠品は?) |
御: |
凶器‥‥これは、機内ショップで 売っているものだという話だ。 こんなものはラウンジには なかった! 不自然だとは思わないかね? |
ジ: |
フン! そんなのは、たいした 問題ではないわ! 先に機内ショップから、用意して 来ておけばいいだけのこと。 アンタに犯行が行えなかった 証拠にはならんよ! |
御: |
ム‥‥‥‥ (‥‥どうして、こうも不利な 状況ばかりが続くのだ!) |
木: | ま、待ってください! |
ジ: | な、なんじゃ? |
木: |
あ、あの‥‥その! 御剣さまのおっしゃっていることは 本当ですわ! |
ジ: |
んー? なんでお前にそんなことが 分かるんじゃあ? |
木: |
えっと‥‥。あの。それは‥‥ その貯金箱は、機内ショップに ありましたわ。 わたくし、見ましたもの。 |
御: | それは、いつのことだろうか? |
木: |
午前‥‥5時40分ごろで ございます。 |
御: |
‥‥それは! エアポケットの 直前ではないか! |
木: | はい‥‥ |
ジ: |
アンタ、エアポケットの直前に 機内ショップに行っていたのか? |
木: | ‥‥‥‥‥‥さようでございます。 |
御: |
そういえば、あのとき‥‥ コノミチさん。 死体が発見されたとき、 あなたはあそこの扉から 出てきましたね。 |
木: | はい‥‥。 |
御: | あの扉の先は? |
木: | CAルームになっていますわ。 |
ジ: |
じゃ、じゃあ! おぬし、1Fにいたということか! |
木: |
はい‥‥。 わたくし、機内ショップと CAルームに用事がありまして。 機内ショップに行ったあと、 CAルームによりましたわ。 |
御: |
では、そのとき私の近くを 通ったということか? |
木: |
ええ。御剣さまは、真剣に スカイマガジンを読まれていたので、 気づいていないようでしたが‥‥。 |
御: |
(意識していなかったが、たしかに 人が通ったような気もする‥‥) |
木: |
とにかく! そのとき、機内ショップには たしかに貯金箱がありましたわ。 |
ジ: |
アンタ‥‥なぜ機内ショップに 行ったのだね? |
木: | それは‥‥仕事のためですわ。 |
ジ: | 仕事だと? |
木: |
ええ。機内ショップの管理も わたくしの仕事ですから。 |
ジ: |
なぜ今まで黙っていたのか、 気になるがのう? |
木: | ‥‥‥‥ |
御: |
どちらにしろ、機内ショップを 調べる必要があるようだな。 |
木: |
それでは、機内ショップに 行きましょうか。 |
御: | な、なんだろうか? |
白: |
このみちさん‥‥ 機内ショップの調査には、 機長の許可が必要じゃ ないんですかあ? |
木: |
ええ。もちろん。 でも、機長は機内すべての調査を 許可してくださっています。 問題ありませんわ。 |
白: | あれー? おかしいですねえ‥‥ |
御: | 何がおかしいのだ? |
白: |
さっき機長に話を 聞いてきたんですけどお。 許可なんか出してない、 って言ってましたよお。 |
木: | ! |
御: |
どういうことですか? コノミチさん! |
白: |
‥‥ウソだったんですよねえ。 許可が出てないのに、許可が出たと ウソをついて調査をしていた。 |
木: | ‥‥‥‥ |
ジ: |
‥‥CAッ! ど、どういうことじゃ! |
白: |
このみちさん。 機長が呼んでますよ。 安心してくださいね。このみちさん。 機内ショップの調査の許可は わたしがいただいてきましたからあ。 このみちさんとちがって、 ちゃんと正式に。 |
御: |
‥‥コノミチさん。 どうしてそんなことを? |
木: | ‥‥‥‥シツレイいたします。 |
白: |
あとは、わたしが 引き継ぎますから。 ホワイトさまは 席におもどりくださいませ。 それでは、みつるぎさん。 わたしがつきそいますから。 よろしくお願いしますね。 |
御: |
(コノミチさんのことは 気になるが‥‥ まずは、機内ショップを 調べることが先決だな) |
G−390機内 1F機内ショップ | |
御: |
(ここが、機内ショップか‥‥) ひどく荒れているな‥‥ |
白: |
そうですかあ? じゃあ。片付けますね〜。 |
御: |
待ちたまえ! 現場を片付けて しまってどうするのだ! |
白: |
よかったあ。わたし、片付けるの キライなんですよぉ。 |
御: |
(‥‥ペースを乱されては ならない。冷静にならねば。 犯行現場に、この貯金箱が 置かれていた以上、) |
御: |
(犯人がここに来ている 可能性は高い) |
御: | こ、これは‥‥ |
白: |
ああ。それは、当社ジマンの オリジナルスーツケースですう! それがもう飛ぶように売れて おりまして。大人気なんですよ! よかったら、一度買って、 手にとってみてください! |
御: | ‥‥逆だろう、それは。 |
白: | 逆でもかまいませんよ! |
御: |
(ふつう、スーツケースは飛行機に 乗る前に必要なモノでは‥‥?) |
白: |
ほらほら。ゴーユー航空の マスコットキャラクター、 ゴーユーくんをあしらったもの なんですよぅ! すごく細かくエガき込まれていて、 今にも動き出しそうですよねぇ! |
御: |
‥‥なんなのだ、この不吉な ペイントは‥‥! |
白: |
あれ〜? やっぱりわかりますかあ! |
御: | ? |
白: |
みつるぎさん。すっごく 興味深そうに見てるから‥‥ ついに最初のお客さんになるかと 思ったのになあ。 ムダな営業トークさせないで くださいよぅ。 |
御: | 気にいってなどいない‥‥! |
白: |
うふふふ! やっぱ、ダメですよねえ。 実はこれ、このみちさんがデザイン したものなんですよお! |
御: | コノミチさんが? |
白: |
そうなんですよお。 社内公募だったんですけど。 |
御: |
うム。その‥‥かなりトンガった デザインだな。 |
白: |
トンガりすぎですよぉ〜! どうして採用されちゃったのか わかんないですけどぉ。 |
御: |
(これを、コノミチさんがデザイン したとは‥‥。意外だ‥‥) うおおおおおッ! |
白: | すいませ〜ん! |
御: |
き、気をつけたまえッ! (機内でスーツケースを 陳列するのはあぶないな‥‥) |
白: | 戻しておきますねえ。 |
御: |
(ショーケースのガラスが割れて、 床に散らばっている。 このショーケース、 何も入っていないな。 ん? 中に何か 落ちているぞ‥‥ これは? 機長帽子の模型か?) |
(「ちいさな機長帽子」と「凶器のゴーユーくん」をまとめる) | |
御: |
(‥‥うム。 もとはひとつだったもののようだ。 組み合わせてみるか) 貯金箱は、このショーケースに 陳列されていたようだな。 (犯人は、ガラスを割って貯金箱を 持ちだしたということか‥‥) |
情報を書きかえた。 | |
白: | へ〜。そうなんですかあ。 |
御: |
キミは、機内ショップのどこに 何があるかもしらないのかね? |
白: |
だってえ。 機内ショップは、このみちさんの 担当ですからあ。 わたしは関係ないんですよう。 |
御: |
(‥‥この棚、詳しく調べて みるか) |
御: |
(あやしい場所は、 すみずみまで調べるとしよう) |
御: |
(この場所‥‥あの証拠品と 関係があるのか‥‥?) |
御: | あきらかにムジュンしている! |
白: | な、何がですかあ? |
御: |
犯人がガラスを割って貯金箱を とり出したとするならば‥‥ ショーケースの中にガラスの 破片が散らばるはずだ。 |
白: |
なるほど、なるほど! そういうものですかねー。 |
御: |
しかし、ショーケースの中には ガラスが散らばっていない。 |
白: | ‥‥たしかに、たしかに! |
御: |
ということは、このガラスは 内側から割られたということだ。 エアポケットで倒れた貯金箱が、 ガラスにぶつかって割れたのだろう。 |
白: |
‥‥‥‥‥‥ああ。床にガラスが 散らばってますもんねえ。 |
御: |
この帽子も、そのときに はずれたのだろう。 |
白: |
‥‥‥‥‥‥‥‥はあ。 ‥‥‥‥なるほど。 |
御: |
ということは、ゴーユーくんが ここから持ち出されたのは‥‥ エアポケットの後 ということになる! |
情報を書きかえた。 | |
白: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ぐう。 |
御: | 人の話を聞きながら寝るなッ! |
白: | ふあ! |
御: |
しかし、事件が起きたのは エアポケットより前‥‥。 この貯金箱を凶器として使うことは できなくなってしまうのだよ。 |
白: |
じゃあ、この貯金箱はニセモノの 凶器だっていうんですかあ? |
御: |
うム。その可能性が高いと 考えていいだろう。 |
白: |
うーん。でも、ガラスは ゴーユーくんを取り出したときに、 まちがって割っちゃったのかも しれないですよお? |
御: |
ショーケースには、カギが かかっている。それは不可能だ。 |
白: |
‥‥でも。 あのヒトならできたかも。 |
御: | ? ダレのことを言っているのだ? |
白: |
このみちさんですよお。 ほら。あのひと、ここの担当だから カギを持ってるじゃないですかあ。 |
御: | コノミチさんか‥‥ |
(「エアポケット」と「スーツケース」をまとめる) | |
御: |
‥‥そうだ。これは、 あきらかにムジュンしている! |
白: | な、なんですかあ! いきなり! |
御: |
そのスーツケース。 おかしいとは思わないかね? |
白: |
はあ。たしかに、オカシイところ だらけですよねえ。色とか‥‥ |
御: | そういうハナシではない! |
白: |
きゃっ! みつるぎさん、 こわいですよお! |
御: |
す、すまん‥‥ コホン。整然としすぎなのだよ。 そのスーツケースは。 |
白: |
たしかに、キチンと 整列してますねえ。 このみちさん、そっくり。あーやだ。 |
御: |
エアポケットの揺れの中で、 スーツケースだけ ブジだったはずがないのだ。 (詳しく調べてみるとするか‥‥) 近くでみると、ますます マガマガしいな。 |
白: |
うふふふ。その感想聞いたら、 このみちさん、どんな顔 するだろうなあ。 |
御: | ‥‥‥‥ |
白: | どうしたんですかあ? |
御: |
(‥‥キケンだ。 さわるのはよそう) 何がオカシイのかは明白だな。 (このスーツケースで オカシイのは、どこか?) |
御: |
この車輪‥‥ 非常に興味深い。 |
白: | どういうことですか? |
御: |
こちらのスーツケースだけ‥‥ 車輪のロックが はずれている。 この状態で、エアポケットの揺れを 耐えられたとは思えん。 |
白: |
‥‥? とすると、どういうことに なるんですかあ? |
御: |
このスーツケースは、 エアポケットの後、 ここに置かれた可能性がある! 調べてみるとしようか。 |
御: |
ムッ、鍵がかかっていないな。 開けてみるか。 中に布が入っているな。 こ、これは‥‥血ではないか! |
白: |
きゃあああ! 血、血ですよ、これえ! |
御: |
どうやら、このスーツケース。 事件と深く 関係しているようだな‥‥! |
白: |
このスーツケースが、 事件と関係してるって‥‥ どういうことですかあ? |
御: |
犯人が、スーツケースを使った ことはまちがいないだろう。 犯人は、このスーツケースで 何を運んだのか? |
白: | えー。この布じゃないんですかあ? |
御: |
布だけを運んだにしては、大げさだ。 もっと大きなものだと考えられる。 犯人が、このスーツケースで 運んだものは? |
御: |
スーツケースに入る大きさで、 血痕のつくもの‥‥ <<死体>>以外にはあるまい。 |
捜査手帳に記録した。 | |
捜査手帳に記録した。 | |
白: | じゃ、じゃあ‥‥ |
御: |
アクビーの死体は、どこかから エレベータの中に運ばれてきた。 本当の殺害現場は、別にあると いうことだよ! |
白: |
‥‥‥‥ じゃあ犯人は、 死体を運んだあと‥‥ スーツケースを機内ショップに 置きに来たってことですよねえ。 |
御: | うム。その通りだ。 |
白: | ‥‥‥‥ |
御: | どうしたのだ? |
白: |
いや‥‥このみちさん、 機内ショップに 何しに来たのかなあと思って。 |
御: | ! |
ア: |
本日はゴーユーエアラインをご利用 いただき、ありがとうございました。 まもなく当機は着陸態勢に はいります。 すみやかに客席にお戻りください。 |
御: | (‥‥!) |
白: |
あれ。 どうやら時間切れのようですねー。 |
御: |
(ラウンジが犯行現場でない証拠を みつけることができた。 私のヌレギヌを晴らす証拠 としては十分だろう。 しかし‥‥気になるのは‥‥) |
御: |
(ここで捜査を終えるわけには いかない‥‥!) |