第十四話


しばらくの間剣術の修行をしていた俺だが、もうすぐ17歳になる。

そう、12月8日は俺の誕生日で、ソフィアとは2日違いである。

 

そして誕生日当日。

ソフィアとは前々からデートの約束をしていたのだが、

ゲイル「しまった~!思いっきり寝過ごしているじゃないかー!」

ピコ「もう!何度も起こしても起きないアンタが悪いの!」

ゲイル「と、とにかく、急いで行って来る!」

そう言って、俺は走ってソフィアと待ち合わせをしている場所へ向かった。

 

やはりソフィアは先に待っていた。

ゲイル「はぁはぁ……ご、ごめん!待った?」

ソフィア「いいえ、私も今来ましたから」

俺はソフィアに謝ったが、ソフィアは許してくれた。

ソフィア「それじゃあ、行きましょう」

俺たちはシアターの中に入った。

ソフィア「ゲイルさん、あっちに座りましょう」

ゲイル「あ、ああ」

少しして劇が始まった。

ソフィア「あ、あの、ゲイルさん……」

劇の途中、ソフィアが話しかけて来た。

ソフィア「……………」

だが、劇の音でソフィアが何を言っているのかはわからなかった。

そして劇が終わり、俺たちは外に出た。

ソフィア「今日は楽しかったですね」

ゲイル「それより、劇の途中で何を話してきたの?」

ソフィア「それは秘密です」

ゲイル「そ、そう…」

ソフィア「あの、ゲイルさん、これ……」

ソフィアは何かを取り出した。

ソフィア「お誕生日おめでとうございます」

ゲイル「あ、ありがとう」

ソフィア「それじゃゲイルさん、途中まで一緒に帰りましょう」

そして二人で途中まで一緒に帰った。

 

それから二日後、今度はソフィアの誕生日がやってきた。

ピコ「今日はソフィアの誕生日だよ!」

ゲイル「わっ!お前、いつの間に!」

俺はピコの登場に驚いた。

ピコ「確か去年もそれ言ったよ」

ゲイル「そうだったか?」

ピコ「それより、プレゼントはどうするの?」

ゲイル「渡すに決まっているだろ?」

ピコ「それじゃあ、ソフィアのいるところへレッツゴー!」

 

俺はソフィアを探し

ソフィア「あ、ゲイルさん。どうしたんですか?」

ゲイル「ソフィア、お誕生日おめでとう。これ、プレゼント………」

俺は、プレゼントとしてソフィアにオルゴールを渡した。

ソフィア「ありがとうございます。私、一生大切にしますね」

ゲイル「喜んでもらえて嬉しいよ」

ソフィア「それじゃゲイルさん。今日はこれで……」

そう言ってソフィアは立ち去った。その時、

ショウ「よっ!憎いな~若大将!」

突然ショウが話しかけてきた。

ゲイル「お前、見てたのか?」

ショウ「当然!お前も、あのジョアンという強敵がいるのによくやるね~」

ゲイル「う、うるさい!俺の勝手だろ?」

俺はかなり焦っている。

ショウ「ま、それはどうでもいいけどね」

ゲイル「お前、斬るぞ?」

ショウ「冗談だって。それじゃあな!」

そう言ってショウは立ち去った。そして俺も宿舎に戻った。

 

ピコ「おかえりー!どうだった?」

ゲイル「と言うより、お前、いつ帰ったの?」

ピコ「そんなのはいいとして、どうだったの?」

ゲイル「どうって…喜んでもらえたけど?」

ピコ「そうかぁ。キミも意外とよくやるね!」

ゲイル「そんなのどうでもいいだろ?」

ピコ「あー、赤くなってる!」

ゲイル「な、何を?!」

 

そんなこんなで、ドルファンに来て三年目の春がやってきた。

 

続く……


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