青空の高い所で、太陽が地上をジリジリと照りつける。
所々で陽炎が揺らめいている。
この調子だと蜃気楼ができるんじゃないかと思う程、ドルファン王国は連日猛暑続きだった。
そんな中、首都城塞内フェンネル地区の訓練施設では傭兵隊が全身を汗でびっしょりと濡らしながら日々の鍛練に勤んでいた。
もっとも、訓練を放棄して海辺や高原でこの暑さを忘却しようとする者も何名かいたが、彼らが戻ってきた時には厳しい懲罰が科せらるだろう。
ギャリック「なぁ、ケイゴ」
ケイゴ「……ん、何だ?」
今日の訓練の全課程が終了すると、ギャリックが声をかけてきた。
ギャリック「最近、ドルファン城に国王様の兄貴の幽霊が出るって話知ってるよな?」
そんな事を、ギャリックは唐突に訊いてきた。
ここ最近というか、今年の八月に入ってから、ドルファン城で幽霊が夜な夜な出るようになったらしい。
目撃者は皆、プリシラ王女の部屋の周辺を歩いていると白い人影らしきものが浮かんできたと証言している。
その為に城内は混乱している様子で、終いにはその幽霊は現ドルファン国王デュラン・ドルファンの双子の兄で病死したとされるデュノス・ドルファン公で、王位継承権を失った恨みを晴す為に現れるのだという噂が城内を飛び交っている程だ。
ケイゴも勿論それを知っていた。
ケイゴ「ああ。それが、どうかしたのか?」
ギャリック「これ以上根も葉もねぇ噂立てられたくねぇってんで、城の連中が幽霊騒動を解決できたら褒美を取らせる事にしたらしいんだ。明日は休みだしよ、付き合ってくんねぇか?」
ケイゴ「却下だ」
ギャリックの頼みをケイゴは即答で断った。
が、いつもなら断られてもなおすがり付いてくる筈の彼が、ニヤリと意地の悪い笑顔を浮かべているのを見て、ケイゴの脳裏に嫌な予感が過った。
ギャリック「いいのかなぁ?ソフィアちゃん達もう誘っちゃったんだけどなぁ」
と、わざとらしい声でギャリックが言った。
「何だと!?」
珍しくケイゴが目を皿の様に丸くして、驚きを露骨に顔に出す。
ケイゴ「……謀ったな?」
ギャリック「さぁ?何の事でしょうねぇ?」
飽くまでシラを切るギャリック。
万が一の事を考えずにこんな事をする彼の思考能力を、ケイゴは恨めしく思った。
この場で彼を再起不能なまでに叩きのめそうかとも思ったが、そうした所でただの八つ当たりに過ぎない。
ケイゴ「いいだろう。よろしく頼むぞ」
相手の肩にポンと手を乗せて、ケイゴが言う。
顔はいつものポーカーフェイスなのだが、目が異様に据わっていて、ギャリックの肩に乗せている手には尋常ならざる力が込められている。
闘気も爆発的とは言わないまでもかなり膨れ上がっている。
うっすらと彼の体が黄金の輝きに包まれているのも気のせいではないだろう。
ソフィアに何かあったらただじゃ済まさないという無言の、しかしあまりにも強烈な威圧だった。
ギャリック「お、おう」
そんな風に凄む彼を目の前にして、ギャリックは全身をべっとりとした冷や汗で濡らしたのだった。
翌日。
ケイゴとギャリックは、ドルファン城の謁見の間にいた。
彼らと一緒に、ソフィア、ハンナ、レズリーの姿もある。
ロリィの姿がないのは今日は両親と小旅行に出かけている為だ。
ライズもこういう事に興味がないという理由で断っているのでいない。
ギャリックの連れてきた彼女達三人は、謁見の場に初めて入った為か緊張の色を隠せない様子だ。
しばらくして奥からプリシラが現れ、彼女達の緊張がさらに増す。
その場にいた側近に下がる様に命じる。
勿論、近衛兵の隊長メッセニ中佐もだ。
謁見の間から彼らが出ていったのを見計らって、プリシラはかったるそうに背伸びをした。
国王の娘がこんな仕草を人前ですると、誰が思えただろうか。
彼女の王女らしからぬ仕草に、ソフィア達の目が点になる。
プリシラ「あーあ。いくら謁見だからって、こんな重い衣装着てられないわ」
ケイゴ「王女というのも大変な様だな」
プリシラ「そうね。最近城下に出てないから、またお城抜け出しちゃおうかしら?」
ギャリック「おっ?そん時は俺を誘ってくれよ!最近、いい露店見つけたんだよ」
プリシラ「えっ!?そう?じゃあ、いいの見つけたら買ってくれる?」
ギャリック「……へっ?そ、そいつは勘弁して欲しいなぁ」
ケイゴとギャリックが親しげにプリシラと話しているのを見て、話の輪に入っていない三人は目を皿の様に丸くして驚いていた。
レズリー「な、なぁケイゴ、どういう事だ?」
混乱して何が何だかわからなくなってしまったレズリーは、ケイゴに説明を求めた。
ケイゴ「ああ。いつぞやに王女がいなくなったと騒ぎになっただろう?」
ソフィア「ええ。一昨年の丁度今頃でしたよね」
ケイゴ「ああ。その時、俺とギャリックはたまたま城を抜け出したプリシラと鉢合わせしてな。勿論、彼女が王女だとは知らなかった俺達は、言われるがままに色々な所を回ったのだ。辺りがすっかり暗くなった所で、突然帰られてしまったがな」
ギャリック「それでその年の王女誕生日に俺ら二人が招待されてよ。行ったらメイドの娘に王女が会いたいって言うもんだから、取り敢えず謁見の間に付いてったらそこにプリシラがいたって訳」
二人の話を唖然とした様子で聞いている三人。
もしここに側近達がいたら、十中八九卒倒するに違いない。
プリシラ「そういう事。あ、そうそう。私、あなた達にも会ってるわよ。去年の夏、海でね」
含み笑いをして、プリシラはソフィア達に言う。
ハンナ「あっ、もしかしてあの時ギャリックを病院送りにした女の子!?」
レズリー・ソフィア「えっ!?」
ハンナが気づいて驚きを露にすると、ソフィアとレズリーは思わず顔を見合わせる。
プリシラ「あの時はちょっと大人気ない事しちゃったけどね」
ギャリック「あんときゃ、空の向こうにお花畑が見えたぞ、ホント」
プリシラ「あはは……そ、それよりも、早いとこ幽霊を退治しに行きましょ」
ばつの悪い表情を一転させ、プリシラはやる気満々の様子で意気込んで見せた。
プリシラ「ここよ。私の叔父さんの幽霊が出るって噂の場所は」
プリシラに案内された場所は、彼女の寝室のすぐ側にある廊下だった。
今ここにはプリシラを含めた幽霊騒動の調査メンバーの他に誰もいない。
因みに、現在時刻は夜の11時を既に回っている。
真っ暗な為、辛うじて周囲が見える程度だ。
そんな飲み込まれそうな闇に包まれた廊下には、人でなくなった異形の者が出てきそうな雰囲気が立ち込めていた。
ソフィア「な、何か薄気味悪いですね」
怖くなったのか、ソフィアはケイゴの側に寄り添って離れない様にしている。
ケイゴ「心配するな。いざという時は俺とギャリックで足止めしている内に逃げればいい」
怖がっている女の子に対してかける言葉とは到底思えない。が、彼はソフィア達を気遣うつもりでそう言った。
何かが襲ってきたとしても、ギャリックと一緒に対応できるし、その間にソフィア達が逃げれば問題ない。
そう思っている彼の判断からすれば、当然の言動ともいえる。
プリシラ「それにしても、ケイゴって彼女いたんだ」
そんな一組のカップルを一瞥して一言。
ギャリック「ああ。そうなんだよ。いつも休みに街に出るとさ、いっつも二人で楽しそうにしてるんだよなぁ。ったく、羨ましいったらありゃしねーぜ」
わざと大きな声で、嫌みったらしくギャリックが言った。
ヒヒヒヒと悪戯をして楽しんでいる子供の様な顔を浮かべている。
該当者二人が顔を赤くしているのがわかる。
ハンナ「ギャリック、からかうのその辺で止めときなよ」
プリシラ「そうそう、今は幽霊退治の方が先でしょ?ただでさえ忙しいっていうのにこれ以上睡眠時間を削られたくないんだから」
ギャリック「へいへい」
プリシラとハンナに諌められ、ギャリックは渋々それに従う。
二人に逆らえないのもあるが、今はささっと幽霊事件を解決して報酬を頂く事に集中すべきだと思っているからだ。
それに、二人をからかうのはいつでもできる。
ケイゴ「む?」
ケイゴがふと足を止める。
人の気配がしたからだ。
それはすぐに消えてしまったが、その誰かのいたと思しき場所、つまりカーテンの陰から何か白い靄の様なものが揺らめいているのに気づいた。
幽霊にも見えなくないその姿は、ソフィア達の目にも入った。
彼女達の顔が一瞬の内に真っ青になる。
女性一同「きゃーーーーーーーーーーっ!!」
ケイゴとギャリックを除く一同が、ガラスが割れそうな程の悲鳴をあげた。
ソフィアがケイゴにしがみつく。
プリシラも彼女同様ギャリックに飛び付くが、恐怖のあまり失神してしまった。
ハンナとレズリーは男二人の後ろに隠れて、体を震え上がらせながらその幽霊のいる場所を覗き見ている。
ギャリック自身も少々蒼い顔をしてカーテンの陰を見ていたが、一方のケイゴは動じずにただそこを真っ直ぐに見ていた。
ケイゴ「ギャリック、お前はプリシラを頼む」
ギャリック「あ?ああ。わかった」
ケイゴの声で我に返ったギャリックは、プリシラを抱き抱え直すと彼女の寝室に向かって踵を返した。
後に残ったのは、全くもって冷静なままのケイゴと、彼にくっついたまま動けないでいるソフィア、ハンナ、レズリーのドルファン学園高等部生組だ。
構図としては羨ましい限りである。
ケイゴ「……すまないが、離れてくれないか」
少々困ってしまい、言いづらそうな顔をしてケイゴは言った。
言われて、この状況に気づいた三人はバッと飛び退く様に離れた。
恥ずかしさで真っ赤になってしまった顔を見せまいと、顔を彼から逸らす。
ソフィアに関しては、耳の裏まで赤くなった顔をうつむかせていた。
が、お年頃の女の子三人に抱きつかれた羨ましいヤツは、顔色一つ変わってすらいなかった。
ただ一点、カーテンの裏に目を向けている。
すると、彼はおもむろにそのカーテンの側に近寄った。
ソフィア「ケ、ケイゴさん……?」
未だこの幽霊の様な靄を怖がっているソフィアの声に、ケイゴは振り向いて「心配するな」と微かに笑って見せた。
ケイゴ「ドルファン城の幽霊騒ぎの原因は……こいつだ」
彼がカーテンをめくると、そこには線香の煙をふかして漂わせている香炉があった。
プリシラが目を冷ますと、そこは彼女の寝室だった。
ベッドから重たい体を起き上がらせると、瞼を閉じて蛸の口の様にすぼませているギャリックの顔のアップが視界に飛び込んできた。
プリシラ「きゃーーーーーーーーっっ!!」
貞操の危機(?)を咄嗟に感じたプリシラは見事な二段回し蹴りを繰り出し、目の前の変態男を高価そうなカーペットの上に沈めた。
プリシラ「……あれ?」
それが功を奏したのかどうかはわからないが、プリシラの意識が明瞭になる。
自分の部屋を見渡すと、今しがたの光景に目が点になっているソフィア、レズリーと、無様な姿で横たわっているギャリックを見て呆れているハンナとケイゴの姿があった。
ギャリック「いきなり何すんだよ!!」
すぐに復活してプリシラに噛みつくギャリックだったが、彼女も負けじと反撃を開始する。
プリシラ「あなたこそ、乙女の純潔を本人の了解もなしに奪っていいと思ってる訳っ!?」
ギャリック「深く考え過ぎだっ!!ちょっとした俺のお茶目だって!!」
プリシラ「そうだとしても度が過ぎるわ!!」
ケイゴ「二人ともいい加減にしろ。まだ寝ている人間を無理やり起こす気か?」
このままではいつまで経っても終わりそうにない口喧嘩を、ケイゴが仲裁する。
呆れてものも言えないという彼の視線に気が付いて、二人は不毛な言い争いを止めた。
プリシラ「……あの、叔父さんの幽霊が出た後、私、どうなったの?」
ケイゴ「ギャリックに飛び付いた途端に気絶した。その後、俺の判断でここまでお前を運ぶ様にさせたので、眼を覚すまでお前はここで寝ていたという事になる」
プリシラ「……そう、なんだ」
ピクピクとこめかみを引き攣らせながら、プリシラはギャリックに目をやった。
彼の今の愚行が強烈なインパクトとなって頭の中に焼き付けられてしまった彼女にとって正直いい気分ではなかったが、それでも後で感謝の気持ちだけは示さなければならないだろう。
ケイゴ「それで、本題の幽霊だがその正体はこれだ」
と、ケイゴは緑色の香炉をプリシラに見せた。
そのまま彼は今回の騒動について説明を始めた。
彼の説明に拠ると、幽霊に見えていたのはこの香炉で炊いた線香の煙で、何者かが廊下のカーテンの陰の台に香炉をおいて、そうなる様に仕向けたらしい。
そして自分達が幽霊退治に出かけて廊下に来た時、奇遇にも犯人はその場で香を焚いていた。が、既に香を焚き終えていた犯人はすぐにその場から立ち去ってしまった。
ケイゴ「まぁ、犯人が誰かはわからないがな」
プリシラ「そうだったの……わかりました」
雰囲気を今までの少女モードから毅然とした王女モードに移行させ、プリシラはケイゴ達に向き直る。
プリシラ「ご苦労様でした。後で城の者一同で事件解決のお礼を致しますので、それまで来賓室で待っていてください」
その後、ケイゴ達はさらに五時間もの間ドルファン城の関係者に拘束される羽目になった。
ドルファン城の幽霊騒動が治まってから数日後の事だった。
プリシラの身の回りの世話をしているメイド、プリム・ローズバンクは彼女の我がままでアイスクリームを買いに街に出かけていた。
城を抜け出して始めて食べて以来、アイスクリームはプリシラの好物になっていた。
そのおかげで、公では城の外に出られない事になっている筈の王女に代わって、プリムがこうしてアイスを買いに出る様になったのだ。
それだけならまだいいのだが、プリシラは一度に大量に頼んでくる為、重いクーラーボックスを持って出歩かなければならず、その事に彼女は不満を抱かずにはいられなかった。
これから、アイスクリームショップで買い占めて城に戻らなければならないのを考えると実に憂鬱な気分になった。
早く用事を済ませて帰ろうと早足で急ぐ彼女だったが、黒で統一した服装の男に呼び止められた。
ケイゴ「プリム、久しぶりだな」
プリム「……ケイゴ様?」
プリシラの世話係という事で何度か会っていたし、傭兵部隊のエースである彼の名も広く国内に広まっていた事もあり、プリムはすぐにその名前を言う事ができた。
プリム「私に何か御用ですか?」
ケイゴ「ああ。多少時間を頂けるとありがたいが」
プリム「わかりました」
プリムが了承の返事を返すと、ケイゴは場所を人気のない公園の隅に移した。
彼は真っ直ぐな視線をプリムに向ける。
何かの核心に迫る様な、そんな眼差しだった。
その鋭い眼光に、プリムは何もかも見透かされてしまった様な、奇妙な感覚を覚えた。
ケイゴ「俺達が解決したドルファン城での幽霊騒ぎ、あれは君の仕業だろう?」
鋭い目付きのまま、ケイゴはそういい放った。
何も決めつけではない。彼の表情から、確かな根拠の元の言動である事が伺えた。
プリムは彼の顔を、強張った顔で黙って見ているだけだ。
プリム「……どうしてわかったんですか?」
反論もせずに、彼女は黙って白状する事にした。
ケイゴを欺き切る事が無理だと、自分の直感が教えてくれたからだ。
でも、彼女はどうしてもケイゴがこの事件の犯人がわかったのか腑に落ちなかった。
ケイゴ「俺は人を覚える時は、顔と名前に加え気配で覚える様にしている。たとえ暗闇で顔が見えなくとも、誰がどこにいるかなど把握できる」
ケイゴの言っている事は本当だった。
気の本質を操る為の武術・金剛武神流においての最初の訓練は、気を感じるだけでその物、人を当てる事から始まるのだ。
気を感じる事ができなければ、操る事すらできないのだ。
あまりにも予想外な返答をするケイゴに、プリムはしばらく目を丸くしていたが、返って妙に納得してしまった。
ケイゴ「それで、あんな事をしたからには何か動機があるんだろう?」
プリム「ええ」
プリムは荷物の中から一冊の手帳を取り出して、ケイゴに渡す。
それを開いて、彼は筆記体の単語をさらっと目に通した。
そこには、前国王の代の王宮の裏の姿が克明に記されていた。
亡くなったとされているデュノス公の事、ピクシス家の当主アナベル・ピクシスの事など、恐らく現在の王族や貴族でも知っている者が数少ないであろうと思われる事ばかりがその手記に掲載されている。
プリム「それは、私のお婆様がお城に宮仕えしていた時の事を書き綴ったものです。これをお婆様は出版しようとしたんですが……」
ケイゴ「差し止められたという事か。まあ、これが世間に出回れば国内が混乱するし、その隙を突いて港を求めている内陸国に攻め込まれる可能性が高いからな。自らの保身の為にピクシス家と、そこに繋がりのある者達が動いたんだろうな」
ケイゴの言う事は最もだった。
これは類推ではない。
ドルファン王国の貴族達なら平気でやりかねないのだ。
真実によって駆逐される事を忌避し、自分達の都合で民衆に虚実を見せている彼らなら……
ケイゴ「それにしても、だからと言って王族を狙ったのはお門違いだったな。彼らは関与どころか知ってすらいないだろう。これでは日頃から人使いのあらいプリシラに痺れを切らした上での犯行にしか見えんぞ」
ケイゴのこの発言に、色んな意味でプリムは目が点になった。
王族がこの手記に関する事についてほとんど知らないであろう事を知らされて呆然となったかと思えば、今度はからかわれて恥ずかしさでいっぱいになる。
さらに自分のした事が無駄だったという虚脱感やら何やらで、プリムの感情はこんがらがってしまった。
ケイゴ「今回の事は内密にする。元よりそのつもりで会いに来たからな。誰かに言い触らすなどという行為はしないさ」
彼のその言葉を聞いてちょっとは混乱が治まったのか、プリムは頷いて見せた。
ケイゴ「時間を取らせてしまってすまなかった。詫びと言っては何だが、アイスクリームの買い出しの手伝いをさせてくれないか?」
プリム「えっ!?何もそこまでして頂かなくても……それに、本来お礼を言わなきゃいけないのは私の方なのに……」
ケイゴの申し出に、プリムは戸惑いを隠せなかった。
事件の事を内密にしてくれるだけでなく、アイスクリームの買い出しの手伝いまでさせて貰うのは、彼に悪い気がしてためらわれた。
ケイゴ「元々、俺の我がままで付き合わせてしまったのだから、その事に対して俺が責任を取る必要があるのは当然だ」
プリム「……は、はぁ。では、よろしくお願いします」
結局プリムが折れて、ケイゴは彼女の買い出しの手伝いをする事になった。
その後、手伝いを無事に終えて帰る途中、ロリィ、スー、リンダの三人に捕まって、プリムについて追求された事をここに追記しておく。
後書き
いやあ、最近、投稿ペースが落ちてます。
専門科目の課題に追われる事が多くなって忙しくなったのがその原因です。
が、必ず完結させます。
中途半端な気持ちでSSを書いてるわけじゃないし、一つのけじめとして、一度手をつけたものは終わらせなければならない義務があると思ってますから。
さて、それでは次回までさようなら!!