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城下町と炸裂弾



日下「もしもーし、君、ちょっと時間あるー?」
日下はその辺で歩いていた女性に声をかけた。
女性「はい?」
日下「俺たち、この街に初めて来たんだけど、少し街について教えてくれる?」
女性「ここは伊東藩の城下町です。領主は伊東誠一郎様と申される素敵な方ですわ」

早見「伊東家か…食卓はあるかな」
日下「秘伝の裏技とか大発見とか」
 どうでもいいネタで盛り上がったことも付け加えておきます。

日下「その他には何かある?」
女性「特に何も」
女性はそう言って去っていった。
日下「この場合、やっぱり領主か?でも単純すぎるな」
早見「越後屋とかもからんでたりして(笑)」
日下「越後屋お主もワルよのう」
早見「いえいえお代官様には(以下略)」
日下「まあ水戸●門ごっこはおいといて」
 自分で振っておいて何言うかお前。
日下「さらに聞き込みしておこうか」
 そこにちょうどいいところに男性が歩いています。ちょんまげです(笑)。
日下「お兄さんお兄さん。この辺で何かウワサある?」
男性「ウワサ?」
日下「何でもいいよん。実は俺、かわら版書いてんのよ」
 ウソ八百。
男性「あー、たしか、領主様が、神撰組とかいう連中を出入りさせているというウワサがあるなあ」
早見「何だかパチモンっぽいですねえ」
 この時早見を借りてロールプレイしていたプレイヤーは、まさかこのパチモンがキャンペーンシナリオの要の一つとなるとは思っても見なかっただろう。
男性「それぐらいだな、俺が知ってるのは」
 そして、男性も去っていった。
日下「怪しい連中を出入りさせているところからも、いかにも領主が怪しいなあ」
早見「セオリーですしね」
 定説です(何?)。
日下「城…高いところにあるなあ」
日下君はスパイのくせに高所恐怖症です(笑)。外を見なければ多分余程高いところでもない限りEPPは  減らないのでしょうが、やはり嫌なモンは嫌らしいです。

日下「さてと。城に行ってみるか」
早見「その前に特務教師のところに戻ったほうがよろしいんじゃないでしょうか?」
 そんなわけで岩崎のところに二人は戻ります。
岩崎「どうした?」
日下「はっ(敬礼)。断定はまだ不可能ですが、領主となっている伊東氏が託卵者であるという可能性があります。確認のため、城に向おうと存じますが、もし伊東氏が託卵者である場合戦闘も予想されますため、教官にもご協力を願い出たいと存じます!」
早見「何だかいつもと軍人口調とのギャップが…」
日下「あひゃひゃ☆国防らしくていいだろ☆」
 軍人口調は推奨か?
岩崎「わかった。私は軍医なので戦闘はできないが、戦闘後の治療はできる」
早見「軍医?」
 うん。レスキューの特務教師バージョンの一種として、こんなのもいいかな、と。
岩崎「ちなみに、防衛医大卒業だ」
 結構頭はいいんです、この人。催眠術にあっさりひっかかったけど(笑)。
早見「何はともあれ、協力ありがとうございます」
日下「そういう訳で、これより突撃する!」
 つうか、このセリフ、アイズっつーよりコマンド…まあいいや。

 城の門には、二人の武装した人間がいた。
 否。
 彼らは人間ではない。託卵者の妄想により創造された偶兵だ。
日下「く、マジか」
 二体の偶兵は、二人に向って走ってきた。
早見「やるしかなさそうだ」
早見は、腕と脚を硬化させた。これが彼の生体装甲である。
日下「ふん、時代遅れの刀と鎧なんて、今時の高校生には通用しないぜ!」
 鼻で笑いながら日下はベレッタを取り出した。
 そして、偶兵の一体が、早見に切り掛かる。早見はそれを右手で受けとめて、左手でぶんなぐった。しかし相手にダメージを与えるほどではなかったらしい。
 もう一体の偶兵は、日下に切り掛かった。
日下「うそ、マジで!?俺どっちかというと頭脳派なんだけど!」
 日下はモロに食らったが、防弾シャツで防がれて被害は少なかった…はずだが、かなりのダメージがきたらしい。
日下「だから俺は頭脳派だっての」
日下は舌打ちしながらすこし後退した。
日下「そんなムカつくてめえらには、鉛弾プレゼントしちゃる!」
日下は偶兵の片方に向けてベレッタを撃った。命中はしたものの、弾は鎧に弾かれた。
日下「マジでー!?」
早見「どうやら、通常の攻撃じゃ通用しないらしい。ならば…」
 そう言った早見の爪が伸びる。爪もまた、銀色の光沢を持っていた。
早見「切り裂くのみだ!」
 偶兵たちがほぼ同時に、早見に襲い掛かる。だが早見はそれをうまく捌き、二体の偶兵は鋼の爪に切り裂かれる。
日下「チャンス☆…さっきのは通用しなかったから、今度はバーストで殺る!」
 ちなみに、バーストとは炸裂弾の通称である。なんかブラックキャットでそう呼んでたから。
爆音と共に、片方の偶兵はよろめく。
日下「今だ!」
 そして、よろめいた偶兵はそのまま早見の爪で切り裂かれた。
 しかし、もう一方の偶兵がさらに襲い掛かる。早見はそれをうまくかわすと、爪で貫いた。
日下「ぐ…さっきのダメージは結構キたな」
 そこへ、岩崎が現れる。
岩崎「手当てしましょう。…私にはこれぐらいしかできないですから」
 そう言って日下に傷の手当てを施す。
日下「さすがに手早く的確ですね」
岩崎「本業ですから」
 しかし、ゆっくりしている暇などなかった。こうしている間にも、TPASは進行しているかもしれないのだから。

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