ナーガ(声:川村万里阿)



 すぺしゃるほぼ全巻に登場。ただしどの話も出るのではなく、その出現率は半々といったところ。他 メディアでは、映画、OVA、漫画版すぺしゃる、ゲーム等。

 長い黒髪に黒いマント。切れ長の、深い瞳に知性を宿す(と、初登場時に書いてあるんだから しょーがない)、かなりの美人。しかし、胸と腰とを申し訳程度に覆う、やたら露出度の高い服と、 とげとげのついたショルダーガード、とどめは髑髏のネックレス、と、道ばたで見かけたら石を投げたく なるほど怪しげな、典型的「悪の女魔道士」ファッションをこよなく愛する女性。一応、魔道士として の黒いマントもつけてはいる。
 自称リナの最大最強のライバル。しかしリナ本人には、認知されて いない。なぜなら実質は、リナの金魚のふんだからである。とはいえ、かなり魔法の才能は豊かで、 リナの使っていた術(レイ・ウィング)を「便利そうだから」というだけ で覚えてしまった。裏設定として、『才能だけなら、リナの魔力キャパシティより上』という設定が あったりするほどである。しかし、そのありあまる才能がほとんど生かされていないことは、言うまで もない。
 使う魔術は精霊魔術と召喚魔術。また、子供の頃に母親から習った、呪術の基礎知識がある。

 初めは、自分でつけた火にまかれたりして全身大ヤケド、なんてこともしばしばあったが、彼女の ゴキブリ並の生命力は回を増すごとにたくましくなっており、今ではどんな状況から瞬時に復活したと しても「ま、ナーガだし」で済ませられる、人外の生命力を持つようになった。
 また、かなりのウワバミであり、かなり度の高いアルコールを大ジョッキで何杯も飲み干しても、 顔色ひとつ変わることはない。

 とにかくとんでもない女性ではあるのだが、実は驚いたことに、彼女は セイルーン王国の直系の王女なのである。その名もグレイシア=ウル=ナーガ=セイルーン 。つまりフィルさんの上の娘であり、アメリア の姉。元々、本編4巻にナーガを出すはずだったのが、説明文が長くなるためにボツとなり、その 代わりとして作られたキャラがアメリアだった。
 アメリアの「精霊魔術と召還術を少し。グレイシア姉さんがそういうの好きだったもんで(略)」 というセリフや、『なぜナーガはあんな行動ばかりしてて、行き倒れないんだろう』とか『ナーガは いろいろ謎な得意技を持ってるけど、どうして覚えたんだろう』などといった問題に、見事なまでに 合致するのは、そういうことなのである。彼女のおかしなカリスマも、父親譲りといったところだ ろう。
 ……それにしても、セイルーンに女王は認められていないのだが、あの父とあの娘では、 フィルさんの次のセイルーン国王はナーガ、ということも充分あり得る。。リナがアメリアを見て、 「お姉さんのグレイシアさんが、まともな人であることを祈ろう……」と言っているが、もちろん ナーガはアメリアに輪をかけてまともではない。しかも近しい親族は、軒並み謀反の結果、失脚するか 死亡している。どういう形に転んでも、セイルーンの未来は相当暗い。