第十六話


爆弾テロの犯人を探すショウとシュウ。そして、犯人の大体の察しが掴めてきた。

ゲイル「何!?教会の神父様が犯人かもしれない?」

シュウ「ああ。調べてみたところ、シスターは彼を『ゼールビス神父』と呼んでいる」

ショウ「どこかで聞いた名だろ?」

ゲイル「しかし、証拠がないだろ?」

マクラウド「それは心配ない」

ゲイル「どういう事だ?」

マクラウド「俺なりに調べてみたところ、彼には、近頃妙な動きがあったそうだ」

ゲイル「もしそうだったら、今から教会へ向かうしかないな」

マクラウド「ああ。すでに奴は、それに気づいているかもしれないからな」

 

俺たちは教会へ向かい神父に会う事にしたが、

シスター「どうなさったんですか?」

シュウ「すみませんが、神父様は?」

シスター「ゼールビス神父ですか?ただいまゼールビス神父は………」

神父「私に御用ですか?」

シスター「ゼールビス神父」

ゲイル「貴方にいくつかお聞きしたい事がある」

神父「お聞きしたい事?それは爆弾テロの事ですか?」

ゲイル「それ以外に何かあるか?」

神父「そうですか。やはり、私の正体を知りましたか」

マクラウド「何!?」

神父「私の名はミハエル=ゼールビス。またの名を『血煙のゼールビス』!」

ゲイル「血煙?やはり八騎将か!?」

ミハエル「いかにも。しかし、私のあの部隊とは縁を切りましたけどね」

マクラウド「ゲイル、こいつは結構な腕だぞ!」

ゲイル「ああ。しかし、ここで戦っては………」

ミハエル「そぁ、死んでもらいましょうか!」

ゲイル「くっ!」

ミハエル「おや?いつもの双剣ではありませんね」

マクラウド「ゲイル!何故双剣を使わない?」

ゲイル「使いたくても、使う隙が無い」

ミハエル「どうやら、貴方の力はそこまでのようですね」

ゲイル「せめて、せめてあの時の、幽鬼のミーヒルビスの時に起きた力があれば…」

ミハエル「さあ、これで終わりですね」

ミハエルの武器が俺の頭部を襲う。

ゲイル「エクスカリバー!あの時のように俺に力を貸してくれ!」

その瞬間、エクスカリバーは再び光を発した。

ミハエル「何!?この力は、まさか!?」

ゲイル「力がみなぎってくる?あの時とは別の力が!?」

マクラウド「今だ!止めを刺せ、ゲイル!!」

ゲイル「うおぉぉぉぉぉっ!!!」

俺は、光を帯びたエクスカリバーでミハエルに思いっきり斬りつけた。

ミハエル「くっ!まさか、『伝説と言われる力』を引き出すとは………」

ゲイル「伝説の力?」

ミハエル「ふふふ、私もこれで救われるな……」

ゲイル「待て!どういう事だ!?」

ミハエルは、俺の質問に答える前に倒れ、死んだ。

 

シスター「まさか、ゼールビス神父が………」

シスターは、信頼していた神父が八騎将である事にショックを受けている。

マクラウド「これで、よかったんだ」

ゲイル「……………」

俺は、しばらく黙り込む事以外、何も出来なかった。

 

そして宿舎に戻ると、

ピコ「おかえり。…どうしたの?」

ゲイル「ピコ、俺は一体誰なのかな?」

ピコ「え?」

ゲイル「今日戦った八騎将の一人が、俺に向かって『伝説の力』と言ったんだ」

ピコ「そうか…。わかっちゃったんだね」

ゲイル「ピコ?」

ピコ「これ、貴方のお父さんから渡された手紙」

ゲイル「何々………

    『我が息子ゲイルよ。

     お前がこの手紙を読んでいると言う事は、自分の力について知ったという事だろう。

     ピコの事は私も知っていた。だから、ピコにこの手紙を渡したのだ。

     お前は、西洋(アメリカ)で代々引き継がれていた王家「ウィナー」の血を持つ。私と同じ血をな。

     お前の力は、常に発揮されるものではない。守るべき心によって、本当の力を発揮する』

    どういう事だ?」

ピコ「つまりエクスカリバーは、元々、貴方のお父さんが持っていたの」

ゲイル「親父は、その事を知っていて、ピコに手紙を渡したのか?」

ピコ「多分。でも、私も知らなかったんだよ。

   これを渡された時には、『息子が、自分の存在に疑問を持った時に渡せ』としか…」

ゲイル「しかし、今の俺が変わる訳じゃないんだろう?」

ピコ「えっ?」

ゲイル「今更真実を知ったって、ここで、俺かどう変わるって言うんだ?

    俺は、俺なりの道を進んできた事に変わりはない」

ピコ「それでいいの?」

ゲイル「ああ。俺は、自分の為に、このドルファンを訪れたんだ」

ピコ「そうだよね」

ゲイル「残る八騎将は二人。俺は、最後まで戦う」

こうして、固く決心した俺だが、やはり、父の手紙の意味は理解出来なかった。

しかし、今は、自分の信じる道を進みたいとしか考えていない。

 

それから、数週間の月日が流れた。

 

続く……


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