爆弾テロの犯人を探すショウとシュウ。そして、犯人の大体の察しが掴めてきた。
ゲイル「何!?教会の神父様が犯人かもしれない?」
シュウ「ああ。調べてみたところ、シスターは彼を『ゼールビス神父』と呼んでいる」
ショウ「どこかで聞いた名だろ?」
ゲイル「しかし、証拠がないだろ?」
マクラウド「それは心配ない」
ゲイル「どういう事だ?」
マクラウド「俺なりに調べてみたところ、彼には、近頃妙な動きがあったそうだ」
ゲイル「もしそうだったら、今から教会へ向かうしかないな」
マクラウド「ああ。すでに奴は、それに気づいているかもしれないからな」
俺たちは教会へ向かい神父に会う事にしたが、
シスター「どうなさったんですか?」
シュウ「すみませんが、神父様は?」
シスター「ゼールビス神父ですか?ただいまゼールビス神父は………」
神父「私に御用ですか?」
シスター「ゼールビス神父」
ゲイル「貴方にいくつかお聞きしたい事がある」
神父「お聞きしたい事?それは爆弾テロの事ですか?」
ゲイル「それ以外に何かあるか?」
神父「そうですか。やはり、私の正体を知りましたか」
マクラウド「何!?」
神父「私の名はミハエル=ゼールビス。またの名を『血煙のゼールビス』!」
ゲイル「血煙?やはり八騎将か!?」
ミハエル「いかにも。しかし、私のあの部隊とは縁を切りましたけどね」
マクラウド「ゲイル、こいつは結構な腕だぞ!」
ゲイル「ああ。しかし、ここで戦っては………」
ミハエル「そぁ、死んでもらいましょうか!」
ゲイル「くっ!」
ミハエル「おや?いつもの双剣ではありませんね」
マクラウド「ゲイル!何故双剣を使わない?」
ゲイル「使いたくても、使う隙が無い」
ミハエル「どうやら、貴方の力はそこまでのようですね」
ゲイル「せめて、せめてあの時の、幽鬼のミーヒルビスの時に起きた力があれば…」
ミハエル「さあ、これで終わりですね」
ミハエルの武器が俺の頭部を襲う。
ゲイル「エクスカリバー!あの時のように俺に力を貸してくれ!」
その瞬間、エクスカリバーは再び光を発した。
ミハエル「何!?この力は、まさか!?」
ゲイル「力がみなぎってくる?あの時とは別の力が!?」
マクラウド「今だ!止めを刺せ、ゲイル!!」
ゲイル「うおぉぉぉぉぉっ!!!」
俺は、光を帯びたエクスカリバーでミハエルに思いっきり斬りつけた。
ミハエル「くっ!まさか、『伝説と言われる力』を引き出すとは………」
ゲイル「伝説の力?」
ミハエル「ふふふ、私もこれで救われるな……」
ゲイル「待て!どういう事だ!?」
ミハエルは、俺の質問に答える前に倒れ、死んだ。
シスター「まさか、ゼールビス神父が………」
シスターは、信頼していた神父が八騎将である事にショックを受けている。
マクラウド「これで、よかったんだ」
ゲイル「……………」
俺は、しばらく黙り込む事以外、何も出来なかった。
そして宿舎に戻ると、
ピコ「おかえり。…どうしたの?」
ゲイル「ピコ、俺は一体誰なのかな?」
ピコ「え?」
ゲイル「今日戦った八騎将の一人が、俺に向かって『伝説の力』と言ったんだ」
ピコ「そうか…。わかっちゃったんだね」
ゲイル「ピコ?」
ピコ「これ、貴方のお父さんから渡された手紙」
ゲイル「何々………
『我が息子ゲイルよ。
お前がこの手紙を読んでいると言う事は、自分の力について知ったという事だろう。
ピコの事は私も知っていた。だから、ピコにこの手紙を渡したのだ。
お前は、西洋(アメリカ)で代々引き継がれていた王家「ウィナー」の血を持つ。私と同じ血をな。
お前の力は、常に発揮されるものではない。守るべき心によって、本当の力を発揮する』
どういう事だ?」
ピコ「つまりエクスカリバーは、元々、貴方のお父さんが持っていたの」
ゲイル「親父は、その事を知っていて、ピコに手紙を渡したのか?」
ピコ「多分。でも、私も知らなかったんだよ。
これを渡された時には、『息子が、自分の存在に疑問を持った時に渡せ』としか…」
ゲイル「しかし、今の俺が変わる訳じゃないんだろう?」
ピコ「えっ?」
ゲイル「今更真実を知ったって、ここで、俺かどう変わるって言うんだ?
俺は、俺なりの道を進んできた事に変わりはない」
ピコ「それでいいの?」
ゲイル「ああ。俺は、自分の為に、このドルファンを訪れたんだ」
ピコ「そうだよね」
ゲイル「残る八騎将は二人。俺は、最後まで戦う」
こうして、固く決心した俺だが、やはり、父の手紙の意味は理解出来なかった。
しかし、今は、自分の信じる道を進みたいとしか考えていない。
それから、数週間の月日が流れた。