リナの父



 外伝「刃の先に見えるもの」に登場。
 長く伸ばした黒髪に、なぜかいつも安物の釣り竿をかついでいる。シャツにジャケット、ズボンに ブーツという、ごくありきたりな服装。整った顔立ちは、美女に間違えられかねないほど。それなりに 似合っているくわえタバコに火がついていないのは、奥さん子供がうるさくて、禁煙しているから らしい。年よりかなり若く見える、年齢不詳なおやじ。口調は、顔に似合わず乱暴。
 クルシダの村で、家や家宝の光の剣に 対して嫌気のさしていたガウリイと出会い、彼が立ち直るきっかけを与えた。 そのおかげで、ガウリイはリナと出会うことができたと考えてもいいだろう。 ガウリイに教えたことはいくつかあり、「惚れた相手の前でだけは、悩んだ姿なんて見せるな」「恨み のある剣でも、何かできるかもしれない」等々、ガウリイの成長に一役も二役もかっている。
 昔は傭兵稼業をやっていたが、今はもう足を洗って、ゼフィール・シティ で雑貨店を開いている。傭兵の頃のポリシーは、「道具にこだわらない奴は二流だが、道具に当たる奴は 三流以下だ」。その頃は1人も平気だったが、家族を持って騒がしいのに慣れてしまった現在では、 ちょっぴり寂しがり屋?実力は、ガウリイが「結構強い」と称するぐらいは持っている。
 リナの性格はどちらかというととーちゃん似で、光の剣をねだるところも、基本的に面倒ごとは嫌いな クセに筋の通らないことはもっと嫌いというところも、2人はとてもよく似ている。「人に名前を聞く ときは、まず自分から」なども共通点。
 かつて、かーちゃんとねーちゃんイルマート公国 へと旅行に行ってしまい、リナと2人で家に取り残された時、2人とも野菜いためしか作れず、 貧しい食生活をしたという、苦い思い出を持つ。その事件を教訓として、少しは料理も覚えたらしい。 また、リナに教えてもらって、烈閃槍を使うことができる。
 直接、彼がリナの父親であるという記述はないし、名前も出てこない。だが、「下の娘が魔道を かじっていて、旅に出ており、魔族に詳しく烈閃槍を教えられる」くらいは、探せばあることだろうが、 「包丁一本で電撃竜(プラズマ・ドラゴン)倒せる上の娘」が、そうそう 世間にいるとは思えない。そんな人間離れした力を持つのは、郷里のねーちゃんことルナ=インバース くらいのものだろう。