第2話


「ぬおおオオッ!!」

ヴォルフは獣のごとき咆哮をあげ、一文字に斬ってきた。

しかし、二流三流の傭兵とは違う。こんな攻撃を食らうワケが無い。俺は身体を軽く落とし、ヴォルフの攻撃をかわした。

(もらった!)

その体勢から、心臓を貫く為に伸び上がった。

しかし……。

「滅せよッ!!」

ヴォルフは、今までとは比べものにならない速さで切り返し、袈裟斬りを仕掛けてきた。

「ばかなっ!?」

俺は空中で体をひねり、ヴォルフの攻撃を避けた。一流の傭兵でなければ決して出来ない体さばきだ。

ズドンッ!

まるで大砲の発射音のような轟音をたて、ヴォルフの剣が地面を割った。

一瞬遅れて、

トサッ!

と、何か軽いものが落ちる音がする。

「がああああああっ…!?」

俺の左腕は、肘から先が無くなっていた。

並みの使い手の袈裟斬りなら確実に避けられたはずだ。

しかし、相手はヴァルファバラハリアンの長だ。左腕だけですんだのは幸運だったと言っても良い。

「今の一撃を避けたか」

ヴォルフが近づいてくるのがわかる。

(動け!殺られるぞ!)

だが、衝撃と傷の痛みから立ち上がる事すら出来ない。

「だが、これで終わりだ」

ヴォルフの大きな影が俺を覆う。

「さらばだ。シリュウ・イシガミ中尉」

逆手に構えたヴォルフの剣が無気味に光っていた。

 

続く


<作者の語り>

久しぶりに執筆しました。

なんかだんだんワケ分からなくなってきた気がする…。

まぁ、一応次で最後になります。

「ああ、こんな奴もいたな」

と思いつつ読んでもらえれば嬉しい限りです。

次はいつになるか分かりませんが、なるべく早く書くようにします。

それでは、また次の語りで会いましょう。


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