サミィ=マリオン

 MS01〜05、SS03に登場。
 年の頃なら十七、八。あざやかなブロンドの長い髪と、碧(みどり)色の瞳を持つ。幼さを残し ながらも整った顔立ちで、美人と呼ぶには十分。身長は、レティシアと 同じくらいであるらしい。シェリフスター・カンパニー、キャンペーン二課、 チーム・モーニングスター所属。
 見かけは普通の人間だが、実は三年前にクロフト社軍産部門に 造られた、遺伝子操作生体兵器。彼女にとってそれは大きな悩みの種であり、人間であるレティシアに 対してかなりのコンプレックスを抱かせる原因になっている。イーザーメニィと違い、他の二人にない特化した能力は持ち合わせていないようにも 見えるが、彼女の短気な性格は、脳内物質の分泌を多くし高いサバイバビリティ、すなわち感情の 喜怒哀楽を激しくすることで緊急時の瞬間的に出す限界以上の力を、期待した結果であると推測 される。そのためか、感情の発達度は三人の中で最も高く、最近、本人は無意識のようだが、イーザー を異性として見始めている傾向があり、さらなる複雑な感情の発達が期待できる。
 イーザーやメニィにも共通することのようだが、生み出される過程において、頭蓋に生体電流を電源 とした生体振動子をはりつけられており、それが暗号化され、宇宙服や装甲服などにあるブラック ボックスで増幅され、母船内にあるブラックボックスのレコーダーに記録され、彼らの会話はクロフト に筒抜けとなっているが、彼らにそのことは教えられていない。また、体内で生命維持に必要な酵素や 化学分泌物質の数種類を生成できないようになっており、生命維持のためには定期的なアンプルの服用 と投薬が必要不可欠となっている。
 甘党というと、同じMSチーム相棒のイーザーのイメージがあるが、彼女とてレストランでミルク セーキやフルーツパフェ2杯など、甘いものばかり注文しており、意外と甘いもの好きであるようだ。
 固有の武器は、全長一メートルを越す、ゆるやかな曲線を描く刀身を持った、片刃の長剣の分子振動 ブレード。普段は四十センチほどの黒い棒状で、腰の後ろに隠している。ただし物が物なので、それ なりのずっしりした手応えのある重さがある。使用時には、「シェイプシフト」の言葉と共に一振り すれば、声紋とパスワードに反応して、長剣の形状になるしくみ。