戦争の為に体を休める俺。
ゲイル「今日は日曜日か……」
ピコ「今日はデートの日だね」
ゲイル「ああ…」
ピコ「戦争前日だからって、気を抜かない!」
ピコが怒り出す。
ゲイル「それじゃあ、行ってくる」
ピコ「行ってらっしゃーい!」
ソフィアは、待ち合わせの場所へ先に来ていた。
ソフィア「時間ピッタリですね」
ゲイル「中に入ろうか」
ソフィア「はい」
俺たちはシアターへと足を運んだ。
ソフィア「私、舞台劇って大好きなんです」
ゲイル「そうなんだ」
ビーーーッ!
舞台劇が始まる合図が鳴り響いた。
今、舞台劇は「ジョーダンナイト」が公開されている。
ゲイル「実際に無い聖剣をめぐる話か…」
こうして劇が終わった…。
ゲイル「面白くなかったね」
ソフィア「ええ。結局、お話は人によって決まりますから」
俺たちはシアターの外へと出た。
ソフィア「今日は楽しかったです。それじゃゲイルさん、さようなら」
ゲイル「またな、ソフィア」
俺は宿舎に戻った。
ピコ「どうだった、デートは?」
ゲイル「まあまあだな」
ピコ「ふ〜ん。そう言えば、部隊表が配られてきたよ」
俺は部隊表を見た。
ゲイル「俺はヤング大尉の部隊の騎馬隊か……」
ピコ「ヤング大尉ってそんなに凄いの?」
ゲイル「ああ」
ピコ「今日はもう寝なよ」
ゲイル「ああ、おやすみ」
ピコ「おやすみ」
そして翌日、戦争が始まった。
ヤング「ゲイル!騎馬隊は歩兵部隊を責めろ!」
ゲイル「了解! 騎馬隊、歩兵部隊を中心に攻めるんだ!」
この戦いはかなり続いたが、ヤングの部隊は勝利した。
その時……、
男「聴け、ドルファンの犬ども!」
男がこちらに向かって何かを言おうとしている。
男「我が名は疾風のネクセラリア!我が槍に挑まんとする勇者はおらぬか?」
ヤング「ネクセラリア、俺が相手だ!」
ネクセラリア「ヤング=マジョラム…。ハンガリアの狼と言われた貴様が、今や大尉とはな…」
こうして二人の戦いが始まった。
ヤング「くらえ!」
ヤングの必殺技が唸る。
ネクセラリア「これで終わりだ!」
ネクセラリアの攻撃がヤングを苦しめる。
ヤング「グッ……」
ネクセラリア「これで終わりだ!」
ネクセラリアはヤングを倒した。
ヤング「グアァァァ…」
ネクセラリア「ヤングよ、冥土で会おう…」
ヤングに止めを刺すネクセラリア。
ヤング「クレア…すまん……」
ゲイル「ヤング大尉!」
ヤング「ゲイ…ル…、あと…は……頼ん…だ……」
そう言い遺し、ヤングは倒れた。
ネクセラリア「上官の仇を討つものはおらぬのか?」
ゲイル「俺が相手だ!」
ネクセラリア「双剣使いか……」
ゲイル「ゲイル=ラバーバ=ウィナー!ヤング大尉の仇、我が討つ!」
ネクセラリア「くらえ!」
カンッ!
ネクセラリア「何!?」
ゲイル「これでどうだ!」
ネクセラリア「グハッ!…これで終わりだ!」
ゲイル「グウッ!」
ネクセラリア「これで終わりだ!」
カンッ!
ゲイル「貴様の攻撃は見切った!」
ネクセラリア「バカな……」
ゲイル「止めだ!」
俺の双剣がネクセラリアを捕らえた。
ネクセラリア「ヤングよ…よい部下を持ったな……」
ネクセラリアは倒れた……。
こうして、この戦いは終わった。
宿舎に戻ると、ピコが出迎えてくれた。
ピコ「大丈夫だった?」
ゲイル「ああ……。だが……」
俺は、ピコに戦争での出来事を話した。
ピコ「そう…。とりあえず、今日はもう寝なよ」
ゲイル「ああ。おやすみ……」
俺は眠りについた。
次の日の朝。
ピコ「どこに行くの?」
ゲイル「手紙を出しに行ってくる」
ピコ「誰に出すの?」
ゲイル「両親さ。心配しているだろうからな…」
ピコ「行ってらっしゃい」
俺は外に出た。
ゲイル「これでよしっと!」
声「あ、ゲイルさん?」
ゲイル「ソフィア……」
俺はソフィアと出会った。
ソフィア「何をしていたんですか?」
ゲイル「両親に手紙を送ったんだ」
ソフィア「そうなんですか」
ゲイル「ああ。約半年かかるから、今のうちに出しておこうと思ってね」
ソフィア「あの……」
ゲイル「どうした?」
ソフィア「噂で聞いたんですけど…。ゲイルさん、皆から”双剣の翼”って呼ばれているみたいですけど…」
ゲイル「一体どうして……?」
ソフィア「なんでも、一騎打ちに勝って、双剣を翼のようにしていたからって…」
ゲイル「もうそんなに広まってるんだ……」
ソフィア「これからも、頑張ってくださいね」
ゲイル「ああ。ありがとう」
ソフィア「ではこれで」
ソフィアは立ち去った。
ゲイル「双剣の翼か……」
俺は、人々から「双剣の翼、ゲイル=ラバーバ=ウィナー」と呼ばれるようになったが、実感が持てない状態だった。