ラビィ

 正式名称PB−EL03。「ラビィ」は愛称。
 銀河進出初期に入植され、惑星開発の大部分を仕切ったエルパの支配力 が大きい、惑星エシードラの衛星軌道上に浮かぶ、衛星港(サテライト・ポート)
 直径は二十キロ。形状は扁平な球形。外周部分の一部がサテライト・ポート、中央に巨大なエルパの EL03研究施設となっている。ここに存在する物は、人もその生活も、全てがエルパ尽くしである。
 人工の衛星港なので、空は広大な人工の天井に、惑星エシードラの標準時刻に合わせて、朝・昼・夕 ・夜の明かりに変わるようになっている。
 衛星港ではあるが、港の面積はかなり少なく、設備も貧弱で利用客も少ない。港の周囲には、小さな 食堂やら安ホテルやらがぽつりぽつりと並んでいるのみである。その分、エルパの研究施設と、それに 付随する施設、研究員たちの生活の場が目立つ。住居に学校、商店街、歓楽街まであり、その歓楽街の 裏通りに、フラナガン・ファミリーのねぐらとする、事件のビルは あった。
 移動道路(ムービングロード)や無料シャトルバス、安いタクシーや地下のリニアレールはかなり 発達しているといっていい。区役所の自動受付コーナーでは、マップデータを手に入れることができる が、主要道路やリニアレール路線図を見るぐらいしか、役に立たない。
 衛星港ロビーの入り口を右に行くと、建物の横手にコンテナの並ぶ場所がある。事故に備えた、他の 衛星港行きの脱出用ポッドが置いてあり、クリフはそれで脱出しようとして いた。
 サミィたちがとったホテルは、衛星港の近くにあった。近くには、「スペースが余ったので とりあえず木を植えてベンチやドリンクの自動販売機を置いてみました」風な、小さな公園があった。 そこの自販機には、ミルクセーキが入っている。