レイチェル



 すぺしゃる19巻「愛は強し」に登場。
 年は二十歳に届かないくらい。髪の色は黒。
 プロキアム・シティ展望台近くの宿屋の娘。この町の魔道士協会評議長 ・クラーク=サンドリットの息子、マーカスと、 ものすごいバカップルだった。その度合いは、街の商工会長が「風紀が乱れる」 と恋人の縁切り業者に依頼するぐらい。細腕のわりには、強い力を持っている。
 毎日、『偶然』通りで出会って運命の高さを確かめて、いっしょに朝食。そのあと一旦別れて それぞれのしごとをして、昼に、街はずれの湖で運命の再会をして、砂浜で追いかけっこ。昼から やっぱりしごとに戻って、夕方、中央公園でばったり出会ってデートと夕食。展望台で星を見ながら 愛を語る、というのが、ひと月ほどの日課になっていた。カップルの王道、「捕まえてごらん なさぁぁい♪」「あははは、こぉいつうぅぅ♪」とゆーのを、毎日やっても飽きない、ある意味立派 なヒト。
 二人の愛し合う姿は、なぜか思い込みの激しい人間には感銘を与えるらしく、マーカスの父親の クラークや、二人を別れさせる仕事を請けたギルメジアルロウグまでをも改心させてしまった。