第三話


ソフィアに話しかけた途端、何者かが現われた。

謎の男「ジョアン=エリータス、華麗に見参!」

ゲイル「(な、何だ!?アイツは?自分で華麗にとか言うか?普通…)」

ジョアン「決まっただろ?ソフィア」

ソフィア「ジョアン!?」

ゲイル「知っているのかい?」

ソフィア「はい……」

ジョアン「ソフィア……ヒドイじゃないか。ボクの誘いを断っておきながら、こんな奴と一緒だなんて…」

ソフィア「そ、それは……」

ジョアン「君の父上が知ったら、さぞ悲しむと思うよ」

ソフィア「ごめんなさいジョアン…。以後…気をつけます」

ジョアン「まぁいい……。ところでそこの東洋人!教えてやろう!!

     このボクは貴族中の貴族、エリータス家の三男だっ!

     その婚約者と出歩こうとは…。天が許してもこのボクが許さん!大体、貴様はソフィアの何なんだ?」

ゲイル「東洋人と言うな。俺にはゲイル=ラバーバ=ウィナーというれっきとした名前がある。

    まぁ言うなれば、彼女とは友人みたいなものだ」

ジョアン「フン…友人か。なら、ボクとソフィアの結婚式に一応招待してやろうじゃないか。

     ただし!分際をわきまえない時は、友人であろうと容赦しないぞ!

     彼女とは手紙だけで交流しろ!直接会おうだなんて、千と二十四年早いわっ!

     ソフィア……ボクのママが君をお茶に招待したいそうだ。今から、いいね?」

ソフィア「はい………」

ジョアン「さらばだ東洋人!家に帰ってヘソでも噛んで寝たまえ……ハッハッハッ…」

ソフィア「ごめんなさい……」

ジョアンは、ソフィアを連れていってしまった。

ゲイル「何だ、アイツは?ソフィアの婚約者でマザコンなのか?大変だな、ソフィアも…・。

    俺が何か出来るといいんだが…」

とか言いながら、俺は宿舎に戻った。

 

次の日。

声「あっ!?」

ゲイル「ん?」

突然、女の子が学校の向かいの塀を飛び越えてきた。

ドンッ!!

女の子「キャッ!」

ゲイル「いてててて……」

女の子「アタタタタ…。もう、いきなり飛び込んでこないで欲しいな」

ゲイル「申し訳ない」

女の子「ま、ボクも人の事言えないか……。アハハハハハ」

ゲイル「アハハハハハ」

俺も笑い出してしまった。

女の子「そう言えばゲイル、これ落としたよ」

女の子から身分証明証を渡された。

女の子「キミの身分証見ちゃったから、一応ボクも自己紹介しとくよ。ぶつかった、お詫びも含めてね」

ゲイル「ああ」

女の子「ボクは、ハンナ・ショースキー。この学校に通ってるんだ」

キーンコーンカーンコーン……。始業のチャイムが響き渡った。

ハンナ「やば……このままじゃ遅刻だよ」

ハンナは、慌ただしく学校の中へと駆け込んでいった。

ゲイル「ハンナか…」

俺は、ハンナと知り合った。

こうして、四月の出会いは終わった。

 

今日は五月祭だ。

ピコ「誰が来てるのかな?」

俺はソフィアに声をかけた。

ソフィア「あら、ゲイルさん。これから五月祭に行くんですか?」

ゲイル「うん。どうだい、一緒に行かないかい?」

ソフィア「ええ、良いですよ。それじゃ、行きましょう」

俺とソフィアは会場に向かった。

ソフィア「ゲイルさんはコンテストに参加しないんですか?」

ゲイル「決めてないけど…」

スタッフ「はい、そこのお兄さん。ちょっと人数足んないから、こっち来て!」

ゲイル「ちょ、ちょっと!」

俺は強制的に参加することになった。

ソフィア「頑張ってくださいね」

司会者「レディース&ジェントルメン!イッツ・ア・ショ〜ターイム!

    誰が一番いい男なのかぁ?ナイスガーイ・コンテ〜スト、ハ〜リキッてぇ行ってみよう!」

次々と紹介されていき、結果的に俺はナイスガイではなかった。

ソフィア「残念でしたね…」

ゲイル「そうだね」

ソフィア「それじゃ、ゲイルさん、また今度…」

ゲイル「ああ。またな、ソフィア」

 

俺は宿舎に戻った。

ピコ「どうだった、デートは?」

ゲイル「まだまだだな…」

ピコ「じゃあ、来週はどうするの?」

ゲイル「来週は馬術をするさ」

ピコ「それじゃあ、おやすみ〜!」

 

次の日の朝。

ゲイル「えーと、馬術の練習場は何処だ?」

声「あ……!?」

ゲイル「あの子に聞いてみよう。……ねぇ?」

ドンッ!

ゲイル「うあっ!」

俺はいきなり突き飛ばされた。

女の子B「あんた……この子につきまとって何しようってんだい?」

ゲイル「イテテテテ……」

女の子B「ケガしたくなかったら…」

女の子A「お、お姉ちゃん…」

女の子B「ん?」

女の子A「この人、ロリィを付けてた人と違う……」

女の子B「何だって!?それを早く言いなよ」

女の子A「ご、ごめんなさい…。だって…似てたんだもん……」

女の子B「悪いな……どうやら人違いのようだ。…突き飛ばしてすまなかったな」

ゲイル「いや、大丈夫。ところで君たちの名前は?」

女の子B「名前?あたしはレズリー=ロピカーナ。この子は、ロリィ=コールウェル」

ロリィ「大丈夫、お兄ちゃん?痛かった?」

レズリー「本当に悪かったな。もし怪我でもしてるようだったら、この学校へ連絡してくれ」

キーンコーンカーンコーン……。始業のチャイムが響き渡った。

ロリィ「あ、お姉ちゃん。遅刻しちゃうよ!」

レズリー「お、おい!引っ張るなよ、ロリィ」

二人校門の中へと消えた。

ゲイル「レズリーとロリィか…。しまった!場所聞くの忘れてた…」

 

俺は訓練場を探し、到着した。

ヤング「遅いぞ!」

ゲイル「すみません…」

ヤング「まぁ、今日は大目に見てやろう」

男「助かったな」

ゲイル「ああ。ところで君は?」

男「俺は神風章。よろしくな!」

ゲイル「ゲイル=ラバーバ=ウィナーだ。よろしくな」

俺は今日、レズリー・ロリィ・章の3人と出会った。

 

今日はスポーツの祭典だ。

ピコ「誰が来てるのかな?」

俺はソフィアに声をかけた。

ソフィア「あら、ゲイルさん。祭典へ行くんですか?」

ゲイル「一緒に行かないかい?」

ソフィア「ええ、良いですよ。それじゃ、行きましょう」

俺たちは競技場へと向かった。

ゲイル「はしってないとに登録されているな」

ソフィア「頑張ってくださいね」

俺は頑張ったが、結果はまあまあだった。

ソフィア「今度は頑張ってくださいね」

ゲイル「ああ」

ソフィア「それじゃ、ゲイルさん、また今度…」

ゲイル「ああ。またな、ソフィア」

俺たちはこの場で別れた。

ゲイル「さて帰るか……」

 

俺は宿舎に戻った。

コンコン!

ピコ「誰か来たみたい…」

ゲイル「一体誰だ?」

俺はドアを開けた……

 

続く……


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